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俳句的生活

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古志仙台ズーム句会(2023年10月22日)

俳句的生活 投稿日:2023年10月23日 作成者: dvx223272023年10月23日

第一句座              
長谷川冬虹選
【特選】
君に似て少し歪(いびつ)なラ・フランス   平尾 福
もう一度外に出てみる無月かな        平尾 福
おづおづと恋の句を出す玩亭忌        平尾 福
しよぼしよぼの眼となりし秋の蜂       佐伯律子
ラグビーや獅子喰らひつく鹿の喉       長谷川櫂
【入選】
母に帯やや余りたり菊日和          谷村和華子
玩亭忌山駆け下りる出羽の秋         上村幸三
前生に忘れし扇玩亭忌            臼杵政治
玉こんにやく赤く煮詰まる良夜かな      甲田雅子
黒猫がぐぐつと見据える駱駝芋        服部尚子
やや良の今年の出来に稲雀          上 俊一
恋の句をつけてばさばさ秋扇         齋藤嘉子

長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
玩亭忌言はないでおくさやうなら       辻奈央子
言ひそびれたるひとことの夜寒さよ      長谷川冬虹
玩亭忌大音声の知性ありき          青沼尾燈子
くもの囲の破れかぶれや秋の風        那珂侑子
夜もすがら恋の虫たち玩亭忌         上村幸三
【特選】
日本語に未来はあるか玩亭忌         上 俊一
かめむしの蹴躓ひたり転げたり        佐伯律子
玩亭忌朝日に映ゆる富士の山         佐藤和子
人生もまた歌仙なり玩亭忌          三玉一郎
前生に忘れし扇玩亭忌            臼杵政治
玉こんにやく赤く煮詰まる良夜かな      甲田雅子
おづおづと恋の付句を玩亭忌         平尾 福
保護猫の来歴知らずさんま焼く        及川由美子
秋晴や神あれば人争へり           齋藤嘉子
ともかくも名文読まん玩亭忌         上 俊一
ゴミ出しの一番乗りや朝の霧         及川由美子
スコーンにブラックティーを玩亭忌      臼杵政治
甘柿のほこりを拭ふもんぺかな        宮本みさ子
旧仮名の降つてきさうや玩亭忌        辻奈央子
恋すればこの世も花よ玩亭忌         川辺酸模
恋の句をつけてばさばさ秋扇         齋藤嘉子
【入選】
故郷のぎんなん一升届きけり         那珂侑子
広場かの百合の木五本秋澄めり        阿部けいこ
旧仮名の手引をたのみ玩亭忌         上 俊一
外つ国の神の諍ふ神無月           武藤主明
ひととせに佳き句を一つ玩亭忌        臼杵政治
玩亭忌山駆け下りる出羽の秋         上村幸三
歌仙巻き芋煮に舌を焦がしけり        齋藤嘉子
思ひ出は力の一つ新走            佐藤和子
日本語の気息うつくし玩亭忌         三玉一郎
木犀の香りてくるよ玩亭忌          那珂侑子
我に似てなんと歪(いびつ)なラ・フランス  平尾 福
己が身の鬼をやしなへ唐辛子         川辺酸模
池の亀ぢつと動かず玩亭忌          青沼尾燈子
月山は紅葉のころか玩亭忌          川辺酸模
なにごとか忘れし秋の昼寝かな        青沼尾燈子
銀嶺月山新酒上々玩亭忌           齋藤嘉子
仇討ちといふ言の葉や才一忌         甲田雅子
天守へと菊人形に案内され          武藤主明
丸々の海鼠壁あり玩亭忌           佐伯律子
帯広の沃野ふく風新豆腐           服部尚子
貼函の俳書ひもとき玩亭忌          石川桃瑪
玩亭忌薄墨色の夕しぐれ           長谷川冬虹
和田サンもあちらに行つて玩亭忌       服部尚子
月山の風身に沁みる玩亭忌          三玉一郎
気にかかる隣の垣の零余子蔓         平尾 福

第二句座  (席題:鶴来る、冬木、夜なべ)
長谷川冬虹選
【特選】
生国の戦を知らず鶴来る           武藤主明
蒼天を突き刺してゐる冬木かな        青沼尾燈子
ただいまに返事だけ来る夜なべかな      臼杵政治
枝打たれ裸の群れよ冬木立          上 俊一
【入選】
声に声重ね出水へ鶴来る           齋藤嘉子
うんうんと恋の句作る夜なべかな       平尾 福
冬木立その向こうにも原野あり        服部尚子
ゆつくりとジャムを煮詰める夜なべかな    阿部けいこ
赤き葉を一枚遺す冬木かな          青沼尾燈子
冬木立透かして尖る白き富士         谷村和華子
居久根にも冬木立あり二三本         阿部けいこ
落雷の痕をとどめて冬木かな         上 俊一
妻とゐて一人一人の夜なべかな        武藤主明

長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
大冬木春の目覚めを疑はず          及川由美子
枝打たれ裸の群れよ冬木立          上 俊一
シベリアのしろたへまとひ鶴わたる      石川桃瑪
【特選】
声に声重ね出水へ鶴来る           齋藤嘉子
天空を羽音わたるや鶴来る日         石川桃瑪
冬木とてよれば心のあたたまり        辻奈央子
乱れたる世を次々と鶴渡る          辻奈央子
鶴来るや泣きたきくらい青き空        谷村和華子
まづ子らの望遠鏡に鶴来る          臼杵政治
【入選】
祖母と母夜なべの毛糸色うつくし       服部尚子
糸通し縫ふより難儀夜なべせる        及川由美子
鶴の来て恐竜の声あげにけり         平尾 福
煙草伸す夜なべの記憶かさかさと       佐藤和子
夜なべして包む饅頭三百個          宮本みさ子
落雷の痕とどめたる冬木かな         上 俊一
復興の建屋の天を鶴跳び来          宮本みさ子
無人機の飛び来る中を鶴来たる        平尾 福

古志金沢ズーム句会(2023年10月15日)

俳句的生活 投稿日:2023年10月16日 作成者: dvx223272023年10月16日

第一句座
 当季雑詠

・鬼川こまち選
【特選】
この星のいづくか裂けてダリア咲く    田中紫春
柿の箱洩れくる紀伊の大夕焼       玉置陽子
鯖雲に見へ隠れする地球かな       田村史生
自然薯や日本列島よこたはる       泉早苗
ラグビーの真青き空へ巨体舞ふ      長谷川櫂
靡くコスモスひとはみな死ぬ撃たずとも  田中紫春
おほ空に羊の大群玩亭忌         近藤沙羅
はららごの一大火炎飯の上        玉置陽子
不知火や水俣の裁き七十年        山本桃潤

【入選】
太極拳舞ふや月夜の鶴となり       藤倉桂
火を焚いて太古の月を待つとせん     酒井きよみ
名人は一人奥へと茸狩          氷室茉胡
深秋や「歩」を突く一手始まりぬ     宮田勝
かへり花病める地球を癒さんと      泉早苗
白山は神のまばゆさ鮎落つる       玉置陽子
色鳥やむかし文もて恋をせし       趙栄順
手はじめに木の葉一枚龍田姫       清水薫
冬瓜の味ほどの距離吾が夫婦       氷室茉胡
火のごとく氷のごとく批評あれ      長谷川櫂
花野より出て花野へ鬼遊び        田村史生
一斉に加賀一国の松手入         趙栄順
こほろぎの艶やかに手をこぼれけり    長谷川櫂
しろがねの光の帯や秋の川        梅田恵美子
浅酌両吟月によふてさうらふ       泉早苗

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
先の世はリスの夫婦か栗を剥く      飛岡光枝
白山は神のまばゆさ鮎落つる       玉置陽子
一日をかまけて栗の渋皮煮        飛岡光枝
自然薯や日本列島よこたはる       泉早苗
塩ふつて子芋の素揚げ田舎酒       酒井きよみ
おほ空を羊の大群玩亭忌         近藤沙羅

【入選】
瓢箪のふたつ眠るや月の中        飛岡光枝
掘り出して乳房の色の秋茗荷       稲垣雄二
身の内に獣飼ひならす栗ごはん      鬼川こまち
けがれなき産土であれ芋の露       花井淳
栗の飯丸きこころでいただかん      清水薫
空き家にはあらぬ証か吊し柿       宮田勝
枯れ枝にまだ草の色鵙の贄        稲垣雄二
角伐るや今伐りし角高高と        田村史生
器量よく洗ひ上げたり芋水車       酒井きよみ
報恩講四日つづきの朱の御膳       泉早苗
名人は一人奥へと茸狩          氷室茉胡
蛤と化して雀の焼かれけり        玉置陽子
けさ鶴や戦の空を渡り来き        趙栄順
大甕に裏山の秋活けてあり        稲垣雄二
八方へしぶき飛ばすや芋水車       酒井きよみ
病む母に匙ですくひて新豆腐       稲垣雄二
手はじめに紅葉一枚龍田姫        清水薫
一斉に加賀一国は松手入         趙栄順
はららごの炎えひろがりぬ飯の上     玉置陽子
棉の桃むかしアメリカ土産かな      越智淳子

第二句座
 席題「砧打つ」、「木犀」

・鬼川こまち選
【特選】
腰入れて二人がかりや砧打つ       松川まさみ
恋すれば歩幅を合はす金木犀       間宮伸子
千たび打つ月の光や葛砧         玉置陽子
空耳や砧を打ちし友遥か         松川まさみ
ごつごつと祖母の握り癖古砧       稲垣雄二
白山は白一色へ砧打つ          花井淳
厳めしき職員玄関金木犀         花井淳
金木犀夢のなかまで香るかな       趙栄順

【入選】
み吉野の狐狸が覗くや小夜砧       玉置陽子
憎しみも愛も織りなし打つ砧       田中紫春
砧打つ夢の中まで山の風         安藤久美
砧打つ女の意地は一直線         趙栄順
木犀や町中めぐる富士の水        飛岡光枝
砧うつ始めは音のかろがろと       酒井きよみ
回想録金木犀の香りけり         長谷川櫂
ウクライナハマス他人事砧打つ      近藤沙羅
ひと雨にひとしを香る金木犀       趙栄順
どの路地もうっとりとして木犀の香    川上あきこ

・長谷川櫂選

【特選】推敲例
憎しみも愛も打ち打つ砧かな       田中紫春
小夜砧始めは音のかろがろと       酒井きよみ
この路地もうつとりとして金木犀     川上あきこ

【入選】
打ちひしがるるニュースばかりや金木犀  近藤沙羅
み吉野の狸が覗く小夜砧         玉置陽子
大岡信愛せし町や銀木犀         飛岡光枝
木犀や町中めぐる富士の水        飛岡光枝
白山は白一色や砧打つ          花井淳
母の家に母ゐぬふしぎ金木犀       玉置陽子
木犀の香りの猫となり帰る        稲垣雄二

古志鎌倉ズーム句会(2023年10月8日)

俳句的生活 投稿日:2023年10月9日 作成者: 田中 益美2023年10月9日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
雁渡し追悼句集届きけり        木下洋子
山低き大和へ鵙の日和かな       きだりえこ
対岸は比良の山々十三夜        わたなべかよ
生きのびてこの秋風のいとほしき    吉田順子
世はまさに老人大国鵙高音       澤田美那子
名月に浮かれ出たるや病持ち      園田靖彦
すれ違ひ多くなりしも秋刀魚焼く    関根千方
【入選】
落花生マリオネットのごと出づる    関根千方
変異してまた強くなる螻蛄かな     神谷宣行
秋雨に連歌師の墓濃くそぼつ      湯浅菊子
あつちこちばつたが飛んで草野球    森永尚子
君追ひて流星となり地平線       森永尚子
寒さうな音を立てたる胡桃かな     長谷川櫂
青蜜柑ぎゆつと子供のこぶしかな    藤原智子
ものぐさに生きてこの世は大花野    神谷宣行

•長谷川櫂選
【特選】
鷹渡るもう追ひつけぬ遠さかな    金澤道子
すれ違ひ多くなりしも秋刀魚焼く   関根千方
故郷の残り香と思ふ新酒かな     神谷宣行
全身の脈しつかりと晩夏光      おほずひろし
いつまでも割れぬ胡桃が胸の中       葛西美津子
【入選】
対岸は比良の山々十三夜       わたなべかよ
すだ椎は切り株となり月光に        仲田寛子
いのししの荒らしたるあと薬掘る   仲田寛子
月光にわらぢ干しあり湯殿山     藤英樹
月光や夜の顔となる椎の幹      仲田寛子
大いなる花野の果てはオホーツク   湯浅菊子
行く秋の手足冷たく目覚めたリ    湯浅菊子
まだ青き団栗ひとつ机の上      木下洋子
無花果のぶつくさ言ひて熟れゆくも  園田靖彦
天高し河口湖畔ひとめぐり      吉田順子
衣被裕明不在二十年         木下洋子
こちら岸むかう岸でも芋煮会     藤英樹
秋の灯や天眼鏡にかすむ文字     園田靖彦
あつちこちばつたが飛んで草野球   森永尚子
濁る世へさつとひと刷毛富士に雪   仲田寛子
月山の神も交るか芋煮会       藤英樹
不整脈除去己にもどる今朝の秋    おほずひろし
はるかなる色に熟れゆく通草の実   澤田美那子
長生きをかなしむ母や菊の酒     萬燈ゆき
ひたすらに鳴くこほろぎと長湯かな  澤田美那子
熱病のぬけたる朝や梨をむく     関根千方
胸中の鬼も静かに十三夜          萬燈ゆき
はららごを抜かれて鮭はげつそりと     湯浅菊子

第二句座 (席題:菊膾、蛇笏忌)
•藤英樹選
【特選】
菊膾われら花食ふ国に生き       西川遊歩
句の道をはるかと思ふ蛇笏の忌     きだりえこ
客人をもてなす鯉や蛇笏の忌      田中益美
初雪の便りが届く蛇笏の忌       木下洋子
間髪を入れずお通し菊膾        園田靖彦
【入選】
次々と話の弾む菊膾             澤田美那子
竹林に風のあそべる蛇笏の忌         萬燈ゆき
笊いつぱい茹でてかばかり菊膾     葛西美津子
山柿を剥けば炎や蛇笏の忌       関根千方
秋の蜂あなどるなかれ蛇笏の忌     木下洋子
蛇笏忌の葡萄畑に集いけり       澤田美那子
蛇笏忌の竹ひやひやと寝かせあり        葛西美津子

•長谷川櫂選
【特選】
蛇笏忌の葡萄畑に集ひけり                        澤田美那子
蛇笏忌の竹ひやひやと寝かせあり     葛西美津子
ひさびさに座る畳や菊なます       森永尚子
【入選】
菊膾われら花食ふ国に生く        西川遊歩
日の本の黄やむらさきや菊膾               葛西美津子
手の窪にのせてしぼりぬ菊膾       仲田寛子
笊いつぱい茹でてかばかり菊膾      葛西美津子
姉妹みな白髪頭よ菊膾              金澤道子
口述は終に許さず蛇笏の忌        藤英樹
歯ざわりのあら懐かしや菊膾              吉田順子
一品に加ふ得意の菊膾          田中益美

古志広島ズーム句会(2023年10月1日)

俳句的生活 投稿日:2023年10月1日 作成者: dvx223272023年10月7日

第一句座
・矢野京子選
【特選】
おろし林檎母の唇濡らしけり        米山瑠衣
殻割つてまこと胡桃の命(みこと)かな   長谷川櫂
ポケットの草の実ひとつ大宇宙       城山邦紀
手のひらに胡桃鳴らしてけふの月      金田伸一
銀杏や毒と言はれてもうひとつ       原京子
【入選】
雑草をごぼう抜きして墓洗ふ        城山邦紀
ヴィオロンに月を跳びだす兎かな      原京子
栗百個一気に剥かん小半時         加藤裕子
秋天の壁に落書きトトロ来る        米山瑠衣
根の国の御霊の声か蚯蚓鳴く        安藤文
今生は稲刈までも競ひ合ひ         大平佳余子
枝豆の塩加減よしけふの月         金田伸一
湯浴みして月浴びをする今宵かな      大平佳余子
今年米病院食のしみじみと         矢田民也
もてなしはまづ一献の菊の酒        斉藤真知子
運ばんとぐらりと傾ぐ菊の鉢        斉藤真知子
半分の家族になりぬ栗羊羹         高橋真樹子
月に泣き月に笑うて喜寿迎ふ        大平佳余子
鶉の卵はやも鶉のまだらあり        大平佳余子
山栗のかつと口開く蛇笏の忌        大場梅子

・長谷川櫂選
【特特選】
崩れ簗月影もまた水音も          加藤裕子
心今も傷つきやすし敬老日         矢野京子
十六夜や夜干し終へたる寿         林弘美
【特選】
蓑虫の破れ葉の蓑さむからむ        斉藤真知子
安芸の海へ竹伐り出さん牡蠣筏       加藤裕子
月に泣き月に笑うて喜寿迎ふ        大平佳余子
露の玉はらはらさせてまだ葉先       矢野京子
夏帽を木に掛けしまま山下る        岡村美沙子
【入選】
安らかに母の寝息やけふの月        米山瑠衣
花ニラの花は清らか庭の隅         夏井通江
栗百個一気に剥かん小半時         加藤裕子
腹探るエコー検査や秋の暮         今村榾火
胡瓜茄子ともに届きぬ今年米        伊藤靖子
反骨の骨はぼろぼろ羽抜鶏         大場梅子
今年米病院食のしみじみと         矢田民也
現れて風鈴外す大きな手          菅谷和子
月天心いよいよ深き月の色         菅谷和子
森の木のそれぞれに秋深みゆく       斉藤真知子
手のひらに胡桃鳴らしてけふの月      金田伸一
運ばんとぐらりと傾ぐ菊の鉢        斉藤真知子
半分の家族になりぬ栗羊羹         高橋真樹子
秋風にさらはれさうや杖の母        矢野京子
鶉の卵はやも鶉のまだらあり        大平佳余子
用も無し宛てにもされず柘榴の実      岡村美沙子
ひよんの実を吹いて勝ち負けなかりけり   矢野京子

第二句座(席題:鵙、胡桃)
・矢野京子選
【特選】
熟年を夫婦で迎ふ鬼胡桃          高橋真樹子
玲瓏と双葉の眠る胡桃かな         長谷川櫂
まな板の芯まで乾き鵙の声         石塚純子
【入選】
胡桃餅今年の胡桃もう出たか        長谷川櫂
胡桃割る父の手元を兄弟          石塚純子
鵙高音わが体温の切り替わる        加藤裕子
のこされし胡桃に母の握り艶        神戸秀子
かすかにも吊り橋揺らし鵙のこゑ      矢田民也
掌の胡桃回し回して句をつくる       ももたなおよ
・長谷川櫂選
【特選】
しつくりと麻痺の手にある胡桃かな     瑞木綾乃
しづかなる力をこめて胡桃割る       安藤文
愛玩の二つを残し胡桃割る         矢野京子
【入選】
鵙高音老の歩みをわらふかに        金田伸一
胡桃割る父の手元を兄弟          石塚純子
晩節を汚すなかれや鵙の声         大場梅子
何時の間に庭のあちこち鵙の贄       林弘美
一粒の音して落ちし胡桃かな        高橋真樹子
胡桃割る明日来る人を楽しみに       加藤裕子
丹精の薔薇や鵙きて贄を刺す        大平佳余子
寝静まる家にひとりや胡桃割る       斉藤真知子
のこされし胡桃に母の握り艶        神戸秀子
したたかや打てども割れずこの胡桃     菅谷和子
胡桃割る怒りの音を立てながら       安藤文
右の脳きたへん胡桃鳴らしつつ       金田伸一
あつけなく二つに割れし胡桃かな      矢田民也
ばんざいの形のままや鵙の贄        ストーン睦美
わが頭打つて信濃の鬼くるみ        神戸秀子
掌の胡桃回し回して句をつくる       ももたなおよ

中秋の名月ズーム句会 2023年9月28日

俳句的生活 投稿日:2023年9月28日 作成者: dvx223272023年9月30日
長谷川櫂 選
あ
第一句座
【特々選】
ぼろぼろの地球にあがれけふの月 斉藤真知子
蓑を出て蓑虫あそぶ月夜かな 安藤久美
花頭窓欠けては満ちてくる月を 矢野京子
鮭の修羅月夜の川を遡る 岩井善子
落柿舎も次庵も月の雑魚寝かな 木下洋子
【特選】
足もとに犬眠りゐる良夜かな 飛岡光枝
息殺し金粉を蒔く良夜かな 稲垣雄二
丈高く活けて月待つ花すすき 飛岡光枝
葉隠れに青柚の眠る月の庭 澤田美那子
高空をむささび飛んで森の月 稲垣雄二
月光にリスの埋めたる胡桃かな 葛西美津子
桃のごとき今宵の月を捥ぎとらん 矢野京子
【入選】
青きまま明けゆく空を望の月 岩井善子
ふつふつともろみ呟く月夜かな 北側松太
深閑と月のさし入る苔の庭 きだりえこ
葦の間に眠れる鳰やけふの月 玉置陽子
名月やこれより老後幾十年 葛西美津子
里芋に子芋孫芋月祀る 稲垣雄二
寝はぐれし厠の窓にけふの月 川辺酸模
月が出て人の出てゐる湖畔かな 木下洋子
離れ住む家族そろうて月見せん 越智淳子
虫除けの薄荷の匂ふ良夜かな 葛西美津子
五十年夫と仰ぎぬ今日の月 玉置陽子
もうゐないあなたと祀るけふの月 川辺酸模
月光の一夜あまねし法の山 飛岡光枝
名月やいよいよ白し那智の滝 玉置陽子
サウナ風呂出て月光の水の中 北側松太
花と散る珊瑚の卵けふの月 玉置陽子
しんしんと鮨の馴れゆく良夜かな 玉置陽子
隅々も馴染める庭をけふの月 澤田美那子
しまひ湯を簀子に落とす月夜かな 安藤久美
あ
第二句座
【特々選】
夫在らばどんな夫婦に今日の月 澤田美那子
【特選】
鯥五郎一つ跳ねたり月の潟 川辺酸模
縁側に夕餉を運ぶ良夜かな 澤田美那子
金泥のぬらりと月の鯰かな 岩井善子
【入選】
葱を切る包丁を置く月見かな 稲垣雄二
鮭を打つ棒五六本月夜かな 岩井善子
稲刈つて激しく香る月夜かな 北側松太
蓑虫の寝息立てたる月夜かな 川辺酸模
こくこくと乳吸ふ赤子けふの月 玉置陽子
たまりゆく月の雫か糸瓜水 澤田美那子
叱られて軒端にかかるけふの月 葛西美津子
いま一度雲居の月をみて眠る 飛岡光枝
月こよひ島の外れに曾良の墓 斉藤真知子
月光や桐の一葉の裏表 北側松太
妻の背の湿布の匂ふ良夜かな 飛岡光枝
セーターの花を編み込む良夜かな 稲垣雄二

古志仙台ズーム句会(2023年9月24日)

俳句的生活 投稿日:2023年9月25日 作成者: KAI2023年9月27日

第一句座
・長谷川冬虹選
【特選】
天守より鏑矢ひゆつと秋祭          武藤主明
わが子よりはるかに若し獺祭忌        齋藤嘉子
天上は一気に秋よ鰯雲            上 俊一
業平になりきつてゐる村芝居         那珂侑子
草の穂や鼻寄せあへる犬と犬         及川由美子
【入選】
ぐづぐづと寝屋より出でし龍田姫       青沼尾燈子
地下鉄や夏の終はりの闇の音         長谷川櫂
小鳥来てしきりに妻を呼びにけり       平尾 福
処理水と名を変へ海へ星月夜         武藤主明
名月をへうたんに入れもてなさる       上村幸三
稲刈り機稲の機嫌をこはさずに        宮本みさ子
曼殊沙華鎮守の杜は伐られけり        上 俊一
良い月が出てゐますよと操縦士        平尾 福
秋空に並ぶ二台の車椅子           佐伯律子

・長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
小鳥来てしきりに妻を呼ぶ日かな       平尾 福
稲の香にまみれて昇る棚田かな        武藤主明
よい月が出てゐますよと操縦士        平尾 福
【特選】
わが子よりはるかに若し獺祭忌        齋藤嘉子
離れ住む子の誕生日栗ごはん         長谷川冬虹
鹿垣とおぼしきものが山の中         齋藤嘉子
露けしや鼻寄せあへる犬と犬        及川由美子
【入選】
猫つれて猫戻り来る良夜かな         平尾 福
処理水と名前だけ変へ星月夜         武藤主明
怒るほど心離るる秋の風           青沼尾燈子
新涼のゆるりと香る緑茶かな         阿部けいこ
母に少し用事を頼む敬老日          齋藤嘉子
病む夫の夏の帽子を助手席に         甲田雅子
草取りの進まぬ畑昼の虫           阿部けいこ

第二句座(席題:秋簾、糸瓜水、蚯蚓鳴く)

・長谷川冬虹選
【特選】
蚯蚓鳴く山盧の橋の短かさよ         宮本みさ子
ITの声かも知れず蚯蚓鳴く         平尾 福
干天の慈雨やれやれと蚯蚓鳴く        服部尚子
青空にバーコードのやう秋簾         佐藤和子
【入選】
蓑虫に負けてはならじ蚯蚓鳴く        青沼尾燈子
葱箸で蕎麦をすするや秋簾          武藤主明
効能は祖母の美肌か糸瓜水          及川由美子
若き日の母が使ひし糸瓜水          佐藤和子
おづおづと妻に糸瓜の水渡し         臼杵政治
黒々と原爆ドーム蚯蚓鳴く          三玉一郎

・長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
いつまでも綺麗な女房糸瓜水         平尾 福
裏表色をたがへて秋簾            阿部けいこ
蚯蚓鳴く外に風呂場のありし頃        阿部けいこ
【入選】
使はざる部屋の簾も仕舞ひたり        石川桃瑪
旱天の慈雨やれやれと蚯蚓鳴く        服部尚子
葦抜けてそぞろとなりぬ秋簾         及川由美子
しばらくは残す書斎の秋簾          臼杵政治
寝そびれて声の聞こゆる蚯蚓かな       上 俊一
染みだらけなれど朝晩へちま水        齋藤嘉子
若き日の母が使ひし糸瓜水          佐藤和子

古志金沢ズーム句会(2023年9月17日)

俳句的生活 投稿日:2023年9月18日 作成者: dvx223272023年9月18日

第一句座(当季雑詠)

・鬼川こまち選
【特選】
うす紙に落雁の秋こぼれけり       飛岡光枝
ラ・フランス面影といふ香りかな     趙栄順
曾良の海語りきかせよ渡り鳥       玉置陽子
瀧となり千年ののち君を待つ       長谷川櫂
世をはなれ干潟にあそぶ鴫の群      梅田恵美子
瓜揉んで裏も表もなき暮らし       安藤久美
秋真昼ぬつと寂しき腕二本        松川まさみ
ふらふらの脳細胞や新生姜        酒井きよみ
いちじくの秘めたる花を啜りけり     稲垣雄二

【入選】
秋空へふはり鯊釣る糸舞へり       近藤沙羅
声かけて人のぬくみの墓洗ふ       趙栄順
けさ月へ戻りし妻の笑顔かな       花井淳
レモングラス今宵の月に洗はれて     藤倉桂
露草や母は小さく眠りをり        飛岡光枝
千切れては雲流れゆく秋彼岸       田村史生
真つ青な十四歳の終戦日         山本桃潤
うつちやりに行司も転ぶ草相撲      田村史生
望月はなんと大きな器かな        清水薫
かみ合わぬ臓器あちこち秋暑し      密田妖子
鈴虫に霧ふいて出る留守ひと夜      酒井きよみ
蘭の香や生きてる限り眉を描き      間宮伸子

・長谷川櫂選
【特々選】
いちじくの秘めたる花を啜りけり     稲垣雄二
祖母の訃に五歳号泣秋彼岸        氷室茉胡
ラ・フランス円熟の尻かがれたり     松川まさみ
マスカット水跳ね返す水の中       玉置陽子
うつちやりに行司も転ぶ草相撲      田村史生

【特選】
うす紙に落雁の秋こぼれけり       飛岡光枝
白山へいよいよ白し風の道        安藤久美
いつまでも秋の団扇を傍らに       飛岡光枝
町中の水に柳の散る日かな        飛岡光枝
酢橘しぼる酢橘の花を思ひつつ      安藤久美
玉なれと一句磨くや茶立虫        松川まさみ
かみ合わぬ臓器あちこち秋暑し      密田妖子

【入選】
老眼に辞書をひきよせ秋灯        橋詰育子
尻ゆすりムジナ消えたり萩の花      密田妖子
親指の腹すべらせて鰯裂く        玉置陽子
電子辞書片へに句集良夜かな       藤倉桂
上の菊橋下の菊橋十三夜         松川まさみ
日差しより雨に親しき芭蕉かな      氷室茉胡
稲刈つて田圃千枚明らかに        清水薫
川音も囃子してゐるや風の盆       宮田勝
この道は能登線の跡虫しぐれ       清水薫
花芙蓉夕べは紅をふかめけり       橋詰育子
曾良の島の話きかせよ浜千鳥       玉置陽子
けふよりもきのふが近し秋簾       玉置陽子
いつの間に腕を組みたる秋思かな     橋詰育子
もがく蛾をすくつて捨つる秋団扇     稲垣雄二
有り余る小さな秋の金魚かな       越智淳子
日々に減りる貯へ釣瓶落しかな      氷室茉胡
吟味するほどの穴なし穴惑        泉早苗
瓜揉んで裏も表もなかりけり       安藤久美
秋真昼ぬつと寂しき腕二本        松川まさみ
小鳥来よ眼を病んでゐる母へ       安藤久美
白山の水はつめたし新豆腐        趙栄順
スカスカの脳細胞や新生姜        酒井きよみ
酒豪の血子へ脈々と新酒かな       氷室茉胡
がちゃがちゃの鳴きていよいよ一人かな  川上あきこ
色白く味濃く母の衣被          越智淳子
無花果は乳房でありぬ捥ぎにけり     藤倉桂
バツタとぶ今朝降りし雨きらめかせ    近藤沙羅
もう出せぬ母への手紙けふの月      玉置陽子
聡太もゐ翔平もゐる案山子かな      田村史生
鈴虫に霧ふいて出るひと夜かな      酒井きよみ
老犬と交はす眼差し秋の夜        山本桃潤
病む星に白露重陽秋の月         泉早苗
せせらぎの音のしてゐる花野かな     橋詰育子
蝶番外れたる木戸大野分         川上あきこ
秋あかね石のぬくみに休みをり      泉早苗
余生なほまだまだ続く鰯雲        梅田恵美子
奥能登へ霧流れけり松林図        山本桃潤

第二句座(席:運動会、蟋蟀)

・鬼川こまち選
【特選】
虫の闇みな蟋蟀に聞こえたる       泉早苗
コロコロリ閻魔こおろぎ誰裁く      間宮伸子
校長の靴は真つ白運動会         趙栄順
こほろぎの声やむときの淋しかり     近藤沙羅
こほろぎや月の出しも知らざりき     近藤沙羅
白線の空へ伸びゆく運動会        藤倉桂
ちちろ虫人なき里を守りをり       清水薫

【入選】
こおろぎや子ら脱ぎ散らす靴の陰     安藤久美
アンカーは少女よ区民運動会       氷室茉胡
山廬いま美しき闇ちちろ虫        趙栄順
こほろぎの声をたよりに歩きけり     橋詰育子
足腰をのばし玉入れ運動会        酒井きよみ
目印は虹の靴下運動会          田村史生
伴走もゐる車いす運動会         宮田勝
アベック走男子ひきずり一等賞      密田妖子
蟋蟀は雨夜の闇さへ囃しけり       越智淳子
こほろぎや憂きこと知らぬ仏たち     宮田勝
運動会今も歌える校歌かな        間宮伸子
一番に祖母が席取り運動会        酒井きよみ
いなり寿司若き母との運動会       梅田恵美子
運動会父の自慢の土踏まず        玉置陽子

・長谷川櫂選
【特選】
香林坊にあまた闇ありちちろ虫      鬼川こまち
島中の人の走るや運動会         飛岡光枝
犀星の碑を宿としてちちろ虫       清水薫
蟋蟀の声麗しき顔知るや         山本桃潤
白線の空へ伸びゆく運動会        藤倉桂

【入選】
蟋蟀や死を考ふる顔しづか        松川まさみ
こほろぎの声をたよりに歩きけり     橋詰育子
こほろぎや小菊縫ひ取る金の糸      玉置陽子
ブルーマーの脚細かりし運動会      越智淳子
アベック走男子ひきずり一等賞      密田妖子
屑茄子のかけらに鳴くかちちろ虫     稲垣雄二
今は無きパン食ひ競争運動会       飛岡光枝
我去りし鏡に宿るちちろ虫        松川まさみ
運動会父の自慢の土踏まず        玉置陽子

10月20日から「交通総合文化展2023」

俳句的生活 投稿日:2023年9月13日 作成者: KAI2023年9月14日

第70回「交通総合文化展2023」(公益財団法人日本交通文化協会  )

会期:10月20日(金)ー25日(水)9時ー19時

会場:JR上野駅 中央改札口外グランドコンコース

NHK「英雄たちの選択」10月14日再放送

俳句的生活 投稿日:2023年9月11日 作成者: KAI2023年10月21日

NHK「英雄たちの選択 “奥の細道”への道〜松尾芭蕉 五・七・五の革命〜」がBSプレミアムで再放送されます。

【BSP】2023年10月14日(土)14:00〜14:59

古志鎌倉ズーム句会(2023年9月10日)

俳句的生活 投稿日:2023年9月11日 作成者: 田中 益美2023年9月11日

第一句座
•藤英樹選
【特選】
焼肉か鰻にするか敬老日        田中益美
骨と化す木の根草の根秋の風      葛西美津子
不器用に生きながらへて濁り酒     湯浅菊子
まどかならん大きからんや島の月    藤原智子
夢醒めて秋の金魚となりゐたり     萬燈ゆき
世界中敵と思へる残暑かな       萬燈ゆき
秋されや象は足裏に音を知る      升谷正博
【入選】
縋るなよ我もよろよろ名残の蚊    きだりえこ
月の水しづかに満ちて巨椋池     森永尚子
竜胆や天に定まる黒き富士      神谷宣行
体内のあちらこちらに秋の声      関根千方
長生きの村の百福草の花        きだりえこ
瀧の句は瀧のごとくに鳴りにけり    長谷川櫂
鯊釣つて今日一日を空白に       田中益美
黒よりも黒き一反水澄めり       葛西美津子
籐椅子に坐れば見ゆる瀧のあり     長谷川櫂
曾良眠る壱岐にとどろく秋の波     木下洋子
一切の煩悩風に捨て扇         神谷宣行
この国の空気はくるしゑのこ草     関根千方
菊の日や茎のごとくに母の脚      関根千方

•長谷川櫂選
【特選】
夢醒めて秋の金魚となりゐたり     萬燈ゆき
端然と秋一切のカステーラ       澤田美那子
曾良眠る壱岐にとどろく秋の波     木下洋子
【入選】
熊よけの爆竹響く秋高し       葛西美津子
鱗雲母の病室窓開けよ        田中益美
妹を見舞ひて帰る月の道       金澤道子
新涼や東海道に富士現るる      田中益美
まどかならん大きからんや島の月   藤原智子
人の世の隅に蚯蚓の歌聞かん     イーブン美奈子
そこここと庭掘り返す九月かな    澤田美那子
母在さば白寿の祝ひ栗きんとん    わたなべかよ
世界中敵と思へる残暑かな      萬燈ゆき
咀嚼できぬ母へ搾るや梨の水     神谷宣行

第二句座 (席題:露、鶺鴒)
•藤英樹選
【特選】
妻と我いつか一つの露の玉      長谷川櫂
赤ん坊に智慧の兆すや露の玉     長谷川櫂
笑ふしか術なき露の世なりけり    森永尚子
ひとり居に何うながすや石叩き    澤田美那子
芋の露こぼれ言葉のこぼれをり    藤原智子
一粒の露ともならぬ地球かな     神谷宣行
【入選】
露吸うて砂漠に生きる虫一つ     関根千方
しら露に包み込まれし大伽藍     関根千方
天も地もあついあついと石叩き    萬燈ゆき
露けしや娘三人嫁に出し       わたなべかよ
手で拭いてサドルの露や塾終へる   田中益美
少年の詠ふ孤島や石叩き       西川遊歩
明けぬ間に父母の出かける露の畑   木下洋子
足元の濡れるも嬉し今朝の露     澤田美那子
墨摺るやこの白珠の朝の露      きだりえこ

•長谷川櫂選
【特選】
石叩たたき疲れて飛び去りぬ      金澤道子
濁流のあとを叩きぬ石叩き       藤英樹
鶺鴒の身をひるがへす光かな      森永尚子
鶺鴒の叩く露けき石ひとつ           葛西美津子
石叩きここは地獄か天国か       関根千方
【入選】
島中を新聞配達草の露          田中益美
地球もつと暑くなるぞと石叩      神谷宣行
そこらじゆう叩きつくすか石たたき   森永尚子
明けぬ間や父母の出かける露の畑    木下洋子
白露や日の出ぬ前の一仕事       園田靖彦
石叩すいと水から青空へ        きだりえこ
笑ふしか術なき露の世なりけり     森永尚子
ひとり居に何うながすや石叩き     澤田美那子
秋篠は水麗しと石叩              きだりえこ
心して句集開くや露の秋        木下洋子
鶺鴒のけふは機嫌のリズムかな         仲田寛子
どの石も気に入らぬらし石叩      金澤道子
血の匂ふ六条河原石叩き        萬燈ゆき

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読売新聞「四季」から

短き日障子の内の暮れかゝる   松瀬青々

 障子は照明の道具でもある。外光を漉し、部屋を柔らかな明かりで満たす。夜はわずかな光を集めてあたりを照らす。ただでさえ早々と夕暮れる冬の午後、白々と浮かぶ障子のかげに、ほのかな明かりとも影ともつかぬものが漂っている。『松瀬青々全句集』下巻

 

「神宮外苑再開発計画」についてご意見をお寄せください

東京都心、神宮外苑(港区、新宿区)の再開発計画が進んでいます。再開発を計画しているのは三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事。

明治天皇没後、大正時代に植えた樹齢100年を超える樹木971本を伐採するという無謀な計画です。

この問題についてのご意見をおもちの方は簡潔にまとめ、見出しをつけて下のメニューの「お問い合せ」から事務局へお送りください。このサイトで公開します。個人、団体への誹謗、中傷、匿名のご意見は掲載しません。

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    株式会社ふじさわびと
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    『四季のうた 雨ニモマケズ』
    中公文庫
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    『和の思想』
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    『俳句と人間』(3刷)
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    2022年1月刊行


    100分de名著『おくのほそ道』(10刷)
    NHK出版
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    2014年10月刊行


    『四季のうた 美しい日々』
    中公文庫
    800円+税
    2022年1月刊行


    句集『太陽の門』
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    2021年8月刊行


    『四季のうた 天女の雪蹴り』
    中公文庫
    800円+税
    2021年1月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(二)
    長谷川櫂 編
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    2019年12月刊行


    『四季のうた 普段着のこころ』
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    2019年12月刊行


    大岡信『折々のうた』選 俳句(一)
    長谷川櫂 編
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    780円+税
    2019年11月刊行


    『歌仙一永遠の一瞬』
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    2019年1月刊行


    『歌仙はすごい』
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    2019年1月刊行


    『四季のうた 至福の時間』
    中公文庫
    700円+税
    2018年12月刊行


    『九月』
    青磁社
    1800円+税
    2018年8月刊行


    『Okinawa』
    Red Moon Press
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    俳句 長谷川櫂
    英訳 デイヴィッド・バーレイ&田中喜美代(紫春)
    2018年5月刊行


    『俳句の誕生』(4刷)
    筑摩書房
    2300円+税
    2018年3月刊行


    『四季のうた 想像力という翼』
    中公文庫
    700円+税
    2017年12月刊行


    『芭蕉さん』
    俳句・芭蕉 絵・丸山誠司
    選句解説・長谷川櫂
    講談社
    1500円+税
    2017年3月刊行


    『震災歌集 震災句集』
    青磁社
    2000円+税
    2017年3月刊行


    『四季のうた 文字のかなたの声』
    中公文庫
    600円+税
    2016年12月刊行


    藤英樹著『長谷川櫂 200句鑑賞』
    花神社
    2500円+税
    2016年10月刊行


    『文学部で読む日本国憲法』
    ちくまプリマー新書
    780円+税
    2016年8月刊行


    『日本文学全集12』松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶
    松浦寿輝、辻原登、長谷川櫂選
    河出書房新社
    2,600円+税
    2016年6月刊行


    『四季のうた 微笑む宇宙』
    中公文庫
    700円+税
    2016年3月刊行


    『芭蕉の風雅 あるいは虚と実について』
    筑摩選書
    1,500円+税
    2015年10月刊行


    『沖縄』
    青磁社
    1,600円+税
    2015年9月刊行


    『入門 松尾芭蕉』
    長谷川櫂 監修
    別冊宝島
    680円+税
    2015年8月刊行


    『歌仙一滴の宇宙』
    岡野弘彦、三浦雅士、長谷川櫂
    思潮社
    2000円+税
    2015年2月刊行


    『吉野』
    青磁社
    1,800円+税
    2014年4月刊行
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    そのほかの本

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