古志仙台ズーム句会(2025年7月27日)
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
吾もいつか宇宙のはての夏の星 甲田雅子
太陽を真直ぐに切るトマトかな 臼杵政治
鬼の面被りて歩く極暑かな 武藤主明
翳となり光となりて八月来 三玉一郎
かの世から風をもらひて昼寝かな 平尾 福
【入選】
涼しさは欄間の松の透かし彫り 及川由美子
桃の木の根方に屑桃埋めてやる 齋藤嘉子
一雨来食ふには惜しき茄子の紺 上 俊一
帰省して柱の傷と背くらべ 阿部けいこ
氷室出て汗の吹き出す氷かな 平尾 福
背泳ぎにどんどん空の広くなり 谷村和華子
夏の蝶粉々になる酷暑かな 佐伯律子
梅雨明け宣言ふじは半分顔出しぬ 那珂侑子
常臥の犬と目配せ梅雨晴間 青沼尾燈子
鴉らも空をさすらふ旱かな 長谷川櫂
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
夏の朝犬はすやすや死んでゐた 青沼尾燈子
麦わら帽子サザンの歌をハミングす 及川由美子
一歩出て一歩ひるみぬ日の盛 佐伯律子
いつまでも夢みる人よハンモック 谷村和華子
舟溜り烏賊釣船も昼寝かな 川辺酸模
【特選】
逝きし人みな涼しげや油照り 谷村和華子
沖へ沖へ父泳ぎゆく遥かな日 谷村和華子
八月来記憶の杖をつきながら 三玉一郎
繕ひのあとが網戸に犬恋し 那珂侑子
かの世から風をもらひて昼寝かな 平尾 福
【入選】
炎天や人類の旅の西の果 長谷川冬虹
花に混じる西瓜の苗のいぢらしく 服部尚子
桃の木の根方に埋める屑の桃 齋藤嘉子
一雨や食ふには惜しき茄子の紺 上 俊一
あつさりと検診を終へ一夜酒 佐藤和子
瑠璃色の魚岩蔭に夏の果 平尾 福
一匹は水子の魂か夕蛍 佐藤和子
スマホなく過ごす一日の涼しさよ 川辺酸模
かいつむり眠る川面を夏の月 川辺酸模
アラビアの文字のごとくに草茂る 長谷川冬虹
帰国してなんと眩しき青田風 長谷川冬虹
極楽へつづく鍵とや夏の寺 青沼尾燈子
夏の月ひときは赤しアラビア文字 長谷川冬虹
黒揚羽粉々になる極暑かな 佐伯律子
平泳ぎ二人の兄のもう遥か 上村幸三
常臥の犬と目が合ふ梅雨晴間 青沼尾燈子
腎不全末期の友よ夏の果 川村杳平
撒水車祭のあとを冷ましゆく 平尾 福
桟橋にホットドッグ屋夏の果 平尾 福
第二句座 (席題:打水、鰻、常盤木落葉)
長谷川冬虹選
【特選】
外つ国の力士のやうな鰻かな 武藤主明
打水やじゆうつと焼きを入れしごと 上 俊一
掴まれてはつと蹴り上ぐ鰻かな 谷村和華子
水打ちて門前町を鎮めけり 武藤主明
水槽の底でウナギは世を覗く 宮本みさ子
【入選】
釘打たれ鰻はまなこ見開きぬ 佐伯律子
次々と鰻割かるる涼しさよ 川辺酸模
水を打つ旅の途中の隣家にも 那珂侑子
お隣の前に多めの水を打つ 平尾 福
ふかふかと夏の落葉を踏んでゆく 平尾 福
火柱のガザにキーウに水を打て 上村幸三
せめてその小さき墓へ打水を 三玉一郎
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
不甲斐なき男がひとり鰻食ふ 上村幸三
深閑と目打ちを待てる鰻かな 川辺酸模
鎌倉は鰻の焼ける匂ひかな 平尾 福
【入選】
次々と鰻焼く火の涼しさよ 川辺酸模
ぬるぬるともんどりの中鰻かな 佐伯律子
鰻屋に夫婦で寄りぬ盆帰省 川村杳平
水打ちて一日伸びる命かな 佐伯律子
思い切つて匙を所望す鰻飯 佐藤和子
打水をせめて小さき犬の墓 三玉一郎
