古志金沢ズーム句会(2025年7月20日)
第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
つゆ草やひと日を生きてひと日老い 梅田恵美子
青山椒龍太の山の青さかな 趙栄順
眠りてもまた眠りても熱帯夜 土谷眞理子
いつのまに子どもの寝息青葉かな 川上あきこ
大玉も小玉も目玉西瓜買ふ 宮田勝
空蝉やすつからかんを晴れやかに 藤倉桂
物言はぬ母の涙や土用餅 藤倉桂
【入選】
うつし世に振り回さるやひからかさ 土谷眞理子
藁縄の解かれて涼し鉾の梁 花井淳
七夕や遇ひたき人はみな彼岸 田中紫春
犬小屋の前にも一つ蚊遣かな 橋詰育子
旅したき一つがスイーと流れ昆布 酒井きよみ
清方の美人に小皺や古団扇 稲垣雄二
花茣蓙や家の裏までつつぬけに 飛岡光枝
暑に喘ぐ我は火を噴くゴジラかな 長谷川櫂
土用波富士山洗ふ大飛沫 山本桃潤
輸送中卵孵化する溽暑かな 間宮伸子
年老いて得たるえにしや星逢う夜 梅田恵美子
川風に潮の香りや鮓熟るる 玉置陽子
あつけなく人殺さるる夏芝居 田村史生
・長谷川櫂選
【特々選】推敲例
いつの日か老いのたのしみ白上布 安藤久美
うちふるふ紀伊一国や土用波 玉置陽子
雨音と思へば木々か夕涼し 近藤沙羅
よしとせん薄き乳房も酷暑かな 川上あきこ
物言はぬ母の涙や土用餅 藤倉桂
【特選】
七夕や今年はひとり坊を守る 安藤久美
草刈るやあらくれものの蔓ばかり 宮田勝
形代のすぐに沈みて事もなし 飛岡光枝
真青なる空へひまはり幾柱 松川まさみ
山百合の白かたくなに背き合ふ 安藤久美
青山椒龍太の山の欠片かな 趙栄順
なにもかも残念な世へ昼寝覚 稲垣雄二
夏草やかつて能登にも鉄路ありき 清水薫
弁慶を呼んで曳かせん長刀鉾 清水薫
【入選】
なんとまあ小粒な土用蜆かな 川上あきこ
藁縄の解かれて涼し裸鉾 花井淳
目つむれば若き父母星まつり 安藤久美
犬小屋の前にも一つ蚊遣豚 橋詰育子
露草や一日を生きて一日老ゆ 梅田恵美子
青空に透ける半月背泳ぎす 田村史生
初蝉やまづ耳鳴りを疑ひぬ 密田妖子
ざざ降りや軒に浮かべる玉忍 飛岡光枝
鉾の縄ざつくり切りて賜りぬ 花井淳
今年竹香りて青き茶杓かな 山本桃潤
日に焼けてきらきらの眼の女の子 土谷眞理子
七夕竹あまた短冊しなひけり 田中紫春
捩花の吾にも勝る捩じれ振り 清水薫
解かれてなほ芳しき鉾の縄 花井淳
半生を過ごせし庭に端居かな 橋詰育子
無花果の葉陰大きな緑の実 山本桃潤
つぎつぎに川床に灯の入る涼しさよ 橋詰育子
茫々と昭和百年梅雨に入る 趙栄順
掌に吸ひ付いてくる茄子かな 藤倉桂
第二句座
席題:「七夕」、「夏落葉」
・鬼川こまち選
【特選】
ふる里も母も彼方へ夏落葉 清水薫
世の移り燃やせぬ庭や夏落葉 密田妖子
ささやきに似て七夕の笹の音 松川まさみ
吾を迎ふ舟漕ぎて来よ星祭り 飛岡光枝
民主主義いまだ実らず夏落葉 趙栄順
七夕や死は銀河より遠きこと 稲垣雄二
【入選】
七夕や子らよりおほき願いごと 酒井きよみ
図書館に朝の列あり夏落葉 田村史生
七夕竹幼き兄を頼りとし 橋詰育子
ささやきに似て七夕の笹の音 松川まさみ
久々に紅さす星の手向けかな 安藤久美
戦世を嘆きしきりと夏落葉 清水薫
炎天をからからと降る枯葉かな 長谷川櫂
七夕の葉擦れさやけき冷泉家 安藤久美
車椅子止めをく岸辺夏落葉 松川まさみ
境内はかつて遊び場夏落葉 花井淳
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
羽衣の切れ端揺るる七夕竹 稲垣雄二
寂しさの始まりならん星祭 越智淳子
七夕竹伐りしばかりを草の上 安藤久美
能登こよひ瓦礫に挿して七夕竹 川上あきこ
【入選】
今朝立てし七夕竹や夕香る 越智淳子
七夕竹幼き兄を頼りとし 橋詰育子
白波は怒濤となりぬ星の恋 趙栄順
ささやきの七夕竹の音の中 松川まさみ
夏落葉朽ちゆく家に降り積もれ 飛岡光枝
アパートへ運ぶ七夕竹高し 酒井きよみ
七夕竹三百竿のそよぎかな 近藤沙羅
吹き溜まる夏の落葉の行方かな 梅田恵美子
七夕竹立てて山家の一軒家 橋詰育子
