姫はじめの巻/名表十一_再募集①
【名表】
八 白露ゆるる夕顔の花 陽子(夏)
九 おもしろう墨したたらす筆の先 一郎(雑)
十 秋の籬に閉関の札 嘉子(秋)
十一
再募集。
閉関のわけが要るのでは。
【付句候補】
立ち去りし青年の顔月影に
花嫁の父母ほつとして月仰ぐ
荒れた庭子だぬきの目に月映る
来迎の楽の音ひびく月今宵
月今宵独酌でやる般若湯
着流しで発句拾ひの今日の月
オカリナの音やはらかき夕月夜
名月と七弦琴と旨酒と
月明り寝ずに読む医書阿蘭陀語
山寺の納経堂は月明り
死に別れまた生き別れ月の友
読み返す使者の声へと月明かり
夢で逢ふ妻若きまま今日の月
虹色のスカイツリーと月の夜
月今宵末の娘も嫁ぎゆき
遺されし幼の寝顔月照らす
将棋盤月の木目のうつくしき