| 誰か知る曲がる胡瓜の気持など | 埼玉 | 下家正幸 |
| 病む地球こよいは眠れ星月夜 | 千葉 | 若土裕子 |
| 老人も人口もへる敬老日 | 東京 | 櫻井滋 |
| きのふとはちがふ暗闇鉦叩 | 神奈川 | 丸山分水 |
| 初秋や湾に遊びし雲一片 | 神奈川 | 三浦イシ子 |
| 八月がゆく足枷をつけたまま | 神奈川 | 三玉一郎 |
| 草の花人に生まれてみなひとり | 神奈川 | 三玉一郎 |
| 腹見せてもはやこれまで秋の蝉 | 神奈川 | 藤澤迪夫 |
| 傍らに陰の盃十六夜 | 石川 | 花井淳 |
| 秋の金魚と穏やかな日なりけり | 石川 | 松川まさみ |
| ただ一度鹿に遭遇金華山 | 岐阜 | 三好政子 |
| 水を出て重きうつつや秋の犀 | 岐阜 | 梅田恵美子 |
| お地蔵の頭ごなしや迎鐘 | 静岡 | 湯浅菊子 |
| 苦瓜の熟れては爆ぜる残暑かな | 愛知 | 稲垣雄二 |
| 邯鄲や草になりたる母の家 | 愛知 | 稲垣雄二 |
| 望月やあまねく溽野照らしをり | 愛知 | 青沼尾燈子 |
| 白木槿ぼーっと生まれぼーっと死ぬ | 大阪 | 木下洋子 |
| 猪口ほどに咲いて朝顔終の花 | 大阪 | 澤田美那子 |
| 見たこともなくて親しき鉦叩 | 大阪 | 澤田美那子 |
| 露草や女人の眉の青かりき | 兵庫 | 福田光博 |
| 這い出して庭整えん敬老日 | 奈良 | きだりえこ |
| 赤ん坊に乳歯一本豊の秋 | 奈良 | きだりえこ |
| 死にながら下りてゆくや秋の鮎 | 和歌山 | 玉置陽子 |
| 仰ぎ見る松山城や氷店 | 高知 | 森脇杏花 |
| またの世は風より軽き糸蜻蛉 | 長崎 | 川辺酸模 |
| 躊躇ひてやつとつくつく法師かな | 大分 | 山本桃潤 |
| 再びの珊瑚の花を首里の丘 | 大分 | 山本桃潤 |
| 新しき視界つぎつぎ飛蝗とぶ | 大分 | 竹中南行 |
古志鎌倉ズーム句会(2025年9月14日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
長かりし夏の終わりの黒葡萄 おほずひろし
秋の蚊に貌のありけり殺しけり イーブン美奈子
のちの月ベランダで呼ぶ妻の声 おほずひろし
新豆腐そのまま食べてしまひけり 木下洋子
【入選】
底見ゆる鎌倉の川小鳥来る 金澤道子
よく響く水琴窟よ秋に入る 田中益美
白々と露の凝れる洗かな 長谷川櫂
木漏れ日も葉擦れも秋に大欅 澤田美那子
粉を噴いて黒く涼しき昆布かな 長谷川櫂
鎌倉の風のあつまる萩の寺 金澤道子
秋風に骨まで透かす守宮かな イーブン美奈子
•長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
波一つ打つて逃げたる鱸かな 葛西美津子
役所から茶碗届きぬ敬老日 澤田美那子
菊の前命しづかに祈りけり 吉田順子
【特選】
爽やかにたはし手にして応対す 仲田寛子
さつぱりと棒に戻りし案山子かな 仲田寛子
頑丈な老眼鏡と夜長かな 森永尚子
ぐにやぐにやに溶けし眼鏡も露けしや 藤英樹
【入選】
長かりし夏も終はりか黒葡萄 おほずひろし
颱風やウェディングドレス大鏡 久嶋良子
秋水に沈みて歪む剃刀よ 佐藤森恵
秋の蚊に命ありけり殺しけり イーブン美奈子
ひとむらの曼珠沙華咲く人の墓 吉田順子
死にかけし母甦る秋の風 萬燈ゆき
月明に舟浮かべては鱸釣る 葛西美津子
夫となら老いも楽しや秋刀魚焼く 萬燈ゆき
我を呑む大蛇と化しぬ阿波踊 イーブン美奈子
御巣鷹の千羽鶴みな露の鶴 藤英樹
とんぼうは誰の化身か日航忌 藤英樹
八十年経ちし世界や敗戦日 萬燈ゆき
三陸の筋金入りの秋刀魚かな 関根千方
我が家は朝日の真前野分あと 神谷宣行
第二句座 (席題:豊年、燕帰る)
•藤英樹選
【特選】
まぐはひもほがらかなりき豊の秋 森永尚子
豊年の島に寄せくる金の波 藤原智子
乙女子の踊る肉むら豊の秋 イーブン美奈子
我が代で終はる田畑や豊の秋 森永尚子
鬼瓦口開け笑ふ豊の秋 きだりえこ
豊年や渋谷の底を這ふ神輿 西川遊歩
あれよかし燕の帰る遠い空 きだりえこ
【入選】
太陽の神は女や豊の秋 イーブン美奈子
豊の秋熊はよろこび山を出づ 神谷宣行
長命の牛馬ねぎらへ豊の秋 関根千方
豊年や下宿に届く米俵 久嶋良子
洗濯もの干しつ見送る秋燕 萬燈ゆき
大空を微塵の燕帰りけり 長谷川櫂
出来秋の飴山實全句集 西川遊歩
•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
長命の牛馬ねぎらへ豊の秋 関根千方
銭湯をあがれば帰る燕かな 佐藤森恵
【入選】
秋燕秩父音頭で見送りぬ 萬燈ゆき
洗濯もの干しつ見送る秋燕 萬燈ゆき
息子らは村に戻らず豊の秋 田中益美
出来秋の飴山實全句集 西川遊歩
傷つきて残る燕の梁に居り 佐藤森恵
古志広島ズーム句会(2025年9月7日)
第一句座
矢野京子選
【特選】
戦へる国を見下ろし月天心 ストーン睦美
神々の山の雫を新走り 高橋真樹子
からと焼く貌もさすがに鱸かな 長谷川櫂
いにしへの風吹きおこせ秋扇 安藤文
あをあをと我を揺さぶる芭蕉かな 瑞木綾乃
【入選】
コンビニは青きオアシス猛暑の夜 神戸秀子
鰯引く島留学の子も交じり ももたなおよ
酒も抜けひとり鳩吹く朝帰り 岡村美沙子
秋祭獅子にも御神酒奉る 加藤裕子
秋天いかに北京は軍事パレード 大平佳余子
すくひたる水のゆらりと新豆腐 斉藤真知子
拾ひきしますほの小貝水の秋 大場梅子
けふの月話したりなき顔浮かぶ 高橋真樹子
唐黍のとびきり甘き空の色 高橋真樹子
過ぎし日の小さきてのひら青どんぐり 石塚純子
これほどに風白きこと忘れゐき 長谷川櫂
野の風をふいと香らせ菊枕 城山邦紀
秋団扇母へ使ふといふ幸よ 矢田民也
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
白壁に影なす風の九月かな ももたなおよ
まだ夏の名残りの雲の峰たかし 矢野京子
被爆樹の嘆きの露か瞬ける 矢野京子
【入選】
どの家もカーテン閉めて秋暑し 安藤文
我も行かん俺の細道天の川 神戸秀子
どんぐりに命の重さありにけり 石塚純子
またひとり虫の闇より戻りくる 矢野京子
蟷螂の虫食ふ音の恐ろしき 斉藤真知子
あをあをと我を揺さぶる芭蕉かな 瑞木綾乃
第二句座(席題:秋刀魚、団栗)
矢野京子選
【特選】
国境のどんぐり転ぶロシアへと 矢田民也
蝦夷リスの来るまで団栗そのままに 高橋真樹子
秋刀魚焼く煙の中に一人かな 斉藤真知子
【入選】
面長に丸顔も居りどんぐり教室 石塚純子
九回二死大逆転や秋刀魚焼く ストーン睦美
又三郎去つてどんぐり落ち放題 神戸秀子
燃ゆる火を秋刀魚叩いて消しにけり 長谷川櫂
真二つに切り秋刀魚焼く無粋かな 瑞木綾乃
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
九回二死大逆転や秋刀魚焼く ストーン睦美
団栗をあなたに投げて振り向かす 矢野京子
もくもくと一人暮らしの秋刀魚かな 安藤文
【入選】
敷きつめしどんぐり径を車いす 原京子
橋幸夫秋刀魚焼いて悼みけり 今村榾火
ひとわたり見ては秋刀魚に戻りけり 金田伸一
どんぐりの墜ちしひとつの音響く 城山邦紀
団栗の実らぬ熊の嘆きかな 加藤裕子
漁師らの袖の中まで秋刀魚かな 高橋真樹子
軽井沢のこと、新聞のこと/信濃毎日新聞インタヴュー
すっかり忘れていました。2023年秋の新聞週間にちなんで、信濃毎日新聞の矢沢健太郎記者と米川貴啓写真部記者のインタヴューを受けたことがありました。
記事はすでに掲載されていますが、そのときの映像がYouTubeで流れています。2023年10月18日の収録です。
ネット投句(8月31日)特選
| たわたわとたはけのはての風の萩 | 北海道 | 芳賀匙子 |
| パンドラの匣に残りし冷酒かな | 埼玉 | 下家正幸 |
| 秋の月お世話になりました母は言ふ | 東京 | 永井奈緒 |
| 瓜茄子いつも揃ってわが家の膳 | 神奈川 | 三浦イシ子 |
| 空丸ごと水拭きしたき残暑かな | 神奈川 | 松井恭子 |
| 若者を砲弾とせし敗戦忌 | 富山 | 酒井きよみ |
| 面長は長身の常赤とんぼ | 石川 | 花井淳 |
| 我もゐて川浴びの子らは幻 | 石川 | 松川まさみ |
| 風入れてみたるも駄句はついに駄句 | 石川 | 松川まさみ |
| 寝て覚めてこどもに戻る西瓜かな | 長野 | 金田伸一 |
| 冬瓜の瞑想深きごろ寝かな | 愛知 | 稲垣雄二 |
| 洗ひ髪星へ広げる夜の秋 | 愛知 | 稲垣雄二 |
| 霧の奥しづかに犬が鳴いてゐる | 愛知 | 青沼尾燈子 |
| 犬去りぬひとりで歩く秋野かな | 愛知 | 青沼尾燈子 |
| 高々と噴水だけが知る虚空 | 大阪 | 安藤久美 |
| 守るべきは守りし誇り捨案山子 | 大阪 | 木下洋子 |
| 大文字戦の星となり果てて | 大阪 | 澤田美那子 |
| 八月と言ふ言葉まで暑苦し | 兵庫 | 天野ミチ |
| K2に逝きし岳人星月夜 | 兵庫 | 福田光博 |
| 新涼や茶筅のさきのうす緑 | 奈良 | 喜田りえ子 |
| 秋簾もう片付ける人はなく | 奈良 | 中野美津子 |
| 朝顔の蔓に自由の風が吹く | 奈良 | 中野美津子 |
| 抱き寄せて秋の木洩れ日爪弾かん | 和歌山 | 玉置陽子 |
| 反戦に今も気概や終戦日 | 高知 | 森脇杏花 |
| 秋来れば日毎に深し茄子の紺 | 長崎 | 川辺酸模 |
| 登り窯皿わる音も秋めける | 大分 | 山本桃潤 |
| 人類が背負う十字架八月来 | 大分 | 山本桃潤 |
| 吾亦紅怒りの紅の美しき | 大分 | 田中俊一 |
ネット投句(8月15日)特選
| くりごとのごと小さきじやがいも掘る | 北海道 | 芳賀匙子 |
| 麺茹づる匂ひ襲ひ来残暑なほ | 北海道 | 柳一斉 |
| 長岡の宙(そら)にただよふ花火殻 | 千葉 | 安田勅男 |
| 校庭の土煮へたぎる原爆忌 | 千葉 | 谷口正人 |
| はらわたを氷で洗ふ大暑かな | 千葉 | 麻生十三 |
| 黙祷の大き断裂終戦忌 | 長野 | 大島一馬 |
| 年寄りに猛暑に津波来るなら来い | 静岡 | 湯浅菊子 |
| 蝉の殻涼しきまでに何もなし | 愛知 | 稲垣雄二 |
| 虹の橋駆け上がつてゆく犬の尻 | 愛知 | 青沼尾燈子 |
| 干涸びし蚯蚓あまたや行者道 | 大阪 | 木下洋子 |
| やがて死ぬ己が命の涼しさよ | 長崎 | 川辺酸模 |
| もうしばし妻の隣に大昼寝 | 長崎 | 川辺酸模 |
うたたね歌仙「鮎合せの巻」満尾
《連衆》高橋慧、飛岡光枝、佐藤森恵、松川まさみ、中野美津子、松井恭子、三玉一郎、川辺酸模、青沼尾燈子、安藤文、谷口正人、越智淳子、西川遊歩、北側松太、長谷川櫂(捌)
2015年4月27日~~8月23日
【初折の表】
発句 はじめから川の自慢や鮎合せ 飴山實(夏)
脇 まづは一献淡麗の美酒 光枝(雑)
第三 やつとこさ源氏全帖評釈す 文(雑)
四 年々暑さをさまらぬ秋 恭子(秋)
五 雲上の富士の頂月照す 恭子(秋・月)
六 新米の蔵はやも空つぽ 文(秋)
【初折の裏】
初句 人間が操縦なんのAIぞ 櫂(雑)
二 親に似ぬ子がまつたうになる 淳子(雑)
三 堅物と仲人口にたたられて 淳子(雑・恋)
四 無口のままの新婚の朝 尾燈子(雑・恋)
五 縞柄長真冬の森に鳴き交はす 美津子(冬)
六 氷の瀧にしぶく月光 光枝(冬・月)
七 きりきりと回しを締めて朝稽古 尾燈子(雑)
八 フルスイングの長嶋さらば 遊歩(雑)
九 卵焼き日の丸弁当かかさずに 光枝(雑)
十 塔修理する斑鳩の春 森恵(春)
十一 幽かにも天人の楽花ふぶき まさみ(春・花)
折端 うららかに舞ふ水晶の衣 森恵(春)
【名残の表】
初句 一斉にミサイルの雨降りそそぐ 文(雑)
二 テレビを消してもうネタニヤフ 櫂(雑)
三 トランプなんてイヤんなる明け易き 櫂(夏)
四 もうもうと焚く蚊取り線香 光枝(夏)
五 天井にへばりつきつつ龍を描く 光枝(雑)
六 人だまでゆく西方浄土 尾燈子(雑)
七 人形へ太夫は声をふりしぼり 陽子(雑)
八 背中合せに愛と憎しみ 一郎(雑・恋)
九 切り取りし男の一物懐に 恭子(雑・恋)
十 花野に埋まる丸石の墓 森恵(秋)
十一 親不知子不知月の市振へ 松太(秋・月)
十二 誰が忘れしか白露の笠 陽子(秋)
【名残の裏】
初句 真夜中のしんと原爆資料館 一郎(雑)
二 記憶の孤島忘却の海 櫂(雑)
三 拾ひきし白き貝殻今もあり 光枝(雑)
四 夢で帰らむ故郷の春 陽子(春)
五 放射能浴びし一樹の花ざかり 光枝(春・花)
挙句 松蝉鳴いて沈黙の森 慧(春)
古志仙台ズーム句会(2025年8月31日)
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
施餓鬼寺転読の声堂に満つ 甲田雅子
ただ空の大きさを知る夏休 三玉一郎
八月の物語せよ弁当箱 長谷川櫂
八月を握りしめたる赤子かな 武藤主明
【入選】
奈良漬の漆のごとき秋暑かな 長谷川櫂
自転車で月追つて行く子どもたち 平尾 福
紙垂揺るる村ぢゆう白し秋祭 谷村和華子
朝顔や夫婦が競ふ些事凡事 服部尚子
誰某の絵を捨てられぬ団扇かな 臼杵政治
長き夜を死後の話の二人かな 川辺酸模
目が覚めて初朝顔の白一つ 臼杵政治
白桃や孫もひ孫も桃のかほ 長谷川櫂
新涼の柾目にはじく墨一本 齋藤嘉子
西瓜割れ思ひ出わつとあふれけり 及川由美子
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
わが胸は残暑の汗の壁をなす 宮本みさ子
青き海の底にいくつのラムネ玉 佐伯律子
めざめれば庭一面の桔梗かな 川辺酸模
【特選】
盆のあと手持ち無沙汰の野山かな 服部尚子
町中が祭太鼓や藍浴衣 長谷川冬虹
もうゐない犬連れてゆく秋日和 三玉一郎
紙垂揺れて村ぢゆう白し秋祭 谷村和華子
誰某の絵を捨てられぬ団扇かな 臼杵政治
ガガイモの花の清らか土いきれ 佐藤和子
ねむるまで鉦を叩いてくれにけり 三玉一郎
懐かしき土の匂ひよ蝉仰臥 上村幸三
【入選】
をみならの太鼓凛々しき浴衣かな 長谷川冬虹
磐梯山花蕎麦ゆれてむづがゆし 宮本みさ子
朝顔や夫婦で競ふ些事凡事 服部尚子
長き夜や死後の話をして二人 川辺酸模
擦り減りし硯にたらす水の秋 宮本みさ子
わが宿の畳を焦がす西日かな 及川由美子
古戦場札だけが立つ夏野かな 青沼尾燈子
石ころがぽつんとひとつ秋の声 三玉一郎
ただ空の大きさを知る夏休 三玉一郎
帯広の黄金の野や大豆打つ 服部尚子
判官の菊人形が夢にまで 臼杵政治
空蝉は地蔵のみ手に眠りけり 甲田雅子
身に入むや風に転がる蝉の骸 川辺酸模
西瓜割りて思ひ出わつとあふれけり 及川由美子
須賀川や翁も聞きし滝の音 甲田雅子
けふも居座る炎帝や水を買ふ 佐藤和子
第二句座 (席題:案山子、草の花、燕帰る)
長谷川冬虹選
【特選】
若き日の我の背広や案山子立つ 武藤主明
案山子翁今年はつひにひとりかな 齋藤嘉子
夕空に湧き出してくる帰燕かな 甲田雅子
大谷になりきり案山子二刀流 武藤主明
【入選】
稲刈つてさみしき顔の案山子かな 臼杵政治
草の花朝夕だけの路線バス 阿部けいこ
またの世もきみの辺の草の花 川辺酸模
手も足も出さぬと案山子侮られ 臼杵政治
裏山の草の花つみ夫の供花 甲田雅子
学校へ足が向かぬ子草の花 齋藤嘉子
月みれば月の歌よむ案山子かな 長谷川櫂
頭まず見ゆる棚田の案山子かな 臼杵政治
案山子立つ賢治のごとく前かがみ 及川由美子
軽トラに積まれて帰る案山子かな 上村幸三
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
またの世もきみの辺の草の花 川辺酸模
草の花ほどの思ひ出語り合ふ 三玉一郎
ガザ地獄ウクライナ地獄草の花 青沼尾燈子
妻に似てみめうるはしき案山子かな 青沼尾燈子
【入選】
秋燕のひとまはりして飛び去りぬ 佐伯律子
波頭すれすれに飛ぶ秋つばめ 佐伯律子
トランプに似せた案山子をはやしけり 上 俊一
切れ切れの思ひ出つなぐ草の花 佐伯律子
俳句とトレーニング/PPNインタヴュー
13年間トレーニングの指導をお願いしているパワーリフティング元選手で全日本選手権12連覇を成し遂げたの阿久津貴史さん(PPN代表取締役)によるインタビューがPPNのホームページ(公式HP)に掲載されています。https://theppn.jp/
阿久津さんは2010年から23年までパワーリフティング105kg級の日本代表(21〜23年団長)、12年から23年まで全日本選手権12連覇を果たしました。23年11月の世界選手権を最後に引退。現在、株式会社ピークパフォーマンスニュートリション(PPN)代表取締役としてアンチドーピングをはじめスポーツの健全な発展のための活動をつづけています。
古志金沢ズーム句会(2025年8月17日)
第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
蟻地獄月光落る夜もあらん 趙栄順
恐竜の骨格きしむ秋うらら 花井淳
生きのびし思ひありけり夜の秋 橋詰育子
流星や四十年の勤め終へ 氷室茉胡
八十年火傷隠さず原爆忌 稲垣雄二
黒焦げに国は焼かれて秋の風 長谷川櫂
ひぐらしや子の死を知らず母眠る 趙栄順
【入選】
よく生きて残す一書の爽やかさ 清水薫
その朝も花に水やり原爆忌 酒井きよみ
いちじくの秘めたる花を啜りけり 稲垣雄二
噛むやうに一杯の水原爆忌 川上あきこ
糊うすくまとふ快楽の古浴衣 松川まさみ
秋はみな狭き裏庭より来たる 間宮伸子
旱魃のダム湖があくる鬼の口 酒井きよみ
黒焦げの一塊が長崎夜の秋 長谷川櫂
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
一線を引く恋もあり秋扇 趙栄順
あの人もその人も星星涼し 酒井きよみ
生きのびし思ひありけり夜の秋 橋詰育子
【入選】
夕闇をふるはせ烏瓜の花 梅田恵美子
地蔵川生きながら蝉流れゆく 梅田恵美子
いちじくの冷たき花を啜りけり 稲垣雄二
紀ノ川の青流るるや今朝の秋 玉置陽子
産みし子は火傷なかりき原爆忌 稲垣雄二
恐竜の骨格きしむ夜の秋 花井淳
殺し合ふ正義と正義かき氷 稲垣雄二
大文字や入れば暗き京の家 安藤久美
油蝉いのち燃やして鳴きにけり 安藤久美
からつぽの我歩ませる秋の風 近藤沙羅
わが病めば子のやさしさよ冷し瓜 橋詰育子
遠くからですが黙祷原爆忌 清水薫
ふと気づく己が吐息も夜の秋 松川まさみ
虫の音やこころ整ふ仕舞風呂 藤倉桂
大輪の供華八月の空高く 松川まさみ
第二句座
席題:「処暑」、「朝顔」
・鬼川こまち選
【特選】
大川も空も澄みたる処暑の朝 間宮伸子
朝顔は蛇のごと樋締め登る 稲垣雄二
道理なき世へ朝顔の白一輪 玉置陽子
子規庵の青き朝顔懐かしく 近藤沙羅
あさがほやひと日ひと日をつなぐ紺 梅田恵美子
朝顔は虚空に絡み咲きにけり 稲垣雄二
【入選】
石垣をおほい朝顔水のごと 酒井きよみ
朝顔の花一輪の唐津かな 長谷川櫂
処暑と云へどまだまだ暑くなる地球 近藤沙羅
せせらぎへ手をひたしゐる処暑夕べ 玉置陽子
朝顔や沖をはるかに白き船 飛岡光枝
挨拶のことば美し処暑の朝 稲垣雄二
夫遺す朝顔継ぎて二十年 密田妖子
あさがほや日ごとに変はる子の願ひ 安藤久美
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
道理なき世へ朝顔の白一輪 玉置陽子
朝顔は虚空に絡み咲きにけり 稲垣雄二
み仏の母へ見せばや初朝顔 玉置陽子
【入選】
あさがほの蔓のさまよふ雨の中 松川まさみ
朝顔や印はひらがな一文字 花井淳
処暑と云へどまだまだ暑くなる我が家 近藤沙羅
朝顔や夫婦のごとく紺と白 趙栄順
夜深し朝顔莟ほどきつつ 飛岡光枝
朝顔の蔓の伸びゆく月夜かな 田村史生

