7月25日(日)夜のバレーボール女子、日本対ケニア戦のテレビ観戦記が掲載されています。いま対セルビア戦の第2セット中。
新刊紹介 長谷川公一著『環境社会学入門』
古志金沢ズーム句会(2021年7月18日)
第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
船大工お国言葉も日に焼けて 間宮伸子
山繭やあすは蛾となるしづかさに 泉早苗
沢蟹をカラリと揚げて星凉し 酒井きよみ
青々と黴たる星のわれらかな 篠原隆子
涼しさや一日のいのち蓮根羹 長谷川櫂
蚊一匹眠れる琥珀夏の月 高橋慧
大鍋に赤紫蘇煮立て魔女めける 高橋慧
舞ひ降りし月のごとくや奈良団扇 趙栄順
怒り立つ大蛇翔けゆく大出水 高橋慧
【入選】
狂ひ咲く真昼ありけり凌霄花 安藤久美
爆心地訪胸に花束風死して 田中紫春
うすべにに蒸して踏まれて紅の花 間宮伸子
夜は星の塒となりぬ今年竹 玉置陽子
箱庭やこの世の仕組み並べ替へ 宮田勝
梅干して伊吹や星のうつくしき 篠原隆子
黴の世やオリンピックの立往生 梅田恵美子
てんと虫空飛ぶ車てふ敵が 間宮伸子
火蛾ひとつひそめてをりぬ胸の底 泉早苗
岩を打つ涼しき波をお菓子かな 長谷川櫂
融通のきかぬ男や扇風機 玉置陽子
月光にねぢのほどけし捩り花 梅田恵美子
団扇風花と老いたる女かな 玉置陽子
織り上がる衣の風合合歓の花 酒井きよみ
赤松を燃やさんばかり蝉のこゑ 篠原隆子
見えぬまま顔に触れけり蜘蛛の糸 越智淳子
・長谷川櫂選
【特選】
蟻地獄蟻がずかずかとほりけり 酒井きよみ
七月の空駆けめぐる馬車真白 玉置陽子
夜は星の塒となりぬ今年竹 玉置陽子
はらわたの力にせんと土用餅 佐々木まき
夏遍路白衣の下の乳房拭く 稲垣雄二
舞ひ降りし月のごとくや奈良団扇 趙栄順
【入選】
プルーストまだ読みきれず紙魚走る 鬼川こまち
雷に覚め雷に眠るなり 田村史生
山繭やあすは蛾となるしづかさに 泉早苗
うすべにに蒸して踏まれて紅の花 間宮伸子
身のうちを風通りゆく藍浴衣 趙栄順
沢蟹をカラリと揚げて星凉し 酒井きよみ
香水瓶海のきらめき閉じ込めぬ 趙栄順
黴の世やオリンピックの立往生 梅田恵美子
グラナダは遥かに遠し花石榴 鬼川こまち
蚊一匹眠れる琥珀夏の月 高橋慧
さはやかな香りは今も香水瓶 近藤沙羅
半世紀前は新妻レース編む 玉置陽子
紫陽花のたわわに雨を吸う力 中野徹
くちなしの花開きてすでに汚れゆく 高橋慧
溺れゆくヌーの群みし昼寝覚 鬼川こまち
弛ませて鵜飼の縄を干しにけり 安藤久美
香水やわたしがきれいだつた頃 趙栄順
十薬の世の片隅にうつくしく 中野徹
団扇風花と老いたる女かな 玉置陽子
長男に亡き夫重ね白絣 間宮伸子
樋の音楽しや梅雨の家に棲み 山本桃潤
見えぬまま顔に触れけり蜘蛛の糸 越智淳子
羽抜鶏あはれ機嫌の刻の声 梅田恵美子
第二句座
席題 「草いきれ、「雷」
・鬼川こまち選
【特選】
草いきれうしろに雨のまはりけり 宮田勝
雷に裂かれしタブを神として 篠原隆子
日雷箱の中からまた小箱 泉早苗
耐え忍ぶことは地球も草いきれ 佐々木まき
遠雷やアラブは水もままならず 篠原隆子
壊れゆく心の叫びはたた神 中野徹
【入選】
遠雷やダム放水のサイレンも 泉早苗
草いきれ草の命のすさまじく 趙栄順
棄てられし香水瓶か草いきれ 篠原隆子
卒塔婆の古りにぞ古りし草いきれ 佐々木まき
六道の辻を右へと草いきれ 泉早苗
遠雷や我が為に買ふ薔薇一輪 玉置陽子
雨上がり古墳の山の草いきれ 梅田恵美子
草いきれ筋通したる男たれ 間宮伸子
酒呑童子の目玉が一つ草いきれ 長谷川櫂
大岩のなかなか遠し草いきれ 近藤沙羅
水の星の水さまよへる草いきれ 玉置陽子
逢引きの二人に残る臭いきれ 山本桃潤
・長谷川櫂選
【特選】
草いきれ草の命のすさまじく 趙栄順
青春はずぶぬれで行く雷雨かな 稲垣雄二
雷鳴の腹までひびき鳴りやまず 近藤沙羅
【入選】
草いきれまとひて固く抱かれて 田中紫春
雨上がり古墳の山の草いきれ 梅田恵美子
草いきれ富士の沈黙続きをり 氷室茉胡
雷や能登より加賀に攻め上ぐる 花井淳
あの世まで持つてく話草いきれ 間宮伸子
祇園会ズーム句会(2021年7月17日)
長谷川櫂 選
第一句座
【特選】
ひととせの思ひの鉾を建てにけり 忠雄
呼び止めて鱧包丁を砥がせけり 久美
老いて待つ二年は長し木賊山 美那子
鉾建てど巡らざること忘れめや 沙羅
蟷螂の広げぬ翅をお風入れ 悦子
遠き日の長刀鉾の廻る音 真知子
わが家を守りて古ぶ鉾粽 光枝
【入選】
鱧を焼く匂まとふや門提灯 淳子
水打つて奥へ奥へと京の闇 久美
日本中蟷螂山を待ちゐたり 一郎
勇み立つ縄の薫りや裸鉾 酸模
山鉾を建ててほんまの京の夏 初男
東山きれいな空に鉾立ちぬ 忠雄
誇り高き長刀鉾や動かずも 美那子
ひつそりと鉾建つ年や祇園さん 淳
長刀鉾睨みきかせて立ち上がる 洋子
巡行の出番無けれど建つる鉾 茉胡
躾とらぬ祭浴衣も二年目に 美那子
長刀鉾建ちて恐るるものはなし 洋子
来年は鉾巡り来よ冷し酒 忠雄
祇園会や深閑として京都御所 松太
縄一つ乱れも見せぬ祭鉾 雄二
めでたけれ京に二つの夏の月 嘉子
三日月の手拭ひ添へて水羊羹 光枝
今年また恃む虚ろな鉾粽 久美
子どもらの歌は無けれど鉾粽 光枝
檜扇やいま幻の辻回し 一郎
霰天神山の粽かけばや軒先に 初男
町中が手持ちぶたさや京の夏 雄二
素戔嗚の力をかりて鉾立てる 悦子
眠りよりさめて大輪月の鉾 光枝
祇園会や古き名句のあまたにて 淳子
まぼろしの生稚児みゆる鉾の上 悦子
昼寝覚はるかを祇園囃子かな 真知子
語り継がんコロナの年の祇園会を 美那子
第二句座
【特選】
世が変はり祭変はるも瓜を揉む 美那子
ふたとせの厄を祓はん鉾粽 崇
夏深き今年の鉾を解きにけり 忠雄
巡行の無けれど一日鉾浴衣 光枝
満天の星に眠るや月の鉾 酸模
いつまでも来るはずのなき鉾待てり 真知子
宵山の一夜の浴衣掛けてあり 雄二
鱧食ふてひととせ鉾を待たんとす 忠雄
切り落とす鱧の眼の涼しかり 嘉子
祇園会や今年しづかに東山 淳子
【入選】
疫の世やしんかんと鉾立ち上る 光枝
うつて出んこの世の闇を岩戸山 悦子
巡行なき鉾に榊はみづみづと 美那子
今年また出番なかりし祭笠 洋子
鱧茶漬け京の一日を冷ますべく 酸模
もふ一度見たき大路の鉾回し 真知子
鉾の衆今年は揃ひのマスクかけ まき
京菓子や名も涼しさの氷室なる 忠雄
疫の世も鱧骨切りの威勢よく 嘉子
うるはしき宇治のまみどりかき氷 まき
炎天やまんじりともせず大車輪 光枝
包丁で合ひの手入れん祇園囃子 淳子
鉾建や散らかる縄も二年ぶり 幸子
古志鎌倉ズーム句会(2021年7月11日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
暑き日や戦争もなく風もなく 神谷宣行
三輪山をすつと描き足す白団扇 西村麒麟
豊かなる頬よ寝茣蓙の跡つけて わたなべかよ
土石流をまぬがれてきし髪洗ふ 川村玲子
梅雨出水家が家押し流れくる 澤田美那子
【入選】
かはたれの川辺にぎやか蚊喰鳥 曽根崇
この空を七夕竹よ祓ひたれ 藤原智子
イサム・ノグチ石を涼しくしてゐたり 西村麒麟
田の神へあをあを盛りぬ朴葉鮨 わたなべかよ
君とゐて君が恋しき胡瓜もみ 森永尚子
•長谷川櫂選
【特選】
けだるさやふた夜眠りし蓮ひらく 葛西美津子
青梅雨や底脱の井の底覗く 金澤道子
梅雨出水家が家押し流れくる 澤田美那子
燃えのこる炎のかたち蛇の衣 関根千方
【入選】
人災の肥大化やまぬ暑さかな 関根千方
草笛や山川草木合奏す 曽根崇
団扇もて観客もどる名古屋場所 吉田順子
虫干しや足袋に短パン狂言師 西川遊歩
海老蔵のぶつ通しなり夏芝居 藤英樹
田の神へあをあを盛りぬ朴葉鮨 わたなべかよ
大好きな山河ずたずた梅雨出水 仲田寛子
オリンピックこんなはずでは冷奴 木下洋子
合歓の花枝広々と水のうへ 藤英樹
子供らの喧嘩わけ入る団扇かな 升谷正博
第二句座(席題:金玉糖、赤潮)
•藤英樹選
【特選】
お使いの子供に包む金玉糖 田中益美
赤潮や網繕うてもう四日 葛西美津子
金玉糖すけて女の細き指 吉田順子
百歳を喜ばしたる金玉糖 長井はるみ
【入選】
赤潮を戻りし舟のけだるさよ 葛西美津子
赤潮にさびれてゆくや日照り町 森永尚子
赤潮の湾を占めたる速さかな 湯浅菊子
牡蠣いかだ易々と呑みくされ潮 曽根崇
•長谷川櫂選
【特選】
影の手が死魚を摑むやくされ潮 神谷宣行
心まで病むことなかれ琥珀糖 イーブン美奈子
一粒に心すずしく金玉糖 わたなべかよ
赤潮やただただつづく波の音 神谷宣行
かさと紙に触れたる音や金玉糖 藤原智子
【入選】
三色の金玉糖を仏壇に 田中益美
金玉糖父がつまんで行きにけり 西村麒麟
色々の三角四角金玉糖 西村麒麟
赤潮を戻りし舟のけだるさよ 葛西美津子
懐紙にとる金玉糖のなすびかな 木下洋子
新院の恨みなるらん腐れ潮 藤英樹
お使いの子供に包む金玉糖 田中益美
赤潮を兢々として魚師溜まり 湯浅菊子
赤潮は海の怒りの色ならん 関根千方
熱の子に欠けらふくます金玉糖 森永尚子
赤潮や網繕うてもう四日 葛西美津子
沖縄の海の青さよ金玉糖 仲田寛子
牡蠣いかだ易々と呑みくされ潮 曽根崇
百歳を喜ばしたる金玉糖 長井はるみ
赤潮や米を研ぐのも控えんと 藤原智子
深川の芸者手強し金玉糖 藤英樹
句集紹介 斉藤真知子さん『香水瓶』
想像力が翼を得て、230ページの句集の中を自在に飛び回っているような一冊、読んでいるだけでこころが軽やかになります。
青磁社のホームページから購入できます。(北側松太)
十年をほつたらかしに香水瓶
我こそが羽抜鶏とは知らざりき
夜寒さやひとつ離るる影法師
けふだけの顔が鏡に秋の暮
掃きながら落葉と遊ぶ箒かな
枯れ果てて光りまばゆき枯野かな
まだ枯るるところののこる蓮かな
マフラーに怒りの顔をうづめをり
一木は裸となりてさすらへり
春の波ひかりまみれとなりかへす
句集紹介 平尾福さん『百福』
軽妙洒脱にして、エスプリが山葵の香りのように効いている一冊です。青磁社のホームページから購入できます。(北側松太)
浮んでは何かささやく針魚かな
時々は妻の団扇のねむるなり
桔梗よたまには羽目を外したまへ
驚いて口を開けたる石榴かな
マンボウの片側づつの日向ぼこ
みちのくのオリオンの歌聴きに来よ
いろいろの命の穴に春の雨
これよりは雨の王国かたつむり
ネット投句、年間賞(夏)は 森徳典さん
【年間賞】
この初夏の素晴らしき日に何もせず 東京 森徳典
【次点】
日常の面倒横に朝寝かな 千葉 谷口正人
クロッキーに己が左手春深し 石川 花井淳
碧玉をもてあそぶ如新茶汲む 大阪 澤田美那子
炎ゆる砂一粒としてわれのあり 福島 渡辺遊太
【候補】
この星を一廻りして昼寝覚 愛知 稲垣雄二
たまさかや地球に降りて草むしり 北海道 芳賀匙子
地下足袋のこの若者が桜守 岡山 齋藤嘉子
たけのこや自粛生活もとうに慣れ 新潟 安藤文
街中の猫がみてゐるはるのつき 東京 長井亜紀
摘むほどに籠の輝く茶摘かな 京都 氷室茉胡
蝶がきて止まりさうなるお菓子かな 大阪 澤田美那子
燕より気持ちよき鳥ほか知らず 大阪 高角みつこ
山瀬来る抗う風車一基あり 北海道 村田鈴音
蟻地獄しづかに数を増やしけり 神奈川 三玉一郎
噴水を揺さぶる風や飛沫降る 兵庫 髙見正樹
すかんぽやみんな貧しき日の記憶 香川 曽根崇
畝立てて五月の土を香らする 長野 金田伸一
木漏れ日にくすぐられては実梅落つ 長崎 ももたなおよ
#006考え続けています(網代雅代)
COVID-19とは、いったい何を私たちに教えようとしているのか。
そんなことを繰り返し考えてしまいます。コロナは人間を介さないと増えることができないのですから、人類を絶滅させようとしているわけではないとは思うのですが、怒っているのか、悲しんでいるのか、果ては笑っているのかさえ分かりません。人類ははかないものだということを、思い出させてくれているのかと、思うときもあります。
パンデミックは、昔から繰り返されている現象だと聞いています。文学にもその足跡が数多ありますが、そこから答えを見つけることはできていません。生きるということを、この言葉に込められている心を問い直す必要があるのかもしれないと思っています。
「図書」を、長いこと愛読しています。長谷川櫂先生の「隣は何をする人ぞ」読むたびに、心打たれます。その思いからこちらのサイトにたどり着きました。
*「隣は何をする人ぞ」のご感想ありがとうございます。(長谷川櫂)





