古志鎌倉ズーム句会(2024年1月8日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
年明けを待つてゐたのか大地震 木下洋子
一瞬に津波が攫ふ初景色 澤田美那子
初詣大きな孫に手を引かれ 吉田順子
輪島塗おせちの重よ崩れ燃ゆ 西川遊歩
風花の舞ふ朝市もむかしかな 葛西美津子
焼ける餅の如く大地は割れ動く 関根千方
【入選】
震度七瞬時凍てつくお元日 わたなべかよ
初山河国建て直す首相欲し おほずひろし
避難所や搗いて炊き出す力餅 神谷宣行
のし餅の耳も加へて霰餅 金澤道子
薺打つ能登や佐渡やと祈りつつ きだりえこ
元日や津波警報絶叫す 木下洋子
松のごとく竹のごとくに書初す 藤原智子
•長谷川櫂選
【特選】推敲例
薺打つ能登よ佐渡よと祈りつつ きだりえこ
風花の舞ふ朝市もむかしかな 葛西美津子
初春や光を削る江戸切子 西川遊歩
【入選】
梅一輪隣る紅梅あら二輪 葛西美津子
しんとある縹の一書読始 イーブン美奈子
初詣大きな孫に手を引かれ 吉田順子
元旦や天地ぐらりと傾ぎたる きだりえこ
真つ白な胸を並べてゆりかもめ 金澤道子
朝市や宿の褞袍でめぐりしも 葛西美津子
第二句座(席題:初句会、水仙)
•藤英樹選
【特選】
まつくらな世に凛とあれ水仙花 関根千方
菅公の席ある浪速初句会 きだりえこ
水仙や能登の山々また揺るる 長谷川櫂
救援の物資に添へて水仙花 わたなべかよ
【入選】
水仙の怒濤の花の香りかな 長谷川櫂
大津波攫ひてゆきし水仙花 きだりえこ
全没や今年占ふ初句会 仲田寛子
初句会頬紅刷いて眉引いて 藤原智子
欠ける人なきがうれしき初句会 萬燈ゆき
新聞で包む水仙朝の市 木下洋子
高らかな名のり聞きたや初句会 関根千方
能登はいま大雪といふ水仙花 葛西美津子
清記するこころ弾むや初句会 きだりえこ
•長谷川櫂選
【特選】推敲例
水仙や黒谷の和紙ごはごはと 葛西美津子
水仙を供花とせん能登大地震 藤英樹
初句会いまの己が丸裸 萬燈ゆき
【入選】
画面越し何はともあれ初句会 仲田寛子
初句会辰の煎餅配りけり 木下洋子
能登はいま大雪といふ水仙花 葛西美津子
清記するこころ弾むや水仙花 きだりえこ