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俳句的生活

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ネット投句(2022年3月15日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2022年4月12日 作成者: KAI2022年4月12日

・ロシアによるウクライナ侵略の句あまた。
・スローガンにならないようにご注意ください。
・ウクライナの歴史と国民性については
 シェフチェンコ詩集『ゴブザール』(群像社)をお読みください。
 シェフチェンコは19世紀の人、ウクライナの国民的詩人です。
・旧かな、きちんと。
・てにをは、推敲を。

【特選】
山の匂ひ海の匂ひ北窓開く     北海道 芳賀匙子
・の、必要。
菜の花の熱気の中を歩みゆく    千葉  谷口正人
・けり
機嫌よくサーファーを待つ春の海  神奈川 三浦イシ子
我が終の歳時記なりや春届く    石川  松川まさみ
世界戦聞くだに寒き春の日々    長野  金田伸一
初蝶来ウクライナの野遥けしや   岐阜  三好政子
以下同文の卒業証書戴きぬ     岐阜  辻雅宏
万作の笑ひころげる深空かな    岐阜  梅田恵美子
退院の服のゆるさや春の風     愛知  宗石みずえ
十一年彷徨ひつづけ流し雛     愛知  青沼尾燈子
子猫来る悔い多き子育ての後    京都  吉田千恵子
新婚のごときはなやぎ春キャベツ  大阪  安藤久美
ミモザ咲く大学やめて戦場へ    大阪  木下洋子
空爆のなき空選べ帰る雁      大阪  澤田美那子
たくあんに演歌聞かせる日永かな  和歌山 玉置陽子

古志広島ズーム句会(2022年4月10日)

俳句的生活 投稿日:2022年4月11日 作成者: KAI2022年4月11日

第一句座              
・矢野京子選 
【特選】
その先に戦場がある春の雲        石塚純子
一匹の心の鬼と花見せん         高橋真樹子
今生の花に埋もれて塵となる       城山邦紀
戦争がぬつと顔出す朧かな        安藤文
【入選】
ひと息に剝ぐ花鳥賊のうすごろも     神戸秀子
ひやひやと袖とほしたり花衣       長谷川櫂
花よりも花や乙女の花衣         ストーン睦美
幾万の涙と思ふ飛花落花         ももたなおよ
雁高く羽ばたけど帰る故郷なし      岡村美紗子
空へ身を投げ出して飛ぶ雀の子      夏井通江
空色の春風が吹く十六階         夏井通江 
春泥を踏めばどこまで沈む靴       岡村美紗子
初燕ふるさとの山めじるしに       菅谷和子
食べられし穴のありけり桜貝       飛岡光枝
身ごもれる埴輪の女目借時        大場梅子
眠たげな春の筍掘りにけり        斉藤真知子
無残なり何もかもけふ春らしく      長谷川櫂
眩しさに目を閉じ入学写真かな      神戸秀子
      
・長谷川櫂選 
【特選】
そこここに立てる十字架春野かな     米山瑠衣
一匹の心の鬼と花見せん         高橋真樹子
空へ身を投げ出して飛ぶ雀の子      夏井通江
空色の春風が吹く十六階         夏井通江   
【入選】
蒲公英も十字架も踏み潰しゆく      米山瑠衣
甘茶寺きぶしの花のその奥に       神戸秀子      
春の潮鳴つてヴィーナスうまれけり    菅谷和子
春泥を踏めばどこまで沈む靴       岡村美紗子
大国が小国呑みて行く春ぞ        大平佳余子
亡きひとの座を真ん中に花筵       ももたなおよ
眠たげな春の筍掘りにけり        斉藤真知子  
木切れ二本十字に結はへ戦地の春     原京子

第二句座(席題:紫木蓮、燕)
・矢野京子選 
【特選】
つばくらやここから「大和」見たと母   河本秀也
胸中に炎たちたり紫木蓮         大平佳余子
紫木蓮厨に今日は父が立ち        安藤文
初燕来りてわが空あらたまる       矢田民也
【入選】
たちまちに少女は老いぬ紫木蓮      菅谷和子
魚さばく手元鮮やか紫木蓮        飛岡光枝
紺碧の空に点あり初燕          ストーン睦美
大空を切り裂いて来る初燕        城山邦紀
朝練の少女見上げる初燕         菅谷和子
亡き母の齢を越えし紫木蓮        斉藤真知子
夕燕母待つ家のいまはなく        大場梅子

・長谷川櫂選 
【特選】
あけぼのの空にちからや紫木蓮      高橋真樹子
生き生きて先の見えずや紫木蓮      上松美智子
戦場となりしをしらず燕くる       大平佳余子
【入選】
激流のしぶきかすむる燕かな       石塚純子
玄関を出るに燕の糞跨ぎ         斉藤真知子
莟めれば朝な夕なの紫木蓮        矢田民也

花のズーム句会 2022年4月3日

俳句的生活 投稿日:2022年4月4日 作成者: dvx223272022年4月5日

第一句座
・上田忠雄選
【特選】   
咲き満ちて己に溺る桜かな    山本桃潤
百歳の花守唄ふ反戦歌      喜田りえこ
花冷えの十万トンや汚染水    北側松太
花筵畳まれしまま三とせあり   齋藤嘉子
【入選】   
初花や雪にかがよふ守門岳    上田悦子
うたた寝の我に花散る思ひあり  飛岡光枝
葛切りをつるりと喉に花の雲   青沼尾燈子
百畳の座敷を浮かべ花ふぶく   長谷川櫂
身ひとつ花より白く嫁ぎ来し   安藤久美
楽に寝よ逃れ来てこの花の国   齋藤嘉子
花筵一枚背負つて吉野山     飛岡光枝
花疲こそなつかしや吉野山    澤田美那子
胃を切りて今はすこやか花疲れ  北側松太
枝から枝目白の揺らす花の空   梅田恵美子

・長谷川櫂選
【特選】   
今朝咲きし花を見つけに朝桜   上田雅子
中空の花の広間へ降りてゆく   田村史生
妻の花開くを待つや桜漬     稲穂雄二
滝桜闇の奈落へ滝落とす     宮本みさ子
人踏まぬ道もあるべし花の山   川辺酸模
花筵一枚背負つて吉野山     飛岡光枝
【入選】   
花冷えの水をはつしと鯉が打つ  喜田りえこ
まぼろしの花の句会や吉野建   斉藤真知子
青むまで包丁研がむ初桜     玉置陽子
身ひとつ花より白く嫁ぎ来し   安藤久美
西行忌妻子恋しき日のあらむ   木下洋子
干しながら売る春子など戸板上  西川遊歩
緩やかに揺るる光や花しづか   越智淳子
どの枝も花ばかりなり大桜    おほずひろし
花疲こそなつかしや吉野山    澤田美那子
はなびらや吉野の空を駆けめぐる 梅田恵美子
胃を切りて今はすこやか花疲れ  北側松太
花筵畳まれしまま三とせあり   齋藤嘉子
被曝して藍の脂垂れ桜樹皮    宮本みさ子

第二句座
・上田忠雄選
【特選】    
花見弁当広げる横に赤ん坊    越智淳子
深閑と原爆ドーム花の中     川辺酸模
ゆさゆさと花の雲より青不動   喜田りえこ
城ひとつ浮かべて花のうねりかな 安藤久美
【入選】   
野良着とて花に安らふ花衣    齋藤嘉子
吹きだまるくれなゐ淋し桜しべ  梅田恵美子
によつぽりと蛙顔出す花筏    齋藤嘉子
百年の菓子舗に山と桜餅     花井淳
花びらや白湯で飲み込む陀羅尼助 玉置陽子
今散りし花をのせたり花筏    斉藤真知子
花会式鬼の天下の通りかな    宮本みさ子
思ひ出のままに古びよ花の宿   長谷川櫂
湯にほどく命ひとつや花の夜   安藤久美
花びらをぬぐうて春の筍を    長谷川櫂
次の世は花に生まれてくるもよし 斉藤真知子

・長谷川櫂選
【特選】   
土偶にも乳房二つや花ぐもり   北側松太
象谷へ遅日の桜見に行かん    上田忠雄
腸の花のかほりや山女魚鮓    喜田りえこ
【入選】   
山頭火乞食姿は桜かな      山本桃潤
この国をさまよふてゐる花吹雪  上田雅子
引返す花人もあり金峯山     田村史生
深閑と原爆ドーム花の中     川辺酸模
一枝は田の神さまへ山桜     喜田りえこ
家系図は鬼に始まる桜守     稲穂雄二

古志仙台ズーム句会(2022年3月21日)

俳句的生活 投稿日:2022年3月29日 作成者: dvx223272022年3月29日

・第一句座              
長谷川冬虹選
【特選】
水温む象より若き象使ひ           森凛柚
人さらひゐるやも知れず桜陰         平尾福
傾ぎつつ大渦潮の回るなり          長谷川櫂
鉄棒の錆のにほひや卒業子          佐伯律子
春風やデスクはみ出す世界地図        森凛柚
【入選】
焼くのにも埋めるにも許可春の雪       三玉一郎
夜ノ森(よのもり)を桜並木とフレコン列と  鈴木伊豆山
水に飛び一戦(ひといくさ)して蛙いま    鈴木伊豆山
すいと押してこの世の外へ流し雛       長谷川櫂
蛤は世の愚かさに口を閉ぢ          辻奈央子
春寒し国境の子の白き頬           服部尚子
時差のなき隣国へ来て初桜          森凛柚
途中から素手で取り込む上り簗        石川桃瑪
父母に逆上がり見せ卒園す          佐伯律子
生まれきて地獄に煮ゆる寒卵         長谷川櫂

長谷川櫂選
【特選】
大き字の歳時記買うて春うごく        阿部けいこ
七十余年隻眼で見る春の山          青沼尾燈子
春泥のまたぎきれない広さかな        伊藤寛
覚めやらぬ豊かないのち朝寝妻        上村幸三
老いらくの命遊ばせ朝寝かな         川辺酸模
【入選】
飴山忌茅花一むれ供花とせん         上村幸三
冴返る日本列島夜の地震           川辺酸模
春の夢ずたずたにして震度六         石原夏生
大地震の花綵列島春の闇           石川桃瑪
春の地震追悼集会せしばかり         及川由美子
遠望すアルプスの嶺龍太の忌         青沼尾燈子
靴ズボン髪の中まで春の泥          齋藤嘉子
鉄棒の錆のにほひや卒業子          佐伯律子
雪囲ひ外して夜の地震あり          武藤主明
(ロシア兵に)銃捨てて鍬もて起こせ春の土   長谷川冬虹

・第二句座(席題=春筍、彼岸、柳)
長谷川冬虹選
【特選】
ほこほこと春一寸の筍よ           長谷川櫂
足裏にこつり筍春の山            川辺酸模
辻々に親子で舞ふや彼岸獅子         武藤主明
春筍やくづさぬやうにのどぼとけ       三玉一郎
父居れば届きし頃か春筍           佐伯律子
【入選】
あつちなめこつちなめして彼岸餅       佐伯律子
お隣の墓にも一輪入り彼岸          及川由美子
彼岸寺地震の所業の無残かな         石原夏生
店先へ豆煮る匂ひ入り彼岸          石川桃瑪
花嫁の舟の分けゆく柳かな          齋藤嘉子
春筍ともち米提げて現れぬ          及川由美子
街なかに水の記憶の柳かな          服部尚子
姫竹の皮ゆびにはめ小鬼くる         服部尚子

長谷川櫂選
【特選】
彼岸餅少しづつ水練り込みぬ         宮本みさ子
手に隠るほどの春筍いのちなが        齋藤嘉子
辻々に親子で舞ふや彼岸獅子         武藤主明
あの日から喪服のままの彼岸かな       三玉一郎
街なかに水の記憶の柳かな          服部尚子
【入選】
あつちなめこつちなめして彼岸餅       佐伯律子
北上川の柳うらやむ柳かな          石原夏生
お彼岸や閼伽桶すべて新しく         佐藤和子
マスクしてお斎もなしの彼岸かな       川辺酸模
灯ともすや柳の下の古屋台          伊藤寛
あかんぼを食べるがごとき春筍よ       長谷川冬虹
ふる里を離れて長し彼岸かな         阿部けいこ
花嫁の舟の分けゆく柳かな          齋藤嘉子
温燗に春筍の小鉢かな            伊藤寛

俳句の相談/夏蜜柑は夏の季語か?

俳句的生活 投稿日:2022年3月28日 作成者: KAI2022年3月28日

【相談】
かなり前から、近所の垣根越しに大きな夏蜜柑が垂れ下がっています。こんなに大きくなって夏まで保つのかな、とはらはらしています。歳時記には夏の季語とされていますが、冬あるいは春の季語にもなるような気がします。歳時記に従わなければなりませんか?

【回答】
たしかにそうですね。この問題を考える大前提として、まず次のことを念頭に置いてください。

科学的事実は文学とは異なること。科学と文学の間にいつも一線を引いておいてください。いいかえれば文学は科学的事実に縛られない。自由な文学においてはつねに創造力(想像力)こそ大事です。科学と文学は日本的リアリズムいわゆる写生を基本に置いてきた明治以降の俳句ではしばしば混同されがちですが、俳句も文学ですから科学的事実に縛られません。

歳時記にある季語についても同じことがいえます。科学に従うのであれば、亀鳴く、雪女などの季語はそもそもあってはならない。また朝顔は梅雨ごろから咲いているので夏の季語かというと秋の季語です。これが文学です。

問題の夏蜜柑は翌年の初夏に熟するので、そう呼ばれています。夏の蜜柑が珍しいからでもあり、その酸味が初夏にこそふさわしいからでもあります。温州蜜柑などふつうの蜜柑は秋から食べられますが、秋ではなく冬の季語にしているのと同じです。そもそも夏蜜柑と呼びながら冬や春の季語というのは変ではありませんか。

夏蜜柑の花も初夏の季語です。白い花と黄色の実がいっしょに木にある、これが夏蜜柑という季語の風景です。

劇団あはひ「流れる」を上演

俳句的生活 投稿日:2022年3月22日 作成者: KAI2022年3月28日

早稲田大学生を中心にした劇団あはひから4月に「流れる」と「Letter」を東京芸術劇場シアターイースト(池袋)で上演しますというお知らせが届きました。

このうち「流れる」(作、演出=大塚健太郎)は能「隅田川」を題材に『おくのほそ道』や「鉄腕アトム」を大胆に融合させ、CoRich舞台芸術まつり!2019春で学生団体で初めてグランプリを受賞した作品の再演です。今回は東京芸術劇場が若手演劇団体を推薦する「芸劇eyes」での上演です。

劇作において『100分de名著 松尾芭蕉 おくのほそ道』、『古池に蛙は飛びこんだか』、『「奥の細道」をよむ』をはじめとする著書を参考にしたとあります。

劇団あはひは2018年、早稲田大学在学中のメンバーを中心に結成、能やシェイクスピア劇といった東西の古典をリミックスし、現代の新たな演劇として呈示しつづけています。2020年には演劇のメッカ下北沢の本多劇場で「史上最年少公演」をしました。

<公演概要>
劇団あはひレパートリー上演「流れる」と「Letters」
日程:2022年4月3日(日)〜10日(日)
会場:東京芸術劇場シアターイースト(〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1)

「流れる」
原案:松尾芭蕉「おくのほそ道」
作・演出:大塚健太郎
出演:上村聡 中村亮太 鶴田理紗 踊り子あり 古瀬リナオ

そこは隅田川のほとり。
松尾芭蕉が、弟子を伴ってまさに旅に出立しようとしている。のちに「おくのほそ道」と題され、紀行文学の傑作として語り継がれることになるその旅は、舟の出航の遅れによって未だ始まっていない。
舟を待つ芭蕉たちが出会うのは、ロボットの少年や、正体不明の女。彼女らと過ごすうちにやがて立ち現れるのは、ある哀しい真実でー。

「Letters」
作・演出:大塚健太郎
出演:古瀬リナオ 安光隆太郎 渋谷采郁 松尾敢太郎

公演日程:2022年4月3日(日)〜10日(日)
3日 18:00『流れる』
4日 19:00『流れる』
6日 19:00『Letters』
7日 19:00『流れる』
8日 19:00『Letters』
9日 14:00『流れる』/ 19:00『Letters』
10日 14:00『Letters』

全席自由(整理番号付き)
1作品料金 一般:4,000円 U25:2,500円 高校生以下:1,000円
2作品セット券:6,000円

詳細:https://gekidanawai.com/works/geigeki-eyes/

「山廬」で第8回碑前祭の俳句募集

俳句的生活 投稿日:2022年3月21日 作成者: KAI2022年7月4日

飯田蛇笏、龍太ゆかりの山廬では第8回碑前祭の俳句を募集しています。山廬文化振興会主催、山梨県共催。

・B5用紙に2句(自作未発表)を書いて、6月30日(木)必着で碑前祭事務局へお送りください。郵便番号、住所、氏名、電話番号を明記。
・選者=井上康明、黒田杏子、瀧澤和治、長谷川櫂、飯田秀實
・投句料=1000円。郵便振替、現金書留、定額小為替。
・発表=10月2日(日)碑前祭
・投句の送り先、問い合わせなど、詳しくは山廬のホームページを。

古志金沢ズーム句会(2022年3月20日)

俳句的生活 投稿日:2022年3月21日 作成者: dvx223272022年4月3日

第一句座(当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
春川を越え難民となりにけり      稲垣雄二
和する声和する心の春かすみ      中野徹
鷺の巣の小松ならぶや飴山忌      近藤沙羅
日常のなくなる怖さ南瓜蒔く      近藤沙羅
泰然と雲浮かみたり飴山忌       松川まさみ
北窓を開かば戦火死者の声       松川まさみ
晨朝の一経ささぐ実の忌        泉早苗
赤子包むうすき毛布や余震なほ     安藤久美
国を越え難民となる春ショール     稲垣雄二
春の水満たす俳句の器かな       趙栄順
吹き下ろす雪解の風や飴山忌      梅田恵美子
月おぼろ我もおぼろや飴山忌      中野徹
たんぽぽ一つ又一つ戦車くる      酒井きよみ
【入選】
啓蟄や虫はすぐさま戦ひに       間宮伸子
臈長けて加賀の銘菓や飴山忌      佐々木まき
春の水手にほとばしる實の忌      安藤久美
鮮しきことば湧くべし飴山忌      松川まさみ
戦火から逃れる人に春颯        近藤沙羅
一滴の水花となれ二月堂        趙栄順
紀ノ川の苔の香あをき小鮎かな     玉置陽子
春の月人類はいま崖つ縁        酒井きよみ
父母の一世をおもふ彼岸かな      橋詰育子
春一番二番三番血の匂い        松川まさみ
實忌の雪しろけぶる能登の岸      玉置陽子
金沢の野花あふれしめ実の忌      泉早苗
初花の空に白山實の忌         稲垣雄二
飴山忌四高寮歌の夫の声        密田妖子
啓蟄や瓦礫の山の大地いま       藤倉桂

・長谷川櫂選
【特選】
干鰈炙れば花の骨身かな        玉置陽子
初花の空に白山實の忌         稲垣雄二
なかなかな朝寝なるかな卯辰山     泉早苗
【入選】
啓蟄や虫はすぐさま戦ひに       間宮伸子
フラスコに新たな命飴山忌       氷室茉胡
戦火から逃れる人に春颯        近藤沙羅
飴山忌風の大樹に詩のひびき      松川まさみ
戦あるな戦ぞあるな飴山忌       鬼川こまち
日常のなくなる怖さ南瓜蒔く      近藤沙羅
泥まみれの震へる捕虜や春の風     稲垣雄二
ぐひ吞みに花も散りこめ飴山忌     佐々木まき
泰然と雲浮かみたり飴山忌       松川まさみ
大阪の雪めづらしや實の忌       安藤久美
白山の深きふところ飴山忌       密田妖子
椅子ひとつ庭にもち出す初桜      橋詰育子
春一番二番三番血の匂い        松川まさみ
人としてのこころ育てよ種浸し     山本桃潤
墓に酒そそぎしことも實の忌      酒井きよみ
たんぽぽ一つ又一つ戦車くる      酒井きよみ
紅梅の空に白山飴山忌         梅田恵美子

第二句座(席題=苗札、目刺)
・鬼川こまち選
【特選】
志に痩せてはならじ目刺焼く      長谷川櫂
目刺食む戦禍の国のニュース見つ    泉早苗
藁しべを取る時目刺し痛からん     間宮伸子
戦場へ続く青空目刺焼く        稲垣雄二
目刺し焼く瓦礫の街を思ひつつ     梅田恵美子
目玉なき目より焦げたる目刺かな    玉置陽子
【入選】
目刺焼く焦げし頭をひとかじり     中野徹
目刺し焼く足元すぐに猫の来る     梅田恵美子
苗札をはじきて水のかがやけり     安藤久美
苗札と違ふ花咲くことも又       橋詰育子
潮風へラインダンスの目刺かな     玉置陽子
苗札も鉢も小さし山野草        酒井きよみ
苗札に園児の名のある花壇かな     中野徹
苗札をはみ出しさうなちゆーりつぷ   田村史生
食ふに惜し藍うつくしき目刺かな    近藤沙羅
苗札やこの世の夢を託しつつ      田中紫春
目刺焼く写真の君は煙だけ       稲垣雄二
尾頭の炭となりたる目刺かな      趙栄順
苗札の花は言葉を聞いて咲く      中野徹

・長谷川櫂選
【特選】
父に生干しあとは固干し目刺買ふ    酒井きよみ
目玉なき目より焦げたる目刺かな    玉置陽子
太閤が天守で目刺やく煙        山本桃潤
【入選】
御御足にふるる涅槃の風やさし     田中紫春
苗札と違ふ花咲くことも又       橋詰育子
新しき苗札一つ實の忌         梅田恵美子
うすれたる苗札覆ぶ雑草よ       密田妖子
藁しべを取る時目刺し痛からん     間宮伸子
一人なる昼餉や目刺けぶらせて     橋詰育子
苗札は鳥の墓標となりにけり      稲垣雄二
戦場へ続く青空目刺焼く        稲垣雄二
愛すべき無冠の夫へ目刺かな      鬼川こまち
尾頭の炭となりたる目刺かな      趙栄順
目刺し焼く瓦礫の街を思ひつつ     梅田恵美子
ばりばりと目刺を食うて我励ます    近藤沙羅

ネット投句(2022年2月28日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2022年3月18日 作成者: KAI2022年3月19日

・意味不明の句多すぎ。
・第一にわかる句であること。
・第三者の目で見直すこと。そこから推敲がはじまる。
・ただし説明にならないように。
・俳句は詩(文学)であることをお忘れなく。
・旧かな、めちゃくちゃ、自分で。

【特選】
九十余歳母に半膳菜飯かな    宮城  長谷川冬虹
・歳、不要。
春昼や画面の向うから戦車    茨城  馬場小零
花いつさい捨てて静かな椿かな  東京  神谷宣行
・椿の木
縄文のひとみな裸足春の泥    東京  長井亜紀
一頁目の一行目一文字春     東京  長井亜紀
春の雪ほどの重さを納骨す    神奈川 三玉一郎
春寒し言はれた通り拾ふ骨    神奈川 三玉一郎
村一つ飲み込む雪崩あと静寂   新潟  高橋慧
なにがなしあはれ二月の昼の雪  長野  金田伸一
鳥獣供花を手に手に涅槃像    京都  佐々木まき
戦争へ続く空あり白木蓮     和歌山 玉置陽子
君を知る前の渚へ朝寝かな    和歌山 玉置陽子
涅槃図や花の涙の溢れをり    和歌山 玉置陽子

古志鎌倉ズーム句会(2022年3月13日)

俳句的生活 投稿日:2022年3月14日 作成者: 田中 益美2022年3月14日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
種袋取り出してくる飴山忌    澤田美那子
マトリョーシカ目耳口きえ春寒し 仲田寛子
幸せな朝寝などなき世界かな    森永尚子
鬱勃と空はミモザの花盛り    葛西美津子
窓開けて耳すましたる震災忌   藤原智子
卒業の声なき歌よ花となれ    藤原智子
枝垂れ梅戦争なんぞ知らぬかに  吉田順子
難民の列春の彼方へつづきけり  長谷川櫂
三月十一日あの夜も聴きしオルゴール 森永尚子
悪夢より覚めても悪夢残る雪   木下洋子
春風が吹いて戦争起こりけり   長谷川櫂
春ある日国境に戦車現れき    長谷川櫂
【入選】
飴山忌高きところに花辛夷    おほずひろし
能登はいま花の時雨か飴山忌   神谷宣行
戦場や毛布に眠る赤ん坊     長谷川櫂
飴山忌石見は辛夷咲くころか   木下洋子
明日来るを信じて眠る子猫かな  木下洋子
白山の花にさきがけ飴山忌    園田靖彦
ずぶりと手入れて花烏賊洗ひけり イーブン美奈子
梅にほふ谷戸みな寺につきあたり 金澤道子
防空壕に潜みし記憶花薺     澤田美那子
青は風黄色は光るウクライナ   関根千方

•長谷川櫂選
【特選】
水温む土手歩みくる影法師    おほずひろし
白山の花にさきがけ飴山忌    園田靖彦
沈め置く粗砥(あらと)ずつしり春の水 西川遊歩
水の空仰ぎ飴山實の忌      葛西美津子
墨香る花の便りや春きたる    魚返みりん
【入選】
能登はいま花の時雨か飴山忌   神谷宣行
草に木に恵みの雨や実の忌    曽根 崇
實忌の蕾ふくらむ花辛夷     喜田りえこ
ハリコフの瓦礫の空を囀れり   萬燈ゆき
飴山忌戦あるなと詠みたまふ   吉田順子
能登瓦濡らす春雨實の忌     西川遊歩
朧夜の寝間へ降りゆく吉野建   わたなべかよ
飴山忌石見は辛夷咲くころか   木下洋子
ゆつたりと頁に一句飴山忌    わたなべかよ
飴山忌辛夷の花の咲き初むる   わたなべかよ
悪夢より覚めても悪夢残る雪   木下洋子
手に残る花のつめたさ利休の忌  藤英樹
独裁者人類の春踏みにじる    藤英樹
木蓮の莟ひかるや飴山忌     藤原智子
白山の雪嶺おろし飴山忌     湯浅菊子
起上小法師さ揺らし實の忌    仲田寛子

第二句座(席題:北窓開く、フリージア)
•藤英樹選
【特選】
ぞくぞくと武器渡る海フリージア イーブン美奈子
フリージア希望の色を失はず   関根千方
フリージア若き娘のさざめきに  澤田美那子
北窓開く見慣れし山の懐かしく  木下洋子
北窓をあけ俳諧の風入れん    萬燈ゆき
北窓を開け西脇の詩をうたふ   西川遊歩
フリージア子と孫のため戦場へ  木下洋子
【入選】
北窓を開きても春来ぬ国よ    イーブン美奈子
わが俳句拓く北窓開けにけり   萬燈ゆき
少女から少女に渡すフリージア  森永尚子
北窓開く埃は空に帰りけり    藤原智子
フリージアの香り浴びたりオール漕ぐ 神谷宣行
北窓を開き煙の浅間山      神谷宣行
フリージア離れ離れになる妻へ  木下洋子
フリージア戦車に踏ませてはならじ 仲田寛子
フリージア香る机に転校生    葛西美津子
北窓を開くや潮鳴り迫りくる   曽根崇
北窓を開けば外に鳥のこゑ    おほずひろし

•長谷川櫂選
【特選】
北窓を開きても春来ぬ国よ    イーブン美奈子
一筆啓上北窓を開きたり     長井はるみ
【入選】
わが俳句拓く北窓開けにけり   萬燈ゆき
妻のせしやうに北窓開きけり   藤英樹
フリージア離れ離れになる妻へ  木下洋子
フリージア香る机に転校生    葛西美津子
北窓を開ければ瓦礫の街であり  喜田りえこ
停戦を叫ぶ北窓開けてあり    升谷正博

 

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読売新聞「四季」から

麗けき大福餅のほとりかな     相生垣瓜人

 大福には人を幸せにする力がある。鏡餅の威厳もなく、桜餅の色香があるわけでもないが、白粉をはたいたあの福顔にまみえると、誰でも相好がゆるむだろう。それに大と福、たった二文字の、この命名のすばらしさ。「麗か」は春の季語。
『負暄』

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    • 3月22日(日)金沢ズーム句会
    • 3月28日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
    • 3月29日(日)仙台ズーム句会
    • 4月4日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
    • 4月5日(日)広島ズーム句会
    • 4月11日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 4月12日(日)鎌倉ズーム句会
    • 4月13,14日(月、火)吉野山句会
    • 4月19日(日)金沢ズーム句会
    • 4月26日(日)太宰府天満宮奉納全国俳句大会
    • 4月29日(水、昭和の日)仙台ズーム句会

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    『俳句と人間』(3刷)
    岩波新書
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    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
    NHK出版
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    2014年10月刊行


    『四季のうた 美しい日々』
    中公文庫
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    2022年1月刊行


    句集『太陽の門』
    青磁社
    2200円+税
    2021年8月刊行


    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
    800円+税
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    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
    800円+税
    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年11月刊行


    『歌仙一永遠の一瞬』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2200円+税
    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
    辻原登、永田和宏、長谷川櫂
    中公新書
    880円+税
    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
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    『沖縄』
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    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
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    2015年2月刊行


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