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俳句的生活

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古志仙台ズーム句会(2021年9月26日)

俳句的生活 投稿日:2021年9月28日 作成者: KAI2021年9月28日

第一句座              
・長谷川冬虹選
【特選】
あやふやな挨拶交す秋彼岸          佐伯律子
撥条(ぜんまい)のほどけて今朝のつくつくし 服部尚子
この赤はあの世の赤か曼珠沙華        那珂侑子
月天心ひとつとなりし仮設の灯        甲田雅子
山奥のそのまた奥の村歌舞伎         武藤主明
【入選】
水桶の中にも一つけふの月          平尾 福
余りもの何でも吊るす鳥おどし        辻奈央子
一匹となりて長生き金魚かな         長谷川櫂
名月や階下の妻は湯浴むらし         川辺酸模
刈田道たどれば農家レストラン        伊藤 寛
秋の蝶ゆらりと黄泉の風に乗り        上村幸三
月呑んでいや渦潮の凄まじき         齋藤嘉子
待宵や少しはがゆき君が好き         谷村和華子
鰭立てて月を拝する鯥五郎          齋藤嘉子
いちじくのかく美しく実る国         長谷川櫂

・長谷川櫂選
【特選】
名月を切り分けたるか栗羊羹         長谷川冬虹
長雨が上がつて真白鰯雲           上 俊一
栗を剥き栗の形の指となり          佐伯律子
人逝きて炎の花よ曼珠沙華          長谷川冬虹
長き夜の妻に独りの顔ありぬ         上村幸三
やはらかい枕に替へて秋昼寝         平尾 福
【入選】
水桶の中にも一つけふの月          平尾 福
山椒魚睦び合ひけり月浴びて         齋藤嘉子
蓑虫や大いなる影揺らしをり         辻奈央子
月今宵雲の流れの早かりし          阿部けいこ
木犀やゆきかふ人もみな香り         辻奈央子
蹲に月をしずかに浮かべたし         佐藤和子
文のみのやり取り十年小鳥来る        及川由美子
ひやひやと吾が影のぞく鏡かな        川辺酸模
水底の動かない石秋思かな          石川桃馬
一株の唐辛子干す生活かな          阿部けいこ
串に焼くいわな劫火の炭赤し         宮本みさ子
隻眼の犬も見てゐる今日の月         青沼尾燈子
輪にするに二人がかりや通草蔓        伊藤 寛
図書館の長引く休館昼の虫          阿部けいこ
集まつてみな歌ひ出す砧かな         森 凜柚
腕を組むゴリラ一塊の秋思かな        齋藤嘉子
主なきベッドへ月の差し始む         武藤主明
山奥のそのまた奥の村歌舞伎         武藤主明
産土は被曝の坩堝すすき原          宮本みさ子
墓洗ふ線量計を揺らしつつ          宮本みさ子
芒原振り返らずに行きし人          武藤主明

第二句座(席題:茨の実、新酒、太刀魚)                    
・長谷川冬虹選
【特選】
潮風に研がれて赤し茨の実          上 俊一
草薙の剣とならん太刀魚よ          武藤主明
太刀魚のぽろり解れる焼身かな        川辺酸模
太刀魚やトロ箱に尾のはみ出して       及川由美子
太刀魚は月の光に生まれけん         長谷川櫂
【入選】
太刀魚にぱらり星屑降らしめよ        谷村和華子
待つことに慣れたと二人新酒酌む       佐伯律子
娘婿呼んで二人の今年酒           那珂侑子
まな板が小さし太刀の魚捌く         宮本みさ子
赤ん坊のごとく抱へて新酒かな        辻奈央子
存分にわが身中を新走            上村幸三
磐梯のすそ野に醸す新走           武藤主明
講釈はほどほどに聞き今年酒         石原夏生
太刀魚にいま包丁を構へけり         上村幸三

・長谷川櫂選
【特選】
赤ん坊のごとく抱へて新酒かな        辻奈央子
おごそかに升に口寄す新酒かな        谷村和華子
天へぐいと太刀魚竿をしならせて       石川桃馬
百年の月山水や今年酒            長谷川冬虹
【入選】
米はよし水はなほよし今年酒         石原夏生
娘婿呼んで二人の今年酒           那珂侑子
磐梯のすそ野に醸す新走           武藤主明
はじめての大仕事終へ今年酒         森 凜柚
手の届く棚にな置きそ今年酒         石川桃馬
太刀魚の骨の太さを皿の上          阿部けいこ
新走り露命幾許繫ぎたる           鈴木伊豆山
弓手には釣り竿馬手に茨の実         石川桃馬
覗きたし百の太刀魚泳ぐ様          齋藤嘉子
下戸なれど選ぶ楽しみ今年酒         佐藤和子

#007世界への意思表示(佐々木健一)

俳句的生活 投稿日:2021年9月24日 作成者: KAI2021年9月24日

2021年9月23日
風景や事柄を十七音にしようとする意識を、継続させるためのひとつの方法として、吟行があるのではないか。

コロナの蔓延する状況下でなければ、はっと心をとらえた瞬間の風景を実際に見たり聞いたりして、頭で考えているだけでは作れない、いきいきとした偶然の出会いによって生まれる一句ができるのに……。そう考えて、吟行と句会が開催されないことをくやしがる人もいるかもしれない。また俳句とは人とのつながりを実感するよろこびがあってこそではないか、と考える人もいるだろう。
だから、吟行や句会が開催されない状況では俳句はできない、と決めつけるのは本当にもったいないことな気がする。

一人でも吟行はできる。たとえば杉田久女の一句。
 
谺して山時鳥ほしいまま

これは久女が英彦山で吟行して得た句。英彦山は福岡、大分にまたがる険しい修験の山。下五の「ほしいまま」を得るまでに四度も登山している。
久女の随筆『英彦山に登る』によると「さて私は彦山へはいつも大抵一人で登るのだった。」とある。

リモートでの句会と人が集まって行われる句会。
どちらの句会でも坪内稔典の俳句論『俳句のユーモア』の表現なら「共同の創作の場」というところか。人や言葉に向き合う考えかたはどちらも同じ。

マスクのまま他人のわかれ見ていたり

これは寺山修司の句集『花粉航海』の一句。
コロナの影響で季語「マスク」から思い浮かべることが変わってしまったと感じている。
言葉の持つイメージはいろいろなできごとによって変わり続ける。
それは季語であっても同じなのだと思う。

コロナ禍だからこそ、自然のいとなみや命の尊さについて以前よりも考えさせられたという人も多いはず。
それは十年後、二十年後にコロナ禍のはじまりの時代の俳句の発想のかたちだったのだとあらためて思うのかもしれない。

松尾芭蕉は俳句を夏炉冬扇といったというが、ワクチンのようには俳句は効果はないとしても、人とのつながりや命のありようについて、ただ悲しむばかりではなく、それぞれ自分の生きる世界へ意思表示ぐらいはつかめるものなのではないかと思うのは、俳句というものに期待しすぎだろうか。

中秋の名月ズーム句会 2021年9月21日

俳句的生活 投稿日:2021年9月21日 作成者: dvx223272021年9月21日

長谷川櫂選

第一句座
【特選】   
青虫の葉に眠りゐる良夜かな      高橋慧
鯖缶を開けてやひとり月見酒      北側松太
主なき石の庭園月めぐる        飛岡光枝
【入選】   
伐採の杉の匂へる月の谷        岩井善子
庭掃いて月を待ちゐる今宵かな     岩井善子
おろおろと乳飲み子あやす良夜かな   川辺酸模
うぶすなの銘酒提げたり月の客     川辺酸模
月光のさやさやと鳴るプラタナス    葛西美津子
不思議さうに月を見てゐる赤ん坊    近藤沙羅
月山の月を心に月見酒         北側松太
月の句会世界の月を月見かな      上田雅子
ぐんぐんと月上りたり太平洋      玉置陽子
月光の桐の一葉を水の上        北側松太
一句生る月のひかりの机かな      斉藤真知子
月光や百年眠る沈没船         矢野京子
道すがら手折る草の香夕月夜      安藤久美
この月もあと幾年の二人かな      臼杵政治
花殻は白くつめたし月の下       葛西美津子
水底に小貝のうごく月夜かな      安藤久美
妻と我言葉少なく今日の月       稲垣雄二
月光のひと夜は波と遊びけり      斉藤真知子
野のごとく芒を挿して月見かな     稲垣雄二
藍甕に藍の花咲く良夜かな       稲垣雄二
乳咥へ稚は夢見る良夜かな       稲垣雄二
茅渟の海ひかり湛へて良夜かな     加藤百合子
女郎蜘蛛月を抱きて夢の中       高橋慧

第二句座
【特選】   
蛸壺に寝息立ちゐる良夜かな      川辺酸模
今日の月いまだ馴染まぬ膝の猫     飛岡光枝
雲ひとつ無きもにくらし今日の月    澤田美那子
天空の雲の島なみ良夜かな       加藤百合子
残業の机に一人月の中         稲垣雄二
大三輪の上に月ある寿         喜田りえこ
【入選】   
死者生者グラウンドゼロの月の秋    西川遊歩
出たとこの瑞々しさよ今日の月     佐々木まき
月光に蟹の子遊ぶ月の浜        上田雅子
桐下駄の足にひやりと月の庭      岩井善子
戦乱の瓦礫を照らすけふの月      斉藤真知子
月仰ぐ月より大き口あけて       矢野京子
月天心寝息すこやか長寿村       神谷宣行
洞窟(がま)深く泡盛熟(な)るる良夜かな  川辺酸模
こぼさじとこころへ月のしずくかな   喜田りえこ
わが家の月を浴びつつ月の句座     澤田美那子
月上る一本松を囃しつつ        園田靖彦
晴れさうで晴れざる空や月を待つ    曽根崇

宗祇生誕600年、歌仙「ユニオンジャックの巻」座談会

俳句的生活 投稿日:2021年9月21日 作成者: KAI2021年10月30日

2021年、室町時代の連歌師、宗祇の生誕600年を迎えました。これを記念し「裾野市宗祇法師の会」では、連句の座談会などの行事を計画しています。ふるってご参加ください。

1.連句座談会
・10月30日(土)午後2〜4時30分(午後1時30分開場)
・裾野市民文化センター多目的ホール(静岡県裾野市石脇586)
・歌仙「ユニオンジャックの巻」
・講師:三浦雅士(批評家)、小島ゆかり(歌人)、長谷川櫂(俳人)
・参加費=1000円(すべて自由席です)
・申し込み・問い合せ=「裾野市宗祇法師の会」事務局(電話090−4851−1804、メールアドレスmiyoko.k@wonder.ocn.ne.jp)
・詳しくは同会ホームページをごらんください。https://ameblo.jp/sogisan/

2.百韻奉納
・11月21日(日)
・宗祇法師の墓所のある裾野市桃園、定輪寺に全国14の連句結社による百韻を奉納します。

古志金沢ズーム句会(2021年9月19日)

俳句的生活 投稿日:2021年9月20日 作成者: dvx223272021年9月20日

第一句座
 当季雑詠
・鬼川こまち選

【特選】
水澄むや殊に小瓶の加賀の飴      稲垣雄二
はるかまで来る心地や曼珠沙華     梅田恵美子
太陽がゆき人間がゆく枯野かな     長谷川櫂
沖縄や真くれなゐなる大花野      玉置陽子
シテ去りてこの世に一つ捨扇      篠原隆子
鯔飛んで醤油工場の煙突二本      山本桃潤
新米や乙女さざめくごとくあり     長谷川櫂

【入選】
柘榴の実我が一生の味もまた      田中紫春
長き自粛花野に心遊ばせて       氷室茉胡
葛あらし崖の奈落の果てまでも     佐々木まき
マンホールのたうちまわる秋出水    中野徹
からからと笑ひ転げる栗の毬      趙栄順
みほとりのものみな白し蛇笏の忌    玉置陽子
ぬくき穴探してをるや秋の蛇      趙栄順
どうしようもなきふたとせよ栗を剥く  花井淳
月にぬれ秋の簾となりにけり      篠原隆子
声あらばすさまじからん鮭の簗     酒井きよみ
野辺に佇つ耳で数へる虫の声      清水薫
さざ波へあとひと尾根ぞ旅の鴨     篠原隆子
雁来月朝顔小さく小さくなり      密田妖子
山門の内は一面萩の海         高橋慧
暮れてなほ席入りを待つ今日の月    宮田勝

・長谷川櫂選
【特選】
どうしようもなきふたとせよ栗を剥く  花井淳
声あらばすさまじからん鮭の簗     酒井きよみ
蟋蟀や眼つむればなほ激し       梅田恵美子

【入選】
歌子さんと笑ひあひし日々花木槿    近藤沙羅
天地の神を宿して今年米        清水薫
夕顔や俤のごと二つ三つ        稲垣雄二
まつはりて人肌恋し秋の蠅       酒井きよみ
盥ほどの田も豊作や千枚田       稲垣雄二
雪近き山のしづけさ鮭のぼる      酒井きよみ
十六夜やたつきの灯消したまへ     安藤久美
ぬくき穴探してをるや秋の蛇      趙栄順
恋の句は君にまかさん古酒新酒     泉早苗
ふるさとの名もなき村の今年米     安藤久美
月にぬれ秋の簾となりにけり      篠原隆子
特選は遠し遠しと法師蝉        氷室茉胡
今年米今年は吾子のお食ひ初め     安藤久美
シテ去りてこの世に一つ捨扇      篠原隆子
鯔飛んで醤油工場の煙突二本      山本桃潤
短冊の重たくなりぬ秋風鈴       田村史生
わがままな老人ばかり秋の空      安藤久美

第二句座
 席題 「葉鶏頭」、「天の川」
・鬼川こまち選

【特選】
星の名の茫茫たるや天の川       泉早苗
屏風よりこぼれてゐたり葉鶏頭     長谷川櫂
葉鶏頭唐紅にはじまりぬ        長谷川櫂
アフガンの空にもかかれ天の川     趙栄順
織りすすむ錦の帯や天の川       花井淳

【入選】
夫以外話さぬ一日はげいとう      高橋慧
明けてゆく彼方へはるか天の川     安藤久美
蜘蛛の囲に主はおらず天の川      田村史生
葉鶏頭しんじつ炎えてゐたりけり    長谷川櫂
目の前のことやりぬかん葉鶏頭     近藤沙羅
境界は葉鶏頭なり貸農園        密田妖子
ささやかな夢を形に天の川       高橋慧
天の川黙食てふ箱の中         花井淳

・長谷川櫂選

【特選】
天辺に風遊ばせて葉鶏頭        佐々木まき
銀漢やはやさびさびと競技場      篠原隆子
天の川晩学なれどくさらずに      玉置陽子

【入選】
夫以外話さぬ一日はげいとう      高橋慧
明日のぼる頂上険し銀河濃し      酒井きよみ
星の名の茫茫たるや天の川       泉早苗
獅子のごと風にふりさけ葉鶏頭     佐々木まき
母のゐる軒端珊珊葉鶏頭        宮田勝
アフガンの空にもかかれ天の川     趙栄順
天の川くっきり見ゆとシカゴより    密田妖子
かまつかや村の奢りの持仏堂      篠原隆子
境界は葉鶏頭なり貸農園        密田妖子

中秋の名月ズーム句会、9月21日に

俳句的生活 投稿日:2021年9月17日 作成者: KAI2021年9月20日

9月21日(火)は中秋の名月。この夜7時から恒例の「中秋の名月ズーム句会」を開きます。5句投句、2座。会費2000円。

古志の会員は誰でも参加できます。参加ご希望の方は右側の申し込みフォームから申し込んでください。

ネット投句(2021年9月15日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2021年9月16日 作成者: KAI2021年9月16日

・言葉ははっきりと使ってください。わかってくれるだろうでは、わからない。
・ただし説明はダメ。

【特選】
カナクギの便りもうれし栗羊羹  04_宮城  長谷川冬虹
八月の祈りの初め広島忌   11_埼玉  上田雅子
両の目に病を得たり秋はじめ  20_長野  金田伸一
身に沁むやあらためて聞く子の齢  27_大阪  澤田美那子
凄まじきもののひとつに孫七人  27_大阪  齊藤遼風
颱風の大きく強くのろのろと  28_兵庫  天野ミチ
妻いまやはらからとなり衣被  44_大分  竹中南行

古志鎌倉ズーム句会(2021年9月12日)

俳句的生活 投稿日:2021年9月12日 作成者: 田中 益美2021年9月16日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
生涯を葛の風吹く男かな        森永尚子
揺れながら秋明菊の開きたる      藤原智子
芋茎干す人の死数字で云ふなかれ    喜田りえこ
鬼やんま己の道を譲らざる      イーブン美奈子
さつさつと穴に入りたる蛇もあり   吉田順子
【入選】
かなかなや日暮るるころに晴れてきし 金澤道子
ご近所の秋を見廻る散歩かな     森永尚子
秋風やリアル句会のなつかしく    澤田美那子
コロナより総裁選か鉦叩       木下洋子
風の日や大揺れの萩見にゆかん    金澤道子
夕風や浅間のふもと大花野      吉田順子
もの思ふ秋の金魚となりにけり    木下洋子
楸邨に道楽ひとつ硯洗ふ       西川遊歩

•長谷川櫂選
【特選】
浅間山すそのすそまで露けしや    藤英樹
銀行は老人ばかり秋麗        田中益美
身にしむや妻に黒髪もどるまで    神谷宣行
羊羹を切りても一人けふの月     金澤道子
畦道の名残りここにも曼珠沙華    金澤道子
さやけしや前歯二本の赤ん坊     湯浅菊子
【入選】
ぐるぐるとやんま巡れる毛越寺    藤英樹
ご近所の秋を見廻る散歩かな     森永尚子
風の日や大揺れの萩見にゆかん    金澤道子
もの思ふ秋の金魚となりにけり    木下洋子
一反は出水まぬがれ今年米      神谷宣行
大砂丘越えてゆきたり秋日傘     曽根崇
白萩はけふが名残りか雨の中     葛西美津子

第二句座 (席題:割殻、うそ寒)
•藤英樹選
【特選】
うそ寒や夫ボリウムをまた上げて   長井はるみ
太陽もいつか落ちるぞうそ寒し    神谷宣行
体内に残る散弾うそ寒し       わたなべかよ
うそ寒き世のうそ寒き人々よ     長谷川櫂
いろの浜藻に鳴く虫を聞きとめて   わたなべかよ
うそ寒や重ねしままの絵の具皿    金澤道子
【入選】
老班を幼にきかれうそ寒し      曽根崇
マルエン全集埃まみれやうすら寒   喜田りえこ
うそ寒や一句われから詠めとこそ   葛西美津子
うそ寒や未来が見えぬ国に生き    木下洋子
口ばかり達者で元気うすら寒     喜田りえこ
うそ寒やニシンことこと甘露煮に   田中益美
はらからも少なくなりぬそぞろ寒   おほずひろし

•長谷川櫂選
【特選】
鳴きながら藻に住む虫のたゆたへり  金澤道子
うそ寒の日本の国となりにけり    升谷正博
【入選】
手の指の数の余生やそぞろ寒     おほずひろし
うそ寒や見えぬ在宅患者数      仲田寛子
われ生きてわれからのごとはかなしや 神谷宣行
割殻の見え隠れして磯の岩      田中益美
うそ寒やマスクの下の真の顔     仲田寛子
われからに古今の恋の秋思ふ     葛西美津子
白票に埋もれゆく国うそ寒く     関根千方
われからに耳傾けぬ世となりぬ    魚返みりん
いろの浜藻に鳴く虫を聞きとめて   わたなべかよ
わが顔に知らぬ面影うすら寒     関根千方
われからも早や寝入りたる浮藻かな  吉田順子
われからの海の底から恋の歌      藤原智子
われからのこもる水辺や闇深し    吉田順子

芭蕉記念館で「俳句の学校」

俳句的生活 投稿日:2021年9月10日 作成者: KAI2021年9月10日

江東区の芭蕉記念館で「長谷川櫂 俳句の学校」が9月4日からはじまりました。毎月1回、来春3月まで全7回の講座です。

コロナ下ですので応募者から抽選で半数に絞って30数名が受講。今のところ追加募集などはありません。

3年前からの企画ですが、ちょうどコロナの感染拡大によって延期になっていました。コロナ禍は今後もずっとつづきますので、句会も講座もリモートが中心であることは変わりありませんが、できるものはリアルを混ぜてゆきたいと考えています。

第1回( 9月 4日)芭蕉①古池とは何か
第2回(10月 2日)芭蕉以前(詩歌とは何か、その発生について)
第3回(11月 6日)芭蕉②『おくのほそ道』
第4回(12月 4日)芭蕉③「かるみ」という重荷(『猿蓑』から『炭俵』へ)
第5回( 1月15日)一茶から子規へ
第6回( 2月 5日)虚子、楸邨、龍太
第7回( 3月 5日)蕪村(老人のエロス)

古志広島ズーム句会(2021年9月5日)

俳句的生活 投稿日:2021年9月5日 作成者: KAI2021年9月5日

第一句座              
・矢野京子選 
【特選】
横たはる佐渡を一刀天の川  岡村美紗子 
月光とふれあうて鮎さびにけり    長谷川櫂
秋扇風をたたんで膝の上       城山邦紀
木漏れ日や葡萄の籠に猫ねむる    飛岡光枝
【入選】
じつくりと醸す葡萄酒句作りは    大場梅子
薄絹を剥ぐや白桃まるはだか     菅谷和子
かなかなか夕風の音かかなかなか   河本秀也
天の川かはのむこうは明日かな    長井亜紀
味噌汁や南瓜入れれば母の味     安藤文
秋潮の遠ざかりゆく枕かな      斉藤真知子
新生姜飯に炊き込む雨もよひ     神戸秀子
秋風やかの世で合はす貝合せ(山田歌子さん)長谷川櫂
草の露この世へ光投げかける     夏井通江
旅立ちや猪一家に見送られ      林弘美
かあさんはここに居ますよ今日の月  高橋真樹子

・長谷川櫂選 
【特選】
この雨の中を戻りし茄子の馬   矢野京子
ぽつねんと砂の城ある九月かな   大場梅子
木漏れ日や葡萄の籠に猫ねむる   飛岡光枝
【入選】
冬瓜を誰彼撫でてゆきにけり    斉藤真知子
稲光しんかんと夜の競技場     神戸秀子
おのごろのにがり滴滴新豆腐 菅谷和子
秋風の吹き初めにけり猫の国    飛岡光枝
山羊の乳飲みし記憶や秋の空    夏井通江
抱きついて泣く木は夜の枯れ柏   岡村美紗子 
薄絹を剥ぐや白桃まるはだか    菅谷和子
精霊船あと追うてくる真暗闇    米山瑠衣
味噌汁や南瓜入れれば母の味    安藤文
晩夏光海より碧いシーグラス     丸亀葉菜子
秋扇風をたたんで膝の上       城山邦紀
聞きなれてなお懐かしき虫の声    ストーン睦美
スランプと言ひて西瓜の種飛ばす   石塚純子
棄てられし民のあはれや威し銃    大場梅子
母の手を引きし昔や墓参り      河本秀也
いつまでも変はらぬ政治秋暑し    安藤文    
句友との十年一日秋高し       米山瑠衣       

第二句座(席題:曼珠沙華、鰯雲)
・矢野京子選 
【特選】
あるときは心のなかに曼珠沙華   長谷川櫂
我が知る言葉幾つや鰯雲      斉藤真知子
菩薩からたちまち夜叉へ曼珠沙華  大場梅子
【入選】
アフガンの女すつくと曼珠沙華   神戸秀子
パラマラソン伴走とゴールやいわし雲 大平佳余子
越後いま黄金の海や鰯雲      長井亜紀
東京の夜熱まだのこり鰯雲     飛岡光枝
亡命ののち伝わらず鰯雲      神戸秀子

・長谷川櫂選 
【特選】
鰯雲佐渡の大空ひつそりと   安藤文
東京の夜熱まだのこり鰯雲     飛岡光枝
亡命ののち伝わらず鰯雲      神戸秀子
【入選】
いわし雲老いては妻に従はん  大場梅子
くわんおんの宝珠開かば曼珠沙華 大平佳余子
さまよへる湖のごと鰯雲       高橋真樹子
ぴよんぴよんと猫渡りゆく鰯雲    米山瑠衣  
昼月の下を歩めば曼珠沙華      矢野京子
曼珠沙華土間のバケツに入れしまま  斉藤真知子

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読売新聞「四季」から

麗けき大福餅のほとりかな     相生垣瓜人

 大福には人を幸せにする力がある。鏡餅の威厳もなく、桜餅の色香があるわけでもないが、白粉をはたいたあの福顔にまみえると、誰でも相好がゆるむだろう。それに大と福、たった二文字の、この命名のすばらしさ。「麗か」は春の季語。
『負暄』

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    • 4月11日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 4月12日(日)鎌倉ズーム句会
    • 4月13,14日(月、火)吉野山句会
    • 4月19日(日)金沢ズーム句会
    • 4月26日(日)太宰府天満宮奉納全国俳句大会
    • 4月29日(水、昭和の日)仙台ズーム句会
    • 5月3日(日)広島ズーム句会
    • 5月6日(水、振替休日)ネット投句スクーリング句会
    • 5月9日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 5月10日(日)鎌倉ズーム句会
    • 5月16日(土)「小林一茶」講演会(江東区総合区民センター)
    • 5月17日(日)金沢ズーム句会
    • 5月23日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
    • 5月24日(日)仙台ズーム句会

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    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    中公文庫
    800円+税
    2026年2月刊行


    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    ちくま文庫
    1,000円+税
    2025年5月刊行


    『四季のうた ウクライナの琴』
    中公文庫
    800円+税
    2025年1月刊行


    『長谷川櫂 自選五〇〇句』
    朔出版
    2200円+税
    2024年4月刊行


    『四季のうた 井戸端会議の文学』
    中公文庫
    800円+税
    2024年1月刊行


    『小林一茶』
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    2024年1月刊行


    『ふじさわびと』vol.26
    株式会社ふじさわびと
    無料配布
    2023年1月発行


    『四季のうた 雨ニモマケズ』
    中公文庫
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    2023年1月刊行


    『和の思想』
    岩波新書
    980円+税
    2022年7月刊行


    『俳句と人間』(3刷)
    岩波新書
    860円+税
    2022年1月刊行


    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
    NHK出版
    1,000円+税
    2014年10月刊行


    『四季のうた 美しい日々』
    中公文庫
    800円+税
    2022年1月刊行


    句集『太陽の門』
    青磁社
    2200円+税
    2021年8月刊行


    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
    800円+税
    2021年1月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
    800円+税
    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
    780円+税
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    『歌仙一永遠の一瞬』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2200円+税
    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
    辻原登、永田和宏、長谷川櫂
    中公新書
    880円+税
    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
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    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
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