古志鎌倉ズーム句会(2023年7月9日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
うとうどり鳴かば開くぞ地獄門 魚返みりん
家族して食べ頃探るメロンかな 木下洋子
三伏の闇銃口の光りけり 木下洋子
巨大なる愚鈍まつ黒の夏富士 森永尚子
下種な話して後悔の籐寝椅子 森永尚子
腸にいかな妄想鯵捌く きだりえこ
梅雨明けて赤子むくむく太りだす 澤田美那子
七月や遠き目をして小学生 おほずひろし
人の不幸よろこぶ性や原爆忌 園田靖彦
【入選】
米を研ぐ音の清しき土用かな 関根千方
鱧寿司や小袖に巻きてもてなされ 吉田順子
島らつきよまだ剥いてゐる午前二時 長井はるみ
太陽の塔に再会夏帽子 木下洋子
白南風やマチスの窓に見ゆる海 西川遊歩
瑠璃蜥蜴また金毘羅の神となれ イーブン美奈子
夏の炉に蛇笏の背中見たりけり 木下洋子
羅やさらりと恐ろしきことを 金澤道子
世を想ひ我が身を思いあけ易し 湯浅菊子
銃弾の重さ忘れず晋三忌 神谷宣行
•長谷川櫂選
【入選】
平和さへ叶はぬ願ひ星祭 藤英樹
太陽の塔に再会夏帽子 木下洋子
起こされて七夕竹となるところ 藤原智子
金比羅もさびしくなりぬ蝉時雨 澤田美那子
第二句座 (席題:烏賊、滝)
•藤英樹選
【特選】
上り来て金毘羅宮は大南風 葛西美津子
けさ一つはるかな空に雲の峰 長谷川櫂
人の死や滝轟きてまた静か 神谷宣行
皆大き口開けてをり瀧見台 澤田美那子
【入選】
鎌倉に君の残せし芹の花 藤原智子
歳時記を棺に入れて雲の峰 田中益美
烏賊釣舟過ぎていよいよ深き闇 葛西美津子
俳諧や瀬戸大橋へ虹を架け きだりえこ
朝市で買うてすぐさま烏賊そうめん 園田靖彦
•長谷川櫂選
【特選】
掛け軸や一筋落つる滝の音 西川遊歩
人の死や滝轟きてまた静か 神谷宣行
静けさはこの滝音の中にあり 藤英樹
【入選】
大烏賊や剣のごとき骨いづる 関根千方
烏賊釣舟過ぎていよいよ深き闇 葛西美津子
滝落つる如くに一句詠まれけん 藤英樹
車中泊闇をゆらして滝の音 森永尚子
皆大き口開けてをり瀧見台 澤田美那子