古志仙台ズーム句会(2025年3月23日)
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
赤鬼の顔して負けて浪速場所 及川由美子
母の香の残れる家へ初燕 川辺酸模
黒板にひらがなだけの卒園歌 佐伯律子
卒園や振り向きもせず登園す 佐伯律子
黒板の師の似顔絵や卒業す 臼杵政治
【入選】
点滴で存へ五年星朧 上 俊一
桜鯛かぶとを割りて潮汁 服部尚子
大白鳥まほらを目指し脚伸ばし 谷村和華子
犬も服着る世となりぬ春の風 那珂侑子
わが骨灰みなこへ投げよ春の波 臼杵政治
まさぐりし祖母の乳房よ辛夷咲く 齋藤嘉子
壁抜けし校舎は原発忌のすがた 宮本みさ子
みごとなる角落ちてゐき雪の上 長谷川櫂
白木蓮や母を恋しと母は言ふ 谷村和華子
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】下段は
ひと村を包める蚕時雨かな 齋藤嘉子
咲みちて母が母恋ふ白木蓮 谷村和華子
【特選】
青き星にじむさよりの一夜干し 上 俊一
笑はざる母となりけり草の餅 川辺酸模
盛岡の清しき朝よ雪解川 長谷川冬虹
静けさの何やら動く木の芽かな 石川桃瑪
太陽へ引きずり揚ぐる若布かな 三玉一郎
【入選】
点滴で五年存へ人朧 上 俊一
桜鯛かぶとを割りて潮汁 服部尚子
裏表確かめ海苔を飯にのせ 上 俊一
塗畦のまつすぐにして曲がりけり 三玉一郎
母の香の残れる家へ初燕 川辺酸模
犬も服着る世となりぬ春の風 那珂侑子
春雨や大きな犬の浮かぬ顔 上村幸三
ぶらんこの少年何に怒れるや 上村幸三
排尿のあとの春眠心地よき 上 俊一
春帽子買う気にさせてゐる鏡 辻奈央子
わが言葉砥石にかけん梅真白 長谷川冬虹
春蘭の増ゆる花芽を数へけり 阿部けいこ
山上に乙女踊るか花辛夷 齋藤嘉子
【第二句座】(席題:雁帰る、花見、柳絮)
長谷川冬虹
【特選】
草の葉にしばしやすらふ柳絮かな 長谷川櫂
縄文の水場の跡や柳絮飛ぶ 上 俊一
落城にあらず開城柳絮とぶ 武藤主明
喪の明けし大きな空を雁帰る 三玉一郎
【入選】
微笑んで柳の花粉症と言ふ 平尾 福
青空に声のさざ波雁帰る 佐藤和子
霊園を一周したる花見かな 那珂侑子
晩翠の歌碑を背にして花見かな 武藤主明
冥界へ身を乗り出して花見かな 三玉一郎
大利根を渡つて常陸柳絮飛ぶ 上 俊一
隊列を組み直しては雁帰る 川村杳平
研がれたる言葉の塵の柳絮かな 三玉一郎
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
長安の陽はなほ高し柳絮とぶ 上村幸三
立ち止まり行き帰りては花見かな 那珂侑子
研がれたる言葉の塵の柳絮かな 三玉一郎
【入選】
ふるさとの力士自慢や花見舟 平尾 福
大利根を渡れば常陸柳絮飛ぶ 上 俊一
二頁に余る花見の日記かな 宮本みさ子
