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俳句的生活

長谷川櫂のサイト

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ネット投句(9月15日)特選

俳句的生活 投稿日:2025年9月21日 作成者: dvx223272025年9月21日
誰か知る曲がる胡瓜の気持など 埼玉 下家正幸
病む地球こよいは眠れ星月夜 千葉 若土裕子
老人も人口もへる敬老日 東京 櫻井滋
きのふとはちがふ暗闇鉦叩 神奈川 丸山分水
初秋や湾に遊びし雲一片 神奈川 三浦イシ子
八月がゆく足枷をつけたまま 神奈川 三玉一郎
草の花人に生まれてみなひとり 神奈川 三玉一郎
腹見せてもはやこれまで秋の蝉 神奈川 藤澤迪夫
傍らに陰の盃十六夜 石川 花井淳
秋の金魚と穏やかな日なりけり 石川 松川まさみ
ただ一度鹿に遭遇金華山 岐阜 三好政子
水を出て重きうつつや秋の犀 岐阜 梅田恵美子
お地蔵の頭ごなしや迎鐘 静岡 湯浅菊子
苦瓜の熟れては爆ぜる残暑かな 愛知 稲垣雄二
邯鄲や草になりたる母の家 愛知 稲垣雄二
望月やあまねく溽野照らしをり 愛知 青沼尾燈子
白木槿ぼーっと生まれぼーっと死ぬ 大阪 木下洋子
猪口ほどに咲いて朝顔終の花 大阪 澤田美那子
見たこともなくて親しき鉦叩 大阪 澤田美那子
露草や女人の眉の青かりき 兵庫 福田光博
這い出して庭整えん敬老日 奈良 きだりえこ
赤ん坊に乳歯一本豊の秋 奈良 きだりえこ
死にながら下りてゆくや秋の鮎 和歌山 玉置陽子
仰ぎ見る松山城や氷店 高知 森脇杏花
またの世は風より軽き糸蜻蛉 長崎 川辺酸模
躊躇ひてやつとつくつく法師かな 大分 山本桃潤
再びの珊瑚の花を首里の丘 大分 山本桃潤
新しき視界つぎつぎ飛蝗とぶ 大分 竹中南行

古志広島ズーム句会(2025年9月7日)

俳句的生活 投稿日:2025年9月7日 作成者: dvx223272025年9月7日

第一句座
矢野京子選
【特選】
戦へる国を見下ろし月天心       ストーン睦美
神々の山の雫を新走り         高橋真樹子
からと焼く貌もさすがに鱸かな     長谷川櫂
いにしへの風吹きおこせ秋扇      安藤文
あをあをと我を揺さぶる芭蕉かな    瑞木綾乃

【入選】
コンビニは青きオアシス猛暑の夜    神戸秀子
鰯引く島留学の子も交じり       ももたなおよ
酒も抜けひとり鳩吹く朝帰り      岡村美沙子
秋祭獅子にも御神酒奉る        加藤裕子
秋天いかに北京は軍事パレード     大平佳余子
すくひたる水のゆらりと新豆腐     斉藤真知子
拾ひきしますほの小貝水の秋      大場梅子
けふの月話したりなき顔浮かぶ     高橋真樹子
唐黍のとびきり甘き空の色       高橋真樹子
過ぎし日の小さきてのひら青どんぐり  石塚純子
これほどに風白きこと忘れゐき     長谷川櫂
野の風をふいと香らせ菊枕       城山邦紀
秋団扇母へ使ふといふ幸よ       矢田民也

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
白壁に影なす風の九月かな       ももたなおよ
まだ夏の名残りの雲の峰たかし     矢野京子
被爆樹の嘆きの露か瞬ける       矢野京子
【入選】
どの家もカーテン閉めて秋暑し     安藤文
我も行かん俺の細道天の川       神戸秀子
どんぐりに命の重さありにけり     石塚純子
またひとり虫の闇より戻りくる     矢野京子
蟷螂の虫食ふ音の恐ろしき       斉藤真知子
あをあをと我を揺さぶる芭蕉かな    瑞木綾乃

第二句座(席題:秋刀魚、団栗)
矢野京子選
【特選】
国境のどんぐり転ぶロシアへと     矢田民也
蝦夷リスの来るまで団栗そのままに   高橋真樹子
秋刀魚焼く煙の中に一人かな      斉藤真知子
【入選】
面長に丸顔も居りどんぐり教室     石塚純子
九回二死大逆転や秋刀魚焼く      ストーン睦美
又三郎去つてどんぐり落ち放題     神戸秀子
燃ゆる火を秋刀魚叩いて消しにけり   長谷川櫂
真二つに切り秋刀魚焼く無粋かな    瑞木綾乃

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
九回二死大逆転や秋刀魚焼く      ストーン睦美
団栗をあなたに投げて振り向かす    矢野京子
もくもくと一人暮らしの秋刀魚かな   安藤文
【入選】
敷きつめしどんぐり径を車いす     原京子
橋幸夫秋刀魚焼いて悼みけり      今村榾火
ひとわたり見ては秋刀魚に戻りけり   金田伸一
どんぐりの墜ちしひとつの音響く    城山邦紀
団栗の実らぬ熊の嘆きかな       加藤裕子
漁師らの袖の中まで秋刀魚かな     高橋真樹子

ネット投句(8月31日)特選

俳句的生活 投稿日:2025年9月2日 作成者: dvx223272025年9月6日
たわたわとたはけのはての風の萩 北海道 芳賀匙子
パンドラの匣に残りし冷酒かな 埼玉 下家正幸
秋の月お世話になりました母は言ふ 東京 永井奈緒
瓜茄子いつも揃ってわが家の膳 神奈川 三浦イシ子
空丸ごと水拭きしたき残暑かな 神奈川 松井恭子
若者を砲弾とせし敗戦忌 富山 酒井きよみ
面長は長身の常赤とんぼ 石川 花井淳
我もゐて川浴びの子らは幻 石川 松川まさみ
風入れてみたるも駄句はついに駄句 石川 松川まさみ
寝て覚めてこどもに戻る西瓜かな 長野 金田伸一
冬瓜の瞑想深きごろ寝かな 愛知 稲垣雄二
洗ひ髪星へ広げる夜の秋 愛知 稲垣雄二
霧の奥しづかに犬が鳴いてゐる 愛知 青沼尾燈子
犬去りぬひとりで歩く秋野かな 愛知 青沼尾燈子
高々と噴水だけが知る虚空 大阪 安藤久美
守るべきは守りし誇り捨案山子 大阪 木下洋子
大文字戦の星となり果てて 大阪 澤田美那子
八月と言ふ言葉まで暑苦し 兵庫 天野ミチ
K2に逝きし岳人星月夜 兵庫 福田光博
新涼や茶筅のさきのうす緑 奈良 喜田りえ子
秋簾もう片付ける人はなく 奈良 中野美津子
朝顔の蔓に自由の風が吹く 奈良 中野美津子
抱き寄せて秋の木洩れ日爪弾かん 和歌山 玉置陽子
反戦に今も気概や終戦日 高知 森脇杏花
秋来れば日毎に深し茄子の紺 長崎 川辺酸模
登り窯皿わる音も秋めける 大分 山本桃潤
人類が背負う十字架八月来 大分 山本桃潤
吾亦紅怒りの紅の美しき 大分 田中俊一

古志仙台ズーム句会(2025年8月31日)

俳句的生活 投稿日:2025年9月1日 作成者: dvx223272025年9月1日

第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
施餓鬼寺転読の声堂に満つ           甲田雅子
ただ空の大きさを知る夏休           三玉一郎
八月の物語せよ弁当箱             長谷川櫂
八月を握りしめたる赤子かな          武藤主明
【入選】
奈良漬の漆のごとき秋暑かな          長谷川櫂
自転車で月追つて行く子どもたち        平尾 福
紙垂揺るる村ぢゆう白し秋祭          谷村和華子
朝顔や夫婦が競ふ些事凡事           服部尚子
誰某の絵を捨てられぬ団扇かな         臼杵政治
長き夜を死後の話の二人かな          川辺酸模
目が覚めて初朝顔の白一つ           臼杵政治
白桃や孫もひ孫も桃のかほ           長谷川櫂
新涼の柾目にはじく墨一本           齋藤嘉子
西瓜割れ思ひ出わつとあふれけり        及川由美子

長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
わが胸は残暑の汗の壁をなす          宮本みさ子
青き海の底にいくつのラムネ玉         佐伯律子
めざめれば庭一面の桔梗かな          川辺酸模
【特選】
盆のあと手持ち無沙汰の野山かな        服部尚子
町中が祭太鼓や藍浴衣             長谷川冬虹
もうゐない犬連れてゆく秋日和         三玉一郎
紙垂揺れて村ぢゆう白し秋祭          谷村和華子
誰某の絵を捨てられぬ団扇かな         臼杵政治
ガガイモの花の清らか土いきれ         佐藤和子
ねむるまで鉦を叩いてくれにけり        三玉一郎
懐かしき土の匂ひよ蝉仰臥           上村幸三
【入選】
をみならの太鼓凛々しき浴衣かな        長谷川冬虹
磐梯山花蕎麦ゆれてむづがゆし         宮本みさ子
朝顔や夫婦で競ふ些事凡事           服部尚子
長き夜や死後の話をして二人          川辺酸模
擦り減りし硯にたらす水の秋          宮本みさ子
わが宿の畳を焦がす西日かな          及川由美子
古戦場札だけが立つ夏野かな          青沼尾燈子
石ころがぽつんとひとつ秋の声         三玉一郎
ただ空の大きさを知る夏休           三玉一郎
帯広の黄金の野や大豆打つ           服部尚子
判官の菊人形が夢にまで            臼杵政治
空蝉は地蔵のみ手に眠りけり          甲田雅子
身に入むや風に転がる蝉の骸          川辺酸模
西瓜割りて思ひ出わつとあふれけり       及川由美子
須賀川や翁も聞きし滝の音           甲田雅子
けふも居座る炎帝や水を買ふ          佐藤和子

第二句座 (席題:案山子、草の花、燕帰る)
長谷川冬虹選
【特選】
若き日の我の背広や案山子立つ         武藤主明
案山子翁今年はつひにひとりかな        齋藤嘉子
夕空に湧き出してくる帰燕かな         甲田雅子
大谷になりきり案山子二刀流          武藤主明
【入選】
稲刈つてさみしき顔の案山子かな        臼杵政治
草の花朝夕だけの路線バス           阿部けいこ
またの世もきみの辺の草の花          川辺酸模
手も足も出さぬと案山子侮られ         臼杵政治
裏山の草の花つみ夫の供花           甲田雅子
学校へ足が向かぬ子草の花           齋藤嘉子
月みれば月の歌よむ案山子かな         長谷川櫂
頭まず見ゆる棚田の案山子かな         臼杵政治
案山子立つ賢治のごとく前かがみ        及川由美子
軽トラに積まれて帰る案山子かな        上村幸三

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
またの世もきみの辺の草の花          川辺酸模
草の花ほどの思ひ出語り合ふ          三玉一郎
ガザ地獄ウクライナ地獄草の花         青沼尾燈子
妻に似てみめうるはしき案山子かな       青沼尾燈子
【入選】
秋燕のひとまはりして飛び去りぬ        佐伯律子
波頭すれすれに飛ぶ秋つばめ          佐伯律子
トランプに似せた案山子をはやしけり      上 俊一
切れ切れの思ひ出つなぐ草の花         佐伯律子

古志金沢ズーム句会(2025年8月17日)

俳句的生活 投稿日:2025年8月18日 作成者: dvx223272025年8月18日

第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選

【特選】
蟻地獄月光落る夜もあらん        趙栄順
恐竜の骨格きしむ秋うらら        花井淳
生きのびし思ひありけり夜の秋      橋詰育子
流星や四十年の勤め終へ         氷室茉胡
八十年火傷隠さず原爆忌         稲垣雄二
黒焦げに国は焼かれて秋の風       長谷川櫂
ひぐらしや子の死を知らず母眠る     趙栄順

【入選】
よく生きて残す一書の爽やかさ      清水薫
その朝も花に水やり原爆忌        酒井きよみ
いちじくの秘めたる花を啜りけり     稲垣雄二
噛むやうに一杯の水原爆忌        川上あきこ
糊うすくまとふ快楽の古浴衣       松川まさみ
秋はみな狭き裏庭より来たる       間宮伸子
旱魃のダム湖があくる鬼の口       酒井きよみ
黒焦げの一塊が長崎夜の秋        長谷川櫂

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
一線を引く恋もあり秋扇         趙栄順
あの人もその人も星星涼し        酒井きよみ
生きのびし思ひありけり夜の秋      橋詰育子

【入選】
夕闇をふるはせ烏瓜の花         梅田恵美子
地蔵川生きながら蝉流れゆく       梅田恵美子
いちじくの冷たき花を啜りけり      稲垣雄二
紀ノ川の青流るるや今朝の秋       玉置陽子
産みし子は火傷なかりき原爆忌      稲垣雄二
恐竜の骨格きしむ夜の秋         花井淳
殺し合ふ正義と正義かき氷        稲垣雄二
大文字や入れば暗き京の家        安藤久美
油蝉いのち燃やして鳴きにけり      安藤久美
からつぽの我歩ませる秋の風       近藤沙羅
わが病めば子のやさしさよ冷し瓜     橋詰育子
遠くからですが黙祷原爆忌        清水薫
ふと気づく己が吐息も夜の秋       松川まさみ
虫の音やこころ整ふ仕舞風呂       藤倉桂
大輪の供華八月の空高く         松川まさみ

第二句座
 席題:「処暑」、「朝顔」
・鬼川こまち選

【特選】
大川も空も澄みたる処暑の朝       間宮伸子
朝顔は蛇のごと樋締め登る        稲垣雄二
道理なき世へ朝顔の白一輪        玉置陽子
子規庵の青き朝顔懐かしく        近藤沙羅
あさがほやひと日ひと日をつなぐ紺    梅田恵美子
朝顔は虚空に絡み咲きにけり       稲垣雄二

【入選】
石垣をおほい朝顔水のごと        酒井きよみ
朝顔の花一輪の唐津かな         長谷川櫂
処暑と云へどまだまだ暑くなる地球    近藤沙羅
せせらぎへ手をひたしゐる処暑夕べ    玉置陽子
朝顔や沖をはるかに白き船        飛岡光枝
挨拶のことば美し処暑の朝        稲垣雄二
夫遺す朝顔継ぎて二十年         密田妖子
あさがほや日ごとに変はる子の願ひ    安藤久美

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
道理なき世へ朝顔の白一輪        玉置陽子
朝顔は虚空に絡み咲きにけり       稲垣雄二
み仏の母へ見せばや初朝顔        玉置陽子

【入選】
あさがほの蔓のさまよふ雨の中      松川まさみ
朝顔や印はひらがな一文字        花井淳
処暑と云へどまだまだ暑くなる我が家   近藤沙羅
朝顔や夫婦のごとく紺と白        趙栄順
夜深し朝顔莟ほどきつつ         飛岡光枝
朝顔の蔓の伸びゆく月夜かな       田村史生

古志広島ズーム句会(2025年8月3日)

俳句的生活 投稿日:2025年8月3日 作成者: dvx223272025年8月3日

第一句座
矢野京子選
【特選】
軍歌なほ忘れぬ唇よ原爆忌        矢田民也
原爆忌死者も八十年生きたるや      矢田民也
打水のきらめく記憶あるばかり      長谷川櫂
ひとり来てひとり泳ぐや原爆忌      安藤文
石段の影が語り部ナガサキ忌       ももたなおよ
【入選】
原爆忌またねと別れきしものを      金田伸一
水に揺られてうたた寝の桃ひとつ     斉藤真知子
これしきの猛暑嘆くな原爆忌       大平佳余子
どの鉢にもたつぷり水を広島忌      大平佳余子
翅広ぐおほみづあをの秘色かな      大平佳余子
恫喝に核を使ふなちちろ鳴く       大場梅子
老いて今ゆるりと母の白上布       ももたなおよ
原爆忌薬は柿の葉薊の根         ももたなおよ
書に挟む恋文ひとつ土用干し       城山邦紀
合歓の花わが白髪を母知らず       神戸秀子
蝉時雨百年の家改修す          安藤文
デジタルで読む新聞や終戦日       安藤文

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
水に揺られてうたた寝の桃ひとつ     斉藤真知子
すぐそこの闇を手繰りて踊るかな     矢田民也
カステラ屋すでに三代原爆忌       高橋真樹子
黒焦げの秋立ちにけり原爆忌       神戸秀子
爛れたる顔に柿の葉原爆忌        ももたなおよ
【入選】
軍歌なほ忘れぬ我へ原爆忌        矢田民也
快晴の空が真つ暗広島忌         石塚純子
朝の卓飯と味噌汁広島忌         斉藤真知子
長崎忌八十年の鐘ひびく         大場梅子
雲梯に木洩日あそぶ今朝の秋       神戸秀子
湯上がりのわが身をさらす蟬時雨     安藤文
広島忌今年また訪ふ大樹あり       矢野京子
孫二人ひ孫六人原爆忌          矢野京子
死に蟬のたましひ運ぶ蟻の列       安藤文

第二句座(席題:甚平、蜻蛉)
矢野京子選
【特選】
みづうみや蜻蛉も船を待つごとく     神戸秀子
甚平の熱く語るや量子論         駒木幹正
遠富士に甚平高く干す家かな       矢田民也
【入選】
呼び鈴に甚平の人ぬつと立ち       加藤裕子
鬼やんま原爆ドーム守るごとし      大平佳余子
甚平着て吾も横丁の顔役に        大平佳余子
虫籠の蜻蛉をすぐに放ちけり       斉藤真知子
颯爽と座敷をめぐる鬼やんま       長谷川櫂
甚平や木刀一本宝とす              加藤裕子

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
甚平や老いにも花の旬のあり       矢田民也      
鬼やんま原爆ドーム守るごとし      大平佳余子     
夫と子の瓜二つなる甚平かな       瑞木綾乃    
とんぼうの乗りつぐ風の次々に      城山邦紀     
甚平着てけふからただの人となる     大場梅子    

【入選】
甚平の人ぬつと立つ戸口かな       加藤裕子      
甚平着て吾も横丁の顔役に        大平佳余子      
甚平や祖父に自慢の手負ひ傷       高橋真樹子
甚平を着て細脛の頼りなし        矢田民也      
黙祷の帽子に止まる蜻蛉かな       矢野京子     
黙祷の眼開けば蜻蛉飛ぶ        矢野京子       
甚平や木刀一本宝とす         加藤裕子        
遠富士に甚平高く干す家かな      矢田民也    

古志仙台ズーム句会(2025年7月27日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月28日 作成者: dvx223272025年7月28日

第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
吾もいつか宇宙のはての夏の星         甲田雅子
太陽を真直ぐに切るトマトかな         臼杵政治
鬼の面被りて歩く極暑かな           武藤主明
翳となり光となりて八月来           三玉一郎
かの世から風をもらひて昼寝かな        平尾 福
【入選】
涼しさは欄間の松の透かし彫り         及川由美子
桃の木の根方に屑桃埋めてやる         齋藤嘉子
一雨来食ふには惜しき茄子の紺         上 俊一
帰省して柱の傷と背くらべ           阿部けいこ
氷室出て汗の吹き出す氷かな          平尾 福
背泳ぎにどんどん空の広くなり         谷村和華子
夏の蝶粉々になる酷暑かな           佐伯律子
梅雨明け宣言ふじは半分顔出しぬ        那珂侑子
常臥の犬と目配せ梅雨晴間           青沼尾燈子
鴉らも空をさすらふ旱かな           長谷川櫂

長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
夏の朝犬はすやすや死んでゐた         青沼尾燈子
麦わら帽子サザンの歌をハミングす       及川由美子
一歩出て一歩ひるみぬ日の盛          佐伯律子
いつまでも夢みる人よハンモック        谷村和華子
舟溜り烏賊釣船も昼寝かな           川辺酸模
【特選】
逝きし人みな涼しげや油照り          谷村和華子
沖へ沖へ父泳ぎゆく遥かな日          谷村和華子
八月来記憶の杖をつきながら          三玉一郎
繕ひのあとが網戸に犬恋し           那珂侑子
かの世から風をもらひて昼寝かな        平尾 福
【入選】
炎天や人類の旅の西の果            長谷川冬虹
花に混じる西瓜の苗のいぢらしく        服部尚子
桃の木の根方に埋める屑の桃          齋藤嘉子
一雨や食ふには惜しき茄子の紺         上 俊一
あつさりと検診を終へ一夜酒          佐藤和子
瑠璃色の魚岩蔭に夏の果            平尾 福
一匹は水子の魂か夕蛍             佐藤和子
スマホなく過ごす一日の涼しさよ        川辺酸模
かいつむり眠る川面を夏の月          川辺酸模
アラビアの文字のごとくに草茂る        長谷川冬虹
帰国してなんと眩しき青田風          長谷川冬虹
極楽へつづく鍵とや夏の寺           青沼尾燈子
夏の月ひときは赤しアラビア文字        長谷川冬虹
黒揚羽粉々になる極暑かな           佐伯律子
平泳ぎ二人の兄のもう遥か           上村幸三
常臥の犬と目が合ふ梅雨晴間          青沼尾燈子
腎不全末期の友よ夏の果            川村杳平
撒水車祭のあとを冷ましゆく          平尾 福
桟橋にホットドッグ屋夏の果          平尾 福

第二句座 (席題:打水、鰻、常盤木落葉)
長谷川冬虹選
【特選】
外つ国の力士のやうな鰻かな          武藤主明
打水やじゆうつと焼きを入れしごと       上 俊一
掴まれてはつと蹴り上ぐ鰻かな         谷村和華子
水打ちて門前町を鎮めけり           武藤主明
水槽の底でウナギは世を覗く          宮本みさ子
【入選】
釘打たれ鰻はまなこ見開きぬ          佐伯律子
次々と鰻割かるる涼しさよ           川辺酸模
水を打つ旅の途中の隣家にも          那珂侑子
お隣の前に多めの水を打つ           平尾 福
ふかふかと夏の落葉を踏んでゆく        平尾 福
火柱のガザにキーウに水を打て         上村幸三
せめてその小さき墓へ打水を          三玉一郎

長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
不甲斐なき男がひとり鰻食ふ          上村幸三
深閑と目打ちを待てる鰻かな          川辺酸模
鎌倉は鰻の焼ける匂ひかな           平尾 福
【入選】
次々と鰻焼く火の涼しさよ           川辺酸模
ぬるぬるともんどりの中鰻かな         佐伯律子
鰻屋に夫婦で寄りぬ盆帰省           川村杳平
水打ちて一日伸びる命かな           佐伯律子
思い切つて匙を所望す鰻飯           佐藤和子
打水をせめて小さき犬の墓           三玉一郎

古志山廬句会(2025年7月21日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月27日 作成者: dvx223272025年7月27日

第一句座
・雨宮更聞選

【特選】
夏の雲透けて竹林風の音         宮本みさ子
竹林に咲いてしづかに花茗荷       石川桃瑪
歳時記に挟む山廬の松落葉        金澤道子
これは真赤な更聞さんの李かな      長谷川櫂
竹箒旧りて山廬の夏日浴ぶ        石川桃瑪
この庭の夏の光を我も浴び        滝沢優子     

【入選】
老鶯の山廬の庭を席捲す         石川桃瑪
夏鶯のけだるき声や狐川         越智淳子
もう誰も座してはをらず夏炉かな     高橋 慧
竹藪の天に溽暑の空まさを        石川桃瑪
日盛りにかなしきほどの山々よ      高角みつこ
桃の香と静けさ箱に詰め合はせ      西川遊歩
炎天のすぐ下にある山廬かな       長谷川櫂
茫茫と葉をしたがへて桃熟るる      飛岡光枝
大玉の手塩にかけし桃ぞ此れ       西川遊歩
八ヶ岳踏まえて育つ雲の峰        齋藤嘉子
涼しきは後山をのぼる土不踏       高橋真樹子
冷やされてでんぐり返る桃ひとつ     葛西美津子
堰落ちる音の涼しき狐川         金澤道子
くろがねの如き影踏む雲の峰       谷村和華子
太々と火吹竹ある夏炉かな        飛岡光枝
カンカン帽父に似てきし秀實さん     藤 英樹
画眉鳥の句はできたかとけたたまし    越智淳子
どこまでも続きて遥か夏の山       谷村和華子
刃を入れて夏が真赤ぞ山李        飛岡光枝
大火鉢桃もすももも冷し食ぶ       石川桃瑪

・長谷川櫂選

【特選】
俳諧の寝起き一畳涼しかり        飛岡光枝
茫茫と葉をしたがへて桃熟るる      飛岡光枝
みんみんの声の始めは酔つてをり     宮本みさ子
縁あつて露の命の集ひけり        齋藤嘉子
入道雲一際高き山廬かな         高橋 慧
遺骨なき墓灼く陽ざし八十年       西川遊歩
刃を入れて夏が真赤ぞ山李        飛岡光枝

【入選】
竹林に咲いてしづかに花茗荷       石川桃瑪
甲斐や今翠巒をなす葡萄園        齋藤嘉子
明易し狸も出でくる狐亭         高橋 慧
虚空へと舞ひ上がりゆく夏の蝶      谷村和華子
冷されてでんぐり返る桃ひとつ      葛西美津子
堰落ちる音の涼しき狐川         金澤道子
くろがねの如き影踏む雲の峰       谷村和華子
熟れ熟れて桃も李も夏の果        葛西美津子
釜掛けて夏の火鉢の寂とあり       宮本みさ子
青竹の空大ゆれや雲の峰         飛岡光枝

第二句座
・雨宮更聞選

【特選】
秋近き山廬に吊るす竹箒         宮本みさ子
着流しの男の如く夏の富士        森永尚子
水分の神の育てし紅き桃         飛岡光枝

【入選】
誰がせしや夏炉の火箸灰に立つ      石川桃瑪
一徹の顎引く蛇笏夏羽織         西川遊歩
先人の息吹を宿す夏座敷         滝沢優子
獲り終へてほつとしてゐる桃畑      西川遊歩
篆刻のくれなゐ涼しき山廬かな      齋藤嘉子
涼しさやはるかを思ふ龍太の句      長谷川櫂
露白くむすぶ龍太の墨書かな       葛西美津子
雲の峰いくつ潜らん黒揚羽        谷村和華子
くれなゐを誉れとしたる甲斐の桃     齋藤嘉子
大夏木戦後八十年を見き         藤 英樹
富士山の麓の水を打ちてをり       宮本みさ子
山廬いま水引草のまくれなゐ       金澤道子

・長谷川櫂選

【特選】
夏深し山廬は竹の青の中         藤 英樹
掌に入れて優しく捥げよ桃        西川遊歩
白壁のうつくしき夏俳諧堂        藤 英樹
篆刻のくれなゐ涼しき山廬かな      齋藤嘉子
白雲のごとくしづかに百合の花      雨宮更聞
着流しの男の如く夏の富士        森永尚子
龍太の書流るる川の涼しさよ       関根千方

【入選】
軒すだれ確と龍太の文机         雨宮更聞
獲り終へてほつとしてゐる桃畑      西川遊歩
手斧目の涼しきここに句会かな      齋藤嘉子
露白くむすぶ龍太の墨書かな       葛西美津子
秋近き山廬に吊るす竹箒         宮本みさ子
真昼間を玉虫よぎる山廬かな       飛岡光枝
炎天や一途に刻む石の文字        高角みつこ
鬼やんま水に触れしはまた空へ      関根千方

古志金沢ズーム句会(2025年7月20日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月21日 作成者: dvx223272025年7月21日

第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選

【特選】
つゆ草やひと日を生きてひと日老い    梅田恵美子
青山椒龍太の山の青さかな        趙栄順
眠りてもまた眠りても熱帯夜       土谷眞理子
いつのまに子どもの寝息青葉かな     川上あきこ
大玉も小玉も目玉西瓜買ふ        宮田勝
空蝉やすつからかんを晴れやかに     藤倉桂
物言はぬ母の涙や土用餅         藤倉桂

【入選】
うつし世に振り回さるやひからかさ    土谷眞理子
藁縄の解かれて涼し鉾の梁        花井淳
七夕や遇ひたき人はみな彼岸       田中紫春
犬小屋の前にも一つ蚊遣かな       橋詰育子
旅したき一つがスイーと流れ昆布     酒井きよみ
清方の美人に小皺や古団扇        稲垣雄二
花茣蓙や家の裏までつつぬけに      飛岡光枝
暑に喘ぐ我は火を噴くゴジラかな     長谷川櫂
土用波富士山洗ふ大飛沫         山本桃潤
輸送中卵孵化する溽暑かな        間宮伸子
年老いて得たるえにしや星逢う夜     梅田恵美子
川風に潮の香りや鮓熟るる        玉置陽子
あつけなく人殺さるる夏芝居       田村史生

・長谷川櫂選

【特々選】推敲例
いつの日か老いのたのしみ白上布     安藤久美
うちふるふ紀伊一国や土用波       玉置陽子
雨音と思へば木々か夕涼し        近藤沙羅
よしとせん薄き乳房も酷暑かな      川上あきこ
物言はぬ母の涙や土用餅         藤倉桂

【特選】
七夕や今年はひとり坊を守る       安藤久美
草刈るやあらくれものの蔓ばかり     宮田勝
形代のすぐに沈みて事もなし       飛岡光枝
真青なる空へひまはり幾柱        松川まさみ
山百合の白かたくなに背き合ふ      安藤久美
青山椒龍太の山の欠片かな        趙栄順
なにもかも残念な世へ昼寝覚       稲垣雄二
夏草やかつて能登にも鉄路ありき     清水薫
弁慶を呼んで曳かせん長刀鉾       清水薫

【入選】
なんとまあ小粒な土用蜆かな       川上あきこ
藁縄の解かれて涼し裸鉾         花井淳
目つむれば若き父母星まつり       安藤久美
犬小屋の前にも一つ蚊遣豚        橋詰育子
露草や一日を生きて一日老ゆ       梅田恵美子
青空に透ける半月背泳ぎす        田村史生
初蝉やまづ耳鳴りを疑ひぬ        密田妖子
ざざ降りや軒に浮かべる玉忍       飛岡光枝
鉾の縄ざつくり切りて賜りぬ       花井淳
今年竹香りて青き茶杓かな        山本桃潤
日に焼けてきらきらの眼の女の子     土谷眞理子
七夕竹あまた短冊しなひけり       田中紫春
捩花の吾にも勝る捩じれ振り       清水薫
解かれてなほ芳しき鉾の縄        花井淳
半生を過ごせし庭に端居かな       橋詰育子
無花果の葉陰大きな緑の実        山本桃潤
つぎつぎに川床に灯の入る涼しさよ    橋詰育子
茫々と昭和百年梅雨に入る        趙栄順
掌に吸ひ付いてくる茄子かな       藤倉桂

第二句座
 席題:「七夕」、「夏落葉」
・鬼川こまち選

【特選】
ふる里も母も彼方へ夏落葉        清水薫
世の移り燃やせぬ庭や夏落葉       密田妖子
ささやきに似て七夕の笹の音       松川まさみ
吾を迎ふ舟漕ぎて来よ星祭り       飛岡光枝
民主主義いまだ実らず夏落葉       趙栄順
七夕や死は銀河より遠きこと       稲垣雄二

【入選】
七夕や子らよりおほき願いごと      酒井きよみ
図書館に朝の列あり夏落葉        田村史生
七夕竹幼き兄を頼りとし         橋詰育子
ささやきに似て七夕の笹の音       松川まさみ
久々に紅さす星の手向けかな       安藤久美
戦世を嘆きしきりと夏落葉        清水薫
炎天をからからと降る枯葉かな      長谷川櫂
七夕の葉擦れさやけき冷泉家       安藤久美
車椅子止めをく岸辺夏落葉        松川まさみ
境内はかつて遊び場夏落葉        花井淳

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
羽衣の切れ端揺るる七夕竹        稲垣雄二
寂しさの始まりならん星祭        越智淳子
七夕竹伐りしばかりを草の上       安藤久美
能登こよひ瓦礫に挿して七夕竹      川上あきこ

【入選】
今朝立てし七夕竹や夕香る        越智淳子
七夕竹幼き兄を頼りとし         橋詰育子
白波は怒濤となりぬ星の恋        趙栄順
ささやきの七夕竹の音の中        松川まさみ
夏落葉朽ちゆく家に降り積もれ      飛岡光枝
アパートへ運ぶ七夕竹高し        酒井きよみ
七夕竹三百竿のそよぎかな        近藤沙羅
吹き溜まる夏の落葉の行方かな      梅田恵美子
七夕竹立てて山家の一軒家        橋詰育子

古志祇園会句会(2025年7月17日)

俳句的生活 投稿日:2025年7月20日 作成者: dvx223272025年7月20日

※☆特特選、◎特選、○特選

第1句座

氷室茉胡選

◎居合はせし人の拍手や鉾の建つ    土佐 欣也
◎祇園会や縄を締めゆく力瘤      宮本みさ子
◎鉾屋根の衆の張り付く辻廻し     土佐 欣也
◎生稚児の誉の雨を忘れめや      田村 史生
◎見納めと思へる日まで祇園祭     越智 淳子
○乱れ世の雨風はらふ鉾柱       花井  淳
○美しきトルソーのごと裸鉾      越智 淳子
○人垣に其角もゐたり鉾祭       木下 洋子
○次々と空のまほらへ鉾建ちぬ     玉置 陽子
○注連切つて千年先へ鉾の道      安藤 久美
○降りやまぬ雨も力ぞ辻廻し      田村 史生
○鉾粽巻くや正座の京をみな      田原 眞知
○祇園囃子御所の鼬も迷ひ出て     安藤 久美
○山鉾を半分巡り胡瓜食ふ       田村 史生
○祇園会を口実にして君に会ふ     木下 風民
○宵山や案内す君にそそと寄る     木下 風民
○父母の愛かぎりなく藍浴衣      長谷川 櫂
○藍浴衣少女ほのぼの匂ひたつ     諏訪いほり

長谷川櫂選

☆人殺す長刀ならず長刀鉾       坂元 初男
◎包丁や花と開きて鱧の骨       きだりえこ
◎宵山や団扇で我を呼ぶは誰      木下 洋子
◎宵山の酔ひのたちまち寿       田村 史生
◎雨の鉾こんなに軽く廻るとは     藤  英樹
◎でで虫の力も借りて鉾廻す      きだりえこ
◎保昌山恋の粽の軽きこと       稲垣 雄二
○生稚児は水蜜桃の匂ひして      きだりえこ
○美しきトルソー立てり裸鉾      越智 淳子
○恍惚と雨しづくせり祭鉾       玉置 陽子
○鉾衆のどやしどやされ鉾立ちぬ    田村 史生
○棒切れの手足がぬつと鉾浴衣     飛岡 光枝
○宵山や漫ろ歩きの手に団扇      土佐 欣也
○人垣に其角もゐたり鉾祭       木下 洋子
○次々と空のまほらへ鉾建ちぬ     玉置 陽子
○世にひびく錫杖の音太子山      飛岡 光枝
○射干を活くるきほひも宵祭      安藤 久美
○法螺貝に山伏山の動き出づ      飛岡 光枝
○狂ほしく長刀鉾を追うてゆく     諏訪いほり
○生稚児の左右双子の禿かな      木下 洋子
○祇園会の昔を語る京の人       木下 風民
○降りやまぬ雨を力に鉾廻す      田村 史生
○雨の鉾水打たずとも廻りけり     藤  英樹
○存分に山鉾洗へ今朝の雨       きだりえこ
○穢れたるちまき戻るや鉾の裏     宮本みさ子
○目も鼻もなくて涼しき鮎の菓子    飛岡 光枝

第2句座

氷室茉胡選

◎都路の蒸せる暑さを思ひ出に     田原 眞知
◎大丸で紅引き直す宵祭        稲垣 雄二
◎鶏鉾今年ほまれの大車輪       安藤 久美
○肩上げの浴衣の少年鉦を打つ     飛岡 光枝
○まぼろしのシルクロードを鉾進む   玉置 陽子
○鉾の道何があらうと鉾すすむ     木下 洋子
○君に買ふ保昌山の粽かな       きだりえこ
○船鉾が静かに渡る雨の街       きだりえこ
○素つ気なく呆気なく鉾解かれけり   藤  英樹
○宵山や秘かに撫でる大車輪      土佐 欣也
○保昌山内緒話の舞妓かな       田村 史生
○鉾町の誇りこめたる粽かな      木下 洋子
○風狂の祭を囃す今日の雨       きだりえこ

長谷川櫂選

☆生むが安し山一番の占出山      安藤 久美
◎君に買ふ保昌山の粽かな       きだりえこ
◎コンチキチン金魚の水のゆれにけり  飛岡 光枝
○祇園会やしうねき暑さ存分に     花井  淳
○肩上げの浴衣少年鉾の鉦       飛岡 光枝
○乱れても帯は直さず宵祭       稲垣 雄二
○鉾と山すべて巡らむ心意気      氷室 茉胡
○妻留守の茄子の輪切りの一夜漬    土佐 欣也
○鉾町の誇りの空の粽かな       木下 洋子
○青笹をはらりととけば水饅頭     玉置 陽子

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読売新聞「四季」から

良寛の天といふ字や蕨出づ     宇佐美魚目

 良寛は少年に頼まれて凧に「天上大風」と書いた。天上の大風に乗って空高く舞い上がれと願いをこめて。四字とも漢字だが、ひらがなのようにのびのびしている。その自由自在な書体に春、大地から萌え出る早蕨の気配を感じての一句。『秋収冬蔵』

いどばた歌仙のサイトへ

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    『九月』
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    『Okinawa』
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    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
    2014年4月刊行
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    そのほかの本

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