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俳句的生活

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古志金沢ズーム句会(2023年9月17日)

俳句的生活 投稿日:2023年9月18日 作成者: dvx223272023年9月18日

第一句座(当季雑詠)

・鬼川こまち選
【特選】
うす紙に落雁の秋こぼれけり       飛岡光枝
ラ・フランス面影といふ香りかな     趙栄順
曾良の海語りきかせよ渡り鳥       玉置陽子
瀧となり千年ののち君を待つ       長谷川櫂
世をはなれ干潟にあそぶ鴫の群      梅田恵美子
瓜揉んで裏も表もなき暮らし       安藤久美
秋真昼ぬつと寂しき腕二本        松川まさみ
ふらふらの脳細胞や新生姜        酒井きよみ
いちじくの秘めたる花を啜りけり     稲垣雄二

【入選】
秋空へふはり鯊釣る糸舞へり       近藤沙羅
声かけて人のぬくみの墓洗ふ       趙栄順
けさ月へ戻りし妻の笑顔かな       花井淳
レモングラス今宵の月に洗はれて     藤倉桂
露草や母は小さく眠りをり        飛岡光枝
千切れては雲流れゆく秋彼岸       田村史生
真つ青な十四歳の終戦日         山本桃潤
うつちやりに行司も転ぶ草相撲      田村史生
望月はなんと大きな器かな        清水薫
かみ合わぬ臓器あちこち秋暑し      密田妖子
鈴虫に霧ふいて出る留守ひと夜      酒井きよみ
蘭の香や生きてる限り眉を描き      間宮伸子

・長谷川櫂選
【特々選】
いちじくの秘めたる花を啜りけり     稲垣雄二
祖母の訃に五歳号泣秋彼岸        氷室茉胡
ラ・フランス円熟の尻かがれたり     松川まさみ
マスカット水跳ね返す水の中       玉置陽子
うつちやりに行司も転ぶ草相撲      田村史生

【特選】
うす紙に落雁の秋こぼれけり       飛岡光枝
白山へいよいよ白し風の道        安藤久美
いつまでも秋の団扇を傍らに       飛岡光枝
町中の水に柳の散る日かな        飛岡光枝
酢橘しぼる酢橘の花を思ひつつ      安藤久美
玉なれと一句磨くや茶立虫        松川まさみ
かみ合わぬ臓器あちこち秋暑し      密田妖子

【入選】
老眼に辞書をひきよせ秋灯        橋詰育子
尻ゆすりムジナ消えたり萩の花      密田妖子
親指の腹すべらせて鰯裂く        玉置陽子
電子辞書片へに句集良夜かな       藤倉桂
上の菊橋下の菊橋十三夜         松川まさみ
日差しより雨に親しき芭蕉かな      氷室茉胡
稲刈つて田圃千枚明らかに        清水薫
川音も囃子してゐるや風の盆       宮田勝
この道は能登線の跡虫しぐれ       清水薫
花芙蓉夕べは紅をふかめけり       橋詰育子
曾良の島の話きかせよ浜千鳥       玉置陽子
けふよりもきのふが近し秋簾       玉置陽子
いつの間に腕を組みたる秋思かな     橋詰育子
もがく蛾をすくつて捨つる秋団扇     稲垣雄二
有り余る小さな秋の金魚かな       越智淳子
日々に減りる貯へ釣瓶落しかな      氷室茉胡
吟味するほどの穴なし穴惑        泉早苗
瓜揉んで裏も表もなかりけり       安藤久美
秋真昼ぬつと寂しき腕二本        松川まさみ
小鳥来よ眼を病んでゐる母へ       安藤久美
白山の水はつめたし新豆腐        趙栄順
スカスカの脳細胞や新生姜        酒井きよみ
酒豪の血子へ脈々と新酒かな       氷室茉胡
がちゃがちゃの鳴きていよいよ一人かな  川上あきこ
色白く味濃く母の衣被          越智淳子
無花果は乳房でありぬ捥ぎにけり     藤倉桂
バツタとぶ今朝降りし雨きらめかせ    近藤沙羅
もう出せぬ母への手紙けふの月      玉置陽子
聡太もゐ翔平もゐる案山子かな      田村史生
鈴虫に霧ふいて出るひと夜かな      酒井きよみ
老犬と交はす眼差し秋の夜        山本桃潤
病む星に白露重陽秋の月         泉早苗
せせらぎの音のしてゐる花野かな     橋詰育子
蝶番外れたる木戸大野分         川上あきこ
秋あかね石のぬくみに休みをり      泉早苗
余生なほまだまだ続く鰯雲        梅田恵美子
奥能登へ霧流れけり松林図        山本桃潤

第二句座(席:運動会、蟋蟀)

・鬼川こまち選
【特選】
虫の闇みな蟋蟀に聞こえたる       泉早苗
コロコロリ閻魔こおろぎ誰裁く      間宮伸子
校長の靴は真つ白運動会         趙栄順
こほろぎの声やむときの淋しかり     近藤沙羅
こほろぎや月の出しも知らざりき     近藤沙羅
白線の空へ伸びゆく運動会        藤倉桂
ちちろ虫人なき里を守りをり       清水薫

【入選】
こおろぎや子ら脱ぎ散らす靴の陰     安藤久美
アンカーは少女よ区民運動会       氷室茉胡
山廬いま美しき闇ちちろ虫        趙栄順
こほろぎの声をたよりに歩きけり     橋詰育子
足腰をのばし玉入れ運動会        酒井きよみ
目印は虹の靴下運動会          田村史生
伴走もゐる車いす運動会         宮田勝
アベック走男子ひきずり一等賞      密田妖子
蟋蟀は雨夜の闇さへ囃しけり       越智淳子
こほろぎや憂きこと知らぬ仏たち     宮田勝
運動会今も歌える校歌かな        間宮伸子
一番に祖母が席取り運動会        酒井きよみ
いなり寿司若き母との運動会       梅田恵美子
運動会父の自慢の土踏まず        玉置陽子

・長谷川櫂選
【特選】
香林坊にあまた闇ありちちろ虫      鬼川こまち
島中の人の走るや運動会         飛岡光枝
犀星の碑を宿としてちちろ虫       清水薫
蟋蟀の声麗しき顔知るや         山本桃潤
白線の空へ伸びゆく運動会        藤倉桂

【入選】
蟋蟀や死を考ふる顔しづか        松川まさみ
こほろぎの声をたよりに歩きけり     橋詰育子
こほろぎや小菊縫ひ取る金の糸      玉置陽子
ブルーマーの脚細かりし運動会      越智淳子
アベック走男子ひきずり一等賞      密田妖子
屑茄子のかけらに鳴くかちちろ虫     稲垣雄二
今は無きパン食ひ競争運動会       飛岡光枝
我去りし鏡に宿るちちろ虫        松川まさみ
運動会父の自慢の土踏まず        玉置陽子

古志広島ズーム句会(2023年9月3日)

俳句的生活 投稿日:2023年9月3日 作成者: dvx223272023年9月3日

第一句座

・矢野京子選
【特選】
また一つ森の消えゆく竹の春     大場梅子
火の中に目玉が一つ原爆忌      長谷川櫂
生きてまた秋の歳時記ひらきけり   斉藤真知子
まきさんに逢ふ歳時記の梨畑     ももたなおよ
世界を憂ふ枝豆を食ひながら     今村榾火
【入選】
鬱々と無花果熟るる真昼かな     安藤文
茫茫と庭草の丈秋の風        城山邦紀
敬老日気がすすまぬの一点張り    石塚純子
向日葵の一つ一つに挨拶す      伊藤靖子
子規庵に白粉花の咲くころか     今村榾火
艶やかないのち山栗炊き込めば    石塚純子
生きて跳ぶ水切りの石秋の川     駒木幹正
鷹渡る海の細道案内せよ       林弘美
夕凪や海流れこむ蟹の穴       長谷川櫂
秋彼岸母の大ぶりいなりずし     神戸秀子

・長谷川櫂選
【特特選】
明け方の夢より醒めて桃をむく    斉藤真知子
冬瓜とかはるがはるに思案顔     加藤裕子
荒野には荒野の花の露けしや     神戸秀子
【特選】
一病を得て親しきは子規忌かな    大場梅子
長き夜やペン皿にペン置いてより   矢野京子
露けしや庭に廻りてみても留守    加藤裕子
鬱々と無花果熟るる真昼かな     安藤文
何もなきわが家の自慢虫時雨     矢野京子
父の忌や庭に今年の桔梗咲く     ももたなおよ
世界を憂ふ枝豆を食ひながら     今村榾火
虫の夜の闇へ睡りの舟を漕ぐ     矢野京子
このごろの南アルプス大根蒔く    大場梅子
地の底を大江戸線や九月一日     原京子
【入選】
故郷の無花果食めば母恋し      伊藤靖子
乳吸ひてすぐ寝る赤子月今宵     夏井通江
枝豆を枝ごと抜きて土産とす     ストーン睦美
秋恋し空いちめんのうろこ雲     菅谷和子
故郷に実る無花果届きけり      伊藤靖子
茫茫と庭草の丈秋の風        城山邦紀
日がな一日雲見て飽きず啄木忌    石塚純子
命あらば百歳の母震災忌       大平佳余子
草刈りし庭に向日葵高々と      伊藤靖子
若き子は手順追ひつつ踊の輪     加藤裕子
安曇野の友病みてありけふの月    城山邦紀
ふるさとに釣糸垂らす夏の果     高橋真樹子
艶やかないのち山栗炊き込めば    石塚純子
生きて跳ぶ水切りの石秋の川     駒木幹正
生きてまた秋の歳時記ひらきけり   斉藤真知子
満月を仰ぐ兵士か黒き影       石塚純子
猛々し夜店のひよこ雄鶏に      米山瑠衣
原爆ドーム今宵しづかに虫時雨    菅谷和子
輪に入れば両手の挙がる踊りかな   駒木幹正
引くところのめりかけては踊りけり  金田伸一
梔子の再びの花ひらきゆく      上松美智子
生れし子を囲む家族へ小鳥来よ    夏井通江
秋刀魚焼く一尾は逝きし父の為    斉藤真知子
桃食ふや昼は測らぬ血糖値      金田伸一

第二句座(席題:野分、蜻蛉)

・矢野京子選
【特選】
ふいと来て心をよぎる糸とんぼ    城山邦紀
飛行機は大きなとんぼ子を送る    神戸秀子
野分すぎ蜻蛉の空となりにけり    大平佳余子
【入選】
戦地へと目玉光らせ鬼やんま     城山邦紀
竹帚きのふの蜻蛉来てとまる     斉藤真知子
綿雲のちぎれちぎれて夕蜻蛉     今村榾火
海底の石も逆立つ野分かな      菅谷和子
厳島なほも清らや野分あと      瑞木綾乃

・長谷川櫂選
【特選】
将門の首のさまよふ野分かな     大場梅子
蜻蛉来る一天紺のかなたから     菅谷和子
ひと掃きで揺らぐ天地野分かな    城山邦紀
【入選】
はじめての佃なつかし赤とんぼ    神戸秀子
竹帚きのふの蜻蛉来てとまる     斉藤真知子
次々にとんぼ乗り継ぐ次の風     矢野京子
忘れずによくぞ我が家へ秋茜     石塚純子
むせかえる風の奥から銀やんま    高橋真樹子
とんぼうや芝しきつめて爆心地    神戸秀子
庭箒探して回る野分あと       ももたなおよ
空海の高野を守る鬼やんま      大平佳余子
草ぐさの力を試す野分かな      ももたなおよ
野分きて駆け上がりゆく太田川    林弘美
何もなき田舎といへど野分立つ    今村榾火

古志金沢ズーム句会(2023年8月20日)

俳句的生活 投稿日:2023年8月21日 作成者: dvx223272023年8月24日

第一句(当季雑詠)

・鬼川こまち選
【特選】
何枚も画布運び出す秋日和        宮田勝
地球にも浮輪が欲しい夏休み       長谷川櫂
妊りて温き月抱く心地かな        趙栄順
湧ききたる雲かいくぐり花野行く     梅田恵美子
まぬがれしこと覚えずや鰯雲       松川まさみ
いつの間に生身魂とはなりしかな     橋詰育子
人の手の美しくなる団扇かな       長谷川櫂
静けさのまほろば盆の風の道       宮田勝
永らへて恐ろしき世に昼寝かな      長谷川櫂
流灯をこの世につなぐ指離す       稲垣雄二
【入選】
万太郎の魂も遊ぶや大花野        酒井きよみ
秋日傘長生き詫びる事なかれ       間宮伸子
きのふ白雲けふ広々と鱗雲        近藤沙羅
人間は口より古ぶ岩清水         長谷川櫂
遠泳の島引き寄せてまた泳ぐ       安藤久美
眼を病みし人に今宵も星ながれ      飛岡光枝
瓢鮎図生身魂との禅問答         氷室茉胡
紀ノ国の夕日匂ふや新走り        玉置陽子
早稲の香へひとさし舞はむ伎芸天     玉置陽子
薪能この世へ戻る留め拍子        密田妖子
裏見せて土用の波やおそろしき      安藤久美
玩ぶ秋の団扇の暮れゆけり        飛岡光枝
灼熱の地獄の外に昼寝かな        梅田恵美子
人は老い御輿は古りて里祭        氷室茉胡

・長谷川櫂選
【特々選】
歌舞伎座の燃ゆるがごとき炎暑かな    飛岡光枝
原爆忌ハムの日といふ是如何に      間宮伸子
かたことの秋を拾ひぬ今朝の秋      鬼川こまち

【特選】
田の神は出水の村をさまよふか      安藤久美
銀の箱の中に居りけりけさの秋      近藤沙羅
裏見せて土用波とはおそろしき      安藤久美
妻思ひ泣く夜もあるか生身魂       稲垣雄二
妻もあり母もゐるらん秋蛍        松川まさみ
流灯をこの世につなぐ指離す       稲垣雄二

【入選】
きのふ白雲けふ広々と鱗雲        近藤沙羅
妊りて温き月抱く心地かな        趙栄順
おんぶひも胸元きつく原爆忌       鬼川こまち
この国のかぐはしきとき稲の花      梅田恵美子
加賀の秋あんころ餅をひと口に      花井淳
背泳ぎの玻璃天井の空真青        藤倉桂
朝顔やどこの村にも忠魂碑         酒井きよみ
遠泳の島引き寄せて泳ぎけり       安藤久美
梨三つ供へて母の忌なりけり       近藤沙羅
朝顔の一輪青し原爆忌          稲垣雄二
朝毎に無花果一個大拙居         山本桃潤
いつの間に生身魂とはなりしかな     橋詰育子
薪能この世へ戻る留め拍子        密田妖子
犀川のりりと流るる今朝の秋       趙栄順
原爆忌地獄を通る人の波         山本桃潤
糠床もきつと喜ぶ秋茄子         清水薫
東京が空を侵すや秋の風         趙栄順
露けしやうなじを撫づる風の息      趙栄順
この道を行けとこころに秋の声      橋詰育子
原爆忌いつもと同じ朝が来て       酒井きよみ
啄木鳥や雲を間近に山の池        花井淳
山の秋生簀の鯉の黒々と         藤倉桂
人は老い御輿は古りぬ里祭        氷室茉胡

第二句座(席題:秋刀魚、吾亦紅)

・鬼川こまち選
【特選】
高々と網をこぼれて銀さんま       飛岡光枝
大秋刀魚大根おろしをそへ食はん     近藤沙羅
一社尼寺めぐる抜け道吾亦紅       宮田勝
吾亦紅虫食ひまでも愛おしく       密田妖子
黒焦げの箔を破つて秋刀魚食ふ      長谷川櫂
大漁の輝き重きサンマ船         山本桃潤
馬にやる草に雑じるや吾亦紅       飛岡光枝
初秋刀魚一人一尾の贅つくし       安藤久美

【入選】
秋刀魚焼く煙を浴びて母のをり      清水薫
吾亦紅少女にはやも熱き息        花井淳
秋刀魚焼く戦の迫る背を丸め       稲垣雄二
咲き誇ることなき花か吾亦紅       松川まさみ
見初めしは君の秋刀魚の食べつぷり    田村史生
初秋刀魚みごとまつすぐ生きにけり    稲垣雄二
澄んだ目の秋刀魚を選ぶ市場かな     田村史生
秋刀魚売る声をとがらせ近江町      泉早苗
ばうばうと腸より焦げる秋刀魚かな    玉置陽子
吾亦紅熊野へ続く古道かな        田村史生

・長谷川櫂選
【特選】
日の射していよいよ紅し吾亦紅      橋詰育子
吾亦紅のむこう火の雨鉄の雨       鬼川こまち
降るように尿せし馬や吾亦紅       鬼川こまち

【入選】
高々と網をこぼれて銀さんま       飛岡光枝
吾亦紅まこと小さき仏かな        梅田恵美子
吾亦紅夫とは違ふ昔あり         間宮伸子
吾亦紅我も恋ふとはこはいかに      趙栄順
町内の雑事受け継ぎ秋刀魚焼く      宮田勝
馬にやる草に雑じるや吾亦紅       飛岡光枝
ばうばうと腸より焦げる秋刀魚かな    玉置陽子
吾亦紅金箔を打つ町に住む        花井淳

古志広島ズーム句会(2023年8月6日)

俳句的生活 投稿日:2023年8月6日 作成者: dvx223272023年8月6日

第一句座
・矢野京子選
【特選】
人間の影立ち上がる原爆忌       城山邦紀
太田川の水飲み育ち広島忌       菅谷和子
風呂敷に亡き子の服や原爆忌      斉藤真知子
海辺には原発あまた原爆忌       岡村美沙子
しんかんと家の奥まで原爆忌      長谷川櫂
【入選】
黙祷や蝉と赤ん坊泣きしきる      神戸秀子
いまごろは母に急かされ茄子の馬    大場梅子
蟻這うな乙女の原爆慰霊碑を      瑞木綾乃
原爆忌母はしづかにピアノ弾く     安藤文
合はすほか能なきわが手八月来     矢田民也
共に句座囲むもえにし広島忌      神戸秀子
原爆忌卵こつんと割る朝食       石塚純子
千羽鶴折る紙の音夜の秋        菅谷和子
日本を塗り替えてゆく溽暑かな     高橋真樹子
大仏のひと息つきし夕立かな      斉藤真知子

・長谷川櫂選
【特選】
星まつり星になる人累々と       ストーン睦美
合はすほか能なきわが手八月来     矢田民也    
爆心地空の秒針恐ろしき        加藤裕子
深閑と虐殺の日ぞ原爆忌        城山邦紀
かの夏のかの母の名よエノラ・ゲイ   神戸秀子
【入選】
軍神の家はしづかに原爆忌       今村榾火
原爆忌母はしづかにピアノ弾く     安藤文
太田川の水飲み育ち広島忌       菅谷和子
原爆忌「はだしのゲン」が消えた学校  岡村美沙子
共に句座囲むもえにし広島忌      神戸秀子
風呂敷に亡き子の服や原爆忌      斉藤真知子
原爆忌ヒロシマの子と生まれきて    矢野京子
八月や蝉鳴き人間黙禱す        大平佳余子
粟稗で生きてけふあり長崎忌      金田伸一
スマホ手に過ぎゆく人ら原爆忌     安藤文
足裏引く潮の力や夏の果        石塚純子
原爆忌手負いの星に危機あらた     岡村美沙子

第二句座(席題:戦争)
・矢野京子選
【特選】
戦死報かの日のままに団扇あり     長谷川櫂
敗戦忌子を死なせたる乳房かな     長谷川櫂
音もなく戦争そこに梅を干す      斉藤真知子
【入選】
蛇口から水滴々と戦争来        斉藤真知子
星飛ぶやもどらぬ遺骨さ迷ふか     大場梅子
黙祷とサイレン蝉の声永く       瑞木綾乃
ひまわりの全部の顔をプーチンに    原京子
敗戦から始まるわが生草の花      石塚純子

・長谷川櫂選
【特選】
体中ただれし仏像原爆忌        夏井通江       
音もなく戦争そこに梅を干す      斉藤真知子
一晩で孤児となりたり終戦忌      城山邦紀
【入選】
沙羅咲くや父は密林さまよひし     ももたなおよ
蛇口から水滴々と戦争来        斉藤真知子
夜光虫サイパン沖の叔父はるか     ももたなおよ
ひまはりの眼の中に戦火見ゆ      矢野京子
母に聞く芋蔓あげて感謝され      大場梅子
敗戦から始まるわが生草の花      石塚純子
戦争に負けて安堵や夏の空       夏井通江

古志金沢ズーム句会(2023年7月23日)

俳句的生活 投稿日:2023年7月24日 作成者: dvx223272023年7月24日

第一句座(当季雑詠)

・鬼川こまち選
【特選】
雷神の踏みはづしたる音ならん      橋詰育子
風蘭のかすかに香る夜の地震       飛岡光枝
白銀の月一片を扇かな          玉置陽子
古き代の朝が明けたり茄子漬       山本桃潤
月涼し大船鉾も灯りけり         田村史生
鬼灯のからくれなゐの涙かな       趙栄順
快音のボールの行方夏の果        松川まさみ

【入選】
星の竹一節削ぎて扇かな         玉置陽子
白玉や笑うては泣き母のこと       玉置陽子
遥かなるものみな青し昼寝覚       宮田勝
八十歳やつと裸になりし我        山本桃潤
稲妻の傷ごと茄子焼かれをり       田村史生
重き耳垂れて雨聴く杜若         趙栄順
大花火水のごとくにしたたれり      安藤久美
老いてなほ夢あるごとし夏帽子      橋詰育子
向日葵や磨き磨きて空の青        宮田勝
墳動く流星の塵あびしより        泉早苗
恐竜の走るがごとく羽抜鶏        長谷川櫂
螢籠空つぽなれば寛ぎぬ         松川まさみ
仏花剪る青葉時雨をかいくぐり      密田妖子
蒲の穂や今も神代の水明かり       松川まさみ
蛍の夜この手伴侶と決めにけり      藤倉桂
農神の田まはりならん青田風       酒井きよみ
この星に疲労の兆し草いきれ       清水薫
水匂う鵜川のはてや星ひとつ       梅田恵美子

・長谷川櫂選
【特々選】
遥かなるものみな青し昼寝覚       宮田勝
恐ろしき世へそうめんを流しけり     鬼川こまち
分け入つて雲のほとりに夏花摘む     酒井きよみ
ややのため乳房を冷ます団扇かな     稲垣雄二
舟の上シテさながらに鵜匠立つ      密田妖子
朝顔や人の命の一大事          飛岡光枝

【特選】
空蝉や今ごろどこで鳴きしきる      越智淳子
鬼灯市少女は草の匂ひして        飛岡光枝
土用波つぎつぎ海をめくり来る      鬼川こまち
山椒魚にやりと笑ふ夢みしが       趙栄順
つぎつぎにひらきて花火あひ触れず    安藤久美
戦争へ背を向けて草むしりをり      稲垣雄二
白桃のしづかに人を拒みけり       玉置陽子
流木に寄りて風蘭花ひらく        飛岡光枝

【入選】
風蘭のかすかに香る夜の地震       飛岡光枝
白玉や笑うては泣き母のこと       玉置陽子
八十歳やつと裸になりし我        山本桃潤
新しき闘志ありけり昼寝覚        橋詰育子
鮎炙る金のはららご零すまじ       酒井きよみ
とらはれて哀れ蚯蚓の蟻まみれ      梅田恵美子
大花火水のごとくにしたたれり      安藤久美
神水で浄めし辻に鉾廻す         氷室茉胡
白銀の月一片を扇かな          玉置陽子
金沢の街をはみ出す虹の橋        清水薫
軒低き六角小路扇売る          玉置陽子
笹に乗り吉野川より走り鮎        泉早苗
農神の田まはりならん青田風       酒井きよみ
冷麦の水まで干して百賀なる       宮田勝
水無月や親にもらひし胃へカメラ     間宮伸子
鈍臭き我を嗤ふや入道雲         近藤沙羅
雨の日は葉の裏にゐる雨蛙        清水薫

第二句座(席題:生身魂、胡瓜揉)

・鬼川こまち選
【特選】
風呂上がり湯気に紛れし生身魂      田中紫春
久々に酔うて謡を生身魂         密田妖子
よく食べてよく笑ふなり生身魂      泉早苗
生身魂悟らぬことの尊さよ        長谷川櫂
淡海の水の匂ひや胡瓜揉み        安藤久美

【入選】
胸つまる思ひの丈を生身魂        宮田勝
あをあをとせつせつと揉む胡瓜かな    玉置陽子
声かけの糸口探す胡瓜もみ        宮田勝
母の手と見えて我が手や胡瓜揉む     松川まさみ
白山の水と刻みて胡瓜揉         花井淳
父逝きし後の歳月生身魂         趙栄順
生身魂壮年の夫恋ひたまふ        安藤久美
生身魂水の流れに逆らはず        飛岡光枝
胡瓜揉む如くに子らを育つ母       山本桃潤
いつしかに妻より上手胡瓜揉       氷室茉胡
手の平の皴の深さよ胡瓜揉み       清水薫

・長谷川櫂選
【特選】
今もなほ母を恋しと生身魂        玉置陽子
裸にはならぬ覚悟や生身魂        趙栄順
生身魂いよいよ耳の聡きかな       飛岡光枝

【入選】
久々に酔へば謡を生身魂         密田妖子
推敲す一句胡瓜を揉むごとく       山本桃潤
淡海の水の匂ひや胡瓜揉み        安藤久美
母の手と見ゆる我が手や胡瓜揉む     松川まさみ
雷の近づく厨胡瓜揉           田村史生
大瀬戸の藻塩ひとふり胡瓜揉む      安藤久美
いつしかに妻より上手胡瓜揉       氷室茉胡
手の平の皴の深さよ胡瓜揉む       清水薫

古志広島ズーム句会(2023年7月2日)

俳句的生活 投稿日:2023年7月2日 作成者: dvx223272023年7月2日

第一句座
・矢野京子選
【特選】
大キャベツ黒き大地を埋め尽くす    駒木幹正    
茅の輪から大きな丸をもらひけり    夏井通江
夏休みぶ厚きドストエフスキー     石塚純子
厨の灯消して守宮に夜を返す      ももたなおよ
ふるさとに知る人もなき帰省かな    斉藤真知子
【入選】
人の世に涼風おくり象の耳       矢田民也
空蝉や戦果のごとくつらなりぬ     大平佳余子
ことこと煮る朝焼けの色杏の実     石塚純子
けふ夏至のマチスの赤き部屋にをり   石塚純子
夕焼けの色に流るる長良川       夏井通江
積乱雲腫瘍のごとく侵掠す       駒木幹正
積ん読の本をひもとく梅雨の窓     安藤文
花むくげすなほに咲いて閉ぢにけり   夏井通江
白南風や市電がうがう行き交へる    加藤裕子
七月や雲の怒濤を浅間山        長谷川櫂

・長谷川櫂選
【特選】
戦争が終はりし夢や籠枕        斉藤真知子
夏休みぶ厚きドストエフスキー     石塚純子
ふるさとに知る人もなき帰省かな    斉藤真知子
【入選】
「金毘羅」を読み返したり白団扇    大平佳余子
軍服の祖父しか知らず冷し酒      ストーン睦美
夫に子にかまけし日々を卒業す     岡村美沙子
暑き日や夜更けて庭に散水す      伊藤靖子
合歓の花入江を出れば五島灘      林弘美
シャワー浴びまた新しき身体かな    ストーン睦美
すやすやと子に先んずる昼寝かな    矢田民也
いくたびもトンネルくぐり夏野かな   高橋真樹子
茅の輪結ふこぼれし茅萓尊しや     加藤裕子

第二句座(席題:避暑、山椒魚)

・矢野京子選
【特選】
はんざきや樹々のしづくを友として   加藤裕子
百年を生きてはんざき世を嘆く     大平佳余子
避暑地など知らないころのじいじかな  城山邦紀
【入選】
死してただ水にもどるや山椒魚     矢田民也
バブル崩壊コロナ明けの避暑地かな   上松美智子
避暑の子や友と帽子を置いてきし    大場梅子
戦争を居間にながめて避暑地とや    駒木幹正
百年の岩を住処に山椒魚        加藤裕子
  
・長谷川櫂選
【特選】
終の地と決めし信濃や山椒魚      金田伸一
はんざきや寝返りうつもひと苦労    米山瑠衣
死してただ水にもどるや山椒魚     矢田民也
老いし目に世を見つめをり山椒魚    石塚純子
半裂の生きて齢を忘れけり       矢田民也
生きにくい世の片隅に山椒魚      ももたなおよ
【入選】
はんざきや改修つづく暴れ川      今村榾火
山椒魚足すり尾すり泳ぎだす      大平佳余子 
反戦の構えはんざき身じろがず     城山邦紀     
サンダルが砂まみれなり避暑の宿    米山瑠衣
はんざきをなでてみるなり闇のごと   夏井通江 
戦争を居間にながめて避暑地とや    駒木幹正
百年の孤独を分かつ山椒魚       大場梅子
はんざきはジュラ紀の水をなつかしむ  ストーン睦美
百年を生きてはんざき世を嘆く     大平佳余子 
避暑地には縁はなけれど小旅行     林弘美  

古志金沢ズーム句会(2023年6月25日)

俳句的生活 投稿日:2023年6月26日 作成者: dvx223272023年6月27日

第一句座(当季雑詠)

・鬼川こまち選
【特選】
余生とて紆余曲折や泥鰌汁        氷室茉胡
胸板の二倍とならん帰省の子       宮田勝
闇を出て命はてたる螢かな        安藤久美
まだ餌にはならざる我ぞ蟻の群      松川まさみ
中華鍋大きく振つて夏料理        稲垣雄二
週刊朝日終刊の日も蟻の列        清水薫
黒あげは一羽の夏の嵐かな        長谷川櫂
手花火のたましひ揺れて落ちにけり    趙栄順

【入選】
古簾エンジン音はたぶん君        川上あきこ
夏料理君の声する京のれん        田中紫春
白山の山守ならん朴の花         趙栄順
風入れん我が身すつぽり裏返し      松川まさみ
くちなしの香りは月の香と思ふ      間宮信子
続きゆく除染労働梅雨晴間        越智淳子
楸邨忌焦土の色の蟻走る         玉置陽子
君に似合ふサブリナパンツ梅雨明ける   花井淳
花火果つこの世の闇のいよよ濃く     玉置陽子
列島のそこかしこ震る冷奴        川上あきこ
風通さん八十歳の記憶にも        泉早苗
国宝を虫干しするも人の技        花井淳

・長谷川櫂選
【特選】
白山の山守ならん朴の花         趙栄順
余生とて紆余曲折や泥鰌汁        氷室茉胡
川とんぼ一ひろとんで又しづか      酒井きよみ
炎昼の奥より人の来つつあり       宮田勝
父の日の父いとほしく老いにけり     安藤久美

【入選】
短夜や自動で焼けるパン一斤       間宮信子
老いていま自立の一歩雲の峰       藤倉桂
睡蓮の水に映れるしづけさよ       橋詰育子
草木にも晩年はあり夏至の夕       間宮信子
命あれ藜の杖となるまでは        橋詰育子
渓谷に雨や昼餉の洗鯉          越智淳子
胸板の二倍とならん帰省の子       宮田勝
牛蛙愚かであれと鳴きにけり       梅田恵美子
川とんぼ畑に水やる長柄杓        酒井きよみ
ぴかぴかの青葉の色や猿の糞       梅田恵美子
物干して白湯ひと口の涼しさよ      花井淳
週刊朝日終刊の日も蟻の列        清水薫
風涼し金比羅舟に揺られ逝く       趙栄順
つぎつぎに風渡りゆく青田かな      橋詰育子
子がひよこ買つてとせがむ夜店かな    氷室茉胡
ほの温き一椀のあり夏料理        稲垣雄二
列島のそこかしこ震る冷奴        川上あきこ
息をつく静かな世界片かげり       山本桃潤
火を入れて青より青き青山椒       趙栄順

第二句座(席題:夏休み、蚕豆)

・鬼川こまち選
【特選】
胸の内吐露してみたきはじき豆      清水薫
そら豆のさやの堅くして反抗期      川上あきこ
子の髪が草の香となる夏休み       趙栄順
夏休み足裏は川を覚えをり        花井淳
蚕豆や白雲まとふ莢の中         玉置陽子
石割つて恐竜探す夏休み         稲垣雄二

【入選】
夏休み小雨ふる日もプールかな      近藤沙羅
村川は河童であふれ夏休み        飛岡光枝
空豆や赤子すやすや揺りかごに      酒井きよみ
平和つて蚕豆に似ていませんか      清水薫
計画表大きく貼つて夏休み        酒井きよみ
空豆をラピスラズリのごとく茹で     田中紫春
雲梯の隙間の空よ夏休み         田中紫春
宿題は宮に集まり夏休み         酒井きよみ
四肢の色くつきり分けて夏休み      越智淳子
持て余す長き手脚や夏休み        玉置陽子

・長谷川櫂選
【特選】
貝殻で恋がはじまる夏休み        泉早苗
蚕豆の莢剥かせれば天下一        田村史生
石割つて恐竜探す夏休み         稲垣雄二
持て余す長き手脚や夏休み        玉置陽子
民宿の主は海女や夏休み         間宮伸子

【入選】
子の髪が草の香となる夏休み       趙栄順
莢ばかり肥えし豌豆いかんせん      安藤久美
はじき豆自給自足の二人かな       藤倉桂
孫ふたり来るの来ないの夏休み      梅田恵美子
そら豆をさやごと焼けばさや旨し     川上あきこ
草亀の卵が三つ夏休み          藤倉桂
蚕豆やいつぱいくれて逝かれけり     近藤沙羅

ネット投句スクーリング 軽井沢新緑句会(2023年5月4日)

俳句的生活 投稿日:2023年5月4日 作成者: dvx223272023年5月12日

第一句座
【特選】     
山道や若葉のしぶき浴びながら   梅田恵美子
軽井沢谺飛び交ふ夏来る      北側松太
病室は退屈地獄亀が鳴く      北側松太
鳶の空今朝ひろびろと五月かな   安藤久美
幟棹夜通しきしる五月来る     園田靖彦
新緑の大地の海を鯉幟       園田靖彦
万緑や今はしづもる浅間山     安藤久美
蟇沈黙でまたやり過ごす      稲垣雄二    
【入選】     
たくさんの莟掲げて母子草     ももたなおよ
蟇ブラックホールを引きずれる   北側松太
一本の発光体か樟新樹       澤田美那子
草笛を吹いて廃線ウオーキング   上田雅子
橅に耳あてれば春の水の音     北側松太
また一枚脱ぎて山行く薄暑かな   梅田恵美子
ズームにも初夏の風吹く句会かな  上田雅子
よき言葉たんと覚えよ柏餅     稲垣雄二
ハンモック吊るすロープの真白さよ 越智淳子
大峰へ雲流れゆく五月かな     安藤久美
芍薬の莟ゆるびぬ乙女色      鈴木榮子
ぼた山は今や青々茶摘晴      ももたなおよ
木々の魂しぶきとなりぬ若葉山   梅田恵美子
春愁やうつ病誤診過ぎし日々    長尾貴代
牛蛙闇を震はせ恋の歌       稲垣雄二
沢蟹を真つ赤に揚げて夏料理    稲垣雄二
若竹や朝日の嵯峨を散策す     ももたなおよ
うねりつつ渦をまきつつ花筏    梅田恵美子
友逝けりいずれは我も花の塵    梅田恵美子

第二句座(席題=末枯、芋煮会)
【特選】     
だぶだぶの仮縫ひのまま金魚かな  園田靖彦
ひらひらと初夏肌寒き病衣かな   北側松太
父母の永遠の不在を籐寝椅子    北側松太
夕映えて植田を巡る水の音     梅田恵美子
鍬一本畔塗りといふ大仕事     園田靖彦
     
【入選】     
くれなゐの贄といふべし牡丹剪る  安藤久美
新緑やバス待つ人も緑色      越智淳子
風薫る精神科よいざさらば     長尾貴代
年ひとつとるも楽しや目刺焼く   梅田恵美子
木の芽和大吟醸といきますか    ももたなおよ
朝刊や滴るやうな新緑に      澤田美那子
岩魚売る籠のみどりを滴らせ    安藤久美

古志仙台ズーム句会(2023年3月26日)

俳句的生活 投稿日:2023年3月27日 作成者: dvx223272023年4月19日

第一句座              
長谷川冬虹選
【特選】
忽然と空を統べたる花辛夷          齋藤嘉子
花も見で朧の国へ逝かれしか         川辺酸模
思ひつくさくらの歌と歩きけり        三玉一郎
来年はダムの底なる桜かな          川辺酸模
向き変へて喉試みん初蛙           長谷川櫂

【入選】
砂浜に夫のイニシヤル磯遊び          佐藤和子
月山の水に洗ひて独活膾           石川桃瑪
春光を練り込みけさの醤油だれ        宮本みさ子
改札を小さき母来る春ショール        佐藤和子
狂ひゆく地球のそばを春の月         上村幸三
公魚のひかりこぼれて釣られけり       甲田雅子
春光を放つまで研ぐ餅の米          宮本みさ子
かの人を運び去りしか花筏          青沼尾燈子
てんでんに叛きて蝌蚪の国破れ        上 俊一
海女けふは地下足袋はいて蕨狩        齋藤嘉子

長谷川櫂選
【特選】
三・一一山墓に彫る五人の名         宮本みさ子
自らの漉きし卒業証書受く          武藤主明
とどかない思ひがふぶくさくらかな      三玉一郎
妻の出て何かの種を蒔きにけり        平尾 福
思ひ出におしつぶさるるさくらかな      三玉一郎

【入選】
阿弥陀堂千年杉の花こぼれ          及川由美子
キャリアカー新車六台乗せて春        佐伯律子
月山の水に洗ひて独活膾           石川桃瑪
花冷えやペットボトルの水光る        阿部けいこ
あの日から牛の背ただれ花ふぶき       宮本みさ子
三陸の海歌ひ継げ卒業歌           長谷川冬虹
サーファーの見つけてくれし桜貝       那珂侑子
花も見で朧の国へ逝かれしか         川辺酸模
三椏の花咲き乳あふれ出す          佐伯律子
松島の小島に拾ふさくら貝          甲田雅子
猿らも宴するらむ花月夜           川辺酸模
公魚のひかりこぼれて釣られけり       甲田雅子
春光を放つまで研ぐ餅の米          宮本みさ子
母のごと月山真白彼岸かな          長谷川冬虹
アメリカの遅日の空へホームラン       武藤主明
拳ゆるむややは湯の中花の昼         齋藤嘉子
麦の国泥にまみれて春が逝く         上村幸三
ひらひらと月夜を泳ぐ干鰈          辻奈央子
(ズーム句会)花時を教へ合ふのもオンライン  長谷川冬虹

第二句座  (席題:風車、草青む、蛇穴を出づ)
長谷川冬虹選
【特選】
揺れながら夫のリハビリ草青む        甲田雅子
象の尻二つ並びて草青む           三玉一郎
何草になるともしらず草青む         長谷川櫂

【入選】
草青む公園デビューの赤い靴         武藤主明
打球音ひびく校庭草青む           川辺酸模
蛇出づや法会に向かふ女坂          佐藤和子
蛇出でて野球少年ちやかしをり        佐伯律子
何食はぬ貌して蛇の穴出たる         武藤主明
セーラ服リボンとりかへ草青む        服部尚子

長谷川櫂選
【特選】
母恋へばまた廻りけり風車          谷村和華子
忘れられ月と遊ぶよ風車           齋藤嘉子
象の尻二つ並びて草青む           三玉一郎

【入選】
蛇出づか大小穴の艶めかし          谷村和華子
蛇穴を出でて見上げるホームラン       服部尚子
この国を危ぶみつつも蛇出づる        齋藤嘉子
売れ残りゐて風車よく回る          甲田雅子

伊集院光さん『名著の話』

俳句的生活 投稿日:2023年3月21日 作成者: dvx223272023年4月17日

伊集院光さんの『名著の話』第2巻「芭蕉も僕も盛っている」(KADOKAWA 1,540円+税)が出版されました。

NHK・Eテレ「100分de名著」で出会った100冊以上の中から作者が心に残った三冊、第2巻は芭蕉『おくのほそ道』、ダニエル・デフォ『ペストの記憶』、コッローディ『ピノッキオの冒険』について、放送時のパートナーとの対談を収録しています。

『おくのほそ道』の章では長谷川櫂と対談しています。ぜひ購読ください。(北側松太)

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読売新聞「四季」から

今年てふ未来ありけり初鏡      田辺麦甫

 これから来る時間を未来というと、何だか輝いているような気がする。それはこの言葉の音の力。美しいmとrの子音があり、aiもある。それに対して過去という言葉は最後の母音oで沈みこむ。初鏡は年が明けて初めてのぞきこむ鏡。『鳥渡る』

2月11日(水) 古志雪中ズーム句会

  • 2月11日(土)、午後1時30分から二座行います。
  • 雪の句を十句ご用意ください。席題はありません。
  • 会費は2,000円(参加者にはあとで振込口座をお知らせいたします)
  • 申込締切=1月31日
  • 古志の同人・会員でないと参加できません。

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      • 1月24日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
      • 1月25日(日)仙台ズーム句会
      • 2月1日(日)広島ズーム句会
      • 2月7日(土)HAIKU+
      • 2月8日(日)鎌倉ズーム句会
      • 2月11日(水、建国記念日)雪中ズーム句会
      • 2月14日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
      • 2月15日(日)金沢ズーム句会
      • 2月22日(日)ネット投句のスクーリング
      • 2月23日(月、天皇誕生日)句会仙台ズーム句会
      • 2月28日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
      • 3月1日(日)広島ズーム句会
      • 3月7日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
      • 3月8日(日)鎌倉ズーム句会
      • 3月14日(土)きごさい全国小中学生俳句大会(東京、白川清澄公園)
      • 3月22日(日)金沢ズーム句会
      • 3月28日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
      • 3月29日(日)仙台ズーム句会

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      『「おくのほそ道」を読む 決定版』
      ちくま文庫
      1,000円+税
      2025年5月刊行


      『四季のうた ウクライナの琴』
      中公文庫
      800円+税
      2025年1月刊行


      『長谷川櫂 自選五〇〇句』
      朔出版
      2200円+税
      2024年4月刊行


      『四季のうた 井戸端会議の文学』
      中公文庫
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      『小林一茶』
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      『ふじさわびと』vol.26
      株式会社ふじさわびと
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      『四季のうた 雨ニモマケズ』
      中公文庫
      800円+税
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      『和の思想』
      岩波新書
      980円+税
      2022年7月刊行


      『俳句と人間』(3刷)
      岩波新書
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      2022年1月刊行


      100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
      NHK出版
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      2014年10月刊行


      『四季のうた 美しい日々』
      中公文庫
      800円+税
      2022年1月刊行


      句集『太陽の門』
      青磁社
      2200円+税
      2021年8月刊行


      『四季のうた 天女の雪蹴り』
      中公文庫
      800円+税
      2021年1月刊行


      大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
      長谷川櫂 編
      岩波新書
      780円+税
      2019年12月刊行


      『四季のうた 普段着のこころ』
      中公文庫
      800円+税
      2019年12月刊行


      大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
      長谷川櫂 編
      岩波新書
      780円+税
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      『歌仙一永遠の一瞬』
      岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
      思潮社
      2200円+税
      2019年1月刊行


      『歌仙はすごい』
      辻原登、永田和宏、長谷川櫂
      中公新書
      880円+税
      2019年1月刊行


      『四季のうた 至福の時間』
      中公文庫
      700円+税
      2018年12月刊行


      『九月』
      青磁社
      1800円+税
      2018年8月刊行


      『Okinawa』
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      俳句 長谷川櫂
      英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
      2018年5月刊行


      『俳句の誕生』(4刷)
      筑摩書房
      2300円+税
      2018年3月刊行


      『四季のうた 想像力という翼』
      中公文庫
      700円+税
      2017年12月刊行


      『芭蕉さん』
      俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
      選句解説・長谷川櫂
      講談社
      1500円+税
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      『震災歌集 震災句集』
      青磁社
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      『四季のうた 文字のかなたの声』
      中公文庫
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      2016年12月刊行


      藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
      花神社
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      2016年10月刊行


      『文学部で読む日本国憲法』
      ちくまプリマー新書
      780円+税
      2016年8月刊行


      『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
      松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
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      『四季のうた 微笑む宇宙』
      中公文庫
      700円+税
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      『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
      筑摩選書
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      『沖縄』
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      『入門 松尾芭蕉』
      長谷川櫂 監修
      別冊宝島
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      『歌仙一滴の宇宙』
      岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
      思潮社
      2000円+税
      2015年2月刊行


      『吉野』
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