今年の『古志青年部作品集2022』(第9号、古志社)が届きました。
イーブン美奈子さん(タイ)はじめ17人が自選12句を寄せています。全体として俳句の探求心にあふれ、秋の青空のように爽快。
現状に安住する壮年、老年、高齢者の方々は自分の姿勢を見直すために、ぜひお読みください。「俳句とはこうあるべきものだ」と彼らに学ぶところが大きいはずです。
中田剛さんの「講評」、竹下米花さんのエッセイ「オンライン句会と古季語」も。
問い合わせなどは古志青年部の石塚直子さんへ。定価800円。
第一句座
・長谷川冬虹選
【特選】
死神を蹴りくしやくしやの夏布団 青沼尾燈子
油蝉六肢たたみて転がれり 武藤主明
散骨の手に秋風がのこりけり 三玉一郎
兵たりし父はどの星終戦日 甲田雅子
よく笑ふ女に似たり秋茄子 川辺酸模
【入選】
四十雀蟬を腹から食ひ始む 阿部けいこ
星飛んでよりこの人と半世紀 齋藤嘉子
外苑の木々哭く声か夜の秋 長谷川櫂
忽然と見知らぬ町やいなびかり 上村幸三
蟬時雨母を恋しと母が言ふ 谷村和華子
炉に刺して花のごとしや子持鮎 齋藤嘉子
向日葵の沖へ沖へと陽が沈む 武藤主明
スイミーの切手で届く夏便り 阿部けいこ
人の訃になにもできずに秋扇 青沼尾燈子
秋天へ球児満塁ホームラン 那珂侑子
・長谷川櫂選
【特選】
秋風や日本に奏でるバンドゥーラ 齋藤嘉子
窓開けて虫大国に眠りけり 及川由美子
散骨の手に秋風がのこりけり 三玉一郎
夜の秋顔をたたいて化粧水 阿部けいこ
アルプスの控え選手の夏終る 武藤主明
【入選】
四十雀蟬を腹から食ひ始む 阿部けいこ
パン買ひにサンダルで出て雲は秋 及川由美子
油蝉六肢たたみて転がれり 武藤主明
新盆の部屋に静かな風通る 佐伯律子
僧も出てていねいに刈る盆の道 甲田雅子
田の神が月夜に遊ぶ刈田かな 齋藤嘉子
忽然と見知らぬ町やいなびかり 上村幸三
炉に刺して花のごとしや子持鮎 齋藤嘉子
秋晴へ散骨の手をはたきけり 三玉一郎
葛の花深山の香り放ちけり 及川由美子
スイミーの切手で届く夏便り 阿部けいこ
添水鳴れ吾が藪よりの竹真青 石川桃瑪
第二句座(席題:桔梗、鹿、相撲)
・長谷川冬虹選
【特選】
弓取の白きししむら大相撲 石川桃瑪
口下手がどつと沸かせる草相撲 齋藤嘉子
魂がごつとぶつかる相撲かな 三玉一郎
幼子に勝つてはならぬ草相撲 武藤主明
【入選】
少年の生成りの回し草相撲 佐藤和子
桔梗や無口な父のなつかしく 平尾 福
もみあげも胸毛も濃くて負け力士 及川由美子
吐息つくやうに開くや白桔梗 甲田雅子
細き子の勝ちて喜ぶ相撲かな 阿部けいこ
官軍の迫りし峠花桔梗 武藤主明
まだきみに言へぬことある桔梗かな 三玉一郎
山里の痩せ地に白く桔梗かな 上 俊一
・長谷川櫂選
【特選】
魂がごつとぶつかる相撲かな 三玉一郎
こんなにも白のさびしき桔梗かな 谷村和華子
蝦夷鹿の大きく跳んで藪に消ゆ 服部尚子
幼子に勝つてはならぬ草相撲 武藤主明
寝て起きて大きくなつてゆく力士 三玉一郎
【入選】
少年の生成りの回し草相撲 佐藤和子
夫ながくわんぱく相撲の行司なり 甲田雅子
権禰宜の尻の白さよ宮相撲 川辺酸模
官軍の迫りし峠花桔梗 武藤主明
畑に行く度に数へる南瓜かな 阿部けいこ
耳立ててぢつと見てゐる母鹿よ 長谷川冬虹
今宵また畑荒らすか鹿の声 川辺酸模
野次に沸き勝ち負け問はぬ草相撲 及川由美子
振り向きし鹿の眼の物悲し 佐伯律子
夫婦鹿ひとこゑもなく立ち去れり 青沼尾燈子
江東区芭蕉記念館は第5回国際英語俳句大会の俳句を募集しています。
英語の俳句であれば誰でも応募できます。選者は藤田直子、ドゥーグル・J・リンズィー、長谷川櫂の3人。とくに外国語を母国語とする人にお勧めください。
締め切りは日本時間で2022年11月10日(木)。大会ウェブサイトから応募してください。
Entry Rules for The 5th Basho-an International English Haiku Competition
Applicants
This contest is for anyone, regardless of experiences and nationalities.
Deadline
All submissions must be received between August 10 and November 10, 2022. (Japan standard time)
Application guidelines
Entries must be submitted via form, using the entry form available in the website of this contest.
A participant can send one piece of Haiku in each entry form. However, each participant can enter up to 10 Haiku by sending multiple entries. (We will appreciate it if the Japanese translation is attached to the Haiku, though it is not required.) A seasonal word is not required. Each haiku piece should be written in 2 to 3 lines.
The entry must include the participant’s name, current address, gender, age, and e-mail address. (Gender and age are optional.)
The haiku must be original and unpublished work.
Errors in spelling English Haiku will be corrected by the office.
The haiku work should not counter public order and morality.
Submitted work cannot be altered nor returned.
Fee
No entry fee is required.
Contest results
Winners will be notified via e-mail at the end of December, 2022.
Publications
Awards will be announced on the contest’s website and on Koto-ku Culture and Community Foundation’s newsletter “Culture Navi KOTO”.
In addition, winning pieces will be published in the “42th Sigureki Haiku Competition’s Selected Haiku Anthology” in October 2023.
Personal information
Personal information submitted in application is strictly used for this competition’s purpose only.
A prize winner’s submitted pen name (or name) and hometown will be made public.
(Information such as age, gender, address details and email address will remain confidential.)
Copyrights
The copyright regarding the announcement and publication of the award-winning works, including the secondary use, remains with the Basho Museum.
Judges
Kai Hasegawa (Haiku poet, Haiku critic)
Naoko Fujita (Haiku poet, Supervisor of haiku circle and journal “Shurei”, Councillor of Association of Haiku Poets)
Dhugal J.Lindsay (Haiku poet, Marine biologist)
Prize
Each of the three judges awards a “Basho-an Award”.
Each of the three judges will choose ten other winners.
Organizer
Koto-ku Culture and Community Foundation
Basho Museum
Contact
bashoan2018@kcf.or.jp
第一句座(当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
腹爆ぜて哀れがうまし子持鮎 稲垣雄二
戦争の一寸みえたる団扇かな 長谷川櫂
蘆刈の刈り残したる夕日かな 玉置陽子
残生を句で貫かん大銀河 稲垣雄二
あをぞらは蒼き空洞鵙日和 宮田勝
雑巾の干からびてゐる敗戦日 中野徹
カンナ一列絶叫の応援団 松川まさみ
爽籟や命ひしめく水の星 松川まさみ
【入選】
男手の卵の焦げ目今朝の秋 花井淳
秋の蚊や黙って来れば叩かぬに 田中紫春
終戦日シャツにかくれし蝉逃がし 間宮伸子
白旗を上げて出てゆけ沖縄忌 山本桃潤
黒胡麻を落雁と見し干菓子かな 越智淳子
こほろぎの低音が好き草に坐す 密田妖子
泥まみれの林檎を思ふ秋出水 近藤沙羅
蟷螂や憤怒の斧を人の世へ 玉置陽子
地獄絵の寺しづもれる原爆忌 泉早苗
戦争の行方しれざる残暑かな 橋詰育子
あらぬものあらぬところへ野分かな 趙栄順
滝落ちて飛沫におどる虹のいろ 梅田恵美子
赤文字で残暑売りたるセールかな 中野徹
涼しさの花となりたる茗荷鮓 酒井きよみ
・長谷川櫂選
【特々選】
眼前に父ゐるごとし大文字 安藤久美
滝落ちて飛沫におどる虹のいろ 梅田恵美子
八月の雨に佇立す展宏碑 泉早苗
新涼の箸さらさらと飯を食ふ 趙栄順
薪はぜる音いさましや薪能 密田妖子
寂声をこの世あの世へ音頭取 酒井きよみ
子を送り妻を送りて生身霊 稲垣雄二
ほうとして道を照らすや盆の月 越智淳子
雨に触れ炎激しや大文字 趙栄順
爽籟や命ひしめく水の星 松川まさみ
【特選】
拍子木を打ちて点さん大文字 田村史生
曖昧に人と別れし秋思かな 松川まさみ
あをぞらは蒼き空洞鵙日和 宮田勝
泥まみれの林檎を思ふ秋出水 近藤沙羅
桃一つ盗らず殺めず豊かなり 山本桃潤
中の間の華やぐ今宵聖霊棚 藤倉桂
地獄絵の寺しづもれる原爆忌 泉早苗
語り部の背も老ひにし浦上忌 鬼川こまち
桃ひとつ水にひやしぬ爆心地 鬼川こまち
柚摘みに秋空深く入りける 山本桃潤
あらぬものあらぬところへ野分かな 趙栄順
今年又朝顔咲かせている余生 佐々木まき
死の刹那吾を想いしか流れ星 間宮伸子
語りけり詮無きことをへうたんに 酒井きよみ
かぐはしき燠となりけり大文字 佐々木まき
一献の酒一匹のちちろ虫 清水薫
ライン河の水減りしとふ秋の風 近藤沙羅
【入選】
昼も夜もクーラーつけて秋に入る 近藤沙羅
南部風鈴父の書斎の静けさよ 藤倉桂
一歳と半ばの頃に敗戦日 清水薫
穂を重く稗がかほ出す暑さかな 酒井きよみ
蘆刈の刈り残したる夕日かな 玉置陽子
火床一つ代々守り大文字 氷室茉胡
残生を句で貫かん大銀河 稲垣雄二
いとほしや夏のあざみに潜る蜂 梅田恵美子
露払ひとなりたる雷雨大文字 氷室茉胡
雑巾の干からびてゐる敗戦日 中野徹
生身魂エンディングノート講ず席にあり 鬼川こまち
空急に高くなりたり梨を食ふ 近藤沙羅
白桃の吐息ただよふ廊下かな 玉置陽子
ホスピスから母と見し日も大文字 氷室茉胡
墓参の列上る下るや五条坂 佐々木まき
カンナ一列絶叫の応援団 松川まさみ
茗荷ずき刻みしだけの酒の当 酒井きよみ
山門の外にひろがる青田かな 橋詰育子
大瀑布山響かせて落ちにけり 梅田恵美子
たわいなき会話嬉しや夜の秋 藤倉桂
滝おちて木曽の山々とどろけり 梅田恵美子
冬瓜や枕にしたき一つあり 橋詰育子
秋風や句帳忍ばす頭陀袋 花井淳
涼しさの花となりたる茗荷鮓 酒井きよみ
ざわざわと嵯峨野の竹や星の恋 安藤久美
高校野球わが全身の若がへる 間宮伸子
第二句座(席題:相撲、鬼灯)
・鬼川こまち選
【特選】
おさなごに負けてうれしき相撲かな 安藤久美
草相撲先陣はまだ幼顔 梅田恵美子
天地を踏み固めてや土俵入り 安藤久美
ほほづきも嚙んで食べたる戦後かな 橋詰育子
草相撲負けて泣く子のそばに立つ 近藤沙羅
思ひ出の中まで朱し山鬼灯 安藤久美
【入選】
鬼灯や姉はあつさり吹き鳴らす 宮田勝
ほほづきの一つに一つ御魂あり 稲垣雄二
網打ちは能登の荒技草相撲 宮田勝
関取や鬢付け油誉れの香 越智淳子
はじめから土俵などなし草相撲 稲垣雄二
細き子のぶつかつていく草相撲 近藤沙羅
老残の小町の鳴らす鬼灯よ 梅田恵美子
鳴らすためいくつ鬼灯潰したる 氷室茉胡
・長谷川櫂選
【特々選】
おさなごに負けてうれしき相撲かな 安藤久美
天地を踏み固めてや土俵入り 安藤久美
老残の小町の鳴らす鬼灯よ 梅田恵美子
ほほづきを鳴らせし友も姥となり 橋詰育子
【特選】
空はいま鬼灯の色埋め尽くす 宮田勝
大関は六十余歳宮相撲 清水薫
大鵬の肌美しや白廻し 田中紫春
ほほづきも嚙んで食べたる戦後かな 橋詰育子
鬼灯や種ぬく舌に吸うちから 鬼川こまち
赤鬼灯もみもみしたる小さき指 佐々木まき
草相撲とうとう父に勝てぬまま 田村史生
鳴らすためいくつ鬼灯潰したる 氷室茉胡
【入選】
鬼灯や姉はあつさり吹き鳴らす 宮田勝
豊作来い大漁来いと相撲かな 田村史生
館内に響く廻しを叩く音 田中紫春
踏んでゆく刈田続きの宮相撲 佐々木まき
網打ちは能登の荒技草相撲 宮田勝
秋刀魚択るくわい頭の相撲取 泉早苗
鬼灯の萎れていよよ真くれなゐ 玉置陽子
ほほづきのゆれて寺町願念寺 清水薫
はじめから土俵などなし草相撲 稲垣雄二
百万石見下ろす卯辰相撲かな 花井淳
草相撲小兵の使ふ猫だまし 間宮伸子
相撲とる出雲の国を土俵とし 山本桃潤
ほほづきを鳴らし母待つ夕べかな 酒井きよみ
鬼灯を鳴らして母や穏やかに 藤倉桂
鬼灯をゆつさゆつさと提げくる子 藤倉桂
大関のふぐり巨大や村相撲 山本桃潤
第一句座
【特選】
•藤英樹選
敗戦日ビルマの山のしづもれる イーブン美奈子
いちぢく熟る天地開闢さながらに 仲田寛子
心だけ君と心中天の川 森永尚子
八月や空想列車に百閒と 長井はるみ
新婚のあとかたもなき長崎忌 園田靖彦
まつ白な秋をひらける切符あり イーブン美奈子
父母のもとへ帰りて西瓜かな 藤原智子
白桃や凡ての終る秋見んと おほずひろし
戦争のつづく夜空に星祀る 長谷川櫂
【入選】
生身魂隊歌はいまも諳んじて 曽根崇
赤ん坊のへその莟へ天瓜粉 長谷川櫂
朝顔の藍ほどけゆく静寂かな 澤田美那子
鞭痕を背中に刻み終戦忌 園田靖彦
片腕はお国のために生身魂 木下洋子
天高し船より拝む厳島 金澤道子
秋の夜の夜汽車の中を霧流る 長谷川櫂
流星群待てば夜の音夜のにほひ 澤田美那子
戦まだ止めぬ地球の終戦忌 喜田りえこ
過去などとよもや思へず敗戦日 萬燈ゆき
煩悩を気ままに育て冬瓜かな 喜田りえこ
捻り花矢数俳諧二万余句 湯浅菊子
泣き言は言はず語らず終戦忌 園田靖彦
気のむいたときだけ返事生身魂 長井はるみ
•長谷川櫂選
【特選】
浜木綿の花むんむんと闇の中 藤英樹
八月や戦死の数に餓死あまた 西川遊歩
消えかかる精霊船に鉦一途 曽根崇
【入選】
気まぐれな風とあそびぬ芋の露 仲田寛子
ピカドンに消へて帰らず夏帽子 神谷宣行
夏休み終わり近づくカレーかな 田中益美
敗戦日ビルマの山のしづもれる イーブン美奈子
鞭痕を背中に刻み終戦忌 園田靖彦
秋出水退きぬ水馬のせしまま 関根千方
迎火を焚くや我より若き父 神谷宣行
潮の香のまぢる川風盆おどり 森永尚子
唐辛子庭ぢゅうに干し秋暑し 曽根崇
戦争の居座つてゐる残暑かな 藤英樹
大仏に僧ぶら下がる今朝の秋 升谷正博
秋めくや親子で洗車水しぶき 田中益美
第二句座 (席題:秋風、蜉蝣)
【特選】
•藤英樹選
本屋なき街となりけり秋の風 萬燈ゆき
草蜉蝣あしたの塵に交じりけり 長谷川櫂
秋風や声よくとどく風蓮湖 長井はるみ
おはりなき地獄草子や秋の風 萬燈ゆき
蜉蝣は夜明けの翅をひらきたり 葛西美津子
秋風や人と歩いて人恋し 曽根崇
【入選】
秋風やピーマンに赤一つ生り 関根千方
秋の風白河の関ふきぬくる 園田靖彦
蜉蝣や句集作るに命かけ 木下洋子
ライオンのたてがみに今朝秋の風 森永尚子
蜉蝣は岩魚の口に落ちにけり 葛西美津子
蜉蝣の翅の流るる静寂かな 葛西美津子
•長谷川櫂選
【特選】
おはりなき地獄草子や秋の風 萬燈ゆき
ライオンのたてがみに今朝秋の風 森永尚子
獅子頭顎外されて秋の風 関根千方
秋風や植ゑたはずなき草の丈 金澤道子
すつぽんの首隆々と秋の風 藤英樹
【入選】
秋風やピーマンに赤一つ生り 関根千方
秋風や不要不急の用なれど 澤田美那子
秋風やコロナ隔離の身の軽し イーブン美奈子
かげろふのゆめまぼろしの羽化ならん 西川遊歩
影長きローマ街道秋の風 長井はるみ
秋風や雲の動きにあきもせず 田中益美
床タイル蜉蝣ひそと死んでをり イーブン美奈子
背丈ほどのギター弾く子へ秋の風 萬燈ゆき
秋風や行年二十と遍路墓 曽根崇
秋風や故国を思ふピアノ弾き わたなべかよ
東京都の環境影響評価審議会の都知事宛の答申が近々出されることになり、神宮外苑の再開発問題に関する環境アセスメント手続きは大詰めを迎えています。「三田評論」に掲載された石川幹子東大名誉教授(環境デザイン論)の論考(2022年6月)は、この問題を考える上での必読文献です。神宮外苑の価値を歴史的に考察しています。オンラインで読むことができます。https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/speaking-hall/202206-1.html。石川先生は宮城県岩沼市出身で、岩沼市の震災復興計画にも尽力されました。
第一句座
・矢野京子選
【特選】
ゴーギャンの女は果実大夕立 神戸秀子
起し絵の空つきぬけてきのこ雲 飛岡光枝
青空といふ永遠の夏休み 長谷川櫂
箱庭にやさしき国をつくりけり ストーン睦美
冷たくてきれいな水や広島忌 菅谷和子
【入選】
カナカナの声限りなく夕暮れる 伊藤靖子
なよ竹のかぐやいづこや竹を伐る 菅谷和子
ハンモック風のまにまに夢のまに 菅谷和子
マスクして今年もくぐる茅の輪かな 安藤文
原爆忌遺品はひとつ弁当箱 原京子
山と鉾草花のごと立ち並ぶ 長谷川櫂
自由得て沖へ沖へとヨットかな 斉藤真知子
沼の面の表を蜻蛉裏を鯉 矢田民也
草となりし人ばうばうと広島忌 飛岡光枝
草刈の香の真中なり握り飯 石塚純子
敵にも涙の母や終戦忌 米山瑠衣
八月や征かず殺めずながらへて 矢田民也
百丈の菊と弾ける二尺玉 河本秀也
・長谷川櫂選
【特選】
あの夏を駆け抜け被爆電車くる 矢野京子
ゴーギャンの女は果実大夕立 神戸秀子
借りて妻のまことに小さき汗拭ひ 河本秀也
戦況は二転三転紫蘇を揉む 米山瑠衣
草となりし人ばうばうと広島忌 飛岡光枝
草刈の香の真中なり握り飯 石塚純子
潮騒やあとかたもなき海の家 斉藤真知子
敵にも涙の母や終戦忌 米山瑠衣
八月や征かず殺めずながらへて 矢田民也
墓参り掃き寄せ松の塵ばかり 神戸秀子
【入選】
いつの間に戦の渦中百日紅 神戸秀子
へろへろと犬舌を出す暑さかな 安藤文
マスクして今年もくぐる茅の輪かな 安藤文
夏痩せのわけは聞かずに別れけり 岡村美沙子
幾年を忘れて涼し墓の前 河本秀也
真昼間のそよりともせぬ氷旗 矢野京子
鉦叩き国葬といふ闇深し 城山邦紀
息絶えしかなぶん眠る網戸かな 安藤文
打ち水は空の青さを散らしけり 城山邦紀
不真面目がとりえとのたまひ生身魂 矢田民也
第二句座(席題:七夕、桃)
・矢野京子選
【特選】
かささぎの羽踏みふみての逢瀬かな ストーン睦美
星と生まれて星に恋する淋しさよ 長谷川櫂
不愛想な種を抱きて水蜜桃 米山瑠衣
【入選】
うとうととわが彦星は夢の中 大場梅子
がつがつとのぼさん桃をむさぼらん 大場梅子
くれなゐにはぢらふ桃の皮をむく 菅谷和子
やわらかき桃をがぶりと罪ぶかし 夏井通江
金色の蜜の光の桃一つ 長谷川櫂
大き桃捥ぐや太陽眩しみて 飛岡光枝
陶工は皿割り続け桃実る 河本秀也
・長谷川櫂選
【特選】
くれなゐにはぢらふ桃の皮をむく 菅谷和子
大き桃捥ぐや太陽眩しみて 飛岡光枝
白桃や優しく重く掌に 城山邦紀
【入選】
うとうととわが彦星は夢の中 大場梅子
たなばたや飾りは風の色をなし 夏井通江
とりもどす優しき心桃を剥く 斉藤真知子
やわらかき桃をがぶりと罪ぶかし 夏井通江
干乾びしこころとからだ桃啜る 矢野京子
桃食べて桃のやうなるこどもかな ももたなおよ
白桃をしばらく水に浮かせけり 斉藤真知子
不愛想な種を抱きて水蜜桃 米山瑠衣
部屋いっぱい桃の香りや宅急便 城山邦紀
第一句座(当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
影といふ影みな涼し残月祭 玉置陽子
絵日記をどんとはみ出る花火かな 田村史生
海風の炎のサマードレスかな 長谷川櫂
ほうたるの湧き出て夜の広さかな 宮田勝
白山の水を四角に新豆腐 清水薫
くれなゐの種抱きをる桃一つ 酒井きよみ
長刀鉾熱き体に触れてみよ 長谷川櫂
【入選】
紺屋坂夏衣の若きアキレス腱 中野徹
水打つて残照匂ふ風匂ふ 佐々木まき
葛餅の黒蜜ゆるりと崩れ落つ 中野徹
江ノ島の影うづくまる大暑かな 玉置陽子
山しづか鉾またしづか明易し 安藤久美
遊び疲れ肩よせ眠るヨットかな 山本桃潤
土用波一声山田洋あり 稲垣雄二
飛びゆきて二度と帰らじ蝉の穴 安藤久美
鮒ずしやかって湖北に加賀飛地 泉早苗
へろへろと紙魚這ひ出でぬ虚子俳話 松川まさみ
夏の旅君風となれ舟となれ 趙栄順
汗の子を抱きしめ汗の母となる 趙栄順
・長谷川櫂選
【特選】
集ふのは法事ばかりや鰻食ふ 田村史生
たましひをひやひや浮かべ寝茣蓙かな 酒井きよみ
山しづか鉾またしづか明易し 安藤久美
白山の水を四角に新豆腐 清水薫
掌に吸ひ付いてくる茄子かな 藤倉桂
【入選】
故郷の闇の広さよ月見草 稲垣雄二
ビル解体跡剥き出しの極暑かな 中野徹
九十近き友渾身の夏見舞 近藤沙羅
直面の舞の凛々しく夜涼かな 泉早苗
羅は折目が大事ゆつたりと 間宮伸子
格子戸や胡弓を復習ふ夜の秋 酒井きよみ
江ノ島の影うづくまる大暑かな 玉置陽子
四十年妻と老いたり雲の峰 稲垣雄二
うす味になじみし夫と冷奴 安藤久美
遊び疲れ肩よせ眠るヨットかな 山本桃潤
生き生きて我が夕焼の日々なりし 梅田恵美子
箱庭の誰を待つやら椅子一脚 山本桃潤
火を入るる素焼の窯の大暑かな 泉早苗
鮒ずしやかって湖北に加賀飛地 泉早苗
境内の地獄絵を見て盆踊 田中紫春
第二句座(席題:かき氷、落し文)
・鬼川こまち選
【特選】
かき氷三千尺の嶺に匙 稲垣雄二
車道より木蔭に戻す落し文 氷室茉胡
掻き氷百万石の氷室より 長谷川櫂
君知るや命がけなる落とし文 田中紫春
白山の水こんこんと夏氷 玉置陽子
がりがりと音も馳走やかき氷 安藤久美
【入選】
座禅堂床に転がる落し文 山本桃潤
男衆の熱冷まさんや氷水 田村史生
部活後はまずうどん屋のかき氷 密田妖子
温暖化氷河は地球の欠氷 泉早苗
かき氷はためく旗に誘はれて 佐々木まき
風落ちて山影迫る落し文 宮田勝
拾はれてすぐ捨てられし落し文 稲垣雄二
落し文桃潤さんの庭にかな 趙栄順
雲掬ふごとく掬へり氷水 花井淳
くるくると命のかたち落し文 泉早苗
落し文開きて心空しゆうす 佐々木まき
・長谷川櫂選
【特選】
座禅堂床に転がる落し文 山本桃潤
かき氷三千尺の嶺に匙 稲垣雄二
白山を削り削りてかき氷 趙栄順
かき氷炎の舌で食べにけり 稲垣雄二
白銀の匙の曇れるかき氷 趙栄順
【入選】
若狭へと続く道あり落し文 田村史生
閻魔大王に抜かれし舌よかき氷 田中紫春
落し文風に転がりゆく哀れ 佐々木まき
一瞬の風のごとくにかき氷 山本桃潤
神田界隈わが十代のかき氷 越智淳子
それぞれに思ひ出のいろかき氷 松川まさみ
車道より木蔭に戻す落し文 氷室茉胡
森閑と禅林の昼落し文 玉置陽子
山男気づかずに行く落し文 酒井きよみ
何となく嬉しきものよ落し文 近藤沙羅
むかしからメニューは三種かき氷 酒井きよみ
巡礼の道ほそぼそと落し文 宮田勝
がりがりと音も馳走やかき氷 安藤久美
第一句座(当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
影といふ影みな涼し残月祭 玉置陽子
絵日記をどんとはみ出る花火かな 田村史生
海風の炎のサマードレスかな 長谷川櫂
ほうたるの湧き出て夜の広さかな 宮田勝
白山の水を四角に新豆腐 清水薫
くれなゐの種抱きをる桃一つ 酒井きよみ
長刀鉾熱き体に触れてみよ 長谷川櫂
【入選】
紺屋坂夏衣の若きアキレス腱 中野徹
水打つて残照匂ふ風匂ふ 佐々木まき
葛餅の黒蜜ゆるりと崩れ落つ 中野徹
江ノ島の影うづくまる大暑かな 玉置陽子
山しづか鉾またしづか明易し 安藤久美
遊び疲れ肩よせ眠るヨットかな 山本桃潤
土用波一声山田洋あり 稲垣雄二
飛びゆきて二度と帰らじ蝉の穴 安藤久美
鮒ずしやかって湖北に加賀飛地 泉早苗
へろへろと紙魚這ひ出でぬ虚子俳話 松川まさみ
夏の旅君風となれ舟となれ 趙栄順
汗の子を抱きしめ汗の母となる 趙栄順
・長谷川櫂選
【特選】
集ふのは法事ばかりや鰻食ふ 田村史生
たましひをひやひや浮かべ寝茣蓙かな 酒井きよみ
山しづか鉾またしづか明易し 安藤久美
白山の水を四角に新豆腐 清水薫
掌に吸ひ付いてくる茄子かな 藤倉桂
【入選】
故郷の闇の広さよ月見草 稲垣雄二
ビル解体跡剥き出しの極暑かな 中野徹
九十近き友渾身の夏見舞 近藤沙羅
直面の舞の凛々しく夜涼かな 泉早苗
羅は折目が大事ゆつたりと 間宮伸子
格子戸や胡弓を復習ふ夜の秋 酒井きよみ
江ノ島の影うづくまる大暑かな 玉置陽子
四十年妻と老いたり雲の峰 稲垣雄二
うす味になじみし夫と冷奴 安藤久美
遊び疲れ肩よせ眠るヨットかな 山本桃潤
生き生きて我が夕焼の日々なりし 梅田恵美子
箱庭の誰を待つやら椅子一脚 山本桃潤
火を入るる素焼の窯の大暑かな 泉早苗
鮒ずしやかって湖北に加賀飛地 泉早苗
境内の地獄絵を見て盆踊 田中紫春
第二句座(席題:かき氷、落し文)
・鬼川こまち選
【特選】
かき氷三千尺の嶺に匙 稲垣雄二
車道より木蔭に戻す落し文 氷室茉胡
掻き氷百万石の氷室より 長谷川櫂
君知るや命がけなる落とし文 田中紫春
白山の水こんこんと夏氷 玉置陽子
がりがりと音も馳走やかき氷 安藤久美
【入選】
座禅堂床に転がる落し文 山本桃潤
男衆の熱冷まさんや氷水 田村史生
部活後はまずうどん屋のかき氷 密田妖子
温暖化氷河は地球の欠氷 泉早苗
かき氷はためく旗に誘はれて 佐々木まき
風落ちて山影迫る落し文 宮田勝
拾はれてすぐ捨てられし落し文 稲垣雄二
落し文桃潤さんの庭にかな 趙栄順
雲掬ふごとく掬へり氷水 花井淳
くるくると命のかたち落し文 泉早苗
落し文開きて心空しゆうす 佐々木まき
・長谷川櫂選
【特選】
座禅堂床に転がる落し文 山本桃潤
かき氷三千尺の嶺に匙 稲垣雄二
白山を削り削りてかき氷 趙栄順
かき氷炎の舌で食べにけり 稲垣雄二
白銀の匙の曇れるかき氷 趙栄順
【入選】
若狭へと続く道あり落し文 田村史生
閻魔大王に抜かれし舌よかき氷 田中紫春
落し文風に転がりゆく哀れ 佐々木まき
一瞬の風のごとくにかき氷 山本桃潤
神田界隈わが十代のかき氷 越智淳子
それぞれに思ひ出のいろかき氷 松川まさみ
車道より木蔭に戻す落し文 氷室茉胡
森閑と禅林の昼落し文 玉置陽子
山男気づかずに行く落し文 酒井きよみ
何となく嬉しきものよ落し文 近藤沙羅
むかしからメニューは三種かき氷 酒井きよみ
巡礼の道ほそぼそと落し文 宮田勝
がりがりと音も馳走やかき氷 安藤久美
さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」。さて8月13日(土)はおなじみ虎屋文庫の中山圭子さんです。今回のテーマは「祈りや願い、落雁に込めて」、お盆の最中にふさわしいテーマですね。
講演の後、句会(投句は前日)もあり、句会の選者は中山圭子さんと長谷川櫂先生です。落雁、はつたい、麦こがしの句に挑戦してみてください。お申込みまだの方は、どうか奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。
会場で開催の時は虎屋さんのご協力でお菓子付きの講座でしたが、今回もZoomを使ったオンライン開催のため残念ながらお菓子は配れません。講師の中山さんから「全国各地にさまざまな落雁がありますので、ぜひこの機会に傍らに落雁とお茶をご用意いただき、味わいながら、ご参加ださい。」とコメントをいただいております。

演 題:祈りや願い、落雁に込めて
講 師:中山 圭子(なかやま・けいこ)
プロフィール:東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。四季折々の和菓子のデザインの面白さにひかれて、卒論に「和菓子の意匠」を選ぶ。
現在、和菓子製造販売の株式会社虎屋の資料室、虎屋文庫の主席研究員。
著作に「事典 和菓子の世界 増補改訂版」(岩波書店)、「江戸時代の和菓子デザイン」(ポプラ社)、「和菓子のほん」(福音館書店)など。
講師のひと言:落雁とは、米粉などに砂糖を加えた生地を木型に詰め、打ち出した干菓子のことで、押物、打菓子、粉菓子とも呼ばれます。お盆やお彼岸のお供え菓子のイメージが強いかもしれませんが、かつては招福除災にちなむ様々な意匠の落雁が、慶弔の贈り物に使われました。今回は、人々の暮らしとともにあった落雁の魅力についてお話したいと思います。
日 時:2022年8月13日(土)13:30~16:00(13:15~ Zoom入室開始)
13:30~14:45 講演
14:50~15:20 句会(選句発表)
15:20~16:00 長谷川櫂(きごさい代表)との対談、質疑応答
<申込み案内>
1. 参加申し込み 8/3(水)で締め切りました。
2. 参加費:きごさい会員:1,000円 会員外:2,000円 会費の振込先は自動確認メールでお知らせします。
3.ズームのURL、句会の入力フォームのURLは、申込みと入金された方に8/8までにメールで配信致します。かならずご確認ください。
4.句会:当期雑詠5句 前日投句です。 選者:中山圭子、長谷川櫂
前日8/12(金) 17時までに所定のフォームから投句。ただし句会の参加は自由です。
ズームを使ったオンライン講演会です。8/3(水)までに参加申し込みをして、8/8頃メールで配信するズーム入室URLなどの案内をご確認いただかないと、当日視聴できません。よろしくお願いいたします。
なお講演の録画や画像の複写はなさらないようご注意ください。