古志鎌倉ズーム句会(2022年3月13日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
種袋取り出してくる飴山忌 澤田美那子
マトリョーシカ目耳口きえ春寒し 仲田寛子
幸せな朝寝などなき世界かな 森永尚子
鬱勃と空はミモザの花盛り 葛西美津子
窓開けて耳すましたる震災忌 藤原智子
卒業の声なき歌よ花となれ 藤原智子
枝垂れ梅戦争なんぞ知らぬかに 吉田順子
難民の列春の彼方へつづきけり 長谷川櫂
三月十一日あの夜も聴きしオルゴール 森永尚子
悪夢より覚めても悪夢残る雪 木下洋子
春風が吹いて戦争起こりけり 長谷川櫂
春ある日国境に戦車現れき 長谷川櫂
【入選】
飴山忌高きところに花辛夷 おほずひろし
能登はいま花の時雨か飴山忌 神谷宣行
戦場や毛布に眠る赤ん坊 長谷川櫂
飴山忌石見は辛夷咲くころか 木下洋子
明日来るを信じて眠る子猫かな 木下洋子
白山の花にさきがけ飴山忌 園田靖彦
ずぶりと手入れて花烏賊洗ひけり イーブン美奈子
梅にほふ谷戸みな寺につきあたり 金澤道子
防空壕に潜みし記憶花薺 澤田美那子
青は風黄色は光るウクライナ 関根千方
•長谷川櫂選
【特選】
水温む土手歩みくる影法師 おほずひろし
白山の花にさきがけ飴山忌 園田靖彦
沈め置く粗砥(あらと)ずつしり春の水 西川遊歩
水の空仰ぎ飴山實の忌 葛西美津子
墨香る花の便りや春きたる 魚返みりん
【入選】
能登はいま花の時雨か飴山忌 神谷宣行
草に木に恵みの雨や実の忌 曽根 崇
實忌の蕾ふくらむ花辛夷 喜田りえこ
ハリコフの瓦礫の空を囀れり 萬燈ゆき
飴山忌戦あるなと詠みたまふ 吉田順子
能登瓦濡らす春雨實の忌 西川遊歩
朧夜の寝間へ降りゆく吉野建 わたなべかよ
飴山忌石見は辛夷咲くころか 木下洋子
ゆつたりと頁に一句飴山忌 わたなべかよ
飴山忌辛夷の花の咲き初むる わたなべかよ
悪夢より覚めても悪夢残る雪 木下洋子
手に残る花のつめたさ利休の忌 藤英樹
独裁者人類の春踏みにじる 藤英樹
木蓮の莟ひかるや飴山忌 藤原智子
白山の雪嶺おろし飴山忌 湯浅菊子
起上小法師さ揺らし實の忌 仲田寛子
第二句座(席題:北窓開く、フリージア)
•藤英樹選
【特選】
ぞくぞくと武器渡る海フリージア イーブン美奈子
フリージア希望の色を失はず 関根千方
フリージア若き娘のさざめきに 澤田美那子
北窓開く見慣れし山の懐かしく 木下洋子
北窓をあけ俳諧の風入れん 萬燈ゆき
北窓を開け西脇の詩をうたふ 西川遊歩
フリージア子と孫のため戦場へ 木下洋子
【入選】
北窓を開きても春来ぬ国よ イーブン美奈子
わが俳句拓く北窓開けにけり 萬燈ゆき
少女から少女に渡すフリージア 森永尚子
北窓開く埃は空に帰りけり 藤原智子
フリージアの香り浴びたりオール漕ぐ 神谷宣行
北窓を開き煙の浅間山 神谷宣行
フリージア離れ離れになる妻へ 木下洋子
フリージア戦車に踏ませてはならじ 仲田寛子
フリージア香る机に転校生 葛西美津子
北窓を開くや潮鳴り迫りくる 曽根崇
北窓を開けば外に鳥のこゑ おほずひろし
•長谷川櫂選
【特選】
北窓を開きても春来ぬ国よ イーブン美奈子
一筆啓上北窓を開きたり 長井はるみ
【入選】
わが俳句拓く北窓開けにけり 萬燈ゆき
妻のせしやうに北窓開きけり 藤英樹
フリージア離れ離れになる妻へ 木下洋子
フリージア香る机に転校生 葛西美津子
北窓を開ければ瓦礫の街であり 喜田りえこ
停戦を叫ぶ北窓開けてあり 升谷正博
