ネット投句スクーリング 軽井沢新緑句会(2023年5月4日)
第一句座
【特選】
山道や若葉のしぶき浴びながら 梅田恵美子
軽井沢谺飛び交ふ夏来る 北側松太
病室は退屈地獄亀が鳴く 北側松太
鳶の空今朝ひろびろと五月かな 安藤久美
幟棹夜通しきしる五月来る 園田靖彦
新緑の大地の海を鯉幟 園田靖彦
万緑や今はしづもる浅間山 安藤久美
蟇沈黙でまたやり過ごす 稲垣雄二
【入選】
たくさんの莟掲げて母子草 ももたなおよ
蟇ブラックホールを引きずれる 北側松太
一本の発光体か樟新樹 澤田美那子
草笛を吹いて廃線ウオーキング 上田雅子
橅に耳あてれば春の水の音 北側松太
また一枚脱ぎて山行く薄暑かな 梅田恵美子
ズームにも初夏の風吹く句会かな 上田雅子
よき言葉たんと覚えよ柏餅 稲垣雄二
ハンモック吊るすロープの真白さよ 越智淳子
大峰へ雲流れゆく五月かな 安藤久美
芍薬の莟ゆるびぬ乙女色 鈴木榮子
ぼた山は今や青々茶摘晴 ももたなおよ
木々の魂しぶきとなりぬ若葉山 梅田恵美子
春愁やうつ病誤診過ぎし日々 長尾貴代
牛蛙闇を震はせ恋の歌 稲垣雄二
沢蟹を真つ赤に揚げて夏料理 稲垣雄二
若竹や朝日の嵯峨を散策す ももたなおよ
うねりつつ渦をまきつつ花筏 梅田恵美子
友逝けりいずれは我も花の塵 梅田恵美子
第二句座(席題=末枯、芋煮会)
【特選】
だぶだぶの仮縫ひのまま金魚かな 園田靖彦
ひらひらと初夏肌寒き病衣かな 北側松太
父母の永遠の不在を籐寝椅子 北側松太
夕映えて植田を巡る水の音 梅田恵美子
鍬一本畔塗りといふ大仕事 園田靖彦
【入選】
くれなゐの贄といふべし牡丹剪る 安藤久美
新緑やバス待つ人も緑色 越智淳子
風薫る精神科よいざさらば 長尾貴代
年ひとつとるも楽しや目刺焼く 梅田恵美子
木の芽和大吟醸といきますか ももたなおよ
朝刊や滴るやうな新緑に 澤田美那子
岩魚売る籠のみどりを滴らせ 安藤久美