姫はじめの巻/名表十一_再募集②
【名表】
八 白露ゆるる夕顔の花 陽子(夏)
九 おもしろう墨したたらす筆の先 一郎(雑)
十 秋の籬に閉関の札 嘉子(秋)
十一 野に下りて何を企む今日の月 妖子(秋・月)
やっと次へ。
企む人は誰か。
【付句候補】
・⚪︎
野に下りてしばしの閑を今日の月
・△
・×
余命わづか手をにぎる日々月渡る
月影にかの日の棋譜をまた並べ
月影にかの日の棋譜をまた並べ
一筋の月光走る文殊堂
望月の聴き入ってゐる誦経かな
戦場へ命送りて月に哭く
剃髪の似合わぬうちに盆の月
裏金の密約決める今日の月
謀りて帝連れ出す月の道
残党の血書広ぐる月あかり
皓々と妻の遺影に月の差す
病床も住めば都の月明り
姥捨の母も仰ぐか今日の月
呪はれて眠りゐる姫十三夜
一生をかけて弔ふ秋の月
面影は日に日に強く月の秋
一斗樽舟と仕立てて月の中
月の夜の恩師の妻を忘られず