【特選】
なに目指し歩みし道や敗戦忌 07_福島 渡辺遊太
原爆忌浜に木の骨貝の骨 07_福島 渡辺遊太
救急車行きどころなき秋の暮 13_東京 櫻井滋
・なし
へうたんに酌みても尽きぬ酒やある 16_富山 酒井きよみ
鰯雲この長身を横たへん 17_石川 花井淳
落ち蝉の残る命を塵取りへ 17_石川 密田妖子
・に
そそくさと踊る阿呆になりに行く 26_京都 佐々木まき
蘆刈の姿のままに老ゆるかな 27_大阪 澤田美那子
・老いし
ゆつくりとこの世眺めむ秋簾 30_和歌山 玉置陽子
新句集『太陽の門』近く刊行
新句集『太陽の門』が9月9日、青磁社から出版されます。2018年〜20年の俳句を収録しています。表紙はこれまで同様、鈴木理策さんの写真です。
ネット投句(2021年8月15日)特選と選評
・まず意味不明の句を作らないように。
・自分がわかれば人もわかるはず、というのが間違い。人はわかりません。
・わかるようにするためには「第三者の目」で読み直すこと。
【特選】
ばばさまの乗りこなしたり茄子の馬 13_東京 神谷宣行
メコン河の秋水萍の来ては去る 17_石川 花井淳
・二つの「の」不要。散文ではありません。
ひとつずつ木の実手にして別れけり 17_石川 岩本展乎
蝉声のなかひと筋の法蝉蝉 27_大阪 澤田美那子
西日照り命のかぎり女哭く 28_兵庫 魚返みりん
・大西日
敗戦日杭一本の墓標かな 29_奈良 喜田りえこ
・を墓標とす
古志金沢ズーム句会(2021年8月29日)
第一句座 当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
づたづたの国へはるばる鴨来る 梅田恵美子
黙祷のかひなにタトゥー終戦忌 田村史生
梶の葉の詩片いきいきここのそじ 宮田勝
菓子を手に戦争を聞く地蔵盆 稲垣雄二
ばつたんこ打つや一天かきくもり 宮田勝
時は杼の滑る速さや星祭 稲垣雄二
籐寝椅子安らかな死のあるごとく 長谷川櫂
【入選】
老僧の頭並ぶや南瓜畠 稲垣雄二
金胡麻や牛一頭と交換す 篠原隆子
崩れても崩れてもなほ雲の峰 長谷川櫂
蜩を失はれたる時の栞とす 長谷川櫂
父と子に約束老いず大文字 安藤久美
大花火大空襲を語られし 酒井きよみ
かまきりの太刀風おこる無辺かな 宮田勝
大人にも泣きたき日あり桃すする 趙栄順
ひと日ずつ命を譲る花木槿 密田妖子
利酒の舌は健在生身魂 氷室茉胡
それぞれによき臍持ちて昼寝かな 安藤久美
今ごろは山蘆の桃の香しき 越智淳子
大の字になれぬ火床や大文字 近藤沙羅
白桃や上辺の傷の浅からず 佐々木まき
大空が渚となりぬ鱗雲 高橋慧
・長谷川櫂選
【特選】
月の夜のゆめに入りきて木賊刈 篠原隆子
逆らひし長き歳月墓洗ふ 氷室茉胡
川風や笯をかへしては西瓜舟 篠原隆子
【入選】
冷奴影を作るや秋立つ日 山本桃潤
楽しげにいつもの話生身魂 梅田恵美子
づたづたの国へはるばる鴨来る 梅田恵美子
踊笠ことしも土間に掛けしまま 泉早苗
秋暑し年一円の利子通知 氷室茉胡
バロックの闇息づけり鶏頭花 玉置陽子
朝刊に友の一句や涼新た 近藤沙羅
川上は紙漉の村棉の秋 玉置陽子
八月や盲の蝶がさまよひぬ 玉置陽子
それぞれによき臍持ちて昼寝かな 安藤久美
日に焼けて秋の扇となりゐたり 田村史生
第二句座
席題 「竹伐る」、「色鳥」
・鬼川こまち選
【特選】
色鳥の覚へなきこえ大拙館 泉早苗
色鳥の一木にして祭めく 田村史生
すつぱりと竹伐れば竹さやさやと 安藤久美
色鳥や泰平の縁に腰かけて 稲垣雄二
【入選】
竹伐や笛の調べの浅野川 中野徹
くれなゐの紐をしるべや竹を伐る 篠原隆子
竹伐つて山下りきたる男かな 梅田恵美子
代々の男たくまし竹を伐る 趙栄順
竹伐るや星屑帰る処なし 玉置陽子
竹伐るやあたりの風をもろともに 近藤沙羅
・長谷川櫂選
【特選】
わが家の雀に交じる色鳥よ 稲垣雄二
代々の男たくまし竹を伐る 趙栄順
一節を花籠とせむ竹を伐る 山本桃潤
【入選】
竹伐れば心に光射しこみぬ 稲垣雄二
色鳥の覚へなきこえ大拙館 泉早苗
竹を伐る日差しばらばらこぼしつつ 佐々木まき
色鳥やつぎつぎに来てかしましき 近藤沙羅
くれなゐの紐をしるべや竹を伐る 篠原隆子
竹伐つて山下りきたる男かな 梅田恵美子
竹伐つて転がしてあり不破の関 梅田恵美子
色鳥のちさきが一羽枝の先 酒井きよみ
竹伐って積みあげてあり楽寿園 近藤沙羅
色鳥の好きなわが家の梅古木 佐々木まき
色鳥やけふ白山を越えきしか 趙栄順
古志仙台ズーム句会(2021年8月22日)
第一句座
・長谷川冬虹選
【特選】
一滴の水から秋が生まれけり 三玉一郎
混沌の心のままで秋に入る 長谷川櫂
へのへので笑顔泣き顔案山子かな 上俊一
終戦日肋のやうな雲流る 甲田雅子
芋虫や句にしてみろとのけぞりぬ 佐伯律子
【入選】
揚羽蝶風の隙間を見つけたり 武藤主明
新涼の腹筋金剛力士像 三玉一郎
かくれんぼする子もおらず敗戦忌 服部尚子
パソコンに向かつて話す夜長かな 森凜柚
美しく箸を使ひて夏料理 佐藤和子
幾人の我眺むるや鬼やんま 金谷哲
逆立ちで一日すごす夏休み 長谷川櫂
腹だしてみんみん蝉の無念かな 石原夏生
烏瓜母の乳房のごと並ぶ 佐伯律子
八月や十七文字に納まらず 武藤主明
・長谷川櫂選
【特選】
空仰ぐ流れ残りのきりぎりす 服部尚子
烏瓜母の乳房のごと並ぶ 佐伯律子
八月や十七文字に納まらず 武藤主明
咲き乱るる花壇に残る暑さかな 伊藤寛
【入選】
日と風に実りの予感稲の花 佐藤和子
頻尿もよし寝覚めては虫時雨 石原夏生
パソコンに向かつて話す夜長かな 森凜柚
駅長の帽子の中の残暑かな 伊藤寛
紅顔の伯父の遺影よ敗戦忌 川辺酸模
夏大河とぐろを巻きて海に入る 長谷川冬虹
父ならば瓜の馬より先に来ん 武藤主明
くるくると茄子喜ぶ水の秋 平尾福
今年またうから集へず盂蘭盆会 川辺酸模
炎帝や大蛇のごとく河光る 長谷川冬虹
夏草や夢にあらざる津波跡 長谷川冬虹
つぎつぎと吸ひ込まれゆく踊りかな 辻奈央子
第二句座(席題:藍の花、落鮎、砧)
・長谷川冬虹選
【特選】
落鮎や人流といふ街の川 川村晋平
落鮎の最後は石にもどりけり 三玉一郎
砧打つ音に機嫌のありにけり 森凜柚
花ふぶくごとくに鮎の落ちにけり 森凜柚
鮎落ちて星屑こぼる川面かな 川辺酸模
曲り家に砧の音の甦る 武藤主明
【入選】
奥深く砧打つらし月の山 川辺酸模
鮎焼くや錆びてこそ鮎かんばしき 長谷川櫂
藍の花栞りし本の懐かしく 甲田雅子
鬼の子のおもちゃとなりし砧かな 平尾福
砧打つ音しなやかに韓の村 石川桃馬
産み終へて鮎の目月を湛へたる 齋藤嘉子
砧打つ土間の奥には山羊飼はれ 及川由美子
からむしの里に嫁ぎて砧打つ 武藤主明
・長谷川櫂選
【特選】
落ちてゆくゆらりと鮎の光かな 上村幸三
砧打つ音に機嫌のありにけり 森凜柚
花ふぶくごとくに鮎の落ちにけり 森凜柚
落鮎や奮ひ立つまま焼かれたり 辻奈央子
落鮎に隙なく簗を掛けにけり 宮本みさ子
【入選】
藍の花栞りし本の懐かしく 甲田雅子
悶へれば子のこぼれ落つ下り鮎 佐伯律子
磐梯を遠くに置きて秋の鮎 佐藤和子
錆鮎の朽葉にまみる浅瀬かな 川辺酸模
落ち鮎の錆を誇るや下りけり 服部尚子
落鮎の簗場に声の上がりけり 上村幸三
母の打つ砧の音に眠れる子 辻奈央子
からむしの里に嫁ぎて砧打つ 武藤主明
古志鎌倉ズーム句会(2021年8月8日)
第一句座
・藤英樹選
【特選】
新涼やうち揃ひたる得度の子 長井はるみ
濃く深く茄子の色も秋に入る 葛西美津子
富士山は見えねど裾野大花野 田中益美
寝転べばわが全身の天の川 澤田美那子
海峡の渦の真上や天の川 曽根崇
百年の一日を遊ぶ竹の花 升谷正博
玉砕島なぎさ漂ふ夜光虫 湯浅菊子
【入選】
八月や父の無口の日のふゆる 曽根崇
桃捥ぐや南アルプス見はるかし 木下洋子
遠雷やことばを探す闇の中 わたなべかよ
雨拭ふ大きな腕や草相撲 西村麒麟
今朝秋の雲の流るるガラスビル 金澤道子
さまざまな衰へ隠し日傘かな 森永尚子
天高し馬の大きな鼻に触れ 西村麒麟
透きとほる乙女の指や夜光虫 魚返みりん
・長谷川櫂選
【特選】
明易や術後の妻に会えぬまま 神谷宣行
竈馬静かに母を覗きをり 西村麒麟
寝転べばわが全身の天の川 澤田美那子
づたづたの心で歩く羽抜鶏 喜田りえこ
草に浮き草に沈んで草刈りぬ 関根千方
【入選】
濃く深く茄子の色も秋に入る 葛西美津子
鬼百合の蕊のりんりん山雨来る 金澤道子
手花火の次々終はつてゆく夏よ 藤原智子
炭焼きし跡ゆさゆさと青胡桃 曽根崇
炎天下解体中のビル一つ 金澤道子
葉を付けし桃を真中に桃の箱 木下洋子
頬に手を添へてそのまま昼寝かな 藤原智子
今朝秋の雲の流るるガラスビル 金澤道子
そば殻の枕や我は帰省の子 森永尚子
香水瓶きれいな夢の形かな 木下洋子
哲掘りし井戸ぞ忘れず浚ふべし(中村哲医師)西川遊歩
オリンピック何やら虚し冷奴 木下洋子
コロナとの付き合いも慣れ芋の秋 澤田美那子
海峡の渦の真上や天の川 曽根崇
木槿垣きのふの花を早よ掃かな 澤田美那子
花葛の匂ひ満ちたり日本海 藤英樹
惚けても忘れぬ八月一五日 澤田美那子
一年のひと日八月十五日 神谷宣行
死に近き人の寝顔へ団扇かな イーブン美奈子
玉のごと一粒一粒梅を干す わたなべかよ
玉砕島なぎさ漂ふ夜光虫 湯浅菊子
第二句座(席題:水の秋、蜩)
・藤英樹選
【特選】
水の秋山蘆の門が見えてきし 木下洋子
伊豆山をゆけばかなかな声のかぎり 葛西美津子
ひらひらとシーツが乾く水の秋 澤田美那子
水の秋一人一本オール持ち 藤原智子
東京を彷徨ふ足や水の秋 西村麒麟
【入選】
山寺やひぐらし鳴いてゐるころか 喜田りえこ
のびのびと猫のゆく土手水の秋 イーブン美奈子
街なかの小さな川も水の秋 金澤道子
秋の水ざぶざふ洗ふ畠のもの 喜田りえこ
蜩やいま落日の国にあり 関根千方
・長谷川櫂選
【特選】
腸もさらせば白し秋の水 関根千方
蜩やいま落日の国にあり 関根千方
東京を彷徨ふ足や水の秋 西村麒麟
【入選】
かなかなや根府川駅は崖の上 西川遊歩
かなかなや蛇笏の大き文机 木下洋子
蜩や蔵の二階で句会せん 木下洋子
かなかなの来る木伐られてしまひけり 金澤道子
立秋の水を湛えて池静か わたなべかよ
ポンプより奔る秋水飯を炊く 湯浅菊子
百年の大樹ふるはせ蜩よ 升谷正博
ネット投句(2021年7月31日)特選と選評
・どこかで見たような句(既視感のある句)は誰でも作る句です。詠む必要はまったくありません。
・日本語まだできない人も見受けられます。
【特選】
革靴は歩く焼きごて炎天下 13_東京 岡田定
無意識の森へ降りゆく熱帯夜 13_東京 西川遊歩
山百合のどさりと届き花開く 14_神奈川 伊藤靖子
香水を一滴覚悟決まりけり 27_大阪 木下洋子
藍浴衣藍の力を借りて逢ふ 28_兵庫 加藤百合子
炎帝や五輪の上にのしかかる 28_兵庫 天野ミチ
打ち水のおこぼれに咲く草の花 28_兵庫 藤岡美惠子
楸邨の夕焼けまでの大昼寝 29_奈良 喜田りえこ
青梧桐の蔭はみ出して三尺寝 37_香川 曽根崇
いさかひし昔恥づかし墓洗ふ 42_長崎 川辺酸模
古志仙台ズーム句会(2021年7月31日)
第一句座
・長谷川冬虹選
【特選】
妻の背の灼けて発せる怒りかな 青沼尾燈子
嘶くや梅雨の明けたる相馬郷 甲田雅子
大空にスケボー躍れ雲の峰 長谷川櫂
捩花や少女無口の自己主張 佐藤和子
誰よりも汗かいてゐるビール瓶 伊藤 寛
北斎の浪に舞ふかにサーファーよ 谷村和華子
【入選】
朝涼やほたるぶくろに寝てゐたり 上村幸三
妻となる人かもしれぬ水羊羹 川辺酸模
空へ飛ぶ術が有つたかごきかぶり 川辺酸模
向日葵のブーケや胸に金メダル 武藤主明
コロナ五輪火達磨となる炎暑かな 長谷川櫂
汗しとど雄叫び似合ふ敗者かな 川村杳平
青葉風祝詞の声の良く通る 阿部けいこ
問はれゐてしどろもどろの夏の夢 甲田雅子
大虹や爪先立ちて手を伸ばし 谷村和華子
新幹線北に貫く青田かな 佐伯律子
・長谷川櫂選
【特選】
苔桃の花に息つく山路かな 川辺酸模
鴉さへうんざりしたる暑さかな 那珂侑子
青春の蛇口上向く夏の空 平尾福
行つてみたい国がいつぱい夏帽子 森 凜柚
草に寝て月光涼し坊がつる 川辺酸模
【入選】
四方より青田波寄す新校舎 阿部けいこ
あんみつや聞き役はずつと聞き役 森 凜柚
きらら虫昔の本は美味かつた 上村幸三
扇風機胸にかざして孫娘 石原夏生
夏蝶や風のささやく百葉箱 谷村和華子
塩足して薬缶の麦茶庭師へと 及川由美子
妻となる人かもしれぬ水羊羹 川辺酸模
捨てきれず香水の瓶思ひ出も 谷村和華子
半生を一書になせり更衣 長谷川冬虹
草いきれローマ帝国滅亡す 平尾 福
髪洗ふ被曝の髪の白むまで 宮本みさ子
遥かなる福島想ふ仏桑花 青沼尾燈子
老翁の背籠溢るる布海苔かな 佐伯律子
誰よりも汗かいてゐるビール瓶 伊藤 寛
愚痴壺に納まりきれぬ暑さかな 武藤主明
第二句座(席題:鰻、帰省、睡蓮)
・長谷川冬虹選
【特選】
土用鰻やはらかに箸沈めけり 長谷川櫂
鰻食う江戸の力を我がものに 上村幸三
わが心青田の空を帰省かな 上村幸三
【入選】
声変はりせし子を連れて帰省かな 那珂侑子
未草水の底なる浄土かな 武藤主明
睡蓮やシャトルコックが飛んで来る 長谷川櫂
この国の疲れを取りし鰻かな 森 凜柚
イヤリング似合ふ娘の帰省かな 及川由美子
泣き虫が嫁さん連れて帰省せり 武藤主明
・長谷川櫂選
【特選】
うなぎ屋の長き暖簾に誘わるる 武藤主明
わが心青田の空を帰省かな 上村幸三
鰻焼く煙の中や太き声 及川由美子
【入選】
又してもかなはぬ帰省烏兎十年 佐藤和子
睡蓮の眠れる頃に句会かな 石原夏生
ふんどしの父の速さよ鰻掻 川辺酸模
さながらに日輪降りし睡蓮よ 長谷川冬虹
睡蓮や歩いてみたき水のうへ 森 凜柚
うなぎ屋のメニューは今も鰻だけ 阿部けいこ
うなぎ食べあれが母との最期かな 那珂侑子
帰省子や低き裏山細き川 青沼尾燈子
すぐにまた眠つてしまふ未草 平尾 福
死ぬほどに列車の混みし帰省かな 甲田雅子
桃の香の駅に降り立つ帰省かな 齋藤嘉子
あな短か五十年目のうなぎ包丁 齋藤嘉子
古志広島ズーム句会(2021年8月1日)
第一句座
・矢野京子選
【特選】
蚊帳畳む蚊の鳴く声もたたみけり 大平佳余子
香水瓶天使の羽の栓ひらく 飛岡光枝
初句集香水よりもかぐはしく 神戸秀子
吊されて無聊をかこつ蠅叩 城山邦紀
白服の働くピクトグラムかな ももたなおよ
籐寝椅子父の背中を感じをり 斉藤真知子
【入選】
うちわ絵の東山から風がくる 丸亀葉七子
キャンプ場男を磨け肝試し 林弘美
この星の未来やいかに蟇鳴ける 米山瑠衣
メダル独占溽暑コロナのおもてなし 岡村美紗子
夏休み女を研けお手伝い 林弘美
向日葵でそつと隠すや銀メダル 原京子
向日葵やぎしぎしと鳴る外階段 大場梅子
失政は何もたらすや秋に入る 長谷川櫂
青葡萄触れたそよ風来たりけり 高橋真樹子
蚤取の首輪うれしき仔犬かな 菅谷和子
捕虫網空の果てまで追ふてゆけ ストーン睦美
放たれて虫は途方に暮れにけり 斉藤真知子
流れくる藻の花足をくすぐりぬ 飛岡光枝
・長谷川櫂選
【特選】
夏潮の青の輝き初句集 矢野京子
夏帽子ふたつのあとを夏帽子 長井亜紀
香水瓶天使の羽の栓ひらく 飛岡光枝
死に絶えし島にそよぐや青芭蕉 飛岡光枝
昼寝覚五輪死闘の真最中 夏井通江
朝顔に真白き花や原爆忌 斉藤真知子
葉漏れ日を一房にして青葡萄 高橋真樹子
【入選】
原爆ドーム無言で語る炎暑かな 土谷眞理子
原爆忌いまも変はらずここに住み 矢野京子
初句集香水よりもかぐはしく 神戸秀子
蚤取の首輪うれしき仔犬かな 菅谷和子
亡き父に謎多かりき終戦日 石塚純子
流れくる藻の花足をくすぐりぬ 飛岡光枝
第二句座(席題:終戦日、虫籠)
・矢野京子選
【特選】
いまもなほ戦する国終戦日 菅谷和子
横たはる流木のこゑ終戦日 大場梅子
怖きもの真つ直ぐに見よ敗戦忌 米山瑠衣
【入選】
虫籠を逃げし虫飛ぶ子供部屋 林弘美
クラスには和子五人や敗戦忌 菅谷和子
終戦の心を今に西瓜食ふ 長谷川櫂
虫籠の羽化覗きこむ目が八つ 丸亀葉七子
虫籠の掃除はいつも次男坊 原京子
虫籠の虫聞く大きな耳かざり 飛岡光枝
百歳の母の合掌終戦忌 ももたなおよ
・長谷川櫂選
【特選】
虫籠を置くうつくしき闇の中 矢野京子
米の粒数へしことや敗戦忌 米山瑠衣
母親の腹の子なりし終戦日 上松美智子
【入選】
虫籠を逃げし虫飛ぶ子供部屋 林弘美
クラスには和子五人や敗戦忌 菅谷和子
ポケットの小さな箱に虫鳴かす 飛岡光枝
横たはる流木のこゑ終戦日 大場梅子
空っぽの虫籠ひとつ軒の下 城山邦紀
高階や虫籠に星降るばかり 神戸秀子
砂浴びの雀八月十五日 神戸秀子
百歳の母の合掌終戦忌 ももたなおよ
父と子の虫かご下がる櫟の木 ももたなおよ
変はらぬは空ばかりなり終戦忌 河本秀也
ネット投句(2021年7月15日)特選と選評
・わかるように作ってください。そのためには必ず読み返すこと。
・説明にならないように。
・どこかで見たような句は作る必要がありません。この点、自分に厳しく。
【特選】
夜風鈴托鉢僧の居る如し 13_東京 杜野廉司
新涼やスカイツリーが屋根の上 13_東京 楠原正光
大昼寝この世の声が聞こえけり 14_神奈川 三玉一郎
引力のここに集まる大瀑布 17_石川 花井淳
初蝉を聞く産声を聞くごとく 17_石川 岩本展乎
夏の月石まだぬくくうづくまる 21_岐阜 夏井通江
羽抜鶏未来を見つめてゐるところ 21_岐阜 夏井通江
涼しさや無より現はれ石の庭 27_大阪 安藤久美
袋掛桃のうたたね始まりぬ 30_和歌山 玉置陽子
珊瑚礁映して眠るサングラス 42_長崎 川辺酸模
草を取るこんな時間を待つていた 44_大分 山本桃潤
土用鰻俳句作るも力技 44_大分 山本桃潤
