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俳句的生活

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古志広島ズーム句会(2023年2月5日)

俳句的生活 投稿日:2023年2月6日 作成者: KAI2023年2月6日

第一句座              
・矢野京子選 
【特選】
鬼やらひやらはれて知る痛さかな    城山邦紀
金縷梅やそろそろ山をくすぐろか    ももたなおよ
死に処さぐるがごとく梅探り      矢田民也
春立てど宿題多き地球かな       大平佳余子
冬の蜂もののふのまま横たはる     長谷川櫂
【入選】
ウォーキングマシンは物置き日脚伸ぶ  夏井通江
たたかれて帝驚く歌留多かな      菅谷和子
もみくちやにされて断崖野水仙     大場梅子
軒氷柱解けそめ春を奏でけり      菅谷和子
咲き出でてまた雪を呼ぶ雪割草     菅谷和子
指赤く雪かき分くる蕗の薹       石塚純子
大氷柱どれも直立全うす        高橋真樹子
戻りくる賀状いくつか白湯一椀     矢田民也

・長谷川櫂選 
【特選】
高曇り花の種振るマツチ箱       石塚純子
藁抜いて心許なき目刺かな       斉藤真知子
大寒や蜜戻しやる蜂の箱        米山瑠衣
【入選】
指赤く雪かき分くる蕗の薹       石塚純子
生き死にをもてあそぶ鬼やらふべし   大場梅子
湯を通す白魚白く笊の上        駒木幹正
年の豆五十個までは数へしが      斉藤真知子
名句生む力となれや寒の水       安藤文

第二句座(席題:蕗の薹、春の宵)
・矢野京子選 
【特選】
春の宵一斗の酒を呑む李白       大場梅子
蕗の薹けささみどりが雪に透け     菅谷和子
蕗の薹刻めば花のこぼるるよ      長谷川櫂
【入選】
蕗の薹川はいつしか山盧へと      神戸秀子
蕗の薹そはほろ苦き師の言葉      駒木幹正
蕗の薹知らぬ人住む生家かな      斉藤真知子
蕗の薹朝のひかりを一身に       斉藤真知子
母逝きて己が貌見る春の宵       高橋真樹子

・長谷川櫂選 
【特選】
退院やどこもかしこも蕗の薹      米山瑠衣
蕗の薹まことにふきの味したり     上松美智子
蕗の薹見事に花を咲かせけり      上松美智子
【入選】
ふきのたう長生きの母幸せか      夏井通江
春宵や痛みはじむる親不知       斉藤真知子
蕗の薹見つけてうれしひざまづく    伊藤靖子
蕗の薹朝市の棚一杯に         林弘美
明日つむ蕗の薹なりつまずおく     大平佳余子

古志仙台ズーム句会(2023年1月28日)

俳句的生活 投稿日:2023年1月28日 作成者: KAI2023年1月31日

第一句座              
・長谷川冬虹選
【特選】
ピカソより画才長けたる福笑         武藤主明
加湿器は優しき言葉吐き続け         森 凛柚
鬼たちをやらひしあとのがらんどう      平尾 福
水仙やふつと力を弛めをり          谷村和華子
雪晴や銀の喇叭を吹くごとく         平尾 福
【入選】
配られし短冊真白初句会           青沼尾燈子
ときどきは猫の声する初句会         平尾 福
水仙を剪りし鋏の冷たさよ          上村幸三
大氷柱ありて氷柱のこどもかな        長谷川櫂
原発の町に並びし福達磨           甲田雅子
新色の紅を買ひたる雪女           平尾 福
葉牡丹や少し過ごしし昼の酒         平尾 福
産声や春の扉を押し開く           齋藤嘉子
大鷺のほわんと白し日向ぼこ         青沼尾燈子

・長谷川櫂選
【特選】
手繰り寄す五人がかりの凧          佐伯律子
憤懣の残骸として枯木立つ          三玉一郎
ずたずたの背骨なだめて春を待つ       川辺酸模
凧みづから糸を切りにけり          三玉一郎
極寒の海はひたすら沈黙す          佐伯律子
【入選】
配られし短冊真白初句会           青沼尾燈子
水仙を剪りし鋏の冷たさよ          上村幸三
雪捨ての車ぎりぎり崖の上          及川由美子
病む夫に野の香七草粥さます         甲田雅子
これでもう賀状仕舞ひと賀状来る       青沼尾燈子
雪晴や銀の喇叭を吹くごとく         平尾 福
梅一輪乾坤かんと響かせて          齋藤嘉子
とぼとぼとけふを愛しむ枯野道        谷村和華子

第二句座  (席題:兎、福寿草、湯たんぽ)            
・長谷川冬虹選
【特選】
あぶくまの今日の残雪白うさぎ        甲田雅子
花びらのやうな足あと兎消ゆ         佐藤和子
相応の福を賜る福寿草            平尾 福
【入選】
白兎夢から覚めてまた夢へ          三玉一郎
兎跳ね悲しきときも良きときも        森 凛柚
湯婆抱くちやぽんと海に抱かれて       谷村和華子
雪原に雪の白さの兎かな           川辺酸模
父を看とり母を看とりしたんぽかな      長谷川櫂
大小の湯たんぽ残し子は巣立ち        齋藤嘉子

・長谷川櫂選
【特選】
湯たんぽや大がふたつと小三つ        服部尚子
湯たんぽや波打つたびに眠られず       佐伯律子
湯たんぽのあばらが当たる膝頭        武藤主明
【入選】
湯たんぽやおやすみなさいと手渡され     服部尚子
地震の夜やペットボトルの湯たんぽを     佐藤和子
湯婆抱くちやぽんと海に抱かれて       谷村和華子
足もとの湯たんぽ朝は胸に抱き        上 俊一
一晩ですつからかんや兎小屋         川辺酸模
湯たんぽの石ならべたる囲炉裏端       宮本みさ子
針金をたわめて焼いて兎罠          武藤主明
湯たんぽの火傷の跡の昭和かな        武藤主明
湯たんぽや奥へ奥へと潜りこむ        平尾 福
湯たんぽや蒲団をまづはぬくめたる      齋藤嘉子
大小の湯たんぽ残し子は巣立ち        齋藤嘉子

「ふじさわびと」インタヴュー

俳句的生活 投稿日:2023年1月26日 作成者: KAI2023年2月7日

神奈川県藤沢市のタウン誌「ふじさわびと」第26号(2023年1月)にインタビューが掲載されています。「ネット投句」も紹介されています。

藤沢市内の配布場所で手に入ります。お問い合わせは「ふじさわびと」遊行通り編集室へ。

fujisawabito@gmail.com

■Webふじさわびとインタビューページ
https://www.fujisawabito.net/report/208/

■「ふじさわびと」第26号デジタル誌面
https://drive.google.com/file/d/175bTLRD6yRBBZ_02rTn75aGOyL6aa6S5/view?usp=drivesdk

@09/神宮外苑再開発、イコモスがアセス再審議求める/奈良握

俳句的生活 投稿日:2023年1月26日 作成者: dvx223272023年1月30日

202年1月26日、東京新聞朝刊に、神宮外苑再開発について日本イコモス国内委員会が内容に誤りが多く不適切だとしてアセスメントの再審議を求める意見書を公表した、とする記事が掲載されました。

記事では、混交林なのに「落葉樹林」、「複数の木の高さを半分以下に図示」との小見出しをつけて詳しく報じています。検索でも見ることが可能ですので、ぜひご一読を。

イコモス(ICOMOS、国際記念物遺跡会議)はユネスコの諮問機関。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/227351

*きごさい事務局から
同じ東京新聞の関連記事、「米著名作家やラグビー元日本代表が外苑再開発を批判、野球場とラグビー場取り壊し反対署名始める」も参考に。同じサイトで読めます。

きごさい+「競技かるた」日曜日朝10時から

俳句的生活 投稿日:2023年1月21日 作成者: KAI2023年1月21日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」。今回の講師は、競技かるたの選手として活躍され、世界各地で競技かるたを広めていらっしゃるストーン睦美さんです。名人位・クイーン位決定戦の行われる1月、はるか米国バージニア州より、Zoomでご講演いただきます。ぜひご参加ください。講演の後、句会もあります。(選者:ストーン睦美、長谷川櫂)

日 時:2023年1月22日(日) 午前10:00~12:30
演 題 : 百人一首~競技かるたの世界~
講 師 : ストーン睦美(ストーン・むつみ)
プロフィール:
福井県敦賀市生まれ。アメリカ在住。競技かるたA級六段。ワシントンDCいにしへ会主宰。
日本で九年間競技かるたに取り組んだ後、結婚で1998年に米国移住。その後、英国、カザフスタン、タイ、中国に在住中、個人の活動としてかるた会設立や普及を行う。2013年から再び米国。現在は、自宅での練習会実施のほか日本語クラスやイベントで競技かるたの紹介をボランティアで行うほか、全日本かるた協会普及指導部副部長・海外窓口として、世界各地の競技かるた選手の取りまとめ役を担っている。
*講師からのひと言
競技かるたは、小倉百人一首のかるた札を使う1対1のゲームです。漫画、アニメや映画『ちはやふる』のヒットもあり、今では日本だけでなく世界各地に競技かるたクラブがあり、外国人有段者も増えています。今回は、「競技」の道具としての百人一首の捉え方、選手がどう100枚の取り札を覚えるのか、競技陣内の札の場所を短時間でどう覚えるのかなど、文学とは異なる視点からの百首の短歌との付き合い方をご紹介したいと思います。

9:45~        Zoom入室開始
10:00~11:15  講演
11:20~11:50  句会(選句発表)
11:50~12:30  長谷川櫂(きごさい代表)との対談、質疑応答

<申し込み案内>
1. 参加申し込み 1/14(土)まで
2. 参加費:きごさい会員:1000円、会員以外:2000円、会費の振込先は自動確認メールでお知らせします。
3.ズームのURL、句会の入力フォームのURLは申し込みと入金された方に1/18頃までにメールで配信します。かならずご確認ください。
4.句会:当期雑詠5句。前日1/21(土)15時までに所定のフォームから投句。選者:ストーン睦美、長谷川櫂ただし句会の参加は自由です。
5、ズームを使ったオンライン講演会・句会です。1/14(土)までに参加申し込みをすませ、1/18頃メールで配信する「ズーム入室URL」などの案内をご確認いただかないと当日視聴できません。

ネット投句のみなさんへ

俳句的生活 投稿日:2023年1月20日 作成者: KAI2023年1月20日

ネット投句、意味不明(独りよがり)の句が目立ちます。古志の会員の方はズーム句会などに参加して、このままでほかの人にわかるのか、鍛え直してください。

つねづね「俳句は発想にはじまり、推敲に終わる」と申し上げていますが、既存の発想を借りてないか、推敲は十分か、考えてください。

『四季のうた 雨ニモマケズ』できました。

俳句的生活 投稿日:2023年1月20日 作成者: KAI2023年1月31日

茶の湯とはたゞ湯をわかし茶をたてゝのむばかりなる事と知るべし 千利休

『四季のうた 雨ニモマケズ』(第15集、中公文庫)ができました。巻頭エッセイ「雨ニモマケズ」は宮澤賢治が生涯、課題とした「食物連鎖」について。

イラクの新聞、俳句と氷室茉胡さんを紹介

俳句的生活 投稿日:2023年1月16日 作成者: KAI2023年1月18日

2022年12月19日付けのイラクの新聞「アル・サバーハ」紙が俳句と氷室茉胡(古志同人、氷室真)さんを紹介しています。記事は次のとおりです。

    *

日本には俳句を競う団体がある。日本の文化団体が国際的な俳句のコンクールを始めた。俳句を国際的なものにしようとする団体がある。俳句は日本だけでなく外国にも普及している。

俳句の内容については、特にアジアの国々から批判されたこともある。それでも俳句には隠喩的、象徴的な表現があり、また俳句は様々な美的、詩的形式を取る。この俳句の形式が世界にも広まった。俳句の本家は日本だが、今では国際的になった。 国際コンクールも始まった。

東京にいたイラク人(この記事の作者)は幾つかの俳句の団体の人達に会い、彼らは俳句の重要性について語った。キムラ・トシオ氏が伝統的な俳句は自然を扱い、現代の俳句はこれを踏襲すると言う。他に伝統的な俳句に変化をもたらす人たちもいると言う。キムラ氏は800年前からあった連歌のことを言う。連歌は最初の人の歌を次の人が受ける形をとる。特に市民階級や金持ち階級で人気があった。

ホッタさんは、俳句は日常的なもので特に若い人も自分のことを表現するのに用いる、と言う。 俳句に似た和歌は7世紀からあった。150年前にルネサンスのようなものがあり、俳句も古き形式を保持しながら新しきを求めるようになった。そして日本でも外国でも盛んになった。俳句のコンクールは33もある。有名な緑茶の会社が後押ししているのもある。この会社は選ばれた俳句を製品に載せる。製品は200万箱もある。俳句会の説明があり、冊子となって結果が出るという説明もある。

京都は古い日本の首都で、寺や塔、山と水の土地である。多くの俳句は京都を描く。京都には俳句を国際的なレベルにもっていこうとする動きがある。平和を旨とする団体の大会があり 特にアラブ諸国、特にエジプト、カタール、ヨルダンなどへの 働きかけをしている。一つのコンクールでは、参加者は700人以上で、五大陸、40国を代表する。俳句の数5000句。特にアメリカ、フランス、ブラジルなどが強い興味を示す。

この記事の作者は、元裁判官の氷室真氏に会った。賞を受けた有名な俳人。氷室氏は、俳句は江戸時代に広まり、明治時代以降、若い人が興味を示したと言う。また氷室氏は俳句会の様子を説明した。参加者が選ぶこと、選者がいることなどを。(ホトトギス同人、東中乱さん訳)

古志金沢ズーム句会(2023年1月15日)

俳句的生活 投稿日:2023年1月16日 作成者: KAI2023年1月16日

第一句座(当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
らくがんやかんと打ち出す花の春     飛岡光枝
花びら餅ほのかに春の透けてをり     稲垣雄二
寒気団空の渚を軋ませて         玉置陽子
怖きことあつけらかんと手毬唄      藤倉桂
ぐいと首伸ばして寒さ払けり       密田妖子
愚かなる人の世なんの冬樹の芽      越智淳子
風花の彼岸より来て彼岸へと       氷室茉胡
愚かなる人類にして初笑         田村史生
ぼんやりと見ゆる天国薄氷        氷室茉胡
ビル群や冬青空を凸凹に         密田妖子
【入選】
厳寒の音残し去る郵便夫         花井淳
凍てし真夜いらつしゃいませと自販機   川上あきこ
初空のかなたに暗き戦地かな       間宮伸子
繭玉やそよりと戦ちかづき来       安藤久美
子の春着手伝ふ妻の春着かな       稲垣雄二
抱きしめる冬木息づく深山かな      梅田恵美子
山ひとつ雪にうもれて蕪寿し       飛岡光枝
大氷柱熱き涙をしたたらす        趙栄順
初旅や運転席の斜め横          宮田勝
地獄絵の炎となりし焚火かな       橋詰育子
松過ぎの本屋にわれを忘れをり      橋詰育子
寒卵平和祈りし掌            松川まさみ
伸び上がる鳥のかたちの樹氷かな     趙栄順
禍々しい世に喜寿てふ春あらた      越智淳子
凍星や恐竜眠る岩襖           花井淳
蕪寿し氷見の白雪連れてきし       近藤沙羅
三日はや刷毛もつ塗師の背中かな     泉早苗
四温晴れ絹裂く声で鳴き交はす      密田妖子
帯ぽんと叩けば響く春着かな       長谷川櫂
太陽に泣き出しさうや雪うさぎ      梅田恵美子

・長谷川櫂選
【特選】
山ひとつ雪にうもれて蕪寿し       飛岡光枝
踏み込みを深く深くと寒稽古       稲垣雄二
大氷柱熱き涙をしたたらす        趙栄順
振出しに戻る心地よ初句会        田村史生
三日はや刷毛もつ塗師の背中かな     泉早苗
【入選】
老犬を寿ぎ集ふ初雀           山本桃潤
まつ白な葉牡丹にあるしじまかな     間宮伸子
みな育ち座敷がせましお正月       酒井きよみ
子の春着手伝ふ妻の春着かな       稲垣雄二
白山の神の目覚むる初日かな       趙栄順
巌のごとき師の胸借りん初句会      趙栄順
きしみつつ廻る輪蔵厄払ふ        泉早苗
あらたまの光集めて蕪寿し        飛岡光枝

第二句座(席題:節分、大根干す)
・長谷川櫂選
【特選】
福豆の掌に乗りきらぬこと目出度     佐々木まき
方丈をぐるりと囲み大根干す       飛岡光枝
その奥に月もあらはれ懸大根       田村史生
大根のかくも萎れる日数かな       佐々木まき
五十年大根を干す女かな         趙栄順
【入選】
風の道ここと定めて大根干す       清水薫
節分や新人芸妓のお酌受く        花井淳
大根干す親父の背中今もなほ       清水薫
福豆の五色をえらぶ祇園下        泉早苗
大根干す白山からの風の中        清水薫
ここの村軒先どこも干大根        越智淳子
太陽や笊にきのこと干大根        梅田恵美子
痩せ村のそこだけ青き掛け大根      安藤久美
健やかに萎びて嬉し干大根        玉置陽子
大寺や太き丸太の大根稲架        酒井きよみ
年の豆一桁ひきて頂きぬ         佐々木まき
江の島のみどり遥かに大根干す      飛岡光枝

古志鎌倉ズーム句会(2023年1月9日)

俳句的生活 投稿日:2023年1月10日 作成者: 田中 益美2023年1月10日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
狂言の女は強し初笑        木下洋子
八十の春をさづかり恵方道     園田靖彦
颯爽と自選十句の賀状来る     木下洋子
まつすぐに我が懐に初明り     吉田順子
しやがれたる声めでたけれ初鴉   金澤道子
初旅や極楽橋をまづ渡る      喜田りえこ
老ひざまをつぶさに書かん日記買ふ 曽根崇
負けなしの男の顔やラガー来る   園田靖彦
【入選】
祝箸墨で大きく赤子の名      木下洋子
双六や舟は走りて馬は駆け     藤原智子
喜怒哀楽八十年の初鏡       湯浅菊子
空爆の瓦礫が奏づもがり笛     澤田美那子
初湯して夢も忘れてしまひけり   おほずひろし
大神におひねりも飛ぶ謡初     長井はるみ
白山へまづ茜さす銀世界      長谷川櫂
戦争とコロナの年の初暦      おほずひろし
太陽のまだやはらかや粥柱     長谷川櫂
皺の手の音のかるさや歌かるた   関根千方

•長谷川櫂選
【特選】
竹馬の大き一歩もむかしかな    仲田寛子
年玉やカネの怖さをまだ知らず   関根千方
戦争とコロナの年の初暦      おほずひろし
【入選】
猿回し去りゆく肩の猿ちさく    関根千方
雀らの三三五五の御慶かな     金澤道子
能登の鰤はちきれん身を包丁す   藤英樹
産湯つかはせし五人の孫や新年会  吉田順子
負けなしの男の顔やラガー来る   園田靖彦
太箸やなんと嬉しきわれ傘寿    吉田順子
アカムツの喉まつ黒や雪の宿    わたなべかよ

第二句座 (席題:芹 、節分)
•藤英樹選
【特選】
芹踏めば音やはらかき大地かな   魚返みりん
何もかも芹の緑にまさらめや    長谷川櫂
せせらぎの氷ごと引く根芹かな   長谷川櫂
芹の水揺らして芹の一束      葛西美津子
芹の香や空ひろびろと秋津島    イーブン美奈子
山の子の手もあかあかと芹をつむ  長谷川櫂
【入選】
節分の鬼もてあます戦あり     升谷正博
飽食の世の片隅に芹を摘む     曽根崇
節分や今様役者の一升枡      長井はるみ
節分や日本はいまだ平和ぼけ    升谷正博
芹の根の白さ長さのめでたけれ   わたなべかよ
芹を摘む七つ違ひの妹と      わたなべかよ

•長谷川櫂選
【特選】
芹生えて泥の地球に光さす       神谷宣行
芹の水揺らして芹の一束        葛西美津子
弘法のみ山訪ねん芹の水        イーブン美奈子
見事なる緑なれどもどぶの芹      おほずひろし
芹の根の白さ長さのめでたけれ     わたなべかよ
【入選】
馥郁と家ぢゅう香る芹の篭       曽根崇
氷りたる水の間から芹をひく      澤田美那子
寒風に髪をさらして芹菜摘む      湯浅菊子
生えもどる髪の若さや芹の水      神谷宣行
雪の辺の芹の水こそ冷たけれ      藤英樹
清らかな芹の産土おもひつつ      園田靖彦
飽食の世の片隅に芹を摘む       曽根崇
さぶさぶと水湧く田んぼ芹をとる    西川遊歩
芹の水恋を占ふ女かな         藤英樹
真白なる根の貴しや田芹摘む      萬燈ゆき
たつぷりの根つこが旨し芹の鍋     金澤道子
芹ひくや根もやはらかに付いてくる 澤田美那子
母と我のあいだに大き箕芹を摘む    長井はるみ
芹一つあれば七草粥となり     田中益美
古戦場いまも流るる芹の水     升谷正博
芹鍋やひげの根っこもうまかりき  森永尚子

 

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読売新聞「四季」から

木枕のあかや伊吹にのこる雪    丈草

 惟然坊は硬い枕が大の苦手。丈草の大津の庵に厄介になったあと、故郷の美濃へ旅立つ惟然をからかった句。目の前に広がる春浅い琵琶湖、行く手に浮かぶ残雪の伊吹山。君の恐れる硬い木枕そっくりじゃないか。二人とも芭蕉の愛弟子。『鳥の道』

 

2月23日 古志雪中ズーム句会

  • 2月23日(木)の祝日、午後1時30分から二座行います。
  • 雪の句を十句ご用意ください。席題はありません。
  • 会費は2,000円(参加者には振込口座をお知らせいたします)
  • 申込締切=2月15日
  • 古志の同人・会員でないと参加できません。

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    雪中句会に参加します。雪中句会の参加を取り消します。

    「神宮外苑再開発計画」についてご意見をお寄せください

    東京都心、神宮外苑(港区、新宿区)の再開発計画が進んでいます。再開発を計画しているのは三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事。

    明治天皇没後、大正時代に植えた樹齢100年を超える樹木971本を伐採するという無謀な計画です。

    この問題についてのご意見をおもちの方は簡潔にまとめ、見出しをつけて下のメニューの「お問い合せ」から事務局へお送りください。このサイトで公開します。個人、団体への誹謗、中傷、匿名のご意見は掲載しません。

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      『ふじさわびと vol.26』
      株式会社ふじさわびと
      無料配布
      2023年1月発行


      『四季のうた 雨ニモマケズ』
      中公文庫
      800円+税
      2023年1月刊行


      『和の思想』
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      100分de名著『おくのほそ道』(9刷)
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      中公文庫
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      大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
      長谷川櫂 編
      岩波新書
      780円+税
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      中公文庫
      800円+税
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      大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
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      岩波新書
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      『歌仙一永遠の一瞬』
      岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
      思潮社
      2200円+税
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      『歌仙はすごい』
      辻原登、永田和宏、長谷川櫂
      中公新書
      880円+税
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      『四季のうた 至福の時間』
      中公文庫
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      『九月』
      青磁社
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      俳句 長谷川櫂
      英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
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      『俳句の誕生』(4刷)
      筑摩書房
      2300円+税
      2018年3月刊行


      『四季のうた 想像力という翼』
      中公文庫
      700円+税
      2017年12月刊行


      『芭蕉さん』
      俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
      選句解説・長谷川櫂
      講談社
      1500円+税
      2017年3月刊行


      『震災歌集 震災句集』
      青磁社
      2000円+税
      2017年3月刊行


      『四季のうた 文字のかなたの声』
      中公文庫
      600円+税
      2016年12月刊行


      藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
      花神社
      2500円+税
      2016年10月刊行


      『文学部で読む日本国憲法』
      ちくまプリマー新書
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      松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
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      2016年6月刊行


      『四季のうた 微笑む宇宙』
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      700円+税
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      『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
      筑摩選書
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