2004年4月にはじまった読売新聞コラム「四季」が20周年を迎え、3月13日朝刊に特集が掲載されました。またこの日から「四季」には「*7047回」と回数が記されています。
4月には東京大手町の読売新聞本社で講演会、パネル展があります。
2004年4月にはじまった読売新聞コラム「四季」が20周年を迎え、3月13日朝刊に特集が掲載されました。またこの日から「四季」には「*7047回」と回数が記されています。
4月には東京大手町の読売新聞本社で講演会、パネル展があります。
第一句座
•藤英樹選
【特選】
つばくらめ光をひいて立子の忌 わたなべかよ
避難所の友と一緒に卒業す 木下洋子
男来てぽんと札束雛の市 園田靖彦
春雨のひと日遊ばん大阪へ 藤原智子
【入選】
橘も桜もなでて雛納 仲田寛子
朝寝する若き女でありし頃 森永尚子
古くさきかほがよろしき雛かな 森永尚子
なほ深き泥ふところへ田螺かな 長谷川櫂
やはらかな莟に変り白木蓮 おほずひろし
猫の子の母は一歳うら若き 西川遊歩
そのなかにわが目も浮かぶ蜆汁 湯浅菊子
•長谷川櫂選
【特選】
一つ家に雛古びて人老いぬ 関根千方
【入選】
歴史みな彼に学びき菜の花忌 藤英樹
吊るされて光と遊ぶ雛かな 葛西美津子
手にのせてあまりに軽し吉野雛 澤田美那子
梅に飽き椿に飽いてさへづれり 葛西美津子
寝返りで進む赤子や雛祭 藤原智子
第二句座(席題:雛、椿餅)
•藤英樹選
【特選】
球音のロスへと嫁ぐ女雛かな 神谷宣行
葉隠れの花か莟か椿餅 長谷川櫂
【入選】
揺らぐ国邪鬼払はんと椿餅 西川遊歩
震災も戦火も越えし雛かな 関根千方
いきつづく被爆の雛や永遠にあれ 神谷宣行
海深く雛は今も泥まみれ きだりえこ
一筆の眼きりりと立雛 木下洋子
つやつやの葉が上と下椿餅 おほずひろし
•長谷川櫂選
【特選】
大きなる餅に大きな椿の葉 藤英樹
椿の葉十枚あれば椿餅 わたなべかよ
公然と虐殺続くひなの日も 関根千方
【入選】
岩陰にしばし安らふ流し雛 木下洋子
葉一枚息止めて置く椿餅 イーブン美奈子
二月堂今朝まだ静か椿餅 きだりえこ
茶屋街に雪降り出しぬ椿餅 神谷宣行
椿餅千年君を待つごとく 関根千方
ならまちの格子古びぬ椿餅 きだりえこ
第一句座 | |
・矢野京子選 | |
【特選】 | |
真つ先に子供が見つけ菫かな | 斉藤真知子 |
(亜紀さんは菫となりて) | |
春光の怒濤崩れてまた怒濤 | 長谷川櫂 |
満開の後はうやむや梅の花 | 石塚純子 |
春菊の芽のほろ苦し實の忌 | 駒木幹正 |
五体投地の音痛きまで春の闇 | 石塚純子 |
【入選】 | |
鳥雲に書きて驚く我が齢 | 斉藤真知子 |
もどり来よ古巣はいまだそのままに | 大場梅子 |
麗しのボストンの春征爾逝く | 大場梅子 |
もういない共に朝寝をしたき人 | 大平佳余子 |
柔らかき一番摘みの菜花かな | 上松美智子 |
春の池大鯉ゆるりと遅れ来る | 駒木幹正 |
春の雪火入れ見にゆく男かな | 高橋真樹子 |
地に深く苗木一本卒業す | 石塚純子 |
年とらぬ雛飾りて老いにけり | 矢田民也 |
独り身も楽しきものぞ雛祭 | 安藤文 |
さきがけの菜花コップに利休の忌 | 神戸秀子 |
健啖家子規のたのしみ桜もち | 大場梅子 |
広重のやうに傘むけ春の雨 | 瑞木綾乃 |
北窓開くわれ八十歳の世やいかに | 石塚純子 |
青海苔掻く尻の向かふに太平洋 | 駒木幹正 |
生涯の友達を得て卒業す | 安藤文 |
若き日の朝寝が恋し雀来よ | 菅谷和子 |
春雨や心もとなき二次試験 | 林弘美 |
管理人燕の古巣捨てないで | 菅谷和子 |
母留守の水屋にありし椿餅 | 神戸秀子 |
海原の嘆きを掬ひ若布刈る | 城山邦紀 |
あ | |
・長谷川櫂選 | |
【特選】 | |
湧水や青麦畑も工業地 | 加藤裕子 |
妻へ注ぐ娘のくれし桃の酒 | 今村榾火 |
泥雛欠け雛死雛能登の春 | 矢田民也 |
あ | |
【入選】 | |
あけくれに薬を数ふ余寒かな | 矢田民也 |
その昔空爆ありきげんげ畑 | 今村榾火 |
地に深く苗木一本卒業す | 石塚純子 |
独り身も楽しきものぞ雛祭 | 安藤文 |
青海苔掻く尻の向かふに太平洋 | 駒木幹正 |
春菊の芽のほろ苦し實の忌 | 駒木幹正 |
あ | |
第二句座(席題:白魚、黄砂) | |
・矢野京子選 | |
【特選】 | |
アルプスを盾に物干すよなぐもり | 金田伸一 |
丼に花ふぶくごと白魚かな | 夏井通江 |
百歳の白魚の指包まるる | 瑞木綾乃 |
【入選】 | |
霾やチンタオ生まれの母眠る | ももたなおよ |
黄砂来る関門海峡ひとまたぎ | 斉藤真知子 |
母の忌の日輪ぼうと霾れり | 神戸秀子 |
霾や原爆ドームに万客に | 瑞木綾乃 |
白魚の一尾するりと網をぬけ | 斉藤真知子 |
あ | |
・長谷川櫂選 | |
【特選】 | |
さつきまで泳いでゐしを白魚汁 | 矢野京子 |
つちふるや桜いよいよ枝垂れけり | 岡村美沙子 |
丼に花ふぶくごと白魚かな | 夏井通江 |
【入選】 | |
アルプスを盾に物干すよなぐもり | 金田伸一 |
母の忌の湯気ほのぼのと白魚椀 | 神戸秀子 |
霾るやぬつと出で来し馬の顔 | 原京子 |
白魚の目のつぶつぶとかきあげに | 大平佳余子 |
大牟田の煙突高し蒙古風 | 今村榾火 |
母の忌の日輪ぼうと霾れり | 神戸秀子 |
舌にのせ生白魚の味微か | 上松美智子 |
白魚の下に白魚透けゐたり | 矢田民也 |
太陽は黄砂の向かふ北京の春 | ストーン睦美 |
蒙古風只一本の道続く | 加藤裕子 |
◎募集句
投 句 当季雑詠三句一組(何組でも可)
応募料 一組三句
千円左記の大会募集句応募用紙とともに、小為替を同封又は現金書留。
※入選句結果を希望の方は八十四円切手二枚同封のこと。
応募締切 令和六年三月十三日(水)当日消印有効
表 彰 太宰府天満宮表彰、その他
応募先 〒830-1212 北野郵便局留
「第一回太宰府天満宮奉納全国俳句大会」募集句係 上瀧玲子行
入選発表 大会当日
選 者 長谷川擢(朝日俳壇選者)、井上泰至(日本伝統俳句協会副会長)、小澤 實(「澤」主宰)、川越歌澄(第一回北斗賞受賞)
◎俳句大会
日 時 令和六年五月十八日(土)九時より受付
会 場 太宰府天満宮 余香殿(御本殿左) 太宰府市宰府四丁目七番一号
交 通 西鉄太宰府駅より徒歩五分 ※車でお越しの方は周辺駐車場をご利用ください。
吟行地 太宰府天満宮及びその周辺(観世音寺・大宰府政庁跡等)
参加料 1,000円(当日受付にて)
投句締切 十二時三十分(吟行句及び当季雑詠 三句)
開 会 十三時
選 者 金子清黙 木下万沙羅 月渓花代 中原南大喜 永田寿美香 味酒安則 (五十音順)
第一部 十一時~十二時(余香殿)某調講演 前権官司 味酒安則氏(当家四十二代)「なぜ、梅は飛んだか 菅原道真公の詩歌の世界」
第二部 十三時~十六時( 予定)
俳句大会
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
麦青むかつては瓦礫置き場かな 宮本みさ子
目も口もあらずほほゑむ紙ひひな 長谷川櫂
ずたずたの雪間となりぬ千枚田 武藤主明
蔵王は父月山は母みな春山 長谷川櫂
【入選】
蘆の角津波襲ひし校舎跡 阿部けいこ
牛の背の向かうに廃炉原発忌 青沼尾燈子
今どこで何してゐるや震災忌 佐伯律子
原発忌置かれしままのランドセル 青沼尾燈子
三月やあれから君は龍宮か 及川由美子
鶯はなかなか枝を決められず 平尾 福
小さきもの小さく死にけり原発忌 服部尚子
波をたて波をなだめつ紙漉き師 石川桃瑪
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
十三年前になくしたままの春 三玉一郎
また眠る山また山や春の雪 武藤主明
原始我ら火を畏れけり原発忌 臼杵政治
原発忌それでも海は捨てられず 三玉一郎
春の風かうして海は鬼となりき 三玉一郎
【入選】
耳遠き連れと大声梅見かな 上 俊一
取り分くる箸に鶯餅歪む 石川桃瑪
鳴く鳥よ瞬く星よ震災忌 谷村和華子
春潮や津波砂漠の三陸へ 及川由美子
ずたずたの雪間となりぬ千枚田 武藤主明
分け合ひて蒲鉾ちさし雛の膳 服部尚子
そしてまた花を待つ日々震災忌 三玉一郎
十年(ととせ)経て記憶は忌憶大震災 石川桃瑪
汚染水言へば失職原発忌 川辺酸模
漂着のわかめに髪のにほひあり 宮本みさ子
奔流に押し戻さるる流し雛 武藤主明
今さらに地震列島原発忌 上 俊一
春日向十三年も経ちたるか 長谷川冬虹
フクシマも燕来るころ原発忌 川辺酸模
散骨の日和賜り春の海 宮本みさ子
いまごろは桃の咲くころ被爆村 川辺酸模
第二句座(席題:田螺、野焼き、柳の芽)
長谷川冬虹選
【特選】
草を焼く猛獣使ひの男ども 三玉一郎
眠さうな顔をしてゐる田螺かな 平尾 福
野火果てしカルデラ高く鳶の舞ふ 川辺酸模
天と地をつなぐ焔よ野火猛る 上村幸三
信長となりて全山焼き払ふ 臼杵政治
【入選】
少年が立ち止まり見る野火のいろ 及川由美子
母恋し乳房恋しと田螺かな 長谷川櫂
煌めいて遠目に著し柳の芽 及川由美子
芽柳のほぐるる四十九日かな 臼杵政治
水際へ追立てらるる野焼きの火 武藤主明
村中を眠らせ田螺鳴いてをり 平尾 福
人は火を畏れ操り山を焼く 齋藤嘉子
芽柳や越後杜氏の帰る頃 武藤主明
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
眠さうな顔をしてゐる田螺かな 平尾 福
日のさして田螺の家族うごめきぬ 川村杳平
今はもう田螺の味も忘れたり 武藤主明
【入選】
長靴の中ちやぷちやぷと田螺とる 佐伯律子
水際へ追立てらるる野焼きの火 武藤主明
枯草はもんどりうつて野火になり 上村幸三
煙から男逃げくる野焼きかな 上村幸三
水口へ田螺の曳きし道数多 佐藤和子
石川県立輪島漆芸技術研修所からのお願いです。
石川県立輪島漆芸技術研修所
所 長 小森邦博
日頃より当研修所の事業にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。今回の地震の報道に、皆様さぞお心を痛めていらっしゃることと思います。私を含め職員、講師の先生方、研修生達も胸が張り裂けそうな思いです。
地震以降、見舞金、寄付金に関するお問い合わせが数多く寄せられております。見舞金の受け付けについて、次のとおりご案内いたします。集まった見舞金は研修生の生活再建や道具購入等、有効に活用させていただきます。
1・見舞金額 任意
2・振込口座 北國銀行 七尾支店(ホッコクギンコウ ナナオシテン)普通 60859
口座名義 輪島漆研被災研修生見舞金(ワジマシッケンヒサイケンシュウセイミマイキン)
2023年10月1日~12月17日、「天皇陛下御製皇后陛下御歌展」が日本書道美術館にて開催されました。-「御製御歌を書にしたためて」ーと題された本展には、天皇御即位五年、ご成婚三十年に祝意を表し、両陛下の歌会始の和歌七十二首を書家はじめ各界の七十二名がしたためた書が並びました。
音楽、工芸、文学、スポーツ、政治など各界の方々の書は特に個性的で、料紙もそれぞれが選ばれたのか、画一的でないのがとても好もしく感じました。
両陛下の和歌は歌会始の記事などで目にはしていましたが、じっくりと拝読するよい機会となりました。
長谷川櫂さんの書は、御製「はるかなる時空を越えて今見ゆる星の世界をすばるは探る」。宇宙へ飛び出さんばかりの力強い作品です。
本展の図録には、長年にわたり和歌御用掛を勤められた岡野弘彦先生の「心とことばをふりしぼって、祈りの歌を」の一文と四首が、第八歌集『美しく愛しき日本』から転載されています。東日本大震災の翌年に出版された同歌集の存在感をあらためて思う機会ともなりました。図録は同美術館で購入可能です。(飛岡光枝)
大朝寝花と死の字のどこか似る | 神奈川 | 中丸佳音 |
目薬を注して目瞑る寒さかな | 岐阜 | 三好政子 |
一文字口閉ぢしまま能登の牡蠣 | 岐阜 | 梅田恵美子 |
荒れ荒れて波の花飛ぶ能登の闇 | 愛知 | 稲垣雄二 |
初鏡母が写つたかと思ふ | 京都 | 氷室茉胡 |
冬深し底はくれなゐ輪島塗 | 奈良 | きだりえこ |
山焼きの火を邪鬼たちと眺めけり | 奈良 | 中野美津子 |
鮟鱇は顎を残して喰はれけり | 長崎 | 川辺酸模 |
赤恥もいまや身に添ひ日向ぼこ | 大分 | 竹中南行 |
寒梅や揺るる大地がわれらの地 | 大分 | 竹中南行 |
雪嶺の襞を深めて青き空 | 北海道 | 柳一斉 |
元日や戻り来たりし旅の龍 | 千葉 | 若土裕子 |
年玉でもの買ふときの嬉しさよ | 千葉 | 谷口正人 |
我知らぬ母の話を女正月 | 千葉 | 池田祥子 |
大佐渡の不機嫌な空ふゆごもり | 新潟 | 安藤文 |
半壊の蔵動き出す寒造り | 石川 | 花井淳 |
目出度さは髭の先まで飾り海老 | 大阪 | 澤田美那子 |
かすむ眼の整うてゆく初景色 | 兵庫 | 加藤百合子 |
「いどばた連句」がはじまります。3グループ同時スタートで、捌きは村松二本さん、木下洋子さん、飛岡光枝さんです。
「古志」以外の人も「うたたね歌仙」の連衆も誰でも参加できます。重複参加も可能です。参加費はありません。
年に1巻、年間賞を決めます。
それぞれのサイトで近く発句を発表、連衆(参加者)を募集します。希望者は各サイトへお申し込みください。