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俳句的生活

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ネット投句(2020年11月15日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2020年11月22日 作成者: KAI2020年11月22日

・投句のさい、これでわかってもらえるか、他人の目でご確認ください。自分の目ではなく他人の目。これができないといつまでも自立は無理。
・説明(理屈)は俳句からもっとも遠い。説明しようと思っていないか、チェックを。
・できるかぎり動きがでるように言葉を選ぶように。「片手の家路」よりは「片手に家路」。
・言葉を無理に押し込まない。削ること。秋小道→秋の道
・不必要な漢字を使わない。等、共など

【特選】
雪の夜を己が雪に変はるまで  01_北海道  柳一斉
・惜しいのは「を」。これが説明的精神の働き。雪の夜や
冬籠と思へば楽し入院日  13_東京  長井亜紀
父母の手のぬくもりや七五三  23_愛知  臼杵政治
・を、あるいは、の
漉きし紙人の温みの残りけり  26_京都  氷室茉胡
枯れ枯れて立つは菩薩でありしかな  27_大阪  安藤久美
蟷螂の石ごと枯れて石の上  27_大阪  古味瑳楓
冬苺見つけてはづむ山路かな  42_長崎  川辺酸模
襤褸布を繋ぎ詩にせん冬籠  42_長崎  百田直代
山茶花に鼻くつつける老いもよし  44_大分  山本桃潤
冬立つやここを栖の石たたき  44_大分  竹中南行
山茶花の咲きそろはんと蕾かな  44_大分  竹中南行
龍の玉仏の在す胸の中  44_大分  土谷眞理子

俳句の相談 未発表句とは?

俳句的生活 投稿日:2020年11月20日 作成者: dvx223272020年11月21日

【相談】
 俳句大会では「未発表」などの投句の規定があります。次のような句は規定に触れるでしょうか? 具体的な例で教えて下さい。

①小さな句会で発表した句。
②ネット句会に投句して選句された句。
③結社の会員で、結社誌の会員欄に掲載された句。

【回答】
 結論からいうと内輪の句会に出した句までが「未発表句」の扱いです。それ以外、たとえば、

・句会に投句した句
・インターネットに載った句
・雑誌、新聞などに載った句

 これらはすべて既発表句になりますのでご注意ください。いいかえると多数の人の目に触れる場面に一度でも出された句は、すべて既発表句ということです。これでいくと、相談の①は場合による。②③は既発表句です。

 さて、ここからが本題です。
 「未発表句」と限定する目的は二重投句を排除するためです。その趣旨は二重投句は選者を「試す」ことになり、礼を失するからです。単なる規則ではなく、本来は「礼」の問題であることを知っていることが重要です。ここから考えれば、どんな句が規定に触れるかがわかるはずです。

 たとえば、ネットでも新聞、雑誌などでも投句して選ばれなかった句は、二重投句の証拠がないので排除されんません。しかし本来は出してはいけない句です。考えてみればわかるとおり、それは選者を試すことになり、礼儀上、許されないからです。

 句会でも応募でもつねに「新作」(新しく作った句)を出すようにしてください。新作はすべて未発表句ですから、未発表句かどうかというつまらない問題で悩まなくてすみます。

古志金沢ズーム句会(2020年11月15日)

俳句的生活 投稿日:2020年11月17日 作成者: dvx223272020年11月17日

第一句座
・鬼川こまち選
【特選】
大空に裸の赤や冬の薔薇        稲垣雄二
人思ふは月さへ淋し桃青忌       松川まさみ
冬の月触るれば指の切れるかな     趙栄順
大いなる白山といふ紅葉かな      山本桃潤
ひだる神こよひは熊を月の友      篠原隆子
垂れこめる雲のこゑなり大白鳥     松川まさみ
白菊に大輪といふ孤独あり       稲垣雄二
きらきらとま白な詩よ霜柱       山本桃潤
【入選】
口重く炭うつくしくつぎしよな     篠原隆子
蝶ひとつ迷い込みたり落葉かな     玉置陽子
朝な夕な箒の音に紅葉散る       花井淳
初冬の午前六時の言葉たち       山本桃潤
御軸に治部煮供ふる梅室忌       酒井きよみ
あやとりの舟から星へ夕焼雲      中野徹
冴ゆる夜の母へ歌はん子守唄      玉置陽子
木枯の彷徨うてゐる茶杓かな      玉置陽子
秋晴や重たき魚籠をしたたらす     安藤久美
枯草が終の栖かいぼむしり       佐々木まき
万物は仏を宿すおでんかな       土谷眞理子
仙人掌の肉ふくふくと冬に入る     玉置陽子
埋火や炎えて無となるものぞよき    長谷川櫂
冷まじき鎖登ればとんび岩       梅田恵美子
帰り花三千世界のはるかより      泉早苗
余生にも華やぎの刻冬紅葉       氷室茉胡
風にのるこゑ突き刺さる冬初め     宮田勝
まろび来る木の実のごとき子どもかな  趙栄順

・長谷川櫂選
【特選】
七五三大きな帯の歩くかな       近藤沙羅
雪吊の縄目華やか加賀の空       佐々木まき
冴ゆる夜や母に歌はん子守唄      玉置陽子
法要の終れば句会梅室忌        酒井きよみ
秋晴や重たき魚籠をしたたらす     安藤久美
水刃物日に日に厨冷やかに       趙栄順
ひだる神こよひは熊を月の友      篠原隆子
浮寝鳥つぎつぎ目覚めゆく朝      近藤沙羅
左右から風邪の子のぞく絵本かな    齋藤嘉子
よろこびの一日もありぬ古暦      安藤久美
揺るるほど甘くなるとや吊し柿     清水薫
帰り花三千世界はるかより       泉早苗
きらきらとま白な詩よ霜柱       山本桃潤
はなやかな傘ゆくや梅室忌       酒井きよみ
【入選】
はつ冬やまだ緑なるばった跳ぶ     近藤沙羅
一本のましろき冬木胸中に       高橋慧
坊守の箒で拾ふ銀杏の実        清水薫
裸木や白山からの青き空        花井淳
毛筆の句ペン書きの詩襖かな      宮田勝
初冬や午前六時の言葉たち       山本桃潤
御軸に治部煮供ふる梅室忌       酒井きよみ
千振の花のしじまや医王山       梅田恵美子
あやとりは舟から星へ夕焼雲      中野徹
冬菊や宙を飛び交ふニュートリノ    花井淳
こも掛けの藁に秋日の柔らかし     中野徹
児が蹴ればママもじいじも落葉道    氷室茉胡
木枯の彷徨うてゐる茶杓かな      玉置陽子
耳当てて木の命聴け今朝の冬      稲垣雄二
天地を余すことなく芋茎干す      齋藤嘉子
友禅のやはらかさうなマスクして    花井淳
冬の月触るれば指の切れさうな     趙栄順
胡麻がらで囲つてありし冬の菊     近藤沙羅
冷まじや音たてて孫乳を吸ふ      稲垣雄二
北国や蟹茹であがる初しぐれ      鬼川こまち
白山にふれんばかりや星流る      泉早苗
初時雨かくして夢に逢へるとは     篠原隆子
斑点のそれが目らしき菜虫かな     齋藤嘉子
手折りたるぽんぽん菊の軽さかな    中野徹
まろび来る木の実のごとき子どもかな  趙栄順
若かりし頃もあつたよ大根干す     土谷眞理子

第二句座
 席題 「鴨」、「凍蝶」
・鬼川こまち選
【特選】
晩鐘はさざなみとなる鴨の水      安藤久美
凍蝶を見つけて嬉し光かな       高橋慧
小流れに鴨来て会話増えにけり     密田妖子
空中庭園死に場所と決め凍し蝶     中野徹
冬の蝶冬の光に後れつつ        安藤久美
凍蝶や野末の灯瞬けり         玉置陽子
凍蝶の聞いてゐるらし日矢の音     松川まさみ
【入選】
楽しげに鴨のゆきかふ濠の中      近藤沙羅
渡月橋浮き寝の鴨も川の音       山本桃潤
鴨鍋の葱のみどりも忘るまじ      長谷川櫂
凍蝶や草のちらばる水の上       宮田勝
鴨来る千里の果の犀川に        清水薫
触るることゆるさぬ冬の蝶なりし    安藤久美
鴨獲りの網は三角夕なづむ       花井淳
鴨鍋や主が打ちし鴨入れて       梅田恵美子
鴨の陣ぶつかり合はぬ不思議かな    氷室茉胡
蝶凍てて透きとほりたり蝶の魂     梅田恵美子

・長谷川櫂選
【特選】
鴨治部や湯気のなかにぞ加賀の冬    鬼川こまち
見つけて嬉し凍蝶の光かな       高橋慧
冬蝶の氷の羽根のきらきらと      稲垣雄二
存分にこの世舞ひしか冬の蝶      松川まさみ
凍蝶に風のやさしき日なりけり     佐々木まき
触るることゆるさぬ冬の蝶なりき    安藤久美
鴨鍋や主が撃ちし鴨入れて       梅田恵美子
一陣の鴨くつろぐや大堰川       佐々木まき
凍蝶にそつとさはってみたきかな    近藤沙羅
【入選】
楽しげに鴨のゆきかふ濠の中      近藤沙羅
凍蝶は哀しからずや美しき       高橋慧
冬の蝶冬の光に後れつつ        安藤久美
凍蝶や草のちらばる水の上       宮田勝
鴨来る千里の果の犀川に        清水薫
地に伏して凍蝶じっとしてをりぬ    近藤沙羅
鴨獲りの網は三角夕なづむ       花井淳
鴨来る空もやがては鉛色        中野徹
投げ網や息をひそめて鴨を待つ     清水薫
凍蝶に経蔵開く日和かな        花井淳

古志鎌倉ズーム句会(2020年11月8日)

俳句的生活 投稿日:2020年11月8日 作成者: fuji2020年11月16日

・第一句座(当季雑詠、兼題=展宏忌)
藤英樹選
【特選】
海の風冷たき呉や展宏忌      西村麒麟
捨てられて空の広さを知る案山子  曽根崇
天平の乙女と匂ふ蕪かな      澤田美那子
含羞の如く小さく藪かうじ     森永尚子
海底の大和よモミジチリヌルヤ   越智淳子
【入選】
柊のほろほろ散りぬ展宏忌     わたなべかよ
綿虫のころとなりたり展宏忌    おほずひろし
冬うらら校庭に青帽子赤帽子    おほずひろし
追熟といふうたた寝にラ・フランス 長谷川櫂
展宏忌空がいよいよ冬らしく    西村麒麟
もののふのこころそこはか展宏忌  園田靖彦
時雨るるや諸味の匂ふ蔵の町    升谷正博
展宏忌いつも心に冬すみれ     木下洋子
名画座に小津安二郎黄落す     升谷正博
口笛は渚さすらふ展宏忌      葛西美津子
九条葱きざんできつねうどんかな  木下洋子
酒粕はほとぼしてあり今朝の冬   長井はるみ

長谷川櫂選
【特選】
展宏忌麩を待つ鯉が口あけ来    仲田寛子
展宏忌いつも心に冬すみれ     木下洋子
【入選】
しんしんと海の青さの展宏忌    おほずひろし
雪降れば雪を見てゐる展宏忌    藤英樹
口笛の渚さすらふ展宏忌      葛西美津子

・第二句座(席題=麦蒔、オリオン)
藤英樹選
【特選】
渺渺たる鬼の荒野やオリオン座   西川遊歩
オリオンや塩焚く釜の滾る音    西川遊歩
麦蒔きぬ心に烈火持ちしまま    イーブン美奈子
世の中や何があらうと麦を蒔く   森永尚子
こどもらの指がオリオン見つけたり 葛西美津子
【入選】
麦蒔の父母兄を見てゐる子     越智淳子
オリオンの突き放すごと光けり   吉田順子
田を持たぬ俄百姓麦を蒔く     澤田美那子
麦蒔の夫新品の野球帽       長井はるみ
湯冷めするほどにオリオン輝きぬ  葛西美津子
オリオンの厚き胸板傾きぬ     イーブン美奈子
麦播けど播けど貧しき我らかな   長谷川櫂
荒々しき大地の胎へ麦を播く    長谷川櫂

長谷川櫂選
【特選】
麦蒔の上は雲行くばかりなり    わたなべかよ
光あり麦蒔いてきし手の中に    関根千方
【入選】
麦蒔いて進めば大地かぐはしく   関根千方
一粒の力信じつ麦をまく      園田靖彦
しざりゆく日差しの早さ麦を蒔く  金澤道子
麦を蒔く日暮の顔のもう見えず   曽根崇
田を持たぬ俄百姓麦を蒔く     澤田美那子
人去れば大きな闇や麦を蒔く    藤原智子
オリオンの厚き胸板傾きぬ     イーブン美奈子

ズーム句会の移籍について

俳句的生活 投稿日:2020年11月4日 作成者: dvx223272020年11月5日

広島、鎌倉、金沢、仙台のズーム句会の会員で、曜日や時間の都合上、2021年から移籍を希望する方はお問い合せからご相談ください。

ネット投句ズームスクーリング(2020年11月3日)

俳句的生活 投稿日:2020年11月4日 作成者: dvx223272020年11月4日

第一句座
【特選】  
棲みつきし鬼も粧ふ浅間かな    上田雅子
鬼のゐぬ山のさびしき紅葉かな   高角みつこ
屋根に降る木の実の音も軽井沢   上田雅子
おのが影見下ろし浅間冬に入る   安藤久美
落葉踏む音の中より詩歌生る    稲垣雄二
【入選】
観音のごとき一樹の紅葉あり    安藤久美
よろよろの冬蜂の後蟻が追ふ    稲垣雄二
頼りなき膝がたのみよ紅葉狩    臼杵政治
金色の紅葉の下に念仏寺      永井奈緒
秋時雨コンロのわきに醤油瓶    夏井通江
紅葉山背負ふ金剛仁王尊      岩井善子
水尾の柚をかをらす句集かな    喜田りえこ
焼きしめてさながら紅葉楽茶碗   喜田りえこ
熊楠の写本百巻大花野       玉置陽子
君のこともつと知りたき林檎かな  玉置陽子
きのふよりしんと立ちゐる紅葉かな 高角みつこ
こもり居の夫かひがひし松手入れ  佐々木まき
一晩に落花一面金木犀       山中紅萼
一峰は女神の乳房紅葉せり     西川遊歩
紅葉山だんだん怖くなりにけり   斉藤真知子
先をゆく女かしまし紅葉狩     斉藤真知子
散紅葉喜んでゐる大地かな     斉藤真知子
混沌の地球へ忽と返り花      川辺酸模
今日からは雪の頭巾よ浅間山    川辺酸模
秋天にごつと座したり浅間山    川辺酸模
いつからか冬瓜一つ日向かな    梅田恵美子
桜落葉撥ねて生徒らランニング   百田直代
この家の重しとなれや茎の石    北側松太
墨を磨る音さへ秋の深みかな    北側松太
颯爽と夜空を飛ぶはむささびか   木下洋子
雑木紅葉坂を登れば無言館     澤田美那子
枝の先日毎撓みて柚子は黄に    澤田美那子

第二句座(席題=末枯、芋煮会)
【特選】
末枯れてふたりの庭を楽しまん   安藤久美
芋煮会酒呑童子の大鍋ぞ      稲垣雄二
曇天に末枯れの径続きけり     喜田りえこ
末枯れてなほ紅のあざみかな    玉置陽子
とつぜんの雨も一興芋煮会     高角みつこ
大鍋に出羽の歓喜や芋煮会     西川遊歩
【入選】
芋煮会百年前の鍋据ゑて      安藤久美
芋入れて後は何でも芋煮会     稲垣雄二
芋煮会ひとり入れぬ川原かな    永井奈緒
芋ふうと吹いて孫へや芋煮会    越智淳子
末枯の狭庭かさこそ雀かな     越智淳子
足裏に石がごつごつ芋煮会     夏井通江
末枯やいつまで続く道普請     花井淳
やうやくに火の猛りたり芋煮会   玉置陽子
末枯や二人そろそろ飽きてをり   高角みつこ
酒きれて宴もたけなわ芋煮会    高橋真樹子
長老の自慢の芋の芋煮会      佐々木まき
あれこれと手出し口出し芋煮会   山中紅萼
末枯れし枝に烏や睥睨す      山中紅萼
芋煮会マスク付けたり外したり   上田雅子
大鍋の底が見えきて芋煮会     斉藤真知子
ほろ酔ひによき川風や芋煮会    斉藤真知子
末枯やこんなところに大き石    斉藤真知子
吹きさますどんぶり重し芋煮会   梅田恵美子
大小のお椀の並び芋煮会      芳賀匙子
末枯や潮の香強き最上川      北側松太
末枯や乳房あらはに弁財天     北側松太
末枯の山ふところに父祖の墓    木下洋子

古志広島ズーム句会(2020年11月1日)

俳句的生活 投稿日:2020年11月2日 作成者: KAI2020年11月2日

第一句座
【特選】  
乳張りて母猪は檻の中          米山瑠衣
瓜坊も母を慕ひて檻の中         米山瑠衣
蓮根は真白き母のふくらはぎ       伊藤靖子      
雪虫の中を行かねばならぬかな      高橋真樹子
けふだけの顔が鏡に秋の暮        斉藤真知子
大枯木オラショ唱へて三百年       百田直代
蓑虫の嘆きを聞いてやりにけり      斉藤真知子
【入選】
羊羹の箱に虎飼ふ竹の春        神戸秀子
野の花のみな傾けり十三夜       矢野京子
もつれ行く蝶の残像秋の風       石塚純子 
まぼろしの花をこころに牡丹焚     菅谷和子
初冬や日ざしの届く母の椅子      大平佳余子
ゆく秋や何千回と手を洗ひ       矢野京子
今年一番小さき満月茨の実       原京子
マスクして言ひにくき事言うてをり   斉藤真知子

第二句座(席題=嚔、神の留守)
【特選】
くしゃみしてわれは写楽の女かな     神戸秀子
鎌倉の草あをあをと神の留守       神戸秀子
神の留守雪の来たりし八ヶ岳       伊藤靖子
眠りつつ嚔してゐる赤ん坊        斉藤真知子
【入選】
くつさめや誰ともしらず行き交へる    上松美智子
きのふより強きこころや大嚏       菅谷和子
くさめして三千世界とどろかす      大平佳余子
くさめして思はず辺り見渡しぬ      原京子
くつさめやインフルエンザはたコロナ   上松美智子
だんだんと母に似てくる嚔かな      矢野京子
ちさき子のなんとかわゆきくしゃみかな   伊藤靖子
むずむずと大仏様も嚏せん        大場梅子
湖の岸に舟乾き神の旅          飛岡光枝
神の留守すべていちょうの葉は落ちて   伊藤靖子
神の留守ちち根の垂れる大銀杏      丸亀葉菜子
神の留守良き枯れ色の豆畑        米山瑠衣
神留守の社ひびかせ大嚏         菅谷和子
人の輪のさつと離るるくしゃみかな    城山邦紀
大仏と眼を合はせたる嚔かな        河本秀也
畑中に煙りあがるや神の旅         飛岡光枝

ネット投句(2020年10月31日)特選と選評

俳句的生活 投稿日:2020年11月2日 作成者: KAI2020年11月2日

・取り合わせの句、物と物、現実と現実ではたかが知れている。次元の異なる取り合わせを。
・旧仮名は辞書で勉強、確認を。特別の本、不要。

【特選】
からからと落葉が歌ふ風の道  11_埼玉  上田雅子
酔芙蓉ふたいろに咲く寒さかな  13_東京  永井奈緒
障子貼る怒りの穴塞がれり  13_東京  永井奈緒
・怒りの穴も塞ぎけり
闇汁会闇をつくって始まりぬ  13_東京  岡惠
・つ
奥能登の道路元標先は冬  17_石川  花井淳
秋冷や検査受くべく朝湯浴み  21_岐阜  三好政子
・む
水澄みて空のからつぽ映しけり  21_岐阜  梅田恵美子
・からつぽの空
大花野氷河削りし谷の中  23_愛知  稲垣雄二
また一つ大恥かくや秋扇  23_愛知  稲垣雄二
君と居るこの空間の秋惜しむ  23_愛知  稲垣雄二
・上々
真直ぐに切る真直ぐな新豆腐  23_愛知  臼杵政治
秋の蚊の血に酔ふらしや叩きたり  23_愛知  宗石みずえ
駆除と言ひ殺処分と言ふ冷まじき  23_愛知  青沼尾燈子
秋蝶とぶほどの静けき昼の庭  26_京都  佐々木まき
削り取る白龍が牙すさまじく  27_大阪  安藤久美
捨てられし案山子さながら秋昼寝  27_大阪  古味瑳楓
枯れてゆく蟷螂は目を動かさず  27_大阪  澤田美那子
・蟷螂の目の動きけり
黄落や北に南に大御堂  27_大阪  齊藤遼風
思い出の味濃き柿の老樹かな  28_兵庫  藤岡美惠子
・ひ
骨の嵩カサリと崩る夜寒かな  46_鹿児島  大西朝子
・カサと崩るる

古志仙台ズーム句会(2020年10月25日)

俳句的生活 投稿日:2020年10月27日 作成者: KAI2020年10月27日

・第一句座              
長谷川冬虹選 
【特選】
猪撃たれ泪目のまま吊られをり    上 俊一
落ち鮎の鋭き眼ひるみけり      石原夏生
石の間身を細うして鮭抜けぬ     宮本みさ子
その山のどことは云はず茸籠     石川桃瑪
ましら酒一夜限りと酔うてみる    佐伯律子
【入選】
男の手もみぢ一枝を山苞に      佐藤和子
昭和史の枷まだ解けず衣被      鈴木伊豆山
塔婆立つうしろ被曝の芒原      宮本みさ子
招待状来ない今年の運動会      那珂侑子
紅葉見やあの世に続く道ならむ    佐伯律子
秋潮や開けてはならぬ玉手箱      武藤主明
行く秋の波郷の声や深大寺      那珂侑子
自転車のスポーク冷えて秋日和    服部尚子
手づかみで食はねば秋の鮎ならず   石原夏生
のけぞりぬはらこ掻くとき鮭の母   宮本みさ子

長谷川櫂選 
【特選】
一人づつ子の顔浮かぶ衣被      辻奈央子
秋の蚊にのぞきこまれし心かな    辻奈央子
龍太百歳山々の柿奉れ        長谷川冬虹
読まぬ本捨ててすつきり一遍忌    石原夏生
秋晴や戦車のごとくコンバイン    武藤主明
【入選】
塔婆立つうしろ被曝の芒原      宮本みさ子
紅葉山ゴンドラ揺れてすれ違ふ    武藤主明
草の実を払ふ肩胸肘背中       伊藤 寛
遠く住む息子元気か新酒酌む      那珂侑子
狼の護符貼る土蔵夜長かな      服部尚子
落ち鮎の鋭き眼ひるみけり      石原夏生
芋煮るや再現できぬ母の味      森 凛柚
山に向くベンチに一人秋澄めり    及川由美子
遠吠えもひと工夫せよ犬の秋      青沼尾燈子
その山のどことは云はず茸籠      石川桃瑪
散り果てて骨太々と大銀杏      上 俊一
手づかみで食はねば秋の鮎ならず   石原夏生
嶽々の眠らんとして聳へ立つ      青沼尾燈子
度し難き人の心やいわし雲      川辺酸模
のけぞりぬはらこ掻くとき鮭の母   宮本みさ子
マスクして余計なことを言はざりき  森 凛柚
口閉づることも忘れて月見かな    辻奈央子
山粧ふひと夜で変はる山の彩      阿部けいこ
秋暑し二進も三進も汚染水      武藤主明

・第二句座(席題=茸、熊、霜)
長谷川冬虹選 
【特選】
顔中に草の実つけて熊走る      伊藤 寛
あの時の父に逢はんと茸山      武藤主明
二月堂三月堂へ霜の道        長谷川櫂
祖母つひに茸のしろを明かさずに   上 俊一
毒きのこ身ぬちに一つ許しをり    石川桃瑪
【入選】
山の柿たらふく喰らへ熊の子よ    上 俊一
松茸の被曝も告げて回覧板      宮本みさ子
椎茸やふてぶてしくも育ちたる    青沼尾燈子
七曲り抜けて行きしや茸山      佐伯律子
舞茸や花のやうなる一抱へ      長谷川櫂
子ウサギの道の標や月夜茸      川辺酸模
われひとり霜降る夜の無人駅      佐藤和子
またぎ等の眼差し親し熊の山      及川由美子

長谷川櫂選
【特選】
一つの死しづかに囲む熊の猟      石川桃瑪
頂いてその名も知らぬ茸かな      石原夏生
子ウサギの道の標や月夜茸      川辺酸模
祖母つひに茸のしろを明かさずに   上 俊一
母熊の太く鋭き爪光る        長谷川冬虹

【入選】
月光を浴びて羆は眠りをり     辻奈央子
月山をひとり抜けくる熊の鈴     宮本みさ子
松茸の被曝を告げて回覧板     宮本みさ子
毒茸抜かずに二日眺めたり     那珂侑子
除染袋粗塩のごと霜を置く     甲田雅子
熊騒動犬の散歩も儘ならず     阿部けいこ
顔中に草の実つけて熊走る     伊藤 寛
産直の茸盛られて香放つ      阿部けいこ
初霜や一番乗りのごみ置き場     石原夏生
猿らの寝息聞こえる霜夜かな     川辺酸模
おほかたは毒ある大き茸かな     及川由美子
舞茸の今年も届く少しかな     阿部けいこ
山刀伐の翁の道や霜柱       長谷川冬虹
毒きのこ身ぬちに一つ許しをり   石川桃瑪
狭庭にも一本立つや毒キノコ     那珂侑子

古志正倉院展ズーム句会(2020年10月24日)

俳句的生活 投稿日:2020年10月25日 作成者: KAI2020年10月26日

・第一句座
【特選】
正倉院展花とひらきてしづかな秋  美那子
香木は山河の香り小鳥来る     悦子
琵琶ひとつ枯れゆくものの姿かな  忠雄
花鹿は月の光と遊びをり      光枝
花の角とぢて眠るや山の鹿     光枝
【入選】
円鏡に天平の夢映る秋       洋子
一雨に秋深まるや奈良茶粥     光枝
髪梳きし恋の鏡のしぐれけり    久美
ペルシャの瑠璃の杯新酒注がん   悦子
いつの世の馬頭観音柿ひとつ    光枝
正倉院展了れば冬がすぐそこに   まき
疫病の今年もたわわ大和柿     洋子
押勝の鎧ぼろぼろ大花野      久美

・第二句座                       
【特選】
秋軽き奈良墨ひとつ思ひ出に    美那子
円鏡の裏はしづかな冬の夜     忠雄
残欠にまた訪れる夜寒かな     忠雄
【入選】
初しぐれや身替り猿の下がる軒   まき
行く秋の若草山に鹿の影      まき
銀木犀朝日の入る大仏殿      桃潤
団栗の混じりて遊ぶ鹿の糞     光枝
どら焼の小倉山にもけふの月    光枝
正倉院曝涼文書奴婢の名も     久美

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読売新聞「四季」から

麗けき大福餅のほとりかな     相生垣瓜人

 大福には人を幸せにする力がある。鏡餅の威厳もなく、桜餅の色香があるわけでもないが、白粉をはたいたあの福顔にまみえると、誰でも相好がゆるむだろう。それに大と福、たった二文字の、この命名のすばらしさ。「麗か」は春の季語。
『負暄』

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    『四季のうた 美しい日々』
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    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
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    『四季のうた 普段着のこころ』
    中公文庫
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    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
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    2019年1月刊行


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    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
    $15
    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
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    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
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    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


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