古志金沢ズーム句会(2025年11月16日)
第一句座
新年詠または当季雑詠
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
横たはる手負ひの猪か蘭奢待 安藤久美
皮はげば鮟鱇全身さくら色 酒井きよみ
山ひとつあら又ひとつ紅葉山 橋詰育子
角伐るや枕に寝かせ神の鹿 田村史生
春の戸のまだ閉ぢしまま花びら餅 稲垣雄二
【入選】
介抱のふた身ひとつや去年ことし 鬼川こまち
我が薄情噛みしめてゐる霙かな 松川まさみ
一歩出て旅人となる小春かな 宮田勝
大加賀やあなおもしろの能始 安藤久美
ネックレス切れて散らばる開戦日 鬼川こまち
大榾火崩れ火の鳥現れつ 駒木幹正
薄原しばらくここに眠らんか 橋詰育子
九条を据ゑたる国の初日かな 松川まさみ
双六や水晶の駒象牙の賽 田村史生
青きまま乾ぶカマキリ初時雨 密田妖子
猿廻し笑ふつとめを果たしけり 宮田勝
初富士や天地の間に浮かびをり 梅田恵美子
はやばやと芽吹きの気配掛け柳 泉早苗
湖は明けゆく空の初鏡 松川まさみ
あら汁に両手ぬくめる能登しぐれ 酒井きよみ
蓑虫は蓑一枚で生き通す 稲垣雄二
かんばしき肥ほどこして冬に入る 鬼川こまち
雪白の山のかがやき大旦 安藤久美
根の国の物語せよ帰り花 玉置陽子
よよと泣くをなごの獅子や村祭 梅田恵美子
あかあかの筆は梅室しぐれけり 安藤久美
干し柿や太陽を母霜を父 山本桃潤
母の歳超えて母恋ふ零余子飯 密田妖子
入るる刃に身動ぎもせず寒鮃 駒木幹正
第二句座
席題:「小春」、「山茶花」
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
他愛なく横綱転ける小春かな 趙栄順
日本人平らな顔の小春かな 趙栄順
正倉の扉をひらく小春かな 田村史生
【入選】
散り敷いて銀のごとしや白山茶花 安藤久美
山茶花の花くらがりや母の家 安藤久美
片付きし妻の引き出し小春かな 花井淳
バスタオルけふの小春の匂いかな 川上あきこ
小春日や人来ては去る展宏碑 泉早苗
ぬつと来るどこぞの猫や小春の日 間宮伸子
忘却のごとく山茶花散りつづく 稲垣雄二
留守宅の山茶花の庭見て帰る 川上あきこ
小春日や山蘆に動く竹箒 飛岡光枝
おろおろと一日を過ごす小春かな 田村史生
命名の墨のかをれる小春かな 安藤久美
掃き寄せし山茶花のうえ猫眠る 藤倉桂
