姫はじめの巻/名表九 再募集③
【名表】
六 チェーホフとその美しき妻 酸模(雑・恋)
七 木漏れ日の微笑みだけが残りけり 光枝(雑)
八 白露ゆるる夕顔の花 陽子(夏)
九
やれやれ
夕顔の呪い
解けず。
再募集。
【付句候補】
・⚪︎
・△
短夜の夢を覚ますな明け烏(酸模)
・×
誰がための墨染め衣佇めり
露台にて収まり果てぬへぼ将棋
残波てふ古酒に酔うてすやすやと
まぼろしの女現はれふつと消え
ひとりでに形見の琵琶が鳴りひびく
打ち水の生垣の際ゆく牛車
顔へたつぷり浴びる嬰の尿
地獄への一步となるも知らずゐて
さまよへる魂なぐさめる念仏の声
鶏を咥へて逃げるハクビシン
いづくより聞こゆ女の怨み言
手花火のいま絶頂を過ぎゆけり
十五歳タマの亡骸埋める土
ラジオから国会中継たらたらと
香り立つ扇へ一首したためて
亡き人の好みし香を焚きしめて
盗賊に変る衣の裏表
かの人の訃にも涙は見すまじく