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俳句的生活

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古志鎌倉ズーム句会(2026年4月5日)

俳句的生活 投稿日:2026年4月6日 作成者: 田中 益美2026年4月6日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
花筏東京湾のくらきへと         森永尚子
無明なりソメイヨシノも戦争も      神谷宣行
清明の水あるところ牛生まる       イーブン美奈子
【入選】
孤心よりうたげへもどる花ふぶき     森永尚子
胸広げ言葉と遊ぶ大岡忌        土井頼温
葉を分けて米のとぎ汁春蘭に      澤田美那子
大岡忌天よりとどく春のうた      神谷宣行
春風に吹かれて白き柩かな       イーブン美奈子
葱坊主ペルシヤの塔の形かな      西川遊歩
春愁のずしりと重し断ち鋏       長谷川櫂
戦争の終りはどこに花の闇       木下洋子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
暗黒の東京湾へ花筏              森永尚子
声出して詩を諳ぜよ大岡忌       澤田美那子
恋文で文章鍛ふ大岡忌         西川遊歩
【入選】
富士山の上を浮き雲大岡忌       金澤道子
うたげから孤心にもどる桜かな     森永尚子
葉を分けて米のとぎ汁春蘭へ      澤田美那子
赤ん坊抱き上げられて花の中      藤原智子
龍宮の花の塵とや桜貝         金澤道子
教科書に「ことばの力」桜かな     木下洋子
春風に吹かれて白き柩ゆく       イーブン美奈子
白木蓮青空にゆれ大岡忌        おほずひろし

第二句座 (席題:鯥五郎、遅日)
•藤英樹選
【特選】
鯥五郎跳ねた拍子に釣られけり     木下洋子
球拾ふ一年生よ暮遅し         木下洋子
【入選】
むつ飛んで光る二つの眼玉かな     久嶋良子
追ひ追はれ遊ぶや恋の鯥五郎      長谷川櫂
遅き日や枝に雀のにぎやかな      金澤道子
むつごらう出てきてすぐに見失ふ    田中益美
長き橋わたり江ノ島暮遅し       金澤道子
豆腐屋のラッパ呼び止む遅日かな     葛西美津子
ぱちくりとこの世見渡す鯥五郎      木下洋子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
日と月と泥の一生むつごらう       森永尚子
【入選】
むつごらう戦厭ふて泥の中        きだりえこ
むつごろう泥の光をまきちらし      森永尚子
暮遅く鳴るや昭和の大時計        西川遊歩
鯥五郎穴より出でて穴に入る       藤英樹

古志鎌倉ズーム句会(2026年3月8日)

俳句的生活 投稿日:2026年3月9日 作成者: 田中 益美2026年3月13日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
おぼろ夜の匂ひとなりて父母は      森永尚子
今ごろは柳絮飛ぶころわが大連      園田靖彦
【入選】
三味線草摘みてなぐさむ日ありき     森永尚子
アネモネのまだ眠たげな莟かな      長谷川櫂
山姥の目を逃れてや流し雛        長谷川櫂
朝ぼらけ声嗄れ果てて猫の恋       久嶋良子
魞挿すや比良の青竹雪をはね       土井頼温
武蔵野や空のはづれに山笑ふ       関根千方
一椀のおぼろにひらく貝の殻       葛西美津子
くしやみして鼻の先より陽炎へる     関根千方

•長谷川櫂選     (推敲例)
【特選】
大甕の閑かな泥へ蓮根分           葛西美津子
【入選】
残生といへど長しよ雛飾る          澤田美那子
桜餅白波寄する由比ヶ浜           金澤道子
雪はねて比良の青竹魞を挿す         土井頼温

第二句座 (席題:烏貝、霞 )
•藤英樹選
【特選】
み吉野の霞の上に朝の句座        萬燈ゆき
ひそやかに蔵王のふもと烏貝       イーブン美奈子
きのふ雪けふは霞へ棹をさす       イーブン美奈子
【入選】
み吉野のわけても朝の霞かな       萬燈ゆき
百代の血筋なにやら霞かな        園田靖彦
烏貝こぼす真珠の小さきこと       越智淳子
からす貝バケツ一杯シェフが買ひ     西川遊歩
烏よりなほ黒々と烏貝          長谷川櫂
遠霞目覚めの近き吉野山         澤田美那子
烏貝いまだ冷たき泥の中         森永尚子
鬱然と泥の中から烏貝          長谷川櫂
山襞をそろりそろりと霞かな       葛西美津子
戦中はありがたかりしを烏貝       澤田美那子

•長谷川櫂選 (推敲例)

【特選】
戦乱の世を逃れてや烏貝           関根千方
烏貝つめたき泥を舐めゐしか         関根千方
烏貝一つ冷たき泥の中            森永尚子
戦中はありがたかりき烏貝          澤田美那子
【入選】
なんとまあ真珠を抱いて烏貝        神谷宣行
烏貝こぼす真珠の小さきこと        越智淳子

古志鎌倉ズーム句会(2026年2月8日)

俳句的生活 投稿日:2026年2月9日 作成者: 田中 益美2026年2月9日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
ものの芽や凍つて融けてまた凍る   木下洋子
光る波つんと突きたる鱵かな     神谷宣行
雪の日も訪問介護ありがとう     吉田順子
【入選】
地球いま悪鬼はびこる豆を打つ    西川遊歩
吹かれては花と散らばる薄氷     葛西美津子
流氷や巨人の背骨軋ませて      森永尚子
辛夷の芽雪あたたかくのせるなり   佐藤森恵
にぎやかな雀の声や寒明くる     金澤道子
お隣の掃除機の音春の音       藤原智子
椿落つ三千世界轟かし        きだりえこ
天神の御守り胸に受験の子      吉田順子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
吹かれては花びらになれ薄氷         葛西美津子
椋鳥の声さわがしき余寒かな     藤英樹
春立つや道でばつたり長話      田中益美

【入選】
薄氷は水の花びら春を呼ぶ      神谷宣行
笹鳴や熊笹にかほ切らるるな     葛西美津子
田の神に踏まれ小突かれ田螺ころ   関根千方
お隣の掃除機の音春の音       藤原智子

第二句座 (席題:片栗の花、兜太忌)
•藤英樹選
【特選】
堅香子にさぞ重からんけさの雪     イーブン美奈子
摘みたしや片栗の花そのままに     田中益美
少年に銃をとらすな兜太の忌     木下洋子
【入選】
熊絶えて狼絶えて兜太の忌      藤原智子
渋谷かつて片栗の咲く谷なりき    長谷川櫂
兜太忌や俳句はどんと作るべく    仲田寛子
かたかごの花が弔ふ山河かな     森永尚子
ごつとある秩父の土くれ兜太の忌   きだりえこ
秩父の地叫ぶ日のあり兜太の忌    佐藤森恵
片栗の花の初めは山廬より      長谷川櫂
訪ねばやかたかごの咲く越中を    仲田寛子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
兜太忌の甚平鮫に会ひにゆく     イーブン美奈子
かたかごの花の弔ふ山河かな     森永尚子
【入選】
兜太忌や泥の中より抒情の詩     神谷宣行
堅香子にさぞ重からんけさの雪    イーブン美奈子
君恋へばかたくりの花そこここに   イーブン美奈子
兜太忌や兜太さながら武甲山     藤英樹
兜太忌やサラリーマンのなれのはて  土井頼温
頂上は低き山なり片栗の花      田中益美
ゲレンデは今かたくりの花ざかり   金澤道子
カタクリの花躍らせてゐる斜面    西川遊歩

古志鎌倉ズーム句会(2026年1月11日)

俳句的生活 投稿日:2026年1月12日 作成者: 田中 益美2026年1月12日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
大寒の竹伐る音を山廬かな        長谷川櫂
寒立馬黒き目に雪降りしきる       葛西美津子
御降の音消ゆ加賀の甃          神谷宣行
【入選】
春立つや名も馥郁と酒匂川       長谷川櫂
九十九髪にも初髪の思ひあり       澤田美那子
七種や百歳へ向け旅支度        神谷宣行
冬晴や枝を鳴らして四十雀       長谷川櫂
大寒の竹林射貫く光りかな       葛西美津子
能登暮れて更地のなかの冬灯      関根千方
雪の舞ふ十日戎の人の中         木下洋子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
食うて寝て炬燵地獄をぬけられず    田中益美
待ちわびし全句集あり大旦       木下洋子
節料理あとは人生ゲームかな      田中益美
【入選】
強きものからありつきぬ寒施行     園田靖彦
初髪や九十九髪にも思ひあり      澤田美那子
七種や動き出したる大クレーン     おおずひろし
毎年や心底冷ゆる宵戎         木下洋子
雪舞ふや十日戎の人の上        木下洋子
福笹は欲の数だけ重くなり       澤田美那子
力こめて搗きたての餅實の句      きだりえこ
まつ白な富士山立てり年新た      金澤道子

第二句座 (席題:氷魚、暖房)
•藤英樹選
【特選】
雪原を切り裂いてゆく暖房車       おほずひろし
うつすらと昼の月あり氷魚汲む     金澤道子
微かなる命にくもる氷魚かな      長谷川櫂
【入選】
犇めきて目玉ばかりや氷魚の群     きだりえこ
石油ストーブいつも薬缶のお湯がわき  吉田順子
宿の犬暖炉の我をかぎまはる      森永尚子
東京へ皆うたたねの暖房車       おほずひろし
いちまいの鱗すらなき氷魚かな     関根千方
氷魚漁の氷の舟を上がりけり      イーブン美奈子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
日の光月の光を氷魚かな        藤原智子
雪の白氷の白や氷魚汲む        葛西美津子
湖の水の色なる氷魚汲む        金澤道子
【入選】
ストーブの前に手かざす一家族     仲田寛子
満州の家ぬくかりし暖炉かな      森永尚子
着いてすぐ暖炉へ山のホテルかな    仲田寛子
東京へ皆うたたねの暖房車       おほずひろし
氷魚汲む四角の網の軽さかな      土井頼温
暁の氷魚奉る弁財天          澤田美那子
比良山の雪より白き氷魚かな      きだりえこ
人は去り暖房だけが動くかな      田中益美

古志鎌倉ズーム句会(2025年12月14日)

俳句的生活 投稿日:2025年12月15日 作成者: 田中 益美2025年12月15日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
元日の光たしかむ石たたき       森永尚子
鋤焼や二手に分かれ買い物へ      藤原智子
すこやかに腸動く初寝覚        長谷川櫂
【入選】
狐罠氷れる音のしたりけり       葛西美津子
七度目のうま年の春ありがたき     吉田順子
米撒けば今日はかはいい初雀      田中益美
すこし前ゆくじろさんの冬帽子     金澤道子
冷ましをり今年の出来の鏡餅      イーブン美奈子
縄跳びの大波抜けて帰らざる      西川遊歩
歯の隙に挟むごまめの目出度けれ    仲田寛子

•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
これよりは音信不通冬ごもり           園田靖彦
世界中の戦集めて大焚火         きだりえこ
箱ひらき花の吐息の花びら餅       森永尚子
【入選】
やはらかな光の音の初手水       関根千方
百歳の誉れの臼を飾りけり       澤田美那子
元日や光を叩く石たたき        森永尚子
冬の夜やごとごと響く食洗機      藤原智子
薄々と花の色あり冬桜         葛西美津子
狐罠氷の音の弾けたり         葛西美津子
破れ破れて芭蕉実をなす日和かな    萬燈ゆき
一塊の氷をくだき花の墨        きだりえこ
加湿器の湯気のかすかな夜の音     澤田美那子
冬晴や極彩色のアドバルーン      田中益美
老いたれど皆顔見世の役者かな     藤英樹
てのひらで煤を練りては寒の墨     きだりえこ
歌舞伎座はイヤホンガイドで御慶かな  西川遊歩
鮟鱇の六腑を食うて人滅ぶ      神谷宣行
大縄跳大波抜けて帰らざりき      西川遊歩
引き揚げの命からがら菜雑炊      園田靖彦
初句会いざ鎌倉の心こそ        木下洋子

第二句座 (席題:襖、新年)
•藤英樹選
【特選】
ひとひらの雪舞ひ降りて四方の春    イーブン美奈子
ものの音白き襖に吸はれけり      長谷川櫂
はるかより馬のいななき年新た     仲田寛子
花の世を見てきし古き襖かな      長谷川櫂
【入選】
丹頂の雪原に降る年はじめ       土井頼温
いざ生きよ新しき年賜りて       神谷宣行
あらたまの玉のこころや俳句せん    萬燈ゆき
方丈の真白き襖開け放ち        木下洋子
襖絵やしばし家郷を彷徨へる      関根千方
あらたまの朝の光の白襖        澤田美那子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
よろよろと夫の写真と年迎ふ      金澤道子
紅梅の襖に替へる一間かな           木下洋子
【入選】
ひとひらの雪舞ひてより四方の春    イーブン美奈子
殺戮やぴしやりと閉める古襖      きだりえこ
紅梅や最晩年をおもしろく       澤田美那子
絵襖の貂か鼬か睨みをり        イーブン美奈子

古志鎌倉ズーム句会(2025年11月9日)

俳句的生活 投稿日:2025年11月9日 作成者: 田中 益美2025年11月9日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
荒々と冬の匂ひに抱かれけり     葛西美津子
子育ての日々の遥けき小春かな    萬燈ゆき
ありがたうばかりの母や花柊     関根千方
初鏡九十の覚悟問はれをり      澤田美那子
【入選】
こんなにも仏がおはす柿の秋     森永尚子
冬将軍早よ来て熊を眠らせよ     関根千方
年重ね夫婦は河豚に似てきたる    田中益美
毛筆で届く一筆初時雨        仲田寛子
ストーブやお尻まん丸赤ん坊     田中益美
綿虫やあれが母との最後の旅     萬燈ゆき
けさ冬のローズマリーに青き花    葛西美津子
表札は今も夫の名冬ぬくし      金澤道子
さりながらこの世まばゆし花びら餅  長谷川櫂
肩に落つ白髪払ひて冬に入る     仲田寛子
神のごと富士は立ちたり今朝の冬   神谷宣行

•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
荒々と冬の匂ひに抱かれけり     葛西美津子
翁ゆく時雨るる宇宙果てもなし    神谷宣行
退りゆく日差し大事に干菜吊る    金澤道子
錦木のけさの紅新しき        藤原智子
静かさや人をはなるる浮寝鳥     仲田寛子
【入選】
母の忌や父を招きて湯豆腐に     神谷宣行
スポーツ紙三紙抱へて日向ぼこ    藤英樹
眠りゐる山のかをりか蘭奢待     きだりえこ
着ぶくれて河豚の夫婦の二人かな   田中益美
餅花のゆるる単純老の春       澤田美那子
晴れやかな一日二日惜しみけり    藤原智子
綿虫やあれが母との終の旅      萬燈ゆき
けさ冬のローズマリーに青き花    葛西美津子
柿紅葉一枚のせて柿届く       金澤道子
冬ざれのまつ赤なポスト投函す    葛西美津子
ぽつねんと白鷺一羽冬の川         おほずひろし
冬紅葉狂気の画家の筆激し         おほずひろし
毟られし羽毛漂ふ冬の庭          葛西美津子
二十年子ら三人と墓洗ふ          土井頼温
会ひにゆく母いまもあり冬桜         萬燈ゆき
子育ての日々の遥けき小春かな        萬燈ゆき
包丁す弾けさうなる鰤の腹      澤田美那子
しぐるるやざくとえぐれる蘭奢待   きだりえこ
狛亀の甲羅冷たし十三夜       久嶋良子
ありがたうばかりいふ母花柊     関根千方
冬に入る肩の白髪を払ひけり     仲田寛子
九十の覚悟はいかに初鏡       澤田美那子
眺めても着てもうれしき春着かな   関根千方
神のごと富士は立ちたり今朝の冬   神谷宣行
父逝きてやがて十年冬桜       萬燈ゆき

第二句座 (席題:埋火、お年玉)
•藤英樹選
【特選】
永らへて己に包むお年玉       萬燈ゆき
胸中になほ埋火のごときもの     イーブン美奈子
お年玉うけとる孫の大きな手     吉田順子
【入選】
一年の無病息災お年玉        きだりえこ
何もかも埋み火にして去りたまふ   長谷川櫂
歳ひとつ天に賜るお年玉       神谷宣行
父母へ詫び状添へてお年玉      きだりえこ
埋火やここに飴山全句集       関根千方
お年玉に添え書きのあるうれしさよ  仲田寛子

•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
歳ひとつ天に賜るお年玉            神谷宣行
舞い降りて鶴は我が田のお年玉    神谷宣行
年玉の袋うつくし懐に        藤英樹
【入選】
埋火にしんと冷えきしひとりかな   葛西美津子
永らへし己に包むお年玉       萬燈ゆき
埋火のまつ赤な命惜しみけり     森永尚子
埋火やここに飴山全句集       関根千方
かんかんと熾る備長埋めけり     葛西美津子
ありがたや子孫曾孫にお年玉     金澤道子

 

古志鎌倉ズーム句会(2025年10月12日)

俳句的生活 投稿日:2025年10月13日 作成者: 田中 益美2025年10月13日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
白々と毒を秘めたる毒茸           澤田美那子
早駆けの馬のごとくに秋ゆけり    萬燈ゆき
高輪は坂ばかりなり秋の雨      おほずひろし
新聞のけさの薄さよ秋の風      萬燈ゆき
月探す我が子を抱きどこまでも    藤原智子
秋澄むや旅に出るごと入院す     神谷宣行
【入選】
栗虫は奥へ奥へと栗の闇       葛西美津子
熊のプー友に伝えよ人も友      鈴木榮子
角伐られ一顧だにせず鹿去りぬ    園田靖彦
はしり柚子民宿の湯に五つほど    木下洋子
帰り来る人何人ぞ秋刀魚焼く     藤原智子
一病と折合ひつけて今日の月     金澤道子
山の家浅間山ごと氷りけり      長谷川櫂
秋収め青空一つ残しけり       きだりえこ

•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
菊の香や眠りし母はもう覚めず       神谷宣行
日に透ける黄金の羽鷹柱          金澤道子
夢にでぬ母は怒りの鶏頭花         園田靖彦
【入選】
更待月厨の我に上りけり          森永尚子
長船の九寸五分かと大秋刀魚        西川遊歩
東はベランダ西は玄関月今宵        森永尚子
身に入むや波の引く音寄する音       久嶋良子
高輪は坂ばかりなり秋の雨         おほずひろし
露寒や夢で一度も会はぬ母         園田靖彦
新聞も薄くなりしよ秋の風         萬燈ゆき
雲居にて蕎麦刈る人か声きこゆ       澤田美那子
月探す我が子を抱きそこらまで       藤原智子
やうやつと秋の白波由比が浜        葛西美津子

第二句座  (席題:草紅葉、十夜)
•藤英樹選
【特選】
十夜寺に向かう人みな月の中     吉田順子
草もみじ霜を抱きて峰高く      土井頼温
厳かに取り出したるは十夜柿     鈴木榮子
うづくまるシテはさながら草紅葉   森永尚子
【入選】
草紅葉始まる頃か真如堂       澤田美那子
となへれば我も法然十夜かな     神谷宣行
草紅葉子牛の舌に巻かれけり     園田靖彦
そこいらをけさも二千歩草もみぢ   葛西美津子
草紅葉尾の太ぶとと枯ねずみ         佐藤森恵
あたたかき光ともして十夜かな    藤原智子
恐ろしきまでの波音十夜寺      金澤道子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【ことのほか】
十夜へと向かふ人みな月の中       吉田順子
となふれば我も法然十夜かな       神谷宣行
うづくまるシテはさながら草紅葉     森永尚子
【特選】
祖母やつと歩けてはまた十夜へと     田中益美
移ろへる恋もありしを十夜婆       きだりえこ
草紅葉夢やぶれたるものの墓       イーブン美奈子
【入選】
ふざけ合ふ声近づき来草紅葉       木下洋子
バス道を渡れば海や十夜寺        金澤道子
ふらふらと出てお十夜の列の中      イーブン美奈子
月山の神も草木ももみづりぬ       藤英樹
十夜粥闇になじめる心にも        関根千方
草紅葉くるりと巻きぬ牛の舌       園田靖彦
われもまた十夜の婆やとぼとぼと     萬燈ゆき
そこいらをけさも二千歩草もみぢ     葛西美津子
いづこより湧きくる人か十夜寺      藤英樹
草紅葉残る一生を清らかかに       神谷宣行
夜更けて冷えや厳しき十夜粥       澤田美那子
あたたかな光のともる十夜かな      藤原智子
雨ふつて草の光の十夜かな       吉田順子
恐ろしきまでの波音十夜寺       金澤道子

 

 

古志鎌倉ズーム句会(2025年9月14日)

俳句的生活 投稿日:2025年9月15日 作成者: 田中 益美2025年9月15日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
長かりし夏の終わりの黒葡萄        おほずひろし
秋の蚊に貌のありけり殺しけり       イーブン美奈子
のちの月ベランダで呼ぶ妻の声       おほずひろし
新豆腐そのまま食べてしまひけり      木下洋子
【入選】
底見ゆる鎌倉の川小鳥来る          金澤道子
よく響く水琴窟よ秋に入る          田中益美
白々と露の凝れる洗かな           長谷川櫂
木漏れ日も葉擦れも秋に大欅         澤田美那子
粉を噴いて黒く涼しき昆布かな        長谷川櫂
鎌倉の風のあつまる萩の寺          金澤道子
秋風に骨まで透かす守宮かな         イーブン美奈子

•長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
波一つ打つて逃げたる鱸かな            葛西美津子
役所から茶碗届きぬ敬老日             澤田美那子
菊の前命しづかに祈りけり              吉田順子
【特選】
爽やかにたはし手にして応対す           仲田寛子
さつぱりと棒に戻りし案山子かな          仲田寛子
頑丈な老眼鏡と夜長かな              森永尚子
ぐにやぐにやに溶けし眼鏡も露けしや        藤英樹
【入選】
長かりし夏も終はりか黒葡萄        おほずひろし
颱風やウェディングドレス大鏡       久嶋良子
秋水に沈みて歪む剃刀よ          佐藤森恵
秋の蚊に命ありけり殺しけり            イーブン美奈子
ひとむらの曼珠沙華咲く人の墓           吉田順子
死にかけし母甦る秋の風          萬燈ゆき
月明に舟浮かべては鱸釣る             葛西美津子
夫となら老いも楽しや秋刀魚焼く      萬燈ゆき
我を呑む大蛇と化しぬ阿波踊           イーブン美奈子
御巣鷹の千羽鶴みな露の鶴            藤英樹
とんぼうは誰の化身か日航忌           藤英樹
八十年経ちし世界や敗戦日            萬燈ゆき
三陸の筋金入りの秋刀魚かな           関根千方
我が家は朝日の真前野分あと           神谷宣行

第二句座 (席題:豊年、燕帰る)
•藤英樹選
【特選】
まぐはひもほがらかなりき豊の秋       森永尚子
豊年の島に寄せくる金の波          藤原智子
乙女子の踊る肉むら豊の秋          イーブン美奈子
我が代で終はる田畑や豊の秋         森永尚子
鬼瓦口開け笑ふ豊の秋            きだりえこ
豊年や渋谷の底を這ふ神輿          西川遊歩
あれよかし燕の帰る遠い空          きだりえこ
【入選】
太陽の神は女や豊の秋            イーブン美奈子
豊の秋熊はよろこび山を出づ         神谷宣行
長命の牛馬ねぎらへ豊の秋          関根千方
豊年や下宿に届く米俵            久嶋良子
洗濯もの干しつ見送る秋燕          萬燈ゆき
大空を微塵の燕帰りけり           長谷川櫂
出来秋の飴山實全句集            西川遊歩

•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
長命の牛馬ねぎらへ豊の秋          関根千方
銭湯をあがれば帰る燕かな          佐藤森恵
【入選】
秋燕秩父音頭で見送りぬ           萬燈ゆき
洗濯もの干しつ見送る秋燕          萬燈ゆき
息子らは村に戻らず豊の秋          田中益美
出来秋の飴山實全句集            西川遊歩
傷つきて残る燕の梁に居り          佐藤森恵

 

古志鎌倉ズーム句会(2025年8月10日)

俳句的生活 投稿日:2025年8月11日 作成者: 田中 益美2025年9月10日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
灼熱の秋立ちにけり原爆忌           吉田順子
心太八十年が沈みをり         森永尚子
終戦日死者へ生者へ梨をむく      関根千方
われわれにわれに八月十五日      おほずひろし
【入選】
干葡萄のごとき乳房をガザの夏        長谷川櫂
凌霄の花の闇へと蟻吸はる       仲田寛子
八十年日に日に汚れ秋暑し       神谷宣行
鶏殻かとみれば赤ん坊ガザの夏     長谷川櫂
死を語り生を語るや原爆忌       萬燈ゆき
普賢岳蛍袋に隠れけり         藤原智子
長崎忌重たき西瓜冷やさんと      藤原智子
天窓の四角に秋の来てゐたり      金澤道子
朝顔を上手に咲かす男かな       関根千方
やはらかく押し合うてゐる蓮の葉    久嶋良子
土曜日の夕刊蒸発酷暑かな       西川遊歩
甚平を着る間もなくて逝きにけり    澤田美那子
草刈つて俺の細道打ち開く       西川遊歩

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
夏空の果ては原爆資料館                                    藤原智子
灼熱の秋立ちにけり広島市           吉田順子
校庭は巨大火葬場いわし雲               森永尚子
【入選】
夏草に疲れの見ゆる小径かな          葛西美津子
細道や旅の終りの冷し酒            きだりえこ
八十年日に日に汚れ秋暑し           神谷宣行
妹は一番前に西瓜切る             関根千方
ヒロシマの八十年や土に草          イーブン美奈子
長崎や重たき西瓜冷やさんと          藤原智子
細道の旅の日焼か男ぶり            葛西美津子
八月の死者へ生者へ梨をむく          関根千方
われわれにわれに八月十五日              おほずひろし

第二句座  (席題:雁渡 、竜胆)
•藤英樹選
【特選】
竜胆はつめたき月へ咲きのぼり     関根千方
雁渡し近江平野は金色に        木下洋子
海ふいに色恐ろしく雁渡        イーブン美奈子
戦争をおそれぬ世代雁渡し       おほずひろし
竜胆や人に獣の匂ひあり        関根千方
【入選】
天上に青き道あり雁渡し        関根千方
竜胆の向こうに白き奥穂高       土井頼温
濃竜胆病の妻に恋をして        神谷宣行
雁渡し何を待つとて沖をみる      澤田美那子
香水の空瓶捨てず雁渡し        萬燈ゆき
竜胆の蒼きこころを我もまた      萬燈ゆき
足腰の弱り日に日に雁わたし      園田靖彦

•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
天上に雁の道あり雁渡し           関根千方
笹餅の笹ほどきては雁渡し              仲田寛子
流れきて竜胆の露とどまりぬ             藤英樹
【入選】
りんどうや二人で育てる薬草園     きだりえこ
戦争をおそれぬ世代雁渡し       おほずひろし
御巣鷹は深山竜胆咲くころか      イーブン美奈子
龍胆やここから先は尾根づたひ     金澤道子
竜胆の茎に切つ先花鋏             仲田寛子
船の名はひできち丸よ雁渡し          久嶋良子
竜胆や山へ参りて四十年            藤原智子
きな臭き世となりゆくも雁渡し     おほずひろし

 

古志鎌倉ズーム句会(2025年7月13日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月14日 作成者: 田中 益美2025年7月15日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
炎天のまま夜に入る摩天楼         長谷川櫂
朝採つて夕べも採つて胡瓜かな       藤原智子
沖縄忌真白きシャツの子どもたち      藤原智子
【入選】
こんちきちん暑さ忘れてまた行くか     澤田美那子
一日は蟻みてすごす楸邨忌         きだりえこ
全身を夜が過ぎゆく海月かな        西川遊歩
江ノ島の月の光を土用波          長谷川櫂
駒下駄をおろして四万六千日            金澤道子
駅前は人の渦巻く雷雨かな             吉田順子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
昼顔の花よるべなき真昼かな                                    葛西美津子
母の背に眠る子鯨星涼し          佐藤森恵
バナナの葉葺いてこさへん海の家      葛西美津子
沖縄忌真白きシャツの子どもたち      藤原智子
炎天も意外に楽し風が吹く         澤田美那子
【入選】
こんちきちん老いを忘れてまた行くか    澤田美那子
一日は蟻みてすごす楸邨忌         きだりえこ
甲板は白く灼けたり雲の峰         葛西美津子
同級生みんな年寄冷奴           仲田寛子
風の音噴水の音昼休み           久嶋良子
祇園会の団扇が卓に五六本         澤田美那子
あをあをと蕗に濡れたり新聞紙       葛西美津子
眠るにも力使ふや土用入          金澤道子
花入にさしてとりどり団扇かな       関根千方
朝採つて夕べも採つて胡瓜かな       藤原智子
亡き母の言葉を胸に梅を干す        吉田順子
メロンに刃しづかに入るるうれしさよ    おほずひろし
鮎飯や大釜で炊く茶屋の朝         西川遊歩
東京に月のでてゐる茅の輪かな       森永尚子
考ふる力失せゆく涼しさよ         萬燈ゆき
生きてゐる我より熱し墓の石            森永尚子
風鈴のもつれてにごる音やよし            園田靖彦
駅前に人の渦巻く雷雨かな             吉田順子

第二句座 (席題:蝉,夜の秋)
•藤英樹選
【特選】
夜の秋窓の外にはひとの声         おほずひろし
朝蝉や夫の声かと墓の前          吉田順子
若冲は大雅に如かず夜の秋         長谷川櫂
懐かしき人のはだへも夜の秋        長谷川櫂
初蟬の水をくぐつてきしごとく       藤原智子
須磨の波音を荒げぬ夜の秋             イーブン美奈子
【入選】
包丁の峰拭きあぐる夜の秋         仲田寛子
肉球をねぶれる虎や夜の秋         長谷川櫂
読み返す奥の細道夜の秋          木下洋子
朝の窓待ち受けをりや蝉しぐれ       鈴木榮子
山寺や遠くにこだま蝉の声         おほずひろし
海をみる顔が映りぬ夜の秋         葛西美津子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
うたたねの妻はそのまま夜の秋       仲田寛子
朝蝉は夫の声なり墓の前              吉田順子
舟に乗り蝉聴きにゆく厳島         葛西美津子
大音量そのままに蝉転がり来        イーブン美奈子
初蝉や住職今日も無愛想              田中益美
【入選】
妻子ゐて明るき部屋の夜の秋                                        関根千方
初蝉や羽釜でよそふ奈良茶粥        きだりえこ
初蝉と気づかぬほどのかそけさよ      森永尚子
包丁の峰拭きあぐる夜の秋         仲田寛子
鯉はぬる音におどろく夜の秋            藤英樹
老犬が寺の守りの夜の秋             きだりえこ
夫の留守ときに嬉しや夜の秋        萬燈ゆき
素手でとる蝉取り競争負けられず          園田靖彦

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読売新聞「四季」から

麗けき大福餅のほとりかな     相生垣瓜人

 大福には人を幸せにする力がある。鏡餅の威厳もなく、桜餅の色香があるわけでもないが、白粉をはたいたあの福顔にまみえると、誰でも相好がゆるむだろう。それに大と福、たった二文字の、この命名のすばらしさ。「麗か」は春の季語。
『負暄』

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    • 4月19日(日)金沢ズーム句会
    • 4月26日(日)太宰府天満宮奉納全国俳句大会
    • 4月29日(水、昭和の日)仙台ズーム句会
    • 5月3日(日)広島ズーム句会
    • 5月6日(水、振替休日)ネット投句スクーリング句会
    • 5月9日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 5月10日(日)鎌倉ズーム句会
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    • 5月17日(日)金沢ズーム句会
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    『四季のうた 美しい日々』
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    句集『太陽の門』
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    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
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    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
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    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年11月刊行


    『歌仙一永遠の一瞬』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2200円+税
    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
    辻原登、永田和宏、長谷川櫂
    中公新書
    880円+税
    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


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