古志鎌倉ズーム句会(2024年2月11日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
建国日なにはなくとも米は炊く 関根千方
能登やのと余震と余寒ただなかに きだりえこ
鮟鱇は海のはらわた煮ゆるなり 長谷川櫂
大地震芹も薺も摘まざりき 長谷川櫂
けさ掻きし岩海苔の嵩碗ひとつ 葛西美津子
【入選】
羽箒やすらふ炉辺や龍太の忌 西川遊歩
等伯の能登の七尾のおぼろかな 仲田寛子
若草山見ゆる北窓開きけり 澤田美那子
かいつむり瞑想しばし潜りけり 湯浅菊子
水仙の一輪一輪能登のこと 森永尚子
牛の糞焚き付けとなる野焼かな 園田靖彦
思はざりしキーウの春のかく遠く 澤田美那子
•長谷川櫂選
【特選】
龍太忌の炉辺にやすらふ羽箒 西川遊歩
建国の日に亡国の日を思ふ 関根千方
冴返る瓦礫の中の漆桶 仲田寛子
スニーカー洗ふ水やや温みつつ 藤原智子
【入選】
山鳩のこゑ伸びやかに龍太の忌 藤英樹
一生を鬼ともなれず豆をまく 藤英樹
托鉢の僧の素足や風花す 金澤道子
我に臍まだある不思議春の雪 森永尚子
牛の糞焚き付けにする野焼かな 園田靖彦
天と地のいよよ病みたり不知火忌 きだりえこ
向きかへてまたひと眠り春の雪 おほずひろし
第二句座(席題:公魚、バレンタインデー)
•藤英樹選
【特選】
一年を放つたらかしてバレンタインデー 田中益美
魔女の鍋欲しやバレンタインの日 葛西美津子
わかさぎ釣り比良よりの風受けながら わたなべかよ
公魚のひかり連らねて釣られけり 西川遊歩
【入選】
氷上に拉げわかさぎ置かれあり おほずひろし
ワカサギや深層の闇探り釣る 西川遊歩
氷上に公魚花の光かな 森永尚子
入れ食ひの公魚ざつと唐揚に イーブン美奈子
公魚や富士を仰ぎて食はれけり 神谷宣行
•長谷川櫂選
【特選】
わかさぎは銀を散らして翻る きだりえこ
公魚も公魚釣りも氷かな 藤英樹
公魚のひかり連らねて釣られけり 西川遊歩
【入選】
桜魚焼いて二人の夕しづか 澤田美那子
公魚の池の今年は凍らずと 藤原智子
公魚の氷上釣りも昔かな 藤英樹