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俳句的生活

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古志鎌倉ズーム句会(2022年3月13日)

俳句的生活 投稿日:2022年3月14日 作成者: 田中 益美2022年3月14日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
種袋取り出してくる飴山忌    澤田美那子
マトリョーシカ目耳口きえ春寒し 仲田寛子
幸せな朝寝などなき世界かな    森永尚子
鬱勃と空はミモザの花盛り    葛西美津子
窓開けて耳すましたる震災忌   藤原智子
卒業の声なき歌よ花となれ    藤原智子
枝垂れ梅戦争なんぞ知らぬかに  吉田順子
難民の列春の彼方へつづきけり  長谷川櫂
三月十一日あの夜も聴きしオルゴール 森永尚子
悪夢より覚めても悪夢残る雪   木下洋子
春風が吹いて戦争起こりけり   長谷川櫂
春ある日国境に戦車現れき    長谷川櫂
【入選】
飴山忌高きところに花辛夷    おほずひろし
能登はいま花の時雨か飴山忌   神谷宣行
戦場や毛布に眠る赤ん坊     長谷川櫂
飴山忌石見は辛夷咲くころか   木下洋子
明日来るを信じて眠る子猫かな  木下洋子
白山の花にさきがけ飴山忌    園田靖彦
ずぶりと手入れて花烏賊洗ひけり イーブン美奈子
梅にほふ谷戸みな寺につきあたり 金澤道子
防空壕に潜みし記憶花薺     澤田美那子
青は風黄色は光るウクライナ   関根千方

•長谷川櫂選
【特選】
水温む土手歩みくる影法師    おほずひろし
白山の花にさきがけ飴山忌    園田靖彦
沈め置く粗砥(あらと)ずつしり春の水 西川遊歩
水の空仰ぎ飴山實の忌      葛西美津子
墨香る花の便りや春きたる    魚返みりん
【入選】
能登はいま花の時雨か飴山忌   神谷宣行
草に木に恵みの雨や実の忌    曽根 崇
實忌の蕾ふくらむ花辛夷     喜田りえこ
ハリコフの瓦礫の空を囀れり   萬燈ゆき
飴山忌戦あるなと詠みたまふ   吉田順子
能登瓦濡らす春雨實の忌     西川遊歩
朧夜の寝間へ降りゆく吉野建   わたなべかよ
飴山忌石見は辛夷咲くころか   木下洋子
ゆつたりと頁に一句飴山忌    わたなべかよ
飴山忌辛夷の花の咲き初むる   わたなべかよ
悪夢より覚めても悪夢残る雪   木下洋子
手に残る花のつめたさ利休の忌  藤英樹
独裁者人類の春踏みにじる    藤英樹
木蓮の莟ひかるや飴山忌     藤原智子
白山の雪嶺おろし飴山忌     湯浅菊子
起上小法師さ揺らし實の忌    仲田寛子

第二句座(席題:北窓開く、フリージア)
•藤英樹選
【特選】
ぞくぞくと武器渡る海フリージア イーブン美奈子
フリージア希望の色を失はず   関根千方
フリージア若き娘のさざめきに  澤田美那子
北窓開く見慣れし山の懐かしく  木下洋子
北窓をあけ俳諧の風入れん    萬燈ゆき
北窓を開け西脇の詩をうたふ   西川遊歩
フリージア子と孫のため戦場へ  木下洋子
【入選】
北窓を開きても春来ぬ国よ    イーブン美奈子
わが俳句拓く北窓開けにけり   萬燈ゆき
少女から少女に渡すフリージア  森永尚子
北窓開く埃は空に帰りけり    藤原智子
フリージアの香り浴びたりオール漕ぐ 神谷宣行
北窓を開き煙の浅間山      神谷宣行
フリージア離れ離れになる妻へ  木下洋子
フリージア戦車に踏ませてはならじ 仲田寛子
フリージア香る机に転校生    葛西美津子
北窓を開くや潮鳴り迫りくる   曽根崇
北窓を開けば外に鳥のこゑ    おほずひろし

•長谷川櫂選
【特選】
北窓を開きても春来ぬ国よ    イーブン美奈子
一筆啓上北窓を開きたり     長井はるみ
【入選】
わが俳句拓く北窓開けにけり   萬燈ゆき
妻のせしやうに北窓開きけり   藤英樹
フリージア離れ離れになる妻へ  木下洋子
フリージア香る机に転校生    葛西美津子
北窓を開ければ瓦礫の街であり  喜田りえこ
停戦を叫ぶ北窓開けてあり    升谷正博

 

古志広島ズーム句会(2022年3月6日)

俳句的生活 投稿日:2022年3月7日 作成者: KAI2022年3月7日

第一句座              
・矢野京子選 
【特選】
ほんたうに鬼はゐたんだ涅槃雪    飛岡光枝
愚かさに春暗転の世界かな      斉藤真知子
戦争と平和のはざま雛流る      大平佳余子
大渦潮海をゑぐりて動くかな     長谷川櫂
【入選】
からつぽの蛤骨の音したり      長井亜紀
きさらぎや熨斗書くための手をぬくめ 神戸秀子 
げんげ田に遊び百年過ぎにけり    石塚純子        
ほんたうは見たこともなき松露掘る  斉藤真知子
マスクして皆んなで歌ふ卒業歌    安藤文 
渦潮といふ大いなる静寂かな     長谷川櫂
空と麦の国は戦場春嵐        ストーン睦美 
国境へ春まだ痛き川渡る       飛岡光枝
妻の読む本盗み見る春炬燵      河本秀也
春の水光をすくひ顔洗ふ       夏井通江
雛納めこの世の塵を払ひつつ     飛岡光枝
大根の穴ばかりなる畑を打つ     米山瑠衣
逃げられぬやふにつつかん蕨餅    高橋真樹子
俳諧に卒業はなし骸まで       大場梅子
母追つて風となりゆく仔馬かな    菅谷和子
木道とんとん弾み子が行く春の山   石塚純子
目貼り剥ぐこの世の戦禍見据ゑんと  菅谷和子
連翹の枝にびしばし打たれけり    飛岡光枝

・長谷川櫂選 
【特選】
くたびれし弁当箱と卒業す      矢野京子
ミサイルの飛ぶ大空を燕ゆく      安藤文       
空と麦の国は戦場春嵐        ストーン睦美     
戦争と平和のはざま雛流る      大平佳余子           
龍天に昇り憤怒のトルストイ     ももたなおよ  
【入選】
げんげ田に遊び百年過ぎにけり 石塚純子
ひな祭り戦車は侵攻し続けり    夏井通江
ビニールの袋くもれる春子かな   神戸秀子 
マスクして皆んなで歌ふ卒業歌   安藤文
大根の穴ばかりなる畑を打つ    米山瑠衣
流氷の軋む嘆きを凍の中      城山邦紀       
                
第二句座(席題:残雪、梅の花)
・矢野京子選 
【特選】
行く道の氷るとも雪残るとも     長谷川櫂
森閑と心の奥に残る雪        長谷川櫂
白梅のごとき人とはなれぬまま    斉藤真知子
【入選】
マスク取り胸いっぱいに梅の香を   城山邦紀
残雪の汚れ踏みゆく山開き      石塚純子
残雪を集めて夢中幼き子       林弘美
雪残る山を仰ぎつ出帆す       飛岡光枝
雪残る名前を知らぬ山ばかり     斉藤真知子
梅いちりん咲いて梅子と名づけられ  大場梅子
梅園のなかにちひさき天満宮     矢田民也
梅三分開きてのちのはやさかな    石塚純子    
母の忌や母の紅梅いま見頃      ももたなおよ

・長谷川櫂選 
【特選】
胴ぶるひせしや古木の梅の散る    神戸秀子
梅いちりん咲いて梅子と名づけられ  大場梅子
飛梅のけさ大空へ吹雪けり      飛岡光枝
【入選】
黒く深く戦車の轍残る雪       河本秀也
残雪の象のごとくや横たわり     高橋真樹子
梅の花また一人来て立ち止まり    矢野京子
雪残る名前を知らぬ山ばかり     斉藤真知子
苔むしてなほも咲きつぐ臥竜梅    大場梅子 
梅三分開きてのちのはやさかな    石塚純子

古志仙台ズーム句会(2022年2月27日)

俳句的生活 投稿日:2022年3月4日 作成者: KAI2022年3月4日

第一句座              
・長谷川冬虹選
【特選】
春の声エレベーターに吸ひ込まる       武藤主明
見つめられ背筋を伸ばす雛かな        辻奈央子
春の雪そのただ中へ出棺す          三玉一郎
雛には聞かせたくなき話かな         辻奈央子
【入選】
三代でやんややんやと雛飾る         辻奈央子
春の雪掃けば除染の土現るる         宮本みさ子
生き死にの一書読み了ふ梅真白        上村幸三
パンの耳残す言ひ訳寒施行          武藤主明
大いなる春に呼ばれて父逝けり        三玉一郎
とんがつた彼女のヒール春めける       伊藤 寛
原発の嘘で固めし凍土壁           武藤主明
つまんなささうにしてゐる鶯餅        長谷川櫂
地虫出てミサイルの雨見たりけり       川辺酸模
春光を丸呑みせんと大欠伸          谷村和華子

・長谷川櫂選
【特選】
突然の雪に埋もれて蕗の臺          阿部けいこ
雪の音立てて人来る忌中かな         三玉一郎
聖火消えにはかに砲火春嵐          長谷川冬虹
地虫出てミサイルの雨見たりけり       川辺酸模
太々と残りし骨の余寒かな          三玉一郎
すみれ咲くたばしる牛の尿浴びて       齋藤嘉子
いくたびのゲルニカいくたびも三月十日    鈴木伊豆山
【入選】
三メートルの雪にことばもなかりけり     那珂侑子
この十年泣いて笑うて雛あられ        長谷川冬虹
春の雪掃けば除染の土現るる         宮本みさ子
生き死にの一書読み了ふ梅真白        上村幸三
淡雪やぬくき骨壺葬れり           佐伯律子
大いなる春に呼ばれて父逝けり        三玉一郎
春の日を父を亡くした妻とゐる        三玉一郎
原発の嘘で固めし凍土壁           武藤主明
雛段へ遅れて来たる牛車かな         武藤主明
予備役兵妻に挿頭ししすみれ草        齋藤嘉子
春の雪そのただ中へ出棺す          三玉一郎
寒雷や年輪緊る檜葉大樹           及川由美子
春光を丸呑みせんと大欠伸          谷村和華子
天空へ雪の轍の交はらず           武藤主明
マンホールの蓋の花柄雪間かな        及川由美子
仰け反りてなほ日を欲りて片栗は       鈴木伊豆山
春雷や闇壊れ闇静もりぬ           上村幸三
雑木山つかまる枝も芽吹きかな        伊藤 寛
妻の雛一段一段買ひ足せり          長谷川冬虹
龍太忌を修す山々春の声           上村幸三
弟に部屋明け渡し卒業す           佐藤和子

第二句座(席題:落とし角、菜飯、万作)
・長谷川冬虹選
【特選】
さつきまで脈打ちたるか忘れ角        及川由美子
万作や越後へ続く塩の道           武藤主明
万作や試験終へたる子らの声         川辺酸模
【入選】
なかなか取れぬ心の角や落し角        森 凛柚
落し角吹かれて笛となりにけり        石川桃瑪
人の手の入らぬ山や落し角          川辺酸模
ややありて鹿跳ねまはる落し角        伊藤 寛
角落とし翁のやうになりし鹿         上 俊一
まんさくや二軒減りたる隣組         伊藤 寛
波洗ひ月が磨きし鹿の角           齋藤嘉子

・長谷川櫂選
【特選】
さお鹿の落ちたる角に眼もくれず       上村幸三
戦争や母のつくりし菜飯くふ         上村幸三
さつきまで脈打ちたるか忘れ角        及川由美子
けだるさや左の角はまだ落ちず        齋藤嘉子
菜飯食ふ何の葉つぱかわからねど       辻奈央子
【入選】
遠き日の戦の匂ひ菜飯かな          甲田雅子
うち振るや大鹿の角いま落ちん        上村幸三
落し角吹かれて笛となりにけり        石川桃瑪
鹿は角落として人を離れけり         宮本みさ子
人の手の入らぬ山や落し角          川辺酸模
鮮やかな緑が馳走菜飯かな          佐藤和子
万作を焼いて丸めて樏に           武藤主明
茎立を摘まんできては菜飯かな        齋藤嘉子
まんさくの花を喜ぶ小川かな         平尾 福
弁当へ小さくにぎる菜飯かな         阿部けいこ
杣人の小屋に並ぶる落し角          阿部けいこ
菜飯さへ食へざる頃の懐かしき        石原夏生

古志金沢ズーム句会(2022年2月23日)

俳句的生活 投稿日:2022年2月24日 作成者: dvx223272022年3月1日

第一句座(当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
スノーボード太陽へ春宙返り      長谷川櫂
朧夜のおぼろとなりて母眠る      趙栄順
たんぽぽの絮のごとしや昼の月     橋詰育子
一輪のつぼみのごとき雛かな      趙栄順
殺伐たる地へと戻りぬ揚雲雀      花井淳
雛流す怒濤のあとを怒濤かな      長谷川櫂
入学やはるかな知への旅となれ     山本桃潤
【入選】
春寒や小鳥の眠る銀の籠        玉置陽子
葛湯ねる吉野の深雪いかばかり     泉早苗
雁風呂や一人暮しの長くなり      氷室茉胡
石垣の石乱れなき斑雪         花井淳
さりげなく井伏の書あり龍太の忌    近藤沙羅
鰤半身返すは加賀のよき習ひ      稲垣雄二
龍太忌の空朗朗と鳶の笛        玉置陽子
白魚の二寸の光鮓とする        稲垣雄二
しんしんと雪ふくふくと古志の酒    稲垣雄二
蛇穴を出づうつし世の寒かりし     近藤沙羅
鳥飛んで影の速さよ春障子       間宮伸子
蝶を縫ひ花縫ひし針納めけり      間宮伸子

・長谷川櫂選
【特選】
朧夜のおぼろとなりて母眠る      趙栄順
一輪のつぼみのごとき雛かな      趙栄順
雛段の玉の顔拝すなり         佐々木まき
紙雛目鼻なくとも笑み給ふ       氷室茉胡
【入選】
青鷺の首すくめ立つ余寒かな      橋詰育子
荒海や氷の崖に水仙花         梅田恵美子
鍋傾げ残らず椀へ蜆汁         稲垣雄二
たんぽぽの絮のごとしや昼の月     橋詰育子
桃の枝すいすい伸びて龍太の忌     酒井きよみ
若狭井をくむや紙衣の僧ふたり     泉早苗
春風や吾にも欲しき再起動       氷室茉胡
西行忌いかに納めん旅心        鬼川こまち
しやきしやきと氷の菜漬朝の卓     梅田恵美子
田から田へ草青みたる遍路みち     橋詰育子

第二句座(席題:涅槃、余寒)
・鬼川こまち選
【特選】
渤海使ながれつきたる涅槃西風     泉早苗
存分に生きたまひたる涅槃かな     長谷川櫂
涅槃図を描きし僧の心はも       松川まさみ
人よりも動物優しお涅槃図       近藤沙羅
大鯉のごとき髭ある寝釈迦かな     長谷川櫂
等伯の涅槃図あまた能登の國      清水薫
【入選】
古い傷残る寒さにまた痛む       佐々木まき
涅槃会や暇持て余す蛇使ひ       花井淳
またも行く余寒の朝の救急車      松川まさみ
王の子の旅路のはての涅槃かな     長谷川櫂
負けるまじ余寒の土へ杭を打つ     橋詰育子
金沢の雪吹きとばせ涅槃西風      泉早苗
この星もかつて炎よ余寒なほ      田中紫春
み熊野を上る川舟涅槃西風       玉置陽子
ランドセル余寒を連れて帰りけり    密田妖子
百畳に広げて寝釈迦いかにせん     稲垣雄二
春寒や心ざぶざぶ洗ひたし       中野徹

・長谷川櫂選
【特選】
殺掠の世界の隅に涅槃され       山本桃潤
白き白き加賀一国の余寒かな      趙栄順
【入選】
御御足にふるる涅槃の風やさし     田中紫春
山寺のそこだけともる涅槃かな     安藤久美
涅槃絵の仏の他は誰が誰        稲垣雄二
涅槃図の隅によく似てわれの顔     清水薫
等伯の涅槃図あまた能登の國      清水薫

古志鎌倉ズーム句会(2022年2月13日)

俳句的生活 投稿日:2022年2月14日 作成者: 田中 益美2022年3月1日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
龍太忌のとほき空から雪解風   仲田寛子
妖艶に紅かくやくと花椿     湯浅菊子
白山の機嫌うかがひ雪下す    園田靖彦
龍太忌の桃の剪定はじまりぬ   長谷川櫂
紅梅は夢のごとしや龍太の忌   長谷川櫂
夕暮といふひとときの春障子   澤田美那子
龍太忌の後山ほつほつ蕗のたう  わたなべかよ
春の山どつしりとして龍太の忌  おほずひろし
【入選】
かくれなき山峡の春龍太の忌   升谷正博
早春の坂のぼり行く龍太の忌   わたなべかよ
龍太忌の空をゆたかに花辛夷   澤田美那子
春セーター老いの乳房のかるがると 森永尚子
梅一輪氷の風にひらきけり    森永尚子
手も足も伸びて蛙の小さきかな  イーブン美奈子
夢の世の夢のごとしや雛あられ  萬燈ゆき
めざめゆく甲斐の山々龍太の忌  木下洋子

•長谷川櫂選
【特選】
春霞どの山みても龍太の忌       おほずひろし
大阪で見上ぐる月も龍太の忌   澤田美那子
苧環の花のゆかしき後山かな   葛西美津子
【入選】
紅ばかり子は拾ひつつ雛あられ  萬燈ゆき
木々の芽にみなぎる力龍太の忌  金澤道子
龍太忌の空をゆたかに花辛夷   澤田美那子
龍太忌のまだ莟なる梅健気    曽根崇
滔滔と大海原へ雪解水      喜田りえこ
龍太亡きこの十五年冴返る    藤英樹
梅一輪氷の風にひらきけり    森永尚子
一粒づつ食ぶはもどかし雛あられ 萬燈ゆき
龍太忌や心に梅の一句あり    藤英樹
春風や龍太を探す甲斐の空    喜田りえこ
雪折れの木々の嘆きを龍太の忌  萬燈ゆき
この店の白ひといろの雛あられ  萬燈ゆき
龍太忌や山盧の土間に靴あふれ  西川遊歩
鳥一羽翔んでゐるなり春休み   おほずひろし
あられ炒る鉄鍋熱し龍太の忌   田中益美
春寒や触れずに開くエレベーター 木下洋子

第二句座(席題:春暁、鳥の巣)
•藤英樹選
【特選】
春暁や金の小皿と銀の箸     喜田りえこ
橅の木の大空間に巣箱かな    長谷川櫂
大枝を揺らして鷺の巣組かな   関根千方
鷲の巣や誰も行けざる大空に   長谷川櫂
春暁や難民テント犇いて     木下洋子
春暁や大地の傷は癒えたるか   藤原智子
夕さりの風に遊ばれ小鳥の巣   葛西美津子
【入選】
鳥の巣にいよよ飛び出すころの声 園田靖彦
ハンガーに育むいのち鴉の巣   曽根崇
解体車いつの間にやら鳥の巣に  田中益美
春暁や再び眠る淵深く      澤田美那子
鬼瓦守るや雀一家の巣      西川遊歩
春暁や夢のきれぎれ拾ひをり   魚返みりん
ぶらさがる鳥の巣三つ四つかな  イーブン美奈子
春暁の波やわらかき防波堤    升谷正博
目覚むれば春曙の吉野山     喜田りえこ
干潮を待ちて鷹の巣見にゆかん  金澤道子
鴉の巣ラピスラズリの欠片あり  葛西美津子
鳥の巣や何か異なものはみ出して 長井はるみ

•長谷川櫂選
【特選】
小鳥の巣ならんこんなに柔らかく イーブン美奈子
干潮を待ちて鷹の巣見にゆかん  金澤道子
あかあかと燃ゆる鳥の巣夕日中  藤英樹
【入選】
大枝を揺らして鷺の巣組かな   関根千方
鬼瓦守るや雀一家の巣      西川遊歩
落ちさうで落ちぬ鳥の巣崖の上  藤英樹
松林高きところに古巣かな    おほずひろし
ぶらさがる鳥の巣三つ四つかな    イーブン美奈子

#06『俳句と人間』感想/宮本みさ子

俳句的生活 投稿日:2022年2月14日 作成者: dvx223272022年2月14日

平常心
 さほどうるさくもない春の雪解けに、耳栓をして『俳句と人間』を一気に読みました。櫂先生がこれほどの検査と手術をなさっても、常に平常心で接してくださることに感銘いたしました。
 菓子作りという職業柄、いろいろな菓子を心を込めて作っております。接客する場に立ってみますと、人の生きざまを深く考えさせられる時がしばしばあります。そんな方にこのご本をさしあげたい、と切に思います。
 車好きの私の役は、お菓子の配達なので老人を忘れて励みたいのですが、迷ったときは何度でも『俳句と人間』を読み返し、こころの整理に努力致します。

古志広島ズーム句会(2022年2月6日)

俳句的生活 投稿日:2022年2月10日 作成者: KAI2022年2月10日

第一句座              
・矢野京子選 
【特選】
寒々と鷽替の鷽並びをり       飛岡光枝   
重湯にも薺ななくさなみだほど    矢田民也 
浜ひとつ凍らせてゆく寒波かな    ストーン睦美 
【入選】
ゲレンデはすべての君が恋敵     高橋真樹子
こころにも日にち薬や日脚伸ぶ    菅谷和子 
この島は風も旨しや大根干す     米山瑠衣
これがまあ吾子の器量か受験生    林弘美
しばらくは郵便受けは小鳥の巣    菅谷和子
またひとり来て白魚の網のぞく    斉藤真知子
起き上がり小法師とならん着ぶくれて 神戸秀子
鬼役の入れかはりまた鬼は外     長井亜紀
今朝はもう春の明るさ歯をみがく   夏井通江
姉の忌に続く母の忌梅ふふむ     ももたなおよ
水菜洗ふ細やかな葉をほどきつつ   伊藤靖子
雪ふかくねむれるキャベツ掘り起こす 神戸秀子
早梅や仰ぐたび富士あたらしく    神戸秀子
冬ごもり胸中の鬼育てつつ      飛岡光枝
氷る夜の光の花の街をゆく      長谷川櫂
風花や三分粥から五分粥へ      矢田民也
包丁で朝の氷柱をひとなぎに     菅谷和子   
両端をちよつとつまんで鶯餅     斉藤真知子

・長谷川櫂選 
【特選】
故郷や行きも帰りも春の空      米山瑠衣
今朝はもう春の明るさ歯をみがく   夏井通江
雪ふかくねむれるキャベツ掘り起こす 神戸秀子
板の間の板整然と冴ゆるかな     河本秀也
恋猫の恋しか見へぬまなこかな    菅谷和子
【入選】
この島は風も旨しや大根干す     米山瑠衣
ちちははの見舞もならず寒昴     米山瑠衣
またひとり来て白魚の網のぞく    斉藤真知子
我開けてすぐ夫閉めて春障子     原京子
蒲公英や子らの声なき保育園     安藤文
寒々と鷽替の鷽並びをり       飛岡光枝
起き上がり小法師とならん着ぶくれて 神戸秀子
点滴の一滴一滴冬深む        矢田民也
山暮れて野風呂に我と春の月     岡村美紗子
姉の忌に続く母の忌梅ふふむ     ももたなおよ
早梅や仰ぐたび富士あたらしく    神戸秀子
年の豆食べて薬を飲み忘れ      ももたなおよ
柊を挿す手に消毒薬にほふ      矢野京子

第二句座(席題:初午、山笑ふ)
・矢野京子選 
【特選】
佐保姫のくさめに目覚め山笑ふ    菅谷和子
笑ふこと山にまかせて今日の事    原京子
百名山百の形や山笑ふ        大平佳余子
福島の取り残されし山笑ふ      飛岡光枝
【入選】
ゲレンデの恋は短し山笑ふ      高橋真樹子
ふところに特養ホーム山笑ふ     神戸秀子
ふるさとの笑へぬ山も笑ひくれ    大場梅子
朱千本鳥居くぐりて初の午      ストーン睦美
初午の囃子の音聞く遥かより     伊藤靖子
初午やいつもの店の雀焼       原京子
雪解けてひよつこり笑ふ佐渡の山   安藤文
窯を出す大きな壺や山笑ふ      斉藤真知子

・長谷川櫂選 
【特選】
九州の山は笑ひているころか     長井亜紀
初午やマスク外して鼻真赤      矢野京子
初午や腰に厳しき雪の嵩       河本秀也
祠なき狐も来よや初午祭       ストーン睦美
【入選】
ゲレンデの恋は短し山笑ふ      高橋真樹子      
渓流は微笑み山は笑ひたり      河本秀也
初午のご馳走母の稲荷ずし      菅谷和子
初午やいつもの店の雀焼       原京子
初午や大き油揚げ二つ供へ      大平佳余子

#05『俳句と人間』感想/趙栄順

俳句的生活 投稿日:2022年2月8日 作成者: dvx223272022年2月8日

わずか200ページ余りの新書である。

しかし,読後,私はしばらく打ちのめされたように動けなかった。

生と死,肉体と精神。この複雑に絡み合った糸を縦糸と横糸に色分けし,一枚の布に織り上げた。その手腕と強靱な精神に打ちのめされたのだろう。

思えば,宗教も哲学も文学も,全ては,死の前にうろたえ,もがく人間の脆さと滑稽を神の目で腑分けし,言語化したものと理解している。

『俳句と人間』長谷川櫂は,見事にそれをやり遂げた。人間の目で。

#04『俳句と人間』感想/村田鈴音

俳句的生活 投稿日:2022年2月7日 作成者: dvx223272022年2月8日

TVの「プレバト」を観て俳句を始めました。

俳句的生活のネット投句を始めて丸一年たちます。

『俳句と人間』を読んで
世相や歴史、宗教、文学等に俳句を介しての作者の頭脳明晰かつ理路整然とした思索にワクワクしました。
何度も読み返してしまいます。

「古池や蛙飛び込む水のおと」は
宇宙の中の二つの異次元が“切れ”で繋がるパラレルワールドを表現した壮大な句だったんですね。
17音の中に宇宙が潜んでいるなんて素敵ですよね。

作者のお墓の話(蛇やゲジゲジが出るのはイヤだ)は、面白かったです。
残された者としては、精神は消滅しても、魂は愛す人の元に寄り添っていてほしいと願っています。
実は、あの世とこの世の線引きはなくて曖昧なところで浮遊していてほしいです。

感想文は小学校の夏休みの宿題以来です。
とても面白く、また勉強になる本だと思いました。
拙い文章で失礼しました。
時節柄、ご自愛ください。

ネット投句(2022年1月31日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2022年2月7日 作成者: KAI2022年2月7日

【特選】
起きるかと我へ呟く寒さかな  千葉  池田祥子
吊るさるる鮟鱇を見る鮟鱇   愛知  青沼尾燈子
老ゆるとも己が宇宙や犬の冬  愛知  青沼尾燈子
・に
隙間風とはなつかしの桜花壇  京都  佐々木まき
鬼は外などと言ふまい八十五  大阪  澤田美那子
鬼かなし人間かなし豆を打つ  大阪  澤田美那子
終はりあることの嬉しさ卒業歌 兵庫  魚返みりん
鮭が鮭に乗る川豊かなる大地  大分  山本桃潤

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読売新聞「四季」から

麗けき大福餅のほとりかな     相生垣瓜人

 大福には人を幸せにする力がある。鏡餅の威厳もなく、桜餅の色香があるわけでもないが、白粉をはたいたあの福顔にまみえると、誰でも相好がゆるむだろう。それに大と福、たった二文字の、この命名のすばらしさ。「麗か」は春の季語。
『負暄』

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    • 4月19日(日)金沢ズーム句会
    • 4月26日(日)太宰府天満宮奉納全国俳句大会
    • 4月29日(水、昭和の日)仙台ズーム句会
    • 5月3日(日)広島ズーム句会
    • 5月6日(水、振替休日)ネット投句スクーリング句会
    • 5月9日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 5月10日(日)鎌倉ズーム句会
    • 5月16日(土)「小林一茶」講演会(江東区総合区民センター)
    • 5月17日(日)金沢ズーム句会
    • 5月23日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
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    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    中公文庫
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    2026年2月刊行


    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    ちくま文庫
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    『ふじさわびと』vol.26
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    『四季のうた 雨ニモマケズ』
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    『和の思想』
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    『俳句と人間』(3刷)
    岩波新書
    860円+税
    2022年1月刊行


    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
    NHK出版
    1,000円+税
    2014年10月刊行


    『四季のうた 美しい日々』
    中公文庫
    800円+税
    2022年1月刊行


    句集『太陽の門』
    青磁社
    2200円+税
    2021年8月刊行


    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
    800円+税
    2021年1月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
    800円+税
    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年11月刊行


    『歌仙一永遠の一瞬』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2200円+税
    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
    辻原登、永田和宏、長谷川櫂
    中公新書
    880円+税
    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
    2014年4月刊行
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