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俳句的生活

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古志仙台ズーム句会(2024年6月23日)

俳句的生活 投稿日:2024年6月24日 作成者: dvx223272024年6月24日

第一句座              
長谷川冬虹選
【特選】
野馬駈けの帰り馬行く青田かな        佐伯律子
梅干の昭和の色に染まりたる         武藤主明
夕立の匂ひだけして過ぎにけり        齋藤嘉子
太陽が磨きあげたるさくらんぼ        谷村和華子
どちらからともなく送る団扇風        三玉一郎
【入選】
立葵消滅都市に名を連ね           武藤主明
ペン塚に新聞部員楸邨忌           佐藤和子
蛍を子どもに分けてもらひけり        平尾 福
風鈴をきのふの軒に吊るしけり        長谷川櫂
翡翠のぢつと見つめるおのれかな       上村幸三
地下水を分け合ふこゑの植田村        佐藤和子
薄皮をつるんと剝いて枇杷の肉        上 俊一
滝もまた滝にあそんでをりにけり       三玉一郎
子供歌舞伎祭り終へたる面構へ        齋藤嘉子

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
ゆつくりと吹きて大きなしゃぼん玉      阿部けいこ
旅人や阿弥陀の御手に三尺寝         青沼尾燈子
大皿は王冠のごとさくらんぼ         長谷川冬虹
人間は肉の塊ハンモック           三玉一郎
どちらからともなく送る団扇風        三玉一郎
【入選】
くちなしや一人の時は一人の香        辻奈央子
打水の桶に夕焼の入り来たり         辻奈央子
新緑の道を熊よけ鈴がゆく          那珂侑子
野馬駈けの帰り馬行く青田かな        佐伯律子
もうゐない人の声する田植かな        川辺酸模
夕立の匂ひだけして過ぎにけり        齋藤嘉子
沖縄に耳を澄ませや慰霊の日         川辺酸模
未だ癒えぬ島の御魂や沖縄忌         川辺酸模
被曝せし顔へ死化粧紅の花          宮本みさ子

第二句座(席題:河鹿、涼み、夏みかん)
長谷川冬虹選
【特選】
どさどさと勝手に落ちる夏蜜柑        臼杵政治
ふくらませ宇宙を鳴らす河鹿かな       三玉一郎
花巻の闇うるはしと河鹿鳴く         長谷川櫂
【入選】
木の下に若き庭師の涼みをり         青沼尾燈子
ランプ消ゆ河鹿の声の寝床かな        上村幸三
夏みかんごはんに混ぜて鰹ずし        服部尚子
仏壇にごろんと置かれ夏みかん        阿部けいこ
影飛んで草に消えたる河鹿かな        辻奈央子
本陣の山高々と涼み台            甲田雅子
遠河鹿夢とうつつの間なる          及川由美子
夏蜜柑持て余したる雨の宿          平尾 福
明けてくる色に重なり夏蜜柑         辻奈央子

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
死ぬ順を考へてをり夕涼み          平尾 福
ゆつくりと竿をうしろへ涼み舟        上村幸三
すぐわかる河鹿の声や山育ち         佐伯律子
【入選】
どさどさと勝手に落ちる夏蜜柑        臼杵政治
剣豪を癒せし宿や夕河鹿           武藤主明
なつみかんのやうな子を抱き句会かな     三玉一郎
野良猫の恋にも飽きて夕涼み         川辺酸模
初めての談山神社河鹿笛           佐藤和子
夏みかんごはんに混ぜて鰹ずし        服部尚子
辣韭漬け二つ三つや宵涼み          青沼尾燈子
河鹿鳴く湯治の谷の一日目          那珂侑子
本陣の山高々と涼み台            甲田雅子
河原風虫も涼みに出てきたり         服部尚子
暗がりに息深々と涼みかな          上村幸三

ネット投句(2024年5月31日)特選

俳句的生活 投稿日:2024年6月17日 作成者: dvx223272024年6月17日
蝦夷春蝉さざなみのごと緑かな 北海道 芳賀匙子
二輪草一緒に死ぬることあらず 岐阜 梅田恵美子
風鈴も国に捧げし時代あり 愛知 稲垣雄二
万緑の中へと眠りゆく母よ 大阪 安藤久美
せつせつと汀ありけり初螢 広島 森恵美子
大切な空間ま白きシャツを着る 広島 森恵美子

*入選は「ネット投句」をごらんください。

古志金沢ズーム句会(2024年6月16日)

俳句的生活 投稿日:2024年6月17日 作成者: dvx223272024年6月17日

第一句座
 当季雑詠
・鬼川こまち選

【特選】
名刀は何もまとはず涼しさよ       長谷川櫂
ひとひらがほどけ怒濤の牡丹かな     趙栄順
山ひとつ動かしてゐる団扇かな      趙栄順
奥能登や卯波真白き鎮魂歌        玉置陽子
六月の花嫁のごと母逝きぬ        安藤久美
狩行逝く吾なら青に咲く四葩       氷室茉胡

【入選】
無花果の葉影は故郷みどり色       山本桃潤
過ぎし日は還らず噴水の滂沱       田中紫春
抗がん剤薬か毒か水中花         土谷眞理子
万緑や青春は吹き抜けし風        田中紫春
涼しさや呉須一滴の花ひらく       長谷川櫂
青萩の大きく撓ひ吾を揺らす       近藤沙羅
憂ひなどパセリもろともみじん切り    稲垣雄二
病む母に夏の窓あり開け放つ       飛岡光枝
世の中を放り出したる団扇かな      長谷川櫂
枇杷たわわ百歳にして独り住む      密田妖子
帰省子の畳の上にころがへり       宮田勝
水羊羹かの一切れが別れとは       長谷川櫂
池の面の空に昇るや夏の雲        越智淳子
鼓門無音どよみて梅雨入かな       越智淳子

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
滴りて水面を穿つ水の玉         趙栄順
奥能登の卯波は白き鎮魂歌        玉置陽子
新しき妻のごとしよ冷蔵庫        安藤久美
六月の花嫁のごと母逝きぬ        安藤久美
天蚕のかがやく緑脱皮四度        間宮伸子

【入選】
推敲の一字をさぐり明易し        泉早苗
古庭や今朝新しく花みかん        川上あきこ
螢籠ひと世といへど短かさよ       橋詰育子
葭切の葭にしづまる夕べかな       橋詰育子
抗がん剤薬は毒か水中花         土谷眞理子
白山を動かしてゐる団扇かな       趙栄順
藍褪せていよいよ涼し麻のれん      松川まさみ
嬉しさは五つの色の奈良団扇       藤倉桂
たたまれしままの籐椅子母の部屋     梅田恵美子
而して戦乱の世へ古団扇         鬼川こまち
この星の一点にいゐる天道虫       田中紫春
途中から力を込めて西瓜割る       宮田勝
バスを待つ日傘の影にひとりづつ     飛岡光枝

第二句座
 席題:「かき氷」、「凌霄花」
・鬼川こまち選

【特選】
かき氷二人ひとつの涼しさよ       花井淳
かき氷ただ一口のため並ぶ        田中紫春
晴天の寂しき狂女凌霄花         藤倉桂
鉾町は雨に洗はれ凌霄花         飛岡光枝
匙いつぽん富士山にさし氷水       飛岡光枝
のうぜんの呑みこんでゆく山家かな    酒井きよみ
ざくざくとくづすが嬉しかき氷      越智淳子

【入選】
かき氷山の中腹から匙を         間宮伸子
白山を匙で崩すやかき氷         稲垣雄二
天上へなら連れゆかれても凌霄花     川上あきこ
苺氷初めて食べし日の遠き        近藤沙羅
凌霄花吾にもありぬ嫉妬心        間宮伸子
のうぜんの花咲きほこる廃工場      松川まさみ
のうぜんは血の花散つて地を染めり    稲垣雄二
のうぜんを屋根に登らせしづかなり    近藤沙羅
のうぜんの花太陽を溢れきて       松川まさみ
凌霄花母の残せし帯の色         清水薫
かき氷憂さもろともに冷やしをり     趙栄順

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
かき氷二人ひとつの静かさよ       花井淳
かき氷炎の舌で触れてみよ        稲垣雄二
初恋や肩に力のかき氷          梅田恵美子
人生の休暇はてなしかき氷        山本桃潤

【入選】
歯にしみる齢かしこしかき氷       橋詰育子
のうぜんの花咲きほこれ廃工場      松川まさみ
凌霄花呑みこんでゆく山家あり      酒井きよみ
のうぜんやながらへてなほ恋心      田中紫春
かき氷夢醒めるごと溶けにけり      趙栄順
のうぜんの花太陽に憧れて        松川まさみ
凌霄に一雨ほしき夕べかな        安藤久美
かき氷路面電車の通りけり        梅田恵美子

ネット投句(2024年5月15日)特選

俳句的生活 投稿日:2024年6月16日 作成者: dvx223272024年6月16日
母の日や枝いつぱいの薔薇の花 宮城 長谷川冬虹
さう君が生きやうとしたあの夏へ 神奈川 三玉一郎
巣立鳥森は緑の大き籠 岐阜 三好政子
この星を忘れがたしと田螺鳴く 大阪 齊藤遼風
飛魚の翅を切られて売られをり 兵庫 吉安とも子
一滴に深山開く新茶かな 和歌山 玉置陽子

*入選は「ネット投句」をごらんください。

ネット投句(2024年4月30日)特選

俳句的生活 投稿日:2024年6月16日 作成者: KAI2024年6月16日
常節をあはびの子だと笑ふ人 神奈川 片山ひろし
うららかに伸びする猫の長さかな 石川 松川まさみ
小綬鶏のちよつとこいとや木下闇 静岡 湯浅菊子
母の息いつぱい詰めて紙風船 愛知 稲垣雄二
鯉幟吹きあまる尾に力あり 大阪 安藤久美
牛蛙恋句またもやボツとなり 大阪 木下洋子
ほぐれつつ火柱となる牡丹かな 和歌山 玉置陽子

*入選は「ネット投句」をごらんください。

古志鎌倉ズーム句会(2024年6月9日)

俳句的生活 投稿日:2024年6月9日 作成者: 田中 益美2024年6月9日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
薔薇はまだ莟のなかに眠りをり      萬燈ゆき
一滴の重さを解きて滴れり        湯浅菊子
けぶるごとあふち咲き満つあふみかな   わたなべかよ
ゆたけしや梅雨の底ひの白き花      澤田美那子
【入選】
鱚釣るや舟で開きて風干しに       葛西美津子
雨あがる山紫陽花の藍の色         金澤道子
楊桃の昏さ故郷のくらさかな        森永尚子
穀倉は戦火にまみれ麦の秋        澤田美那子
川風の夕べとなりぬ洗鯉         葛西美津子
梅雨深し女のかほにひげ生えぬ      森永尚子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
一生涯何者にもあらず白団扇      萬燈ゆき
世の果を見てきしなどと昼寝覚     萬燈ゆき
薔薇はいま莟のなかに眠りをり     萬燈ゆき
一滴の力を解きて滴れり        湯浅菊子
噴水のびしよ濡れて立つ夕立かな    仲田寛子
【入選】
復興の覚悟をこめて田植かな      木下洋子
花柚の香八十二歳誕生日        吉田順子
炎天へ火の口ひらく桜島        藤英樹
籐寝椅子捨てず使はず母の家      萬燈ゆき
五月闇菩提樹の花降りしきれ      葛西美津子
虫干や父の手描きの母の帯       仲田寛子
江ノ島の参道狭し貝風鈴        金澤道子
人と人殺し合ふ世を飛ぶ螢       藤英樹
蛇山の主ぬるりと青大将        おほずひろし
泰山木人の間近に花一つ        わたなべかよ
梅の実や滅びたることなき国に     関根千方
昼寝覚この世かの世の間に居      澤田美那子
山の水しみ出すところ岩煙草      金澤道子
梅雨深し女のかほにひげの生ゆ     森永尚子
ごろ寝する我に驚く油虫        藤原智子

第二句座 (席題:雲海、水羊羹)
•藤英樹選
【特選】
おおどかに切るがよろしき水羊羹    仲田寛子
三代の襲名叶ひ水羊羹         木下洋子
雲海のうねりに呑まれさうに富士    金澤道子
雲海の瀧なすところありぬべし     葛西美津子
ゆうれいも水やうかんも水の色     森永尚子
【入選】
青竹をするりと抜けて水羊羹      金澤道子
異論には耳傾けよ水羊羹        西川遊歩
愚痴いつか惚気話に水羊羹       金澤道子
雲海へ飛び込めさうや槍山頂      澤田美那子
高千穂の神みな雲海渡り来し      西川遊歩
一つ残る水羊羹は我のもの       湯浅菊子

•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
観光バスみんな寝てをり雲海へ     田中益美
雲海の果てにゆつくり眠られよ     藤原智子
ゆうれいも水やうかんも水の色     森永尚子
【入選】
しつくせぬ反省なれど水羊羹      森永尚子
異論には耳傾けよ水羊羹         西川遊歩
解きたる笹のかをりの水羊羹       萬燈ゆき

《500句》夏井通江

俳句的生活 投稿日:2024年6月9日 作成者: KAI2024年6月9日

 『長谷川櫂自選五〇〇句』を読んで初期の句の繊細さにうたれた。季語の取り合わせの新鮮さや俳句形式を熟知した言葉選びに感心させられた。

 家中の硝子戸の鳴る椿かな     『天球』

 夏めくやひそかなものに鹿の足   『天球』

 『蓬莱』になると、視線を長く風景を大きく捉える傾向がでてきた。

 淡海といふ大いなる雪間あり    『蓬莱』

 『虚空』になると、死を見つめた句や苦しみを軽やかに捉える句がでてくる。またスパンの長い句が並ぶ。

 みなし子に妻はなりけり鳳仙花   『虚空』

 悲しみの底踏み抜いて昼寝かな   『虚空』

 そして『震災句集』になると新境地が現れる。「俳句はなんでも書けなければならない」という信念のもと、例えば虚子の「戦争で俳句は何も変わらなかった」と言うような言葉とは対極をなす、現実の苦しみに切り込んでいく句を発表された。今、時を経てみてみると櫂先生の一大特色をなしている。俳句界も豊かにしたことが良くわかる。

 『沖縄』でも、沖縄という地に想像力を駆使し、透徹した句境を示された。

 『太陽の門』でも、死や被災地の記憶を人々の心になって表現し得ておられる。

 初盆や帰る家なき魂幾万    『震災句集』

 玉砕の女らはみな千鳥かな   『沖縄』

 子の髑髏母の髑髏と草茂る   『太陽の門』

 長く読み返し続けたい本であった。

朝カル講座「長谷川櫂 自選500句を語る」

俳句的生活 投稿日:2024年6月3日 作成者: KAI2024年7月20日

東京新宿の朝日カルチャーセンターで7月15日(月・海の日)、50周年記念講座「長谷川櫂 自選500句を語る」が開かれます。

今回は新宿の教室で話しますが、ズームでも参加できます。詳細はリンク先のホームページをごらんください。

https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7244115

《500句》海のはらわた 松川まさみ

俳句的生活 投稿日:2024年6月3日 作成者: KAI2024年6月9日

 『自選五〇〇句』において、俳句に何が開かれたかを明らかにしたい。今年の『古志』三、四月号の長谷川先生の鮟鱇の句をきっかけに解りかけてきたことがある。

  鮟鱇は己が重さにぐつたりと

  鮟鱇は口のみとなり笑ひけり

  笑ひつつ鮟鱇煮ゆる鍋の中

  鮟鱇は海のはらわた煮ゆるなり

 この中で「海のはらわた」が異質である。

 日常生活や体験、あるいは眼前の景を鮮しい言葉で詠むという俳句ではない。むしろそこから離れ抜け出たときに、ふっと感じる何か、すっとよぎる気配。まだ言葉にならない感覚ーそれを内面化させ、きちんと自覚して言語化する。そして詠む。「海のはらわた」にはそういう流れがみえる。

 多分それは、見たことも聞いたこともない、独自の言葉。それでいて読み手が深く頷く俳句。つまり読み手の中にも言語化されていないその感覚があって、俳句を読むことによって呼び起こされるということ。『自選五〇〇句』には、そういう俳句が打ち立てられる過程が示されている。

 はじめからそれはあった。

  春の水とは濡れてゐるみづのこと

  深山蝶飛ぶは空気の燃ゆるなり

 それが『五〇〇句』の「現在」になると、色調もとりどりに濃密に現れてくる。

  さまざまの月みてきしがけふの月

 という独白、嘆息にはもちろん、

  大宇宙の沈黙をきく冬木あり

  天地微動一輪の梅ひらくとき

 という叙景句とみえる句にも「海のはらわた」が示されている。

  青空のはるかに夏の墓標たつ

  夏空の天使ピカリと炸裂す

  暗闇の目がみな生きて夜の秋

  紅や炎天深く裂けゐたり

 培った想像力と言語量が土台にあると知れば、私はこれまでの怠慢を又も恥じ入るばかり。『五〇〇句』(読み手として力不足を感じる句が並ぶ。それは楽しいこと)を手に、私なりに歩むより他はない。

古志広島ズーム句会(2024年6月2日)

俳句的生活 投稿日:2024年6月2日 作成者: dvx223272024年6月2日

第一句座              
・矢野京子選  
【特選】
涼風を入れて始まる厨かな    夏井通江
木立ぬく画美鳥の声明易し    大平佳余子
蚊帳を吊る夢に父母若かりし   矢田民也
葛焼いて切り並べたる涼しさよ  長谷川櫂
朴の花茅舎浄土に降りつもれ   大場梅子
【入選】
うまかりし煮物のはなし母の日は 石塚純子
余り苗貰つてうれし学校田    神戸秀子
子に書きし短き手紙みどりの夜  斉藤真知子
サラダにも卓にも飾り花山葵   菅谷和子
ほこほこと鮎の子を焚く淡海かな 長谷川櫂
街路樹の枇杷の黄色やバスが来る 原京子
優勝の朝刊風の香りけり     瑞木綾乃
青竹に盛ればご馳走冷素麺    菅谷和子
調律やピアノの音も更衣     安藤文
冷や酒や九十の母と酌み交わす  ストーン睦美
日傘もて太陽と地球隔てけり   ストーン睦美
麦秋や雲雀まだまだ鳴き足らず  加藤裕子
さざ波の絶ゆることなき植田かな 金田伸一 
夏柳伐られて風の行方かな    今村榾火
父の日や父の愛した鯨肉     伊藤靖子

・長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
生きすぎて己に飽きぬ山椒魚   斉藤真知子
父の日や父は写真の中にのみ   矢野京子
満開の藤の巨木の宇宙かな    林弘美
夢に吊る蚊帳に父母若かりき   矢田民也
ためらへる我を一突き心太    菅谷和子
【入選】 
アカシアの花咲く街に父眠る   林弘美
山桃の青き実を踏む山路かな   駒木幹正
鶺鴒は小走りが好き五月晴    駒木幹正
調律やピアノの音も更衣     安藤文
大楠の揺れて頼もし夏に入る   斉藤真知子
鳩一羽ホームを歩く暑さかな   安藤文
戦後はた戦前なるか昼寝覚    矢田民也
単衣着て挑むかるたや夏の陣   ストーン睦美
朴の花茅舎浄土に散りつもれ   大場梅子
枇杷の実や見え隠れする分厚い葉 伊藤靖子
ラベンダー百万株を一望す    高橋真樹子

第二句座(席題:黴、洗膾)
・矢野京子選 
【特選】
検鏡す黴に万華の宇宙あり    駒木幹正
モナリザは黴の世に咲く花のごと 神戸秀子
黴の花咲かせどうする議事堂よ  大場梅子

【入選】
大胆な一句を所望洗鯉      長谷川櫂
黴生ゆる家も家族も捨て去らん  瑞木綾乃
黴の宿老舗の宿といはれても   大平佳余子
営林は祖父の天職洗鯉      駒木幹正
北国の誉ぞホッケ活き作り    高橋真樹子
紅の身の涼しさよ洗鯉      長谷川櫂
黴さへも正倉院に眠るなり    加藤裕子

・長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
黴を詠むことの楽しき暮しかな  金田伸一 
黴生ゆる家も家族も大事かな   瑞木綾乃
モナリザは妖しき花や黴の世に  神戸秀子 
黴びてこそ正岡子規の全集は   伊藤靖子
黴の香に安らぐ我を怪しみぬ   石塚純子
黴の世に正倉院の眠るなり    加藤裕子
【入選】
顕微鏡黴の万華の宇宙あり    駒木幹正
青竹の打ち合ふ音を洗鯉     菅谷和子
黴の中まだ新しき俳句あり    高橋真樹子
営林は祖父の天職洗鯉      駒木幹正
満足の今日の株価や洗ひ食ふ   加藤裕子
俎にのつてたちまち洗膾かな   矢田民也
たちまちに雨の上がりし洗膾かな 神戸秀子
登り来て深山の宿や洗鯉     ももたなおよ
北国の誉ぞホッケ活き作り    高橋真樹子
湖のけふはしづかに洗鯉     斉藤真知子   
山青き佐久にふるまふ洗鯉    石塚純子
洗鯉九重の水の湧く里に     菅谷和子
また一盃大吟醸や洗ひ鯉     斉藤真知子

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読売新聞「四季」から

今年てふ未来ありけり初鏡      田辺麦甫

 これから来る時間を未来というと、何だか輝いているような気がする。それはこの言葉の音の力。美しいmとrの子音があり、aiもある。それに対して過去という言葉は最後の母音oで沈みこむ。初鏡は年が明けて初めてのぞきこむ鏡。『鳥渡る』

2月11日(水) 古志雪中ズーム句会

  • 2月11日(土)、午後1時30分から二座行います。
  • 雪の句を十句ご用意ください。席題はありません。
  • 会費は2,000円(参加者にはあとで振込口座をお知らせいたします)
  • 申込締切=1月31日
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      • 1月24日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
      • 1月25日(日)仙台ズーム句会
      • 2月1日(日)広島ズーム句会
      • 2月7日(土)HAIKU+
      • 2月8日(日)鎌倉ズーム句会
      • 2月11日(水、建国記念日)雪中ズーム句会
      • 2月14日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
      • 2月15日(日)金沢ズーム句会
      • 2月22日(日)ネット投句のスクーリング
      • 2月23日(月、天皇誕生日)句会仙台ズーム句会
      • 2月28日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
      • 3月1日(日)広島ズーム句会
      • 3月7日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
      • 3月8日(日)鎌倉ズーム句会
      • 3月14日(土)きごさい全国小中学生俳句大会(東京、白川清澄公園)
      • 3月22日(日)金沢ズーム句会
      • 3月28日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
      • 3月29日(日)仙台ズーム句会

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      『「おくのほそ道」を読む 決定版』
      ちくま文庫
      1,000円+税
      2025年5月刊行


      『四季のうた ウクライナの琴』
      中公文庫
      800円+税
      2025年1月刊行


      『長谷川櫂 自選五〇〇句』
      朔出版
      2200円+税
      2024年4月刊行


      『四季のうた 井戸端会議の文学』
      中公文庫
      800円+税
      2024年1月刊行


      『小林一茶』
      河出文庫
      800円+税
      2024年1月刊行


      『ふじさわびと』vol.26
      株式会社ふじさわびと
      無料配布
      2023年1月発行


      『四季のうた 雨ニモマケズ』
      中公文庫
      800円+税
      2023年1月刊行


      『和の思想』
      岩波新書
      980円+税
      2022年7月刊行


      『俳句と人間』(3刷)
      岩波新書
      860円+税
      2022年1月刊行


      100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
      NHK出版
      1,000円+税
      2014年10月刊行


      『四季のうた 美しい日々』
      中公文庫
      800円+税
      2022年1月刊行


      句集『太陽の門』
      青磁社
      2200円+税
      2021年8月刊行


      『四季のうた 天女の雪蹴り』
      中公文庫
      800円+税
      2021年1月刊行


      大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
      長谷川櫂 編
      岩波新書
      780円+税
      2019年12月刊行


      『四季のうた 普段着のこころ』
      中公文庫
      800円+税
      2019年12月刊行


      大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
      長谷川櫂 編
      岩波新書
      780円+税
      2019年11月刊行


      『歌仙一永遠の一瞬』
      岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
      思潮社
      2200円+税
      2019年1月刊行


      『歌仙はすごい』
      辻原登、永田和宏、長谷川櫂
      中公新書
      880円+税
      2019年1月刊行


      『四季のうた 至福の時間』
      中公文庫
      700円+税
      2018年12月刊行


      『九月』
      青磁社
      1800円+税
      2018年8月刊行


      『Okinawa』
      Red Moon Press
      $15
      俳句 長谷川櫂
      英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
      2018年5月刊行


      『俳句の誕生』(4刷)
      筑摩書房
      2300円+税
      2018年3月刊行


      『四季のうた 想像力という翼』
      中公文庫
      700円+税
      2017年12月刊行


      『芭蕉さん』
      俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
      選句解説・長谷川櫂
      講談社
      1500円+税
      2017年3月刊行


      『震災歌集 震災句集』
      青磁社
      2000円+税
      2017年3月刊行


      『四季のうた 文字のかなたの声』
      中公文庫
      600円+税
      2016年12月刊行


      藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
      花神社
      2500円+税
      2016年10月刊行


      『文学部で読む日本国憲法』
      ちくまプリマー新書
      780円+税
      2016年8月刊行


      『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
      松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
      河出書房新社
      2,600円+税
      2016年6月刊行


      『四季のうた 微笑む宇宙』
      中公文庫
      700円+税
      2016年3月刊行


      『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
      筑摩選書
      1,500円+税
      2015年10月刊行


      『沖縄』
      青磁社
      1,600円+税
      2015年9月刊行


      『入門 松尾芭蕉』
      長谷川櫂 監修
      別冊宝島
      680円+税
      2015年8月刊行


      『歌仙一滴の宇宙』
      岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
      思潮社
      2000円+税
      2015年2月刊行


      『吉野』
      青磁社
      1,800円+税
      2014年4月刊行
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