古志金沢ズーム句会(2025年8月17日)
第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
蟻地獄月光落る夜もあらん 趙栄順
恐竜の骨格きしむ秋うらら 花井淳
生きのびし思ひありけり夜の秋 橋詰育子
流星や四十年の勤め終へ 氷室茉胡
八十年火傷隠さず原爆忌 稲垣雄二
黒焦げに国は焼かれて秋の風 長谷川櫂
ひぐらしや子の死を知らず母眠る 趙栄順
【入選】
よく生きて残す一書の爽やかさ 清水薫
その朝も花に水やり原爆忌 酒井きよみ
いちじくの秘めたる花を啜りけり 稲垣雄二
噛むやうに一杯の水原爆忌 川上あきこ
糊うすくまとふ快楽の古浴衣 松川まさみ
秋はみな狭き裏庭より来たる 間宮伸子
旱魃のダム湖があくる鬼の口 酒井きよみ
黒焦げの一塊が長崎夜の秋 長谷川櫂
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
一線を引く恋もあり秋扇 趙栄順
あの人もその人も星星涼し 酒井きよみ
生きのびし思ひありけり夜の秋 橋詰育子
【入選】
夕闇をふるはせ烏瓜の花 梅田恵美子
地蔵川生きながら蝉流れゆく 梅田恵美子
いちじくの冷たき花を啜りけり 稲垣雄二
紀ノ川の青流るるや今朝の秋 玉置陽子
産みし子は火傷なかりき原爆忌 稲垣雄二
恐竜の骨格きしむ夜の秋 花井淳
殺し合ふ正義と正義かき氷 稲垣雄二
大文字や入れば暗き京の家 安藤久美
油蝉いのち燃やして鳴きにけり 安藤久美
からつぽの我歩ませる秋の風 近藤沙羅
わが病めば子のやさしさよ冷し瓜 橋詰育子
遠くからですが黙祷原爆忌 清水薫
ふと気づく己が吐息も夜の秋 松川まさみ
虫の音やこころ整ふ仕舞風呂 藤倉桂
大輪の供華八月の空高く 松川まさみ
第二句座
席題:「処暑」、「朝顔」
・鬼川こまち選
【特選】
大川も空も澄みたる処暑の朝 間宮伸子
朝顔は蛇のごと樋締め登る 稲垣雄二
道理なき世へ朝顔の白一輪 玉置陽子
子規庵の青き朝顔懐かしく 近藤沙羅
あさがほやひと日ひと日をつなぐ紺 梅田恵美子
朝顔は虚空に絡み咲きにけり 稲垣雄二
【入選】
石垣をおほい朝顔水のごと 酒井きよみ
朝顔の花一輪の唐津かな 長谷川櫂
処暑と云へどまだまだ暑くなる地球 近藤沙羅
せせらぎへ手をひたしゐる処暑夕べ 玉置陽子
朝顔や沖をはるかに白き船 飛岡光枝
挨拶のことば美し処暑の朝 稲垣雄二
夫遺す朝顔継ぎて二十年 密田妖子
あさがほや日ごとに変はる子の願ひ 安藤久美
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
道理なき世へ朝顔の白一輪 玉置陽子
朝顔は虚空に絡み咲きにけり 稲垣雄二
み仏の母へ見せばや初朝顔 玉置陽子
【入選】
あさがほの蔓のさまよふ雨の中 松川まさみ
朝顔や印はひらがな一文字 花井淳
処暑と云へどまだまだ暑くなる我が家 近藤沙羅
朝顔や夫婦のごとく紺と白 趙栄順
夜深し朝顔莟ほどきつつ 飛岡光枝
朝顔の蔓の伸びゆく月夜かな 田村史生
