古志仙台ズーム句会(2025年8月31日)
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
施餓鬼寺転読の声堂に満つ 甲田雅子
ただ空の大きさを知る夏休 三玉一郎
八月の物語せよ弁当箱 長谷川櫂
八月を握りしめたる赤子かな 武藤主明
【入選】
奈良漬の漆のごとき秋暑かな 長谷川櫂
自転車で月追つて行く子どもたち 平尾 福
紙垂揺るる村ぢゆう白し秋祭 谷村和華子
朝顔や夫婦が競ふ些事凡事 服部尚子
誰某の絵を捨てられぬ団扇かな 臼杵政治
長き夜を死後の話の二人かな 川辺酸模
目が覚めて初朝顔の白一つ 臼杵政治
白桃や孫もひ孫も桃のかほ 長谷川櫂
新涼の柾目にはじく墨一本 齋藤嘉子
西瓜割れ思ひ出わつとあふれけり 及川由美子
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
わが胸は残暑の汗の壁をなす 宮本みさ子
青き海の底にいくつのラムネ玉 佐伯律子
めざめれば庭一面の桔梗かな 川辺酸模
【特選】
盆のあと手持ち無沙汰の野山かな 服部尚子
町中が祭太鼓や藍浴衣 長谷川冬虹
もうゐない犬連れてゆく秋日和 三玉一郎
紙垂揺れて村ぢゆう白し秋祭 谷村和華子
誰某の絵を捨てられぬ団扇かな 臼杵政治
ガガイモの花の清らか土いきれ 佐藤和子
ねむるまで鉦を叩いてくれにけり 三玉一郎
懐かしき土の匂ひよ蝉仰臥 上村幸三
【入選】
をみならの太鼓凛々しき浴衣かな 長谷川冬虹
磐梯山花蕎麦ゆれてむづがゆし 宮本みさ子
朝顔や夫婦で競ふ些事凡事 服部尚子
長き夜や死後の話をして二人 川辺酸模
擦り減りし硯にたらす水の秋 宮本みさ子
わが宿の畳を焦がす西日かな 及川由美子
古戦場札だけが立つ夏野かな 青沼尾燈子
石ころがぽつんとひとつ秋の声 三玉一郎
ただ空の大きさを知る夏休 三玉一郎
帯広の黄金の野や大豆打つ 服部尚子
判官の菊人形が夢にまで 臼杵政治
空蝉は地蔵のみ手に眠りけり 甲田雅子
身に入むや風に転がる蝉の骸 川辺酸模
西瓜割りて思ひ出わつとあふれけり 及川由美子
須賀川や翁も聞きし滝の音 甲田雅子
けふも居座る炎帝や水を買ふ 佐藤和子
第二句座 (席題:案山子、草の花、燕帰る)
長谷川冬虹選
【特選】
若き日の我の背広や案山子立つ 武藤主明
案山子翁今年はつひにひとりかな 齋藤嘉子
夕空に湧き出してくる帰燕かな 甲田雅子
大谷になりきり案山子二刀流 武藤主明
【入選】
稲刈つてさみしき顔の案山子かな 臼杵政治
草の花朝夕だけの路線バス 阿部けいこ
またの世もきみの辺の草の花 川辺酸模
手も足も出さぬと案山子侮られ 臼杵政治
裏山の草の花つみ夫の供花 甲田雅子
学校へ足が向かぬ子草の花 齋藤嘉子
月みれば月の歌よむ案山子かな 長谷川櫂
頭まず見ゆる棚田の案山子かな 臼杵政治
案山子立つ賢治のごとく前かがみ 及川由美子
軽トラに積まれて帰る案山子かな 上村幸三
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
またの世もきみの辺の草の花 川辺酸模
草の花ほどの思ひ出語り合ふ 三玉一郎
ガザ地獄ウクライナ地獄草の花 青沼尾燈子
妻に似てみめうるはしき案山子かな 青沼尾燈子
【入選】
秋燕のひとまはりして飛び去りぬ 佐伯律子
波頭すれすれに飛ぶ秋つばめ 佐伯律子
トランプに似せた案山子をはやしけり 上 俊一
切れ切れの思ひ出つなぐ草の花 佐伯律子
