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俳句的生活

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古志鎌倉ズーム句会(2024年8月11日)

俳句的生活 投稿日:2024年8月12日 作成者: 田中 益美2024年8月12日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
今朝の秋日本国を地震はしる     吉田順子
ひしやげたる壜が叫ぶや原爆忌    木下洋子
家ごとに切り方違ふ西瓜かな     藤原智子
けさ秋のひとすぢ裂けし芭蕉の葉   葛西美津子
目覚めれば深む命や秋の朝      森永尚子
あかあかと八月の立つ焼野原     きだりえこ
【入選】
人の世の戦火を照らす天の川     吉田順子
故郷は遠きにありて盆踊り      湯浅菊子
燃え盛る太陽抱へ秋来る       神谷宣行
白毫のひかりしろがね秋兆す     金澤道子
オリンピック終はり近づく涼新た   田中益美
戦争はいつまで続く終戦日      おほずひろし
香水の一滴にして氷の香       長谷川櫂

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
故郷は遠くにありて盆踊り          湯浅菊子
白毫のひかりしろがね秋兆す     金澤道子
八月や炎の槍を槍投げは       森永尚子
神の手や妖しき鴉瓜の花       仲田寛子
地の底も煮えたぎるかや迎へ鐘    藤英樹
【入選】
今朝の秋日本列島地震はしる     吉田順子
燃え盛る太陽抱へ秋来る       神谷宣行
兜虫子ども眠ればかさこそと     藤原智子
けふもまた危険な暑さ原爆忌     萬燈ゆき
兜かと思へば釜か秋の風       森永尚子
けさ秋のひとすぢ裂けし芭蕉の葉   葛西美津子
水道の水生ぬるし終戦日       葛西美津子
タワービル昔穴子の穴場なり     関根千方
蜻蛉や水を探して水の上       葛西美津子
四歳の記憶火の海敗戦忌       金澤道子
祖父を継ぐ語り部若し原爆忌     萬燈ゆき

第二句座 (席題:花火、大豆)
•藤英樹選
【特選】
四方八方ガラスのビルや揚花火    イーブン美奈子
残業の窓より見やる遠花火      木下洋子
遠花火江戸は戦のなき世かな     関根千方
背なの子の深き眠りや花火果て    金澤道子
【入選】
大欅どんと揺らして大花火      藤原智子
大豆打つ嵯峨野も奥の寂しさに    澤田美那子
華のある花火師上げる大花火     仲田寛子
砂浜の胡座にこども花火待つ     湯浅菊子
大川の風に吹かれて揚花火      木下洋子
出会ひては別れゆく旅遠花火     西川遊歩

•長谷川櫂選  (推敲例)
【特選】
花のある花火師ならん揚花火     仲田寛子
手のひらにやさしき色の新大豆    藤原智子
打ち上げに鬼の手を借る花火かな   きだりえこ
【入選】
豆を打つ飛び散る豆もつかまえて   関根千方
流れ来る煤や煙や大花火       葛西美津子
からからと音立て大豆収穫す     吉田順子
四方八方ガラスのビルや揚花火    イーブン美奈子
山の端に日のかかるまで大豆干す    金澤道子
大揺れの船繰り出して揚花火     葛西美津子
三尺玉豪雨の如き花火かな      吉田順子
甘き香や茹でこぼしたる新大豆    木下洋子
荒海の嘶くごとく揚花火       神谷宣行
空襲の死者もあつまる花火かな    萬燈ゆき
腹いせもありて力や大豆ひく     湯浅菊子
縄文の土器ごろごろと大豆引く    藤英樹

 

 

古志鎌倉ズーム句会(2024年7月14日)

俳句的生活 投稿日:2024年7月15日 作成者: 田中 益美2024年7月15日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
飯よりも金魚が好きな金魚売      おほずひろし
明易や山のむこうの浅間山       長谷川櫂
日本が元気なころのかき氷       萬燈ゆき
七夕竹折れんばかりの願ひかな     関根千方
ただいまと一人暮らしの扇風機     田中益美
【入選】
迅雷や高層白き闇の中         わたなべかよ
刺網を妻と繕ふ夕焼かな        わたなべかよ
海底のごと副都心梅雨の雷       西川遊歩
短夜の夢のどこかに我忘れ       湯浅菊子
悔いること多き我が身や大昼寝     湯浅菊子
掻き氷氷の羽よふりつもれ       長谷川櫂
香水に遅れて人の入り来る       藤原智子

•長谷川櫂選      (推敲例)
【特選】
昔とは昭和のことか胡瓜揉む         澤田美那子
泡盛の喉走る火の涼しさよ          葛西美津子
【入選】
身中の虫に土用の力水           金澤道子
刈られたる白き小花も草いきれ       葛西美津子
海へ投げ込む豊年の神輿かな        園田靖彦
夏霧に濡れて根府川崖の駅         西川遊歩

第二句座 (席題:散水車、氷室)
•藤英樹選
【特選】
太陽へ放つ飛沫や撒水車             神谷宣行
あをあおと山に抱かれ氷室かな      藤原智子
散水車孔雀の羽を広げゆく            澤田美那子
撒水車議事堂前を浄めゆく            神谷宣行
神さびの山ふところの氷室かな          仲田寛子
藁蓆めくるもうれし氷室守            仲田寛子
【入選】
子供等が追いかけてゆく撒水車      おほずひろし
撒水車選挙終はりしあとの街       森永尚子
その中に花の香りの氷室かな       神谷宣行
詩心の枯れた私へ散水車         きだりえこ

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
あをあおと山に抱かれ氷室かな          藤原智子
錆重き氷室の扉開きけり             西川遊歩
一生涯妻は娶らず氷室守             萬燈ゆき
【入選】
氷室守る白き衣を身に纏ひ        関根千方
静けさの奥へ奥へと氷室守        葛西美津子
子供等が追いかけてゆく撒水車      おほずひろし
子ら駆けて水浴びに行く散水車      木下洋子
心身を清めて氷室開きかな        葛西美津子
魚沼は酒も蔵する氷室かな            森永尚子
撒水車議事堂前を浄めゆく            神谷宣行
氷室より神々の夢切り出さん          イーブン美奈子
撒水車選挙終はりしあとの街          森永尚子
生き返る氷室神社のかき氷           木下洋子
新宿の夜を流しゆく散水車       藤英樹
散水車つぎつぎかかる虹いくつ     葛西美津子
奥宇陀の神の一塊氷室より       きだりえこ
藁蓆めくるもうれし氷室守       仲田寛子
氷室守氷のやうなお人かな       藤英樹
滴りて信号待ちの撒水車        金澤道子
氷室開く白装束に身を固め       澤田美那子

 

古志鎌倉ズーム句会(2024年6月9日)

俳句的生活 投稿日:2024年6月9日 作成者: 田中 益美2024年6月9日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
薔薇はまだ莟のなかに眠りをり      萬燈ゆき
一滴の重さを解きて滴れり        湯浅菊子
けぶるごとあふち咲き満つあふみかな   わたなべかよ
ゆたけしや梅雨の底ひの白き花      澤田美那子
【入選】
鱚釣るや舟で開きて風干しに       葛西美津子
雨あがる山紫陽花の藍の色         金澤道子
楊桃の昏さ故郷のくらさかな        森永尚子
穀倉は戦火にまみれ麦の秋        澤田美那子
川風の夕べとなりぬ洗鯉         葛西美津子
梅雨深し女のかほにひげ生えぬ      森永尚子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
一生涯何者にもあらず白団扇      萬燈ゆき
世の果を見てきしなどと昼寝覚     萬燈ゆき
薔薇はいま莟のなかに眠りをり     萬燈ゆき
一滴の力を解きて滴れり        湯浅菊子
噴水のびしよ濡れて立つ夕立かな    仲田寛子
【入選】
復興の覚悟をこめて田植かな      木下洋子
花柚の香八十二歳誕生日        吉田順子
炎天へ火の口ひらく桜島        藤英樹
籐寝椅子捨てず使はず母の家      萬燈ゆき
五月闇菩提樹の花降りしきれ      葛西美津子
虫干や父の手描きの母の帯       仲田寛子
江ノ島の参道狭し貝風鈴        金澤道子
人と人殺し合ふ世を飛ぶ螢       藤英樹
蛇山の主ぬるりと青大将        おほずひろし
泰山木人の間近に花一つ        わたなべかよ
梅の実や滅びたることなき国に     関根千方
昼寝覚この世かの世の間に居      澤田美那子
山の水しみ出すところ岩煙草      金澤道子
梅雨深し女のかほにひげの生ゆ     森永尚子
ごろ寝する我に驚く油虫        藤原智子

第二句座 (席題:雲海、水羊羹)
•藤英樹選
【特選】
おおどかに切るがよろしき水羊羹    仲田寛子
三代の襲名叶ひ水羊羹         木下洋子
雲海のうねりに呑まれさうに富士    金澤道子
雲海の瀧なすところありぬべし     葛西美津子
ゆうれいも水やうかんも水の色     森永尚子
【入選】
青竹をするりと抜けて水羊羹      金澤道子
異論には耳傾けよ水羊羹        西川遊歩
愚痴いつか惚気話に水羊羹       金澤道子
雲海へ飛び込めさうや槍山頂      澤田美那子
高千穂の神みな雲海渡り来し      西川遊歩
一つ残る水羊羹は我のもの       湯浅菊子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
観光バスみんな寝てをり雲海へ     田中益美
雲海の果てにゆつくり眠られよ     藤原智子
ゆうれいも水やうかんも水の色     森永尚子
【入選】
しつくせぬ反省なれど水羊羹      森永尚子
異論には耳傾けよ水羊羹         西川遊歩
解きたる笹のかをりの水羊羹       萬燈ゆき

古志鎌倉ズーム句会(2024年5月18日)

俳句的生活 投稿日:2024年5月19日 作成者: 田中 益美2024年5月19日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
夏の月リボンのやうな高速路      澤田美那子
これよりの暑さ恐ろし古茶を汲む    森永尚子
滝壺に滝落ちてゆく涼しさよ      おほずひろし
【入選】
大皿でどんと高知の初鰹        澤田美那子
籐椅子や捨つるに惜しき色艶に     田中益美
木洩れ日の糺の森や蛇過る       わたなべかよ
家族して葵祭を二階より        木下洋子
少子化の国や愛しき鯉のぼり      西川遊歩
厳島イソヒヨドリのうた合戦      西川遊歩
研ぎ上げてかざす包丁緑さす      葛西美津子

•長谷川櫂選     (推敲例)
【特選】
逃水の平和を追うて八十年       萬燈ゆき
トラックにぶら下げて売る竹夫人    西川遊歩
滝壺へ滝落ちてゆく涼しさよ      おほずひろし
全力の花びら五枚ハイビスカス     イーブン美奈子
【入選】
家族して葵祭を二階から        木下洋子
これよりの暑さ恐ろし古茶を汲む    森永尚子
自由の斧平等の斧蟷螂生る       関根千方
生粋の飛騨のをとこや柏餅       萬燈ゆき
研ぎ上げてかざす包丁緑さす      葛西美津子
この年で母に叱られ扇風機       森永尚子

第二句座  ( 席題:葛饅頭、虹 )
•藤英樹選
【特選】
日和下駄気まぐれに食ふ葛桜      西川遊歩
風少しほしき夕べや葛桜        澤田美那子
東京へ帰る車窓や虹立ちぬ       わたなべかよ
【入選】
み吉野の風なつかしき葛饅頭      きだりえこ
くらやみの花の香りや葛ざくら     森永尚子
大垣の涌き水豊か葛まんぢゆう     わたなべかよ
一つではまだ物足りず葛まんぢゆう   森永尚子
諍いの地球へ多き虹かかれ       きだりえこ
九十の母の手どりの葛桜        長谷川櫂

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
皿にとる水の曇りの水饅頭       葛西美津子
【入選】
虹消えて青空になほあるごとく     藤原智子
半世紀母でありけり葛饅頭       イーブン美奈子
葛まんじゅう櫻花壇の大広間      西川遊歩
風少しほしき夕べや葛桜        澤田美那子
手をとりて母との旅や葛桜       葛西美津子
葛ざくら小さき虹のかかりけり     関根千方

古志鎌倉ズーム句会(2024年4月14日)

俳句的生活 投稿日:2024年4月15日 作成者: 田中 益美2024年4月15日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
迸る富士の伏流大岡忌         わたなべかよ
橋掛り春の闇より掛りたる       わたなべかよ
海女沈む地割れの続く海底へ      関根千方
春の水きらきらと詩をこぼしけり    イーブン美奈子
海原に目を瞠りけり鯥五郎       わたなべかよ
戦争を背負つて死にゆく桜かな        イーブン美奈子
【入選】
富士裾野芽吹きゆたかや大岡忌     仲田寛子
菫咲く会いたくなればすぐ傍に     関根千方
富士ひろく伸びて大岡信の忌      仲田寛子
花は葉にわれは正気にもどりけり     葛西美津子
少女らの頬に春風たはむれて      魚返みりん
いつの間に後期高齢葱坊主       仲田寛子
大岡忌かの日の芭蕉七部集         藤原智子

•長谷川櫂選
【特選】
教へ子に遊歩ありけり大岡忌       藤英樹
瞑想の金のまなぶた蟇          葛西美津子
蛇口から水がうたふや大岡忌       神谷宣行
花曇大岡信の忌なりけり            きだりえこ
【入選】
咲きさうな花を吸はんと雀かな      木下洋子
大岡忌かの日の芭蕉七部集         藤原智子
大岡忌太平洋の波の音           藤原智子

第二句座 (席題:のどけし、囀り)
•藤英樹選
【特選】
桜花壇空に浮かびて長閑かなり     長谷川櫂
面売りの長閑な顔を並べたる      長谷川櫂
青年よ起きよ覚めよとさへずれり    園田靖彦
囀を西行と聴くや奥千本        神谷宣行
のどけしや町にあふるる人の顔     藤原智子
のどけしや言葉はどこへ老夫婦     園田靖彦
【入選】
囀やひときは高き声加へ          イーブン美奈子
夢殿の夢より出でて囀れり          萬燈ゆき
天女ひるがえる水煙さへづれり        金澤道子
遺品整理終へ空つぽののどけしや    神谷宣行
外来の声もまじりて囀れる       関根千方
囀の木より一羽の飛び立ちぬ      わたなべかよ
囀りは雲にむかつてひろがりつ     吉田順子

•長谷川櫂選
【特選】
囀やひときは高き声加へ            イーブン美奈子
耕運機一人で動くのどけしや          澤田美那子
四人部屋のどけき枕一つづつ      葛西美津子
【入選】
抜きんでて声の澄みたるさへずりよ       園田靖彦
囀りの故郷を出でて五十年       萬燈ゆき
のどけしや桜まつりのあとの土手    藤原智子
せせらぎは水の囀り長閑かな      関根千方
のどけしや岸に蛸壺並べ干す      木下洋子
囀に混じりて青き鳥一羽        葛西美津子
囀りをたがひにかはす二羽の鳥     吉田順子
葉桜にもたれる箒のどけしや      仲田寛子

古志鎌倉ズーム句会(2024年3月3日)

俳句的生活 投稿日:2024年3月4日 作成者: 田中 益美2024年3月4日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
つばくらめ光をひいて立子の忌    わたなべかよ
避難所の友と一緒に卒業す     木下洋子
男来てぽんと札束雛の市       園田靖彦
春雨のひと日遊ばん大阪へ      藤原智子
【入選】
橘も桜もなでて雛納         仲田寛子
朝寝する若き女でありし頃      森永尚子
古くさきかほがよろしき雛かな    森永尚子
なほ深き泥ふところへ田螺かな    長谷川櫂
やはらかな莟に変り白木蓮      おほずひろし
猫の子の母は一歳うら若き       西川遊歩
そのなかにわが目も浮かぶ蜆汁     湯浅菊子

•長谷川櫂選
【特選】
一つ家に雛古びて人老いぬ      関根千方
【入選】
歴史みな彼に学びき菜の花忌     藤英樹
吊るされて光と遊ぶ雛かな      葛西美津子
手にのせてあまりに軽し吉野雛    澤田美那子
梅に飽き椿に飽いてさへづれり    葛西美津子
寝返りで進む赤子や雛祭       藤原智子

第二句座(席題:雛、椿餅)
•藤英樹選
【特選】
球音のロスへと嫁ぐ女雛かな      神谷宣行
葉隠れの花か莟か椿餅        長谷川櫂
【入選】
揺らぐ国邪鬼払はんと椿餅      西川遊歩
震災も戦火も越えし雛かな       関根千方
いきつづく被爆の雛や永遠にあれ   神谷宣行
海深く雛は今も泥まみれ       きだりえこ
一筆の眼きりりと立雛        木下洋子
つやつやの葉が上と下椿餅       おほずひろし

•長谷川櫂選
【特選】
大きなる餅に大きな椿の葉      藤英樹
椿の葉十枚あれば椿餅        わたなべかよ
公然と虐殺続くひなの日も      関根千方
【入選】
岩陰にしばし安らふ流し雛      木下洋子
葉一枚息止めて置く椿餅       イーブン美奈子
二月堂今朝まだ静か椿餅        きだりえこ
茶屋街に雪降り出しぬ椿餅      神谷宣行
椿餅千年君を待つごとく       関根千方
ならまちの格子古びぬ椿餅      きだりえこ

古志鎌倉ズーム句会(2024年2月11日)

俳句的生活 投稿日:2024年2月12日 作成者: 田中 益美2024年2月12日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
建国日なにはなくとも米は炊く      関根千方
能登やのと余震と余寒ただなかに     きだりえこ
鮟鱇は海のはらわた煮ゆるなり      長谷川櫂
大地震芹も薺も摘まざりき        長谷川櫂
けさ掻きし岩海苔の嵩碗ひとつ      葛西美津子
【入選】
羽箒やすらふ炉辺や龍太の忌       西川遊歩
等伯の能登の七尾のおぼろかな      仲田寛子
若草山見ゆる北窓開きけり        澤田美那子
かいつむり瞑想しばし潜りけり      湯浅菊子
水仙の一輪一輪能登のこと        森永尚子
牛の糞焚き付けとなる野焼かな      園田靖彦
思はざりしキーウの春のかく遠く     澤田美那子

•長谷川櫂選
【特選】
龍太忌の炉辺にやすらふ羽箒       西川遊歩
建国の日に亡国の日を思ふ        関根千方
冴返る瓦礫の中の漆桶          仲田寛子
スニーカー洗ふ水やや温みつつ      藤原智子
【入選】
山鳩のこゑ伸びやかに龍太の忌      藤英樹
一生を鬼ともなれず豆をまく       藤英樹
托鉢の僧の素足や風花す         金澤道子
我に臍まだある不思議春の雪       森永尚子
牛の糞焚き付けにする野焼かな      園田靖彦
天と地のいよよ病みたり不知火忌     きだりえこ
向きかへてまたひと眠り春の雪      おほずひろし

第二句座(席題:公魚、バレンタインデー)
•藤英樹選
【特選】
一年を放つたらかしてバレンタインデー  田中益美
魔女の鍋欲しやバレンタインの日     葛西美津子
わかさぎ釣り比良よりの風受けながら   わたなべかよ
公魚のひかり連らねて釣られけり     西川遊歩
【入選】
氷上に拉げわかさぎ置かれあり      おほずひろし
ワカサギや深層の闇探り釣る       西川遊歩
氷上に公魚花の光かな          森永尚子
入れ食ひの公魚ざつと唐揚に       イーブン美奈子
公魚や富士を仰ぎて食はれけり      神谷宣行

•長谷川櫂選
【特選】
わかさぎは銀を散らして翻る       きだりえこ
公魚も公魚釣りも氷かな         藤英樹
公魚のひかり連らねて釣られけり     西川遊歩
【入選】
桜魚焼いて二人の夕しづか        澤田美那子
公魚の池の今年は凍らずと        藤原智子
公魚の氷上釣りも昔かな         藤英樹

古志鎌倉ズーム句会(2024年1月8日)

俳句的生活 投稿日:2024年1月9日 作成者: 田中 益美2024年1月9日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
年明けを待つてゐたのか大地震     木下洋子
一瞬に津波が攫ふ初景色        澤田美那子
初詣大きな孫に手を引かれ       吉田順子
輪島塗おせちの重よ崩れ燃ゆ      西川遊歩
風花の舞ふ朝市もむかしかな      葛西美津子
焼ける餅の如く大地は割れ動く     関根千方
【入選】
震度七瞬時凍てつくお元日       わたなべかよ
初山河国建て直す首相欲し       おほずひろし
避難所や搗いて炊き出す力餅      神谷宣行
のし餅の耳も加へて霰餅        金澤道子
薺打つ能登や佐渡やと祈りつつ     きだりえこ
元日や津波警報絶叫す         木下洋子
松のごとく竹のごとくに書初す     藤原智子

•長谷川櫂選
【特選】推敲例
薺打つ能登よ佐渡よと祈りつつ        きだりえこ
風花の舞ふ朝市もむかしかな      葛西美津子
初春や光を削る江戸切子        西川遊歩
【入選】
梅一輪隣る紅梅あら二輪            葛西美津子
しんとある縹の一書読始               イーブン美奈子
初詣大きな孫に手を引かれ              吉田順子
元旦や天地ぐらりと傾ぎたる             きだりえこ
真つ白な胸を並べてゆりかもめ            金澤道子
朝市や宿の褞袍でめぐりしも             葛西美津子

第二句座(席題:初句会、水仙)
•藤英樹選
【特選】
まつくらな世に凛とあれ水仙花     関根千方
菅公の席ある浪速初句会        きだりえこ
水仙や能登の山々また揺るる      長谷川櫂
救援の物資に添へて水仙花       わたなべかよ
【入選】
水仙の怒濤の花の香りかな       長谷川櫂
大津波攫ひてゆきし水仙花       きだりえこ
全没や今年占ふ初句会         仲田寛子
初句会頬紅刷いて眉引いて       藤原智子
欠ける人なきがうれしき初句会     萬燈ゆき
新聞で包む水仙朝の市         木下洋子
高らかな名のり聞きたや初句会     関根千方
能登はいま大雪といふ水仙花      葛西美津子
清記するこころ弾むや初句会      きだりえこ

•長谷川櫂選
【特選】推敲例
水仙や黒谷の和紙ごはごはと                葛西美津子
水仙を供花とせん能登大地震                藤英樹
初句会いまの己が丸裸                   萬燈ゆき
【入選】
画面越し何はともあれ初句会              仲田寛子
初句会辰の煎餅配りけり                木下洋子
能登はいま大雪といふ水仙花              葛西美津子
清記するこころ弾むや水仙花              きだりえこ

古志鎌倉ズーム句会(2023年12月10日)

俳句的生活 投稿日:2023年12月11日 作成者: 田中 益美2023年12月11日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
口閉ぢて非戦の構へ海鼠なる     きだりえこ
氷の鰤雪の鮪と糶られけり      葛西美津子
荒涼たる一日ぬくもれ焼芋に     葛西美津子
庭に福散らして跳ねて初雀      イーブン美奈子
近松忌柚子の香りの蕎麦を打つ    澤田美那子
桜鍋いろはにほへと下足札      金澤道子
【入選】
さりげなくそつと焚火へ手紙束    園田靖彦
大利根の夜ごと皺よる懸大根     園田靖彦
五百年の名句埋火搔くごとく     澤田美那子
海鳴りはあなたでしたかセーター編む 魚返みりん
洗はれて大根笑ひ出しさうな     藤原智子
冬深しずしりと俳句五百年      葛西美津子
新年や瀧のごとくに龍太の句     長谷川櫂
余生とはいまだ思わず海鼠噛む    升谷正博
楸邨の硯は山の眠るかに       きだりえこ

•長谷川櫂選
【特選】
雪の鰤氷の鮪糶られけり        葛西美津子
冬深しずしりと俳句五百年       葛西美津子
脚一本押し戴いて蟹を食ふ       イーブン美奈子
【入選】
この森のかをり馥郁落葉踏む          金澤道子
この道も旧道となる冬田かな          森永尚子
金継の金を曇らす寒さかな           升谷正博
踏みゆけばこの世遥けき落葉かな        萬燈ゆき
みかんの皮花とひらきぬ置き炬燵        森永尚子
荒涼たる一日ぬくもれ焼芋に          葛西美津子
ほの赤く手術痕浮く柚子湯かな         わたなべかよ
寒禽や言ふべきは言ふ国であれ         木下洋子
オンドルや骨身に当たる薄布団         西川遊歩

第二句座 (席題:氷柱、初旅)
•藤英樹選
【特選】
初旅の京の和菓子の花やかに      わたなべかよ
初旅や車窓に探す伊吹山        金澤道子
ひとり寝にずしり氷柱折るる音     おほずひろし
初旅や草のひとつも美しく       イーブン美奈子
真青な空より氷柱折りて来よ      長谷川櫂
【入選】
初旅やさみしさ極むところまで    萬燈ゆき
天つ風りんりんと鳴れ軒つらら    長谷川櫂
初旅や最後は伊勢の大明神      園田靖彦
不老長寿うたふ温泉旅始       仲田寛子
初句会初旅となるうれしさよ     澤田美那子
初旅や夢にいできし街探し      萬燈ゆき
初旅や荷物小さく一つきり      田中益美
スキー客氷柱のカーテン蹴りて出ぬ  湯浅菊子
怖ろしき樹々に囲まれ氷柱宿     森永尚子

•長谷川櫂選
【特選】
この胸を射抜く氷柱の輝きよ        葛西美津子
初旅や母の寝息を聴きにゆく        神谷宣行
冬が冬たりし昔や大氷柱         イーブン美奈子
【入選】
初旅の京の和菓子の花やかな       わたなべかよ
初旅は杖の練習門を出づ         神谷宣行
初旅や車窓に探す伊吹山         金澤道子
ぽたぽたと日をこぼしつつ軒氷柱     金澤道子
赤き実の一つ一つの氷柱かな       関根千方
初旅や一番軽きかばんもて        森永尚子
怖ろしき樹々に囲まれ氷柱宿       森永尚子

古志鎌倉ズーム句会(2023年11月12日)

俳句的生活 投稿日:2023年11月13日 作成者: 田中 益美2023年11月13日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
どの子にも停戦といふお年玉      きだりえこ
呆けたるこの世に呆け寝正月      神谷宣行
すき焼といふ混沌の美味さかな     澤田美那子
初鏡貧しきこころ如何せん       長谷川櫂
年賀のぶ大男なる孫達よ        吉田順子
【入選】
武器商人すすめば上り絵双六      仲田寛子
爛々と龍の目玉の初日かな        きだりえこ
外苑の銀杏真青に冬に入る       萬燈ゆき
妄想のふとんを被り寝正月       きだりえこ
雪つけて牛となりけり伊吹山      森永尚子
太箸やもつと生きたし八十路われ    吉田順子
癌に克ち乳房浮かべて初湯かな     神谷宣行

•長谷川櫂選
【特選】
元旦の尿とばして恙なく         神谷宣行
驚いて蝶となりたる枯葉かな      葛西美津子
獅子頭湯気ごと外し置かれある     関根千方
妻の愛一身に受け老の春        藤英樹
落ちてくる虹のかけらか羽子をつく   葛西美津子
【入選】
銭湯の白き暖簾も初湯かな       葛西美津子
ちびちびと飲みほろほろと酔ふ年酒かな 藤英樹
あの頃の未来を生きて去年今年     西川遊歩
石見より京に舞ひ来る大神楽      木下洋子
蓬莱山一気に垂らす昆布一丈      西川遊歩
玄海の身を切る風に大根干す      園田靖彦
冬日和買ふて拝むや我の墓       湯浅菊子
アトリエに天窓ひとつ筆始め      魚返みりん
小町通り鈴の音こぼしゆく破魔矢    金澤道子
大鋸や鯨のからだ賽の目に       関根千方
書初や下手がひときは讃へらる     イーブン美奈子
不折書く龍をこころに初硯       仲田寛子
麹削ぐべつたら漬けの白新た      西川遊歩
殺しあふ地球を見てる今日の月     湯浅菊子
赤き実もまだ青き実も冬に入る     萬燈ゆき
蛇笏忌の龍太の一句山の水       木下洋子
菊五郎老いて色増す初芝居       藤英樹
雪つけて牛となりけり伊吹山      森永尚子
癌に克ち乳房浮かべて初湯かな     神谷宣行
年賀のぶ大男なる孫達よ        吉田順子
展宏忌通夜で覚へし酒の味       森永尚子
七回目の年男なり初御空        おほずひろし

第二句座 (席題:初時雨、藪柑子)
•藤英樹選
【特選】
鞍馬山花のごとくにしぐれけり     長谷川櫂
全集を借りにゆく道初時雨       藤原智子
おもしろう茶碗欠けたり初しぐれ    長谷川櫂
子を膝に乗せて坐るや初時雨      藤原智子
【入選】
初時雨いまごろ妻は旅の人       関根千方
初時雨海見えてきし鯖街道       葛西美津子
茫々たる往時の房事初しぐれ      わたなべかよ
初しぐれ検査ずくめの大病院      吉田順子
飛火野に鹿寄りあへり初時雨      萬燈ゆき
二月堂三月堂も初しぐれ        萬燈ゆき
白河の関越えゆかん初しぐれ      木下洋子

•長谷川櫂選
【特選】
初時雨花背峠を越へてより       きだりえこ
二月堂三月堂も初しぐれ        萬燈ゆき
鯖寿しの一折苞に初しぐれ       葛西美津子
【入選】
虎猫が尾を立ててゆく藪柑子      藤英樹
父の世話頼みて帰る初時雨       イーブン美奈子
大小の石敷く離宮初しぐれ       わたなべかよ
草の葉に緑一筋初時雨         神谷宣行
羽田立つ旅客機次々初時雨       田中益美
地図になき店に連れられ藪柑子     関根千方
初しぐれ高層ビルさつと過ぎ      おほずひろし
初しぐれ検査ずくめの大病院      吉田順子
青竹の青透き通る初時雨        藤英樹
飛火野に鹿寄りあへり初時雨      萬燈ゆき
初しぐれ芭蕉終焉このあたり      木下洋子
奥ふかき京の町家や初しぐれ      仲田寛子
野良猫の別れ告げに来初時雨      西川遊歩
手際よく七味調合初しぐれ       西川遊歩
初しぐれ工事中なる川の土手      おほずひろし
湯を沸かす小さき炎や初時雨      神谷宣行

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読売新聞「四季」から

麗けき大福餅のほとりかな     相生垣瓜人

 大福には人を幸せにする力がある。鏡餅の威厳もなく、桜餅の色香があるわけでもないが、白粉をはたいたあの福顔にまみえると、誰でも相好がゆるむだろう。それに大と福、たった二文字の、この命名のすばらしさ。「麗か」は春の季語。
『負暄』

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    • 4月12日(日)鎌倉ズーム句会
    • 4月13,14日(月、火)吉野山句会
    • 4月19日(日)金沢ズーム句会
    • 4月26日(日)太宰府天満宮奉納全国俳句大会
    • 4月29日(水、昭和の日)仙台ズーム句会
    • 5月3日(日)広島ズーム句会
    • 5月6日(水、振替休日)ネット投句スクーリング句会
    • 5月9日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 5月10日(日)鎌倉ズーム句会
    • 5月16日(土)「小林一茶」講演会(江東区総合区民センター)
    • 5月17日(日)金沢ズーム句会
    • 5月23日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
    • 5月24日(日)仙台ズーム句会

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    『四季のうた 雨ニモマケズ』
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    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
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    2014年10月刊行


    『四季のうた 美しい日々』
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    2022年1月刊行


    句集『太陽の門』
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    2021年8月刊行


    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
    800円+税
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    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
    800円+税
    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年11月刊行


    『歌仙一永遠の一瞬』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2200円+税
    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
    辻原登、永田和宏、長谷川櫂
    中公新書
    880円+税
    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
    2014年4月刊行
    ----------

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