第一句座
•藤英樹選
【特選】
青空の真ん中割れて原爆忌 藤原智子
秋立つや雲を離れて雲ひとつ 葛西美津子
つよくあれ優しくあれと天瓜粉 萬燈ゆき
若竹のごとき君等よ原爆忌 澤田美那子
【入選】
のしかかる太陽重き炎暑かな 湯浅菊子
マンゴオは日向の国の乳房かな 長谷川櫂
武器捨てて静かな力天高し 神谷宣行
けさ秋の不空羂索観世音 きだりえこ
吾が語る言葉はがゆき八月来 澤田美那子
一病に過ぎける日々よ合歓の花 湯浅菊子
冷徹なまなこのためのサングラス 関根千方
•長谷川櫂選
【特選】
若竹のごとき君等よ原爆忌 澤田美那子
【入選】
天瓜粉生老病死瞬く間 萬燈ゆき
爽涼や舟止めて見る魔天蓋 仲田寛子
つよくあれ優しくあれと天瓜粉 萬燈ゆき
太陽にぶつかつてゆく大揚羽 藤原智子
父ねむる摩文仁の丘よ終戦日 吉田順子
第二句座 (席題:流星、糸瓜)
•藤英樹選
【特選】
国境のまるで無きかに星流る 升谷正博
人住んで居るらし糸瓜ぶら下がり 仲田寛子
色白が自慢の祖母や糸瓜水 金澤道子
【入選】
繁栄のローマの空や流れ星 園田靖彦
臍に花つけたるままに大へちま 森永尚子
風通しよろしき子規の糸瓜かな 森永尚子
けふいくつ命消えしか星流る 葛西美津子
亡き母のやうに寝てをり干糸瓜 升谷正博
難産の一句糸瓜の重みかな わたなべかよ
糸瓜水頬に叩きて母美し わたなべかよ
願ふことすつかり忘れ星流る きだりえこ
•長谷川櫂選
【特選】
その下にまた集ひこよ糸瓜棚 関根千方
ぶらさがる日々を重ねて大へちま 長井はるみ
見るからに不良の糸瓜ぶらさがる 森永尚子
【入選】
臍に花つけたるままに大へちま 森永尚子
あばら家は糸瓜の棚に支へられ 藤原智子
人住んで居るらし糸瓜ぶら下がり 仲田寛子