七 歌ひつつ紅花を摘む乙女らは 陽子(夏)
八 乳房吸はれしことを昨夜に 松太(雑・恋)
九 震へつつ白鳥となるバレリーナ 光枝(冬)
十
【付句候補】
風車まはる最果ての地
雪解け遠きロシアウクライナ
瓢湖に染まる暁の色
緊張顔の新入生たち
食つても食つても肥らぬ体質
銀のスプーン柄の反り返り
明日こそ発たむ自由の国へ
侵略の街鐘鳴りわたる
六根清浄唱へる日々よ
神の子を産むなどと告げられ
耳底に残る魔女の歌声
雲のひとひらはらりと蝶に
薄氷に鳴くアザラシの声
春の闇へと亡命者消ゆ
素顔をさなく蝶と戯れ
春の空舞ふ天の羽衣
雪解け水は核に汚れて