古志鎌倉ズーム句会(2022年1月16日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
千年の楠のかたちの淑気かな 升谷正博
神鶏の声伸びやかに初詣 曽根崇
なみなみと焙じ茶いれて冬深し 曽根崇
どよめかせ宙乗りに沸く初芝居 西川遊歩
金継ぎの碗の一服寒に入る 升谷正博
駆け巡るパンデミックス地球凍つ 仲田寛子
【入選】
豊満なイヴとなりたる初湯かな イーブン美奈子
一畳の大鮟鱇のぬめりかな 西川遊歩
綾とりの橋架け替へて春を待つ 園田靖彦
場違いなほどに大輪寒牡丹 田中益美
人の世の花なきころを寒の紅 森永尚子
蝋梅や背筋伸ばして通りけり おほずひろし
餅花の白一色にふぶきけり 長谷川櫂
雪国に白くまばゆし蕪寿し 葛西美津子
霜晴の野を煌めかせ雀とぶ 曽根崇
一生涯をんな盛りや初鏡 萬燈ゆき
•長谷川櫂選
【特選】
煩悩の一本道を着ぶくれて 森永尚子
しらさぎの群れゆく冬の彼方かな イーブン美奈子
天井絵龍もたじろぐ寒さかな 湯浅菊子
【入選】
冬帽子退職までの五百日 萬燈ゆき
綾とりの橋架け替へて春を待つ 園田靖彦
人の世の花なきころを寒の紅 森永尚子
枝の雪蹴散らしふくら雀かな 仲田寛子
初鴉ときどき飛んで場所を変へ おほずひろし
第二句座 (席題:白魚、冴え)
•藤英樹選
【特選】
月冴えてひとり心のふけゆけり 吉田順子
冴ゆる夜の闇走りゆく何ならん おほずひろし
【入選】
太陽は白い丸なり冴えにけり 森永尚子
大山門閉ぢたる音の冴え冴えと 関根千方
地獄絵の釜がまつ赤や月冴ゆる イーブン美奈子
白魚や篝火かかげ隅田川 吉田順子
•長谷川櫂選
【特選】
白魚はひかりの波にまぎれけり 園田靖彦
火の映る水を掬ひて白魚舟 神谷宣行
蒸し上げて白魚春の風姿かな 喜田りえこ
【入選】
さえざえと灯のなき家へ帰りけり 葛西美津子
白魚や朝日を受けてきらきらと 藤原智子
白魚の味なき味を卵とぢ 萬燈ゆき
四手網ぽんぽん叩き白魚汲む 金澤道子
懐かしき江の島句会白魚丼 藤英樹
白魚や影もかたちもなきごとく 萬燈ゆき
清らかな水を漁る白魚舟 西川遊歩