姫はじめの巻/名表十一
【名表】
八 白露ゆるる夕顔の花 陽子(夏)
九 おもしろう墨したたらす筆の先 一郎(雑)
十 秋の籬に閉関の札 嘉子(秋)
十一
再募集。
【付句候補】
・⚪︎
・△
猿らの声も花やぐ今日の月(酸模)
亡き人と歌仙巻きつつ月の酒(松太)
月今宵妻の形見のピアノ弾く(文)
・×
菩提樹の葉の裏みえて月あかり
盆栽の玄人はだし月あかり
井戸端の軒に今宵は寝待月
虚空より闇降りてくる夕月夜
東京に無数の空家月を待つ
月の下閻魔も呆れる嘘ならべ
宵月夜旅の生涯思ひ馳せ
わが窓を覗く守宮を月の友
纏足の仙女あでやか月煌々
散骨の女狂はす三日の月
月の森より透りくる鹿の声
欲望の街は月さへ青ざめて
不揃いな月見団子と手酌酒
ひとりきり見上ぐる夜半の望の月
けふの月SORA-Q(ソラキュー)元気に動きをり
骨撒いて帰船の海に月の道