古志金沢ズーム句会(2025年12月21日)
第一句座
新年詠または当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
火にのせておどる鮑を冬怒涛 酒井きよみ
水の引くやうに闇ひく大旦 宮田勝
楪や引継ぎゆかん和の思想 花井淳
冬瓜のはらわたけふも微熱して 川上あきこ
どんどの火花びらとなり蝶となり 趙栄順
着ぶくれてやがて死にゆくわが身かな 梅田恵美子
獅子舞の獅子に差し出す石頭 飛岡光枝
眠られぬ山さまよふは何々ぞ 安藤久美
搗き上げし餅荒神さまへ一つかみ 梅田恵美子
【入選】
ご機嫌は知る術もなし海鼠かな 清水薫
雪起こし眠りの底へ落つるとき 松川まさみ
襖閉め花の一間となりにけり 稲垣雄二
帰省子の食べ頃とせん蕪寿司 密田妖子
雪吊りや庭師の声を空が吸ふ 密田妖子
家々のまへに人立つ初日待つ 宮田勝
数へ日の老いてなすこと多きかな 橋詰育子
竜の玉末期に聞くは誰の声 間宮伸子
吊るし柿仕舞ひて二人冬ごも 藤倉桂
風音は子守唄なり山眠る 梅田恵美子
年の市うひうひしきは臼と杵 酒井きよみ
去年今年ことばの涸渇怖れけん 泉早苗
冬至まで南瓜ひとつを転がしぬ 密田妖子
やはらかな日差しに溶くる冬の蝶 藤倉桂
一年を箸に絡めて晦日蕎麦 清水薫
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
年の市うひうひしきは臼と杵 酒井きよみ
冬の日やもはや旧知のデイキンソン 近藤沙羅
手づかみでいただく春や花びら餅 稲垣雄二
【入選】
火にのせておどる鮑へ冬怒涛 酒井きよみ
わが猫はいつもの椅子に冬籠り 飛岡光枝
家々のまへに人立ち初日待つ 宮田勝
大小は親と子ならん重ね餅 花井淳
夕顔の炭斗ひとつ部屋籠り 飛岡光枝
獅子舞の獅子に差し出す石頭 飛岡光枝
冬至までひとつ転がる南瓜かな 密田妖子
大土佐の山に日当たる冬至かな 橋詰育子
眠られぬ山さまよふは何山ぞ 安藤久美
第二句座
席題:「小晦日」、「初糶」
・鬼川こまち選
【特選】
初競りや御祝儀鮪の値はいかに 越智淳子
小晦ゆずり合ひする厨かな 密田妖子
母全身厨の匂ひ小晦日 越智淳子
一つずつメモを消し行く小晦日 川上あきこ
初市や活気を買うて眩暈せん 川上あきこ
紀ノ海へ柏手揃う初市場 玉置陽子
初糶や雪より白き鰤の腹 稲垣雄二
【入選】
初市や宝船には野菜のせ 田村史生
初ぜりや白魚の籠並びたる 近藤沙羅
どの魚も黒目勝ちなりせり初 泉早苗
生けし花一人ながむる小晦日 藤倉桂
小晦日世事彼是と済ませける 山本桃潤
初市の固き蕾を選りにけり 安藤久美
発糶の声はテノールお立ち台 花井淳
仲買の声に高値を初市場 山本桃潤
初糶の声も祝儀の響かな 松川まさみ
こつごもり薦掛けらるる展宏碑 泉早苗
寝てよりの算段あれこれ小晦日 玉置陽子
初競りや生け洲に溢る大マグロ 中紫春
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
初ぜりの白魚の籠並びけり 近藤沙羅
小晦日あと一日を頼みとす 泉早苗
初市やバケツにどさと水仙花 飛岡光枝
初糶の糶棒いよよ鰤の前 酒井きよみ
初糶や雪より白き鰤の腹 稲垣雄二
【入選】
荷崩れやそのままさばく初市場 鬼川こまち
初糶や立山はまだ闇の中 酒井きよみ
川中に白鷺一羽こつごもり 近藤沙羅
逃げなんともみ合ふ海鼠初市場 酒井きよみ
初市の固き蕾を選りにけり 安藤久美
雪山に野梅を剪りに小晦日 山本桃潤
母全身厨の匂ひ小晦日 越智淳子
束ねたる髪に粉雪や初市場 松川まさみ
たちまちに夜となりけり小晦日 田村史生
紀ノ海へ柏手揃う初市場 玉置陽子
鰰はびつくりまなこ初市場 間宮伸子
初市や氷の海鼠売られゆく 飛岡光枝
こつごもり薦を掛けたる展宏碑 泉早苗
