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俳句的生活

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古志金沢ズーム句会(2020年10月17日)

俳句的生活 投稿日:2020年10月21日 作成者: dvx223272020年10月22日

第一句座
・鬼川こまち選
【特選】
永遠にポケットから出る木の実かな   中野徹
犀川を流れ流れてゆく秋ぞ       趙栄順
乾鮭やふるさとの風やがて雪      齋藤嘉子
風神のけさの一吹き富士に雪      長谷川櫂
露の世の露を抄ひし茶杓かな      松川まさみ
秋さびし白雲小さくちぎれ飛ぶ     近藤沙羅
ゐまちつき浅酌両吟ゆめみたる     泉早苗
白山の風吹き入れよ松手入       篠原隆子
大空の腹も鳴らさん秋刀魚焼く     稲垣雄二
落ちてゆく眠りの中に鉦叩       酒井きよみ
無花果の熟れてマチスの女かな     玉置陽子
瞑想の四角をあふれ水澄めり      篠原隆子
一斉にこぶし挙げたる石蕗の陣     密田妖子
【入選】
白山はあの雲のなか秋あざみ      梅田恵美子
若狭井の奈良へ澄みゆく秋の水     宮田勝
生くるには身軽が宜し捨案山子     土谷眞理子
虫めずる姫となるらん花野径      泉早苗
夕顔の畑や羅漢のおはすかに      齋藤嘉子
破れ障子ふえゆく空き家秋日燦     密田妖子
水の秋小瓶に詰めて水飴に       稲垣雄二
四角の窓四角に映し月今宵       高橋慧
白山の初冠雪や金木犀         宮田勝
梨売りのひとつ加へて包みをり     清水薫
軽き世に加賀丸芋のねばりかな     篠原隆子
鰯雲くづれて空のゆるびけり      梅田恵美子
白山の秋を干したり稲架襖       長谷川櫂
菩提寺の坊守包めよ月あかり      中野徹
紫に水は澄みけり金時草        齋藤嘉子
真緑のかぼすをぎゆつと秋搾る     山本桃潤
大津絵の鬼かたはらに鴨の鍋      泉早苗
ささささと風にかぜ乗る竹の春     宮田勝
台風や海の底をもくつがへし      齋藤嘉子
居籠りにあらず栗の実剥いてをり    佐々木まき
骨となる果は同じや秋刀魚焼く     土谷眞理子
しらやまへ参道長し橡の餅       花井淳
陽は燦々石蕗に化けたる黄蝶かな    密田妖子
白鳥来る瓢湖の空をほしいまま     高橋慧
鉦叩闇の深さを計るかに        佐々木まき
こだまして犀川の月流れけり      玉置陽子
白山のまどろむ頃か山眠る       趙栄順

・長谷川櫂選
【特選】
白山はあの雲のなか秋あざみ      梅田恵美子
乾鮭やふるさとの風やがて雪      齋藤嘉子
縦横の雨おもしろや玩亭忌       玉置陽子
吾が心深く耕せ温め酒         土谷眞理子
干鯊の知る人ぞ知る出汁の味      酒井きよみ
白山の参道長し橡の餅         花井淳
無花果の熟れてマチスの女かな     玉置陽子
【入選】
杖の音名残が原の花野行く       梅田恵美子
犀川を流れ流れてゆく秋ぞ       趙栄順
虫めずる姫となりたし花野径      泉早苗
稲架一竿明恵上人生誕地        玉置陽子
疫の世へ小鳥が咥へきたる枝      篠原隆子
大空も腹を鳴らさん秋刀魚焼く     稲垣雄二
大津絵の鬼かたはらに鴨の鍋      泉早苗
白山もまどろむ頃か山眠る       趙栄順
瞑想の四角をあふれ水澄めり      篠原隆子
古墳より顔出してゐる野菊かな     近藤沙羅

第二句座(席題=秋の草、梅室忌)
*梅室忌は旧暦嘉永5年10月1日、新暦1852年11月12日。
・鬼川こまち選
【特選】
俳諧の刀研ぐべし梅室忌        長谷川櫂
結びゆくものみな透けて秋の草     玉置陽子
東京をぐるりと囲む秋の草       稲垣雄二
白山の初雪のころ梅室忌        長谷川櫂
もてなしの柚味噌練らん梅室忌     酒井きよみ
あかあかと刻まれし句碑梅室忌     花井淳
【入選】
犀川に鮭のぼるころ梅室忌       泉早苗
梅室忌発句は己が道標         山本桃潤
ざざぶりの過ぎたる日ざし秋の草    松川まさみ
朝市に秋の七草ひとならべ       佐々木まき
梅室忌てんこう碑へも柿一つ      泉早苗
捨てきれぬ詩の一行や秋の草      中野徹
オフィ-リア千草を胸に冠に      齋藤嘉子
人知れず生きて飄々梅室忌       山本桃潤
陶狸の親子寄り添ひ秋の草       氷室茉胡
紅葉してわれに千草の小径あり     篠原隆子
南朝の武士はみな千草かな       篠原隆子
群がりていよいよさみし秋の草     趙栄順

・長谷川櫂選
【特選】
犀川に鮭のぼるころ梅室忌       泉早苗
梅室忌展宏碑へも柿一つ        泉早苗
卯辰山落葉かぐはし梅室忌       梅田恵美子
障子張る梅室忌には日のあれど     酒井きよみ
秋草のおもひおもひを時雨籠      安藤久美
紅葉してわれに千草の小径あり     篠原隆子
南朝の武士はみな千草かな       篠原隆子
もてなしの柚味噌練らん梅室忌     酒井きよみ
手炙に火の入れてある梅室忌      酒井きよみ
【入選】
加賀の空澄み渡るころ梅室忌      趙栄順
阿蘇は今千草に牛の遊ぶころ      齋藤嘉子
梅室忌昔をいまに鐘楼門        鬼川こまち
京の人迎へて修す梅室忌        花井淳
秋草の中に小さき道標         玉置陽子
干柿の甘さ増すころ梅室忌       佐々木まき
繕はぬこころで座る梅室忌       松川まさみ
額に手をやるこの頃や梅室忌      宮田勝
女紋ゆづりて軽し秋の草        安藤久美
群がりていよいよさみし秋の草     趙栄順
雨の日の姿寂しき秋の草        中野徹

ネット投句(2020年10月15日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2020年10月18日 作成者: KAI2020年10月18日

【特選】
大宇宙ぐらぐら揺らし雁渡る  01_北海道  高橋真樹子
一円も使はぬひと日天高し  13_東京  森凜柚
花野ゆく花野の果てのおそろしき  14_神奈川  松井恭子
男郎花見守るように女郎花  23_愛知  臼杵政治
・やうに
体育の日だつたはずの今日終はる  27_大阪  高角みつこ
冷まじやアドレス消去ワンタッチ  27_大阪  澤田美那子
我が影を隠して白き蕎麦の花  27_大阪  齊藤遼風
・白し
孫娘の凭れ掛かるや月を待つ  29_奈良  田原春
・の、不要。これ重大。
月浴びて涙のねずみ動き出す  33_岡山  齋藤嘉子
・走り出す?
詳細は聞かず語らず温め酒  37_香川  曽根崇
磯菊やタンカーすでに視野の外  38_愛媛  豊田喜久子
赤とんぼ展望台に山迫る  38_愛媛  豊田喜久子
よれよれの地球憂ふやけふの月  40_福岡  北井乃峰子
・地球を憂ふ
コスモスの光まぶしむ二人かな  42_長崎  川辺酸模
屏風絵が終の棲家や秋の蝶  42_長崎  川辺酸模
・棲家か
長き夜や飴山句集の書写をせん  42_長崎  百田直代
・の、不要。同じく。
爽やかや老いて無くせしもの多き  44_大分  山本桃潤
・あまた
色付きし言葉の森を歩む秋  44_大分  山本桃潤

古志鎌倉ズーム句会(2020年10月11日)

俳句的生活 投稿日:2020年10月13日 作成者: 田中 益美2020年10月16日

第一句座
・藤英樹選
【特選】
南無金剛金木犀の香りけり     長谷川櫂
秋茄子の丸々とまた長々と     関根千方
学問の自由不自由鉦叩       木下洋子
壺あらば壺にもの言ふ秋の夜    森永尚子
旧仮名に辞書また開き玩亭忌    金澤道子
天晴れと秋の寝ころぶ浅間山    葛西美津子
日本語のうつろふ早さ玩亭忌    澤田美那子
朝寒や開きしままの「後鳥羽院」  越智淳子
【入選】
稲雀小さきバケツの田んぼにも   藤原智子
秋爽の息肋骨のすみずみへ     仲田寛子
ポケットに男の矜持玩亭忌     升谷正博
旅に出よと言はれ雀は蛤に     澤田美那子
行く秋や空に積れる浅間山     長谷川櫂
市振の月を心に月見かな      木下洋子
そこはかと色好みあり才一忌    園田靖彦

・長谷川櫂選
【特選】
うそ寒や汝の横に我の顔      関根千方
栃の実のこつんと落ちて玩亭忌   わたなべかよ
旧仮名や辞書また開く玩亭忌    金澤道子
天晴れや秋の寝ころぶ浅間山    葛西美津子
目の玉の水晶替へて月夜かな    関根千方
玩亭忌旧かなで出す弾劾書     喜田りえこ
我が影に意思の生まるる良夜かな  金澤道子
秋の日に溺れさうなり玩亭忌    藤英樹
そこはかと色好みありき才一忌   園田靖彦
【入選】
稲雀バケツの中の田んぼにも     藤原智子
玩亭忌秋の扇となりにけり      金澤道子
生きのびし市民文学玩亭忌      おほずひろし
秋爽の息肋骨のすみずみへ      仲田寛子
パソコンを閉ぢておやすみ星月夜   田中益美
何本も長薯持たせてくれるなり    長井はるみ
秋が目をぱちりと開ける朝かな    森永尚子
金木犀白いマスクを外しけり     田中益美
渋柿の甘柿となる一夜かな      園田靖彦
園児らの背に頭に木の実降る     園田靖彦
求愛もマスク越しかや玩亭忌     木下洋子
床に就く前に詞華集玩亭忌      越智淳子
幼きは木の実ひとつをお守りに    越智淳子
柿の葉の色づき初めぬ玩亭忌     藤原智子
波寄するごとく声援運動会      藤原智子
至福なる一人の時間夜長かな     吉田順子
手を添へて神のよりしろ案山子抜く  仲田寛子
赤坂に連句の秋や玩亭忌       西村麒麟
旧かなに深き思ひや玩亭忌      わたなべかよ

第二句座
席題=放屁虫 、芋嵐
・藤英樹選
【特選】
愚かなる我に賢き放屁虫       わたなべかよ
放屁虫ゐさうと思ふやはりゐる    金澤道子
馬の眼は哀しく澄みぬ芋嵐      葛西美津子
けふの宿机の上に放屁虫       西村麒麟
芋嵐リュックひとつの一人旅     木下洋子
芋あらし青磁のやうなこの星の    関根千方
【入選】
放屁虫おどさぬやうに紙の端     イーブン美奈子
伊吹へと皆傾ぎゆく芋嵐       澤田美那子
慌ただし故郷去る日の芋嵐      越智淳子
俳諧は息ぞ間合ひぞへこき虫     西川遊歩
芋嵐護符の貼られし農具小屋      曽根崇
民草はなんのと立てり芋嵐       園田靖彦
りつぱなり渾身の屁のへひり虫     森永尚子
一片の雲を払ひて芋嵐        葛西美津子

・長谷川櫂選
【特選】
畑ごとふつとびさうや芋嵐      森永尚子
屁放虫生きとし生けるもの強し    園田靖彦
山寺やその名物にへこきむし     森永尚子
亀虫の姿の見えぬにほひかな     おほずひろし
乾坤に芳香はなつや放屁虫      神谷宣行
【入選】
放屁虫おどさぬやうに紙の端     イーブン美奈子
放屁虫後ろの足をひよいと上げ    西村麒麟
愚かなる我に賢き放屁虫       わたなべかよ
弱虫に生きる術あり屁ひり虫     川村玲子
放屁虫ゐさうと思ふやはりゐる    金澤道子
芋嵐ただ一人なる旅をせん      吉田順子
民宿の床に鎮座やへひりむし     曽根崇
慌ただし故郷去る日の芋嵐      越智淳子
取り込める洗濯物に放屁虫      わたなべかよ
ひやひやと胸吹き抜けよ芋嵐     曽根崇
いたち罠がたがた鳴らし芋嵐     仲田寛子
この国の行方おそろし芋嵐      藤英樹
芋嵐沖の小舟の揺れ通し       仲田寛子
姿形美しくして屁ひり虫       澤田美那子
芋嵐骨壺に哭く喉仏         喜田りえこ
りつぱなり渾身の屁のへひり虫    森永尚子
けふの宿机の上に放屁虫       西村麒麟
貼りつきて四角い尻の放屁虫     長井はるみ
夜を光るへつぴり虫のみどりかな   イーブン美奈子

10月24日、正倉院展ズーム句会

俳句的生活 投稿日:2020年10月13日 作成者: KAI2020年10月18日

10月24日(土)、正倉院展の開幕に合わせて古志正倉院展句会をズームで開きます。

時間は午後1時30分から。第一句座(5句投句)と第二句座(3句投句)があります。どちらも正倉院展にかぎらず、秋の句をお寄せください。午後4時終了予定。

申し込みはこのサイトから。

ネット投句、年間賞第三期は百田直代さん

俳句的生活 投稿日:2020年10月11日 作成者: dvx223272020年10月11日

【年間賞】
したたかに生きてしわしわソーダ水 長崎 百田直代
【次点】
術衣着て待つ私以外全部夏     東京 長井亜紀
天空に地球が赤く燃える夏     長野 大島一馬
【候補】
初盆や激しき性も石の下      愛知 青沼尾燈子 
海はエロス真白なヨット走らせて  大分 山本桃潤 
敗戦忌青柚のごとき学徒らよ    宮城 長谷川冬虹
鈴虫に負けじと螻蛄の鳴く夜かな  長野 金田伸一
葡萄狩る乳房のごとき一房を    埼玉 上田雅子
老の守る遺髪は黒し終戦日     愛知 宗石みずえ

ネット投句(2020年9月15日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2020年10月8日 作成者: KAI2020年10月8日

・すっかり遅くなりました。

【特選】
葡萄狩る乳房のごとき一房を  11_埼玉  上田雅子
浅漬やこのひと塩に母の味  13_東京  岡田栄美
・ひと塩の
ふるさとの少年となり鰍突く  14_神奈川  片山ひろし
真夜中の飛蝗と遊ぶ一詩人  20_長野  金田伸一
街なかの水路に魚影水澄める  28_兵庫  髙見正樹
しやりしやりと二十世紀や口の中  28_兵庫  天野ミチ
・澄めり
ふがふがとオルガンを弾く夜長かな  30_和歌山  玉置陽子

ネット投句(2020年9月30日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2020年10月8日 作成者: KAI2020年10月8日

・思うことをいうのが句の基本。思うことを五七五に当てはめてはいけない。

【特選】
火照る身をばさと浸さん秋の風  07_福島  渡辺遊太
鬼柚子やマスクの顔も慣れにけり  13_東京  岡 惠
マスク越し沁みくるかをり葛の道  13_東京  畠山奈於
鈴虫に負けじと螻蛄の鳴く夜かな  20_長野  金田伸一
夫寝ねて灯火親しも青インク  21_岐阜  三好政子
・自分だけの時間。
あかあかや命を染める赤蜻蛉  21_岐阜  梅田恵美子
・あかあかと命染まりぬ
親の知らぬ道も行くらし草虱  23_愛知  宗石みずえ
父と来て草に隠れる小鳥狩  27_大阪  山中紅萼
・れし
アユタヤの秋恋しがる子象かな  29_奈良  喜田りえこ
のどぐろや百万石の箸に秋  29_奈良  喜田りえこ
・箸の秋
てのひらに笹舟ひとつ秋うらら  44_大分  竹中南行
小宇宙集めて葡萄大宇宙  44_大分  土谷眞理子

12月13日、かなぶん連句会「コロナ退散の巻」

俳句的生活 投稿日:2020年10月7日 作成者: dvx223272020年10月18日

12月13日(日)、横浜市の神奈川近代文学館で毎年恒例の「かなぶん連句会」が開かれます。「コロナ退散の巻」のすでに巻いた表六句につづけて、当日会場の参加者が七句目以降を詠み、半歌仙(十八句)の連句を完成させます。ぜひご参加ください。

「コロナ退散の巻」
発句 南無金剛病魔退散白団扇     櫂  (夏)
脇   パインまるごと買つてはみたが ゆかり(夏)
第三 仮面割られ俺の正体露見する   登  (雑)
四   バットマン飛ぶ秋の夕暮れ   櫂  (秋)
五  筋トレの窓にやさしい月が出て  ゆ  (秋・月)
六   岸から岸へ枚方の菊      登  (秋)

日時=12月13日(日)午後1時30〜午後4時30分(午後1時開場)
会場=神奈川近代文学館2階ホール
選者=小島ゆかり(歌人)、辻原登(作家)、長谷川櫂(俳人) 
入場料=無料
参加申込=次のとおりです。神奈川近代文学館あて電話(045-622-6666)、またはメール(event@kanabun.or.jp)で先着順の受付とさせていただす。メールの場合、件名は「連句会申込み」とし、お名前(複数の場合は代表者名と参加人数)と電話番号をお送リください。定員100名。
投句の仕方=ご参加の方は開催当日に七句目(雑〈無季〉で五七五)を葉書大の厚めの紙にサインペンで書いてご持参ください。おひとリ様1句です。サインペンは当日の投句でも使いますのでご持参ください。七句目は、六の句の「菊」から連想するものを詠んでみましょう。ただし、発句から六句までに類似する言葉やイメージから離れて、新たな世界へ転じてください。観覧のみの方は、投句は不要です。

古志広島ズーム句会(2020年10月4日)

俳句的生活 投稿日:2020年10月5日 作成者: KAI2020年10月8日

・第一句座
【特選】
栗飯を炊いて一日を輝かす         石塚純子
四十年はめし指輪よ南瓜煮る        夏井通江    
鈍けれど叩かれもせず秋の蠅        米山瑠衣
【入選】
ある時はここに戦や野紺菊         斉藤真知子  
お月見の花をかかへて娘来る        菅谷和子
けふの風つれてはるかへ鷹渡る       百田直代
こうこうと声奮ひ立て渡り鳥        石塚純子
さざなみの秋の金魚となりにけり      飛岡光枝
スカイツリー一本の棒霧のなか       飛岡光枝
とりどりの花咲き競ふ秋一日        上松美智子
ふるさと恋しなみなみと新走        城山邦紀
ねむりゐる蔵書起こして良夜かな      菅谷和子
ふるさとの松はほろびぬ松茸も       神戸秀子
マスクしていや深くなる秋思かな      大平佳余子
やうやくに月も眠りにつきにけり      斉藤真知子
やがて来る雪より白し綿の花        菅谷和子
やはらかく無花果を裂く女かな       城山邦紀
菊入るる隙間もなしや菊人形        斉藤真知子
桐一葉けふはきのふとなりゆくも      城山邦紀
群青や秋の海行く白き船          伊藤靖子
よべ月のこぼしてゆきぬ花茗荷       大場梅子
行く秋や雲の如くに生きんとす       上松美智子
黒牛の舌すこやかに萩芒          神戸秀子
面倒や木賊のまとふ小倉縞         原京子
生きて世は我慢ばかりや鉦叩        大場梅子
青空に手をかざしては林檎もぐ       飛岡光枝
石二つ渡して橋や曼珠沙華         長井亜紀
祖母つくるどん栗餡の団子ありし      夏井通江
秋空は千年後の青さかな          夏井通江
爽やかに床屋出てくる山男         神戸秀子
団子汁よべの月見の団子かな        大平佳余子
萩日和働いてゐる竹箒           矢野京子
朝霧やナイチンゲール朗々と        林弘美
太陽のひかりの透ける梨を剥く       矢野京子
日暮るれば寝るほかはなき野分かな     米山瑠衣
白壁を走つているよ秋の風         百田直代
父擂りし鉢一杯のとろろ汁         伊藤靖子
日も月も武蔵野はいま大花野        大平佳余子
房総はたくましき腕鳥渡る         石塚純子
癒えて袖とほすうれしさ秋袷        丸亀葉菜子
梨の棚透けて太陽遊びをり         飛岡光枝
一管の竹の調べや竹の春          大平佳余子
何処をだう歩いてきたか牛膝        斉藤真知子
海底の岩も逆立つ野分かな         菅谷和子

・第二句座(席題=秋刀魚、花野)
【特選】
九十九里波の鍛えし秋刀魚かな       石塚純子
黒焦げのさんまの皮を愛しみけり      城山邦紀
龍の棲む暗き沼あり大花野         飛岡光枝
【入選】
太陽と月すれ違ふ大花野 菅谷和子
そよ風の季節になりぬさんま焼く      夏井通江
花野ゆくひとりとなつてしまひけり     斉藤真知子
花野行くかそけきものを摘みながら     石塚純子
花野道狸通れば兎も来           米山瑠衣
句集手に山田洋と花野ゆく         大場梅子
天が下八頭身の秋刀魚焼く         菅谷和子
焼いてなほ涼しき貌の秋刀魚かな      神戸秀子
秋刀魚焼く大統領選かしましく       斉藤真知子
大花野これより先は越のくに        長井亜紀
大花野骨をくはへて犬走る         飛岡光枝
日暮れれば花野たちまち消えにけり     ストーン睦美
摩周湖の奈落へなだれ大花野        河本秀也

古志名月ズーム句会(2020年10月1日)

俳句的生活 投稿日:2020年10月4日 作成者: dvx223272020年10月4日

長谷川櫂選
*第一句座
【特選】    
国越ゆる大河メコンの良夜かな  西川遊歩
岩陰に眠る人魚や月の海     上田雅子
望の夜は女人にかへるをみなへし 神戸秀子
草ひばり髭長々と良夜かな    藤英樹
鮒鮓の重しの沈む良夜かな    稲垣雄二
【入選】    
すいつちよも来ているらしき月の庭上田雅子
明日上げる棟木の匂ふ良夜かな  曽根崇
有明や墓場のごとく副都心    北側松太
女郎蜘蛛月を抱きて眠りおり   高橋 慧
五剣山くつきり晴れて今日の月  曽根崇
月光や重油にまみれあはうどり  北側松太
瓜坊の田を駈けめぐる良夜かな  川辺酸模
二月堂南都一望良夜かな     密田 妖子
柚子みそを練る間に月の上りくる 飛岡光枝
名月や庭木をわたる蜘蛛の糸   越智淳子
栗羊羹大きな月が転がり出    玉置陽子
暗き水に白き花咲く良夜かな   川村玲子
どの月もなつかしけれどけふの月 齋藤嘉子
この島の倭寇の裔と月祀る    曽根崇
蜜柑の樹に蝶のねむれる良夜かな 近藤沙羅
満月や漁礁となりし戦闘機    上田雅子
田の神のとぼとぼ帰る月の畦   岩井善子
名月に晒すや藍の布一反     稲垣雄二
巣籠もりてわが縁側の良夜かな  澤田美那子
完璧な月に乾杯ひとり酒     木下洋子
雲がちの二夜三夜さてけふの月  葛西美津子
峙てる能登の奇巌や上り月    花井淳
リモートに顔の揃へる良夜かな  園田靖彦
月光に洗はれてゐるこころかな  斉藤真知子
鳰鳥は疾うに寝たるか今日の月  川辺酸模
湯けむりの向かうにましら月仰ぐ 齋藤嘉子
明月や沙漠に植ゑし木々の上   松川まさみ
月追ひて遠く旅するわれらかな  菅谷和子

*第二句座
【特選】    
のけぞりて今日の月みる古女房  佐々木まき
月光にまみれて育つ寒立馬    西川遊歩
香しき大地を蹴つて月上がる   岩井善子
瑞巌寺月夜なれども闇深く    北側松太
母鹿に潜りてねむる良夜かな   安藤久美
名月や真昼のごとく大極殿    安藤久美
【入選】    
がうがうと窯は火を噴く良夜かな 稲垣雄二
ことごとく草木ものいふ月夜かな 仲田寛子
そば枕母と並びて月に寝る    丸亀葉七子
ひらひらと蝶のより来る良夜かな 藤英樹
ベランダで一人の月見お隣も   葛西美津子
まんまるの月の楽しき今宵かな  越智淳子
芋もなく団子もなくて月見かな  斉藤真知子
月の宴化けそこなひの狸ども   石川桃瑪
月を待つ御堂の古き仏たち    川辺酸模
十五夜の客のマスクの白さかな  宮本みさ子
小面をつけしグレコやパリの月  大平佳余子
杖曳いて十歩行っては名月や   岡村美沙子
星ぼしをしたがへ月は天空へ   近藤沙羅
赤味噌や三河も奥の今日の月   稲垣雄二
病む人に月の障子をひらきけり  大場梅子
満ちてゆく月に匂ひのありにけり 斉藤真知子
蓑虫も顔をださんか月今宵    大平佳余子

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読売新聞「四季」から

麗けき大福餅のほとりかな     相生垣瓜人

 大福には人を幸せにする力がある。鏡餅の威厳もなく、桜餅の色香があるわけでもないが、白粉をはたいたあの福顔にまみえると、誰でも相好がゆるむだろう。それに大と福、たった二文字の、この命名のすばらしさ。「麗か」は春の季語。
『負暄』

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    • 4月4日(土)朝カルズーム講座「1億人の俳句入門」
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    • 4月11日(土)朝カルズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」」
    • 4月12日(日)鎌倉ズーム句会
    • 4月13,14日(月、火)吉野山句会
    • 4月19日(日)金沢ズーム句会
    • 4月26日(日)太宰府天満宮奉納全国俳句大会
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    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
    中公文庫
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    『「おくのほそ道」を読む 決定版』
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    『ふじさわびと』vol.26
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    2023年1月発行


    『四季のうた 雨ニモマケズ』
    中公文庫
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    『和の思想』
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    『俳句と人間』(3刷)
    岩波新書
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    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
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    『四季のうた 美しい日々』
    中公文庫
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    句集『太陽の門』
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    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
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    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
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    『四季のうた 普段着のこころ』
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    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
    岩波新書
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    『四季のうた 至福の時間』
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    『Okinawa』
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    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
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    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
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    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
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    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
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    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
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    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
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