夜の句会(四月五日 戎館) 十九名 十句出句 五句選
長谷川櫂 選 *お直し後の句を掲載
特 選
軋ませて花のまほらへロープウェイ 田村史生
ひとひらは意思あるごとし花吹雪 高橋慧
咲きみちて昏れゆく花のしづけさよ 葛西美津子
入 選
御朱印帳花をはさんで閉ぢにけり 藤英樹
吉野山歳時記千句花ふぶく 葛西美津子
花ごろも軒に干したり吉野建 宮本みさ子
うち寄せる花の怒涛や吉野建 玉置陽子
花の波うねりかへすや吉野建 髙橋真樹子
箸にする杉干してあり花の昼 飛岡光枝
花の句のてんでに躍る屏風かな 田村史生
み吉野の霞のほろと桜菓子 稲垣雄二
春の雪テントを灯すたこやき屋 宮本みさ子
恐ろしき花の道あり金峯山 田村史生
ひとひらの花を浮かべて葛羊羹 髙橋真樹子
めでたくも皆老いたりな花の句座 木下洋子
きだりえこ 選
特 選
花の宿とうに世になき人ばかり 長谷川櫂
初花を心に一生大岡忌 飛岡光枝
見えますか花の杖もて母との歩 谷村和華子
入 選
ぎしぎしと花のまほらへロープウェイ 田村史生
原発忌みさ子怒りの餅となれ 藤英樹
鬼の眼を踏んで見にゆく桜かな 稲垣雄二
めでたくも皆老いにけり花の句座 木下洋子
さつきまで父母在りし花筵 玉置陽子
朝の句会(四月六日 櫻花壇) 二十名 十句出句 五句選
長谷川櫂 選 *お直し後の句を掲載
特 選
餅屋句集あをあをと香る蓬かな 飛岡光枝
山彦の吹き散らしたる桜かな 玉置陽子
桜鮎口を貫く竹の串 稲垣雄二
花見舟櫻花壇を漕ぎ出しぬ 西川遊歩
墨痕を花と散らしぬ吉野紙 ももたなおよ
ひとつまた花に朽ちゆく吉野建 葛西美津子
入 選
満山の花に呆けて今朝の句座 田村史生
うぐひすの一声雨の上がるべし 葛西美津子
ひと汐の鮎のひらきも花のいろ 葛西美津子
ととが搗きかかが丸める柏餅 きだりえこ
朝粥の花うち分ける箸の先 玉置陽子
花見へと皆出払つて製材所 田村史生
花びらをつけてナイキの小さき靴 葛西美津子
草餅の湯気たててゐる句集かな 飛岡光枝
花冷の鈴の音する吉野山 三玉一郎
杉箸の香りに花を惜しみけり 髙橋真樹子
朝茶粥ひと日を花とあそべとや 髙橋真樹子
きだりえこ 選
特 選
花湧きて亡き人のみな近づきぬ 谷村和華子
跡継ぎの揺れる心や花おぼろ 西川遊歩
草の餅湯気たててをり初句集 飛岡光枝
今朝開く花の息吹の霞かな ももたなおよ
入 選
闇の中花のにほひて眠られず 飛岡光枝
花びらをつけてナイキの小さき靴 葛西美津子
中空に立ち濡れてゐる桜かな 玉置陽子
人柄のよきこと尊し大岡忌 西川遊歩

