八 クビライ一家夏の都へ 櫂(夏)
九 睡蓮の花ひらく音幽かなり 菊子(夏)
十 秋の揚羽は風に破れて 光枝(秋)
十一 寝たきりの母を照らせよ今日の月 光枝(秋・月)
次へ。
【付句候補】
⚪︎
寝たきりの母を照らせよ今日の月
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ふるさとは月見える場所ここもまた
不揃いな白玉団子けふの月
煙突の炎揺らいで月今宵
今年から独りで酌める月見酒
癌手術終へひととせのけふの月
月巡る戦の地からセーヌへと
ふるさとに思いを寄せん月天心
満月のネオンの街を救急車
満月をタオルで掬ふ露天風呂
月今宵ぐんぐん伸びるホームラン
パリにガザ能登も見てゐる今日の月
友禅の手描きの羽裏けふの月
雨上がり被爆マリアに月上る
姥捨の雲うち分けて今日の月