東京新聞に3月16日から西村麒麟さんの「私の東京物語」が掲載されています。西村さんは「古志」同人、この春「麒麟」を創刊、主宰となります。
10回連載です。掲載日は、
①16日
②17日
③21日
④22日
⑤23日
⑥24日
⑦28日
⑧29日
➈30日
⑩31日
東京新聞に3月16日から西村麒麟さんの「私の東京物語」が掲載されています。西村さんは「古志」同人、この春「麒麟」を創刊、主宰となります。
10回連載です。掲載日は、
①16日
②17日
③21日
④22日
⑤23日
⑥24日
⑦28日
⑧29日
➈30日
⑩31日
昨秋、山梨県立文学館の飯田蛇笏・龍太文学碑の第8回碑前祭での講話「「一月の川一月の谷の中」はなぜすばらしいのか」が、「山廬」(山廬文化振興会)の最新号(第31号、2023年2月25日発行)に掲載されています。
この講話は龍太の世界について話したのですが、私にとってもおそらく重大な転機となる内容ですので、ぜひお読みください。
このさい、ぜひ山廬文化振興会の会員となることをお勧めします。
山廬文化振興会 https://www.sanrobunka.comz
神奈川県藤沢市のタウン誌「ふじさわびと」第26号(2023年1月)にインタビューが掲載されています。「ネット投句」も紹介されています。
藤沢市内の配布場所で手に入ります。お問い合わせは「ふじさわびと」遊行通り編集室へ。
■Webふじさわびとインタビューページ
https://www.fujisawabito.net/report/208/
■「ふじさわびと」第26号デジタル誌面
https://drive.google.com/file/d/175bTLRD6yRBBZ_02rTn75aGOyL6aa6S5/view?usp=drivesdk
第一句座(飴山忌、当季雑詠)
・鬼川こまち選
【特選】
千枚田雲の裾より耕せり 玉置陽子
大朝寝桃源郷に鳥の声 酒井きよみ
ぼんぼりのつとゆるるとき雛の息 田中紫春
滾る湯に極太うどん山の春 藤倉桂
野馬となりて去りたき日和かな 松川まさみ
たおやかに百年生きよ桃の花 安藤久美
学舎に戦の記憶飴山忌 泉早苗
飴山忌山河の石となり眠る 藤倉桂
ほのぼのと酒蒸し饅頭實の忌 花井淳
花を待つ心のままに逝かれけり 飛岡光枝
初蝶来がれきの街へ花のごと 安藤久美
【入選】
粘土練る手に春がくっついてくる 川上あきこ
白山の神と流るる雪解川 花井淳
實忌や加賀国原に芽吹く声 川上あきこ
ふらここやせつなせつなに死を忘れ 趙栄順
春月は湖を飲みこむ飴山忌 間宮伸子
初花の川面のほてり飴山忌 宮田勝
白山の空を落ちくる雲雀かな 趙栄順
杉玉のひかり鮮し飴山忌 松川まさみ
初蝶や天よりこぼれくるごとく 橋詰育子
鋤きおこす土の命や實の忌 安藤久美
初花を待ちて閑かや實の忌 田村史生
手取川酌み交はしたき實の忌 酒井きよみ
燕来るなり日本に村いくつ 佐々木まき
おぼろの夜言葉の森に迷ひこみ 間宮伸子
さても我孫弟子ならん飴山忌 泉早苗
・長谷川櫂選
【特々選】
白山の空を落ちくる雲雀かな 趙栄順
飴山忌山河の石となり眠る 藤倉桂
ふる里を枕に眠る實の忌 清水薫
【特選】
飴山忌言葉がとても清潔な 山本桃潤
何時も行く堤を父と卒業す 山本桃潤
一心に花の声聞く飴山忌 飛岡光枝
追福の百句を編まん飴山忌 宮田勝
鮒鮨のくれなゐ選るや飴山忌 玉置陽子
山の池の鯉で持て成す山の春 藤倉桂
【入選】
串熱き雪代山女飴山忌 飛岡光枝
蜥蜴出て背中ぬくめる實の忌 梅田恵美子
竹皮に包むあんころ實の忌 泉早苗
白魚飯いづこの川の香ならん 趙栄順
滾る湯に極太うどん山の春 藤倉桂
金沢に飴山忌あり美しき 趙栄順
ふと聞いて嬉しやけふの初蛙 橋詰育子
杉玉のひかり鮮し飴山忌 松川まさみ
野馬となりて去りたき日和かな 松川まさみ
鋤きおこす土の命や實の忌 安藤久美
初花を待ちて閑かや實の忌 田村史生
手取川酌み交はしたき實の忌 酒井きよみ
はくれんに傷一つなき飴山忌 稲垣雄二
日射しあび白山まぶし實の忌 梅田恵美子
燕来るなり日本に村いくつ 佐々木まき
さても我孫弟子ならん飴山忌 泉早苗
ほろ苦き能登の菜漬けや飴山忌 田村史生
能登やいま石蓴掻くころ實の忌 酒井きよみ
ほのぼのと酒蒸し饅頭實の忌 花井淳
第二句座(席題:春爛漫、楤の芽)
・鬼川こまち選
【特選】
楤の芽を摘みゆく一句一句かな 飛岡光枝
春爛漫天才同志さす将棋 間宮伸子
珠洲行きのバスは満席春爛漫 清水薫
春爛漫兵の墓には草の花 稲垣雄二
多羅の芽の揚げて香し和紙の上 花井淳
春握るたらめそのまま天ぷらに 稲垣雄二
師の言はときに匕首(あいくち)うどもどき 氷室茉胡
【入選】
楤の芽に飛びつく手の甲傷だらけ 藤倉桂
空にある木をひん曲げて楤を摘む 稲垣雄二
人を待つ春爛漫の金沢よ 花井淳
たらの芽やきのふの雨に輝けり 近藤沙羅
楤の芽を摘むや室戸の潮風に 橋詰育子
がれきの国春爛漫になほ思ふ 梅田恵美子
春爛漫いづこに行くも實の忌 近藤沙羅
楤芽摘む妻の背かくも丸くなり 氷室茉胡
惚けるにまかす楤芽や春爛漫 玉置陽子
らんまんの春はどこかに人さらひ 川上あきこ
金沢に春爛漫の句座はあり 田村史生
春爛漫孫に誘はれトランポリン 氷室茉胡
・長谷川櫂選
【特選】
空にある木をひん曲げて楤を摘む 稲垣雄二
たらの芽の採りつくされし山の道 梅田恵美子
清盛の扇子の招く春爛漫 田中紫春
【入選】
伐採の跡やたらの芽摘み余る 酒井きよみ
この庭の春爛漫の暮れゆけり 飛岡光枝
たらの芽やきのふの雨に輝けり 近藤沙羅
春爛漫天才同志さす将棋 間宮伸子
楤の芽を摘むや室戸の潮風に 橋詰育子
春爛漫孫に誘はれトランポリン 氷室茉胡
神宮外苑再開発について、昨今の状況は楽観はできないものの、粘り強い見直しを求める様々な動きも続いています。今朝の新聞を見たところ、坂本龍一さんが小池都知事らにあてて手紙を書いたことが掲載されていました。何事も、あきらめてはいけないと思います。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/238684
https://news.yahoo.co.jp/articles/22dd1eadf3071230559ab075ae0e436f511bf874
「俳壇」(本阿弥書店)3月号に「櫻花壇」10句が載っています。
第一句座
•藤英樹選
【特選】
いくたびも撫でつけて鶏闘はす イーブン美奈子
雪の水雪を走りて雪の中 長谷川櫂
海に出て小さき東京鳥帰る 神谷宣行
さへづりは命の丈を越えにけり 森永尚子
いくつもの戦越えきし雛かな 萬燈ゆき
朦朧といまだ眠れる春田かな 園田靖彦
【入選】
職退いてなんて大きな春の月 葛西美津子
撫肩の栄螺ばかりや籠の中 葛西美津子
戦争の塵もまじりて霾れり 関根千方
今もなほ人を待ちたる春炬燵 藤原智子
プリプリの宇和の鯛めし風光る わたなべかよ
遺書かきて少しメランコリー花曇 湯浅菊子
恐るべき老人であれ草の餅 神谷宣行
•長谷川櫂選
【特選】
いくたびも撫でつけて鶏闘はす イーブン美奈子
くれなゐの色に酔ひつつ雛飾る 萬燈ゆき
若鮎の色に染まりぬ千曲川 吉田順子
つばくろの掠めて花屋自転車屋 長井はるみ
恐るべき老人であれ草の餅 神谷宣行
【入選】
職退いてなんて大きな春の月 葛西美津子
まづは一献沖漬の蛍烏賊 金澤道子
どす黒き津波の海に春の月 藤英樹
剪定の音遠近に蜜柑山 きだりえこ
礒鷲の舞ヘル真下に魞を挿す 曽根崇
撫肩の栄螺ばかりや籠の中 葛西美津子
三万人帰らぬ故郷地虫出づ 藤英樹
我に見え君に見えざる蝶ひとつ 萬燈ゆき
東日本大震災忌米を研ぐ 藤英樹
乗込の鯛もおどろく汚染水 藤英樹
戦争の塵もまじりて霾れり 関根千方
青銅に殷の金文ひばり鳴く 仲田寛子
海に出て小さき東京鳥帰る 神谷宣行
亀鳴くや箍の外れた国に棲み きだりえこ
プリプリの宇和の鯛めし風光る わたなべかよ
白木蓮残し母屋の壊さるる 田中益美
第二句座(席題:馬刀貝、春泥)
•藤英樹選
【特選】
引き抜いて馬刀貝採りの果てもなや 澤田美那子
一塊の春泥なるや三笠山 きだりえこ
戦後てふ言葉は死にき春の泥 萬燈ゆき
馬蛤貝や余さずすするバター汁 森永尚子
馬刀掘るや顔に飛び来る塩の水 おほずひろし
春泥は白く乾きぬランドセル 長井はるみ
【入選】
5 洗つても落ちぬ春泥ラガーシャツ 木下洋子
14 春泥に蓆のせたり婚の家 曽根崇
34 馬刃貝の殻からからと風に鳴る 葛西美津子
39 盗塁を決めて誉の春の泥 木下洋子
46 ゆくところゆくところまた春の泥 関根千方
66 馬刀の身は殻のかたちに従ひぬ 長谷川櫂
70 馬蛤貝を掘るや一日長きこと 藤原智子
71 馬刃貝の愚鈍なる身を火の上へ 葛西美津子
•長谷川櫂選
【特選】
一塊の春泥なるや三笠山 きだりえこ
春泥の中なめらかに水流る 曽根崇
盗塁を決めて誉の春の泥 木下洋子
【入選】
引き抜いて馬刀貝採りの果てもなや 澤田美那子
馬刀掘るや顔に飛び来る塩の水 おほずひろし
馬蛤貝のうつかり顔を出しにけり 藤原智子
第一句座
・矢野京子選
【特選】
よぢ登る八十歳の壁紅白梅 上松美智子
春一番国引く神の背を押して 菅谷和子
春泥のやがて固まる一句かな 駒木幹正
親不孝親あればこそ花菜飯 河本秀也
潜りては涙拭うて残る鴨 米山瑠衣
【入選】
かたびら雪触れなんとして翻る 長谷川櫂
すみれ咲く君が戻りてきしごとく 斉藤真知子
どこからか鳥の呼ぶ声春の森 伊藤靖子
ものの芽や深き赤より緑萌ゆ ストーン睦美
一箱の葉に巣ごもれり桜餅 長谷川櫂
空よりも土の明るき落椿 石塚純子
作務終へて腰の小篭に山椒の芽 原京子
波音はオラショの声か桜貝 大場梅子
鯥五郎恋をするのも泥まみれ 斉藤真知子
・長谷川櫂選
【特選】
すみれ咲く君が戻りてきしごとく 斉藤真知子
花見上ぐ友ペットロス吾夫ロス 岡村美沙子
春寒し娘が掛ける老眼鏡 菅谷和子
波音はオラショの声か桜貝 大場梅子
鯥五郎恋をするのも泥まみれ 斉藤真知子
【入選】
かすむ目に大いなるかな春の月 金田伸一
どこからか鳥の呼ぶ声春の森 伊藤靖子
よぢ登る八十歳の壁紅白梅 上松美智子
強き名をつけてやりたき子猫かな 矢野京子
句座あれば今日も来ている菫かな 高橋真樹子
初蝶や象の尻尾と戯れる 城山邦紀
上りきて下りゆくかな花遍路 矢田民也
風に乗りカイトサーフイン春の人 矢野京子
風吹けば風とじやれ合ふ花菜かな 河本秀也
第二句座(席題:草青む、雉)
・矢野京子選
【特選】
わたくしに今幾たびの草青む 岡村美沙子
胸を張りだうだうと雉国鳥ぞ 原京子
草青みファーストシューズ下ろしけり 矢田民也
【入選】
胸の子を下ろすやあたり草青む 神戸秀子
草青む瓦礫の山の隙間かな 林弘美
草青む寅さんふらり堤から 大平佳余子
草青む猫は蛇口の水が好き 駒木幹正
庭に出よ身を動かせと草青む ももたなおよ
転勤の町に一年草青む 石塚純子
雉鳴いて吉野の小道さえわたる 夏井通江
・長谷川櫂選
【特選】
わたくしに今幾たびの草青む 岡村美沙子
胸の子を下ろすやあたり草青む 神戸秀子
草青むころには癒へんこの身かな 矢野京子
草青む馬全身をよこたへて 斉藤真知子
聞こへざる耳に雉鳴く草の原 矢野京子
【入選】
この山の主と名乗れる雉子かな 石塚純子
コンビニへ百歩の道や草青む 矢田民也
吉野建て揺れてをるかやきぎす啼く 大平佳余子
歳時記を読めぬ眼や雉の声 金田伸一
失ひし日々遙かなり草青む 城山邦紀
草青む小さき蕾を震はせて ももたなおよ
転勤の町に一年草青む 石塚純子
平和への思いの丈を雉鳴けり 矢野京子
雉子の声新緑の森突き抜けて 伊藤靖子
雉鳴いて雨降山は見えぬまま 神戸秀子
北鎌倉の円覚寺にお墓にいい場所が見つかり、永代供養をお願いすることになりました。入るのはいつになるかまだわかりませんが、家内と二人だけで入ることにしています。
『俳句と人間』に書いたとおり、円覚寺は横田南嶺老師のおられるお寺です。北鎌倉駅から歩いて3分。山門を入って右手奥の高台です。正面に山桜の山が望めます。きょうは境内の梅が満開でした。やがて桜も咲きます。
墓石のデザインはこれからですが、来年春には完成の予定です。お花見がてらお越しください。
第一句座
・長谷川冬虹選
【特選】
忽然と柩現る春野かな 三玉一郎
鬼とても子あり親あり鬼やらふ 長谷川櫂
朧にて死ぬることさへ忘れをり 川辺酸模
鳥帰るひの字くの字と列を替へ 及川由美子
【入選】
鋤かれずに花のままなりげんげん田 上 俊一
生え変はる歯形の残る春苺 佐伯律子
春愁ひこの骨壺は狭いぞと 青沼尾燈子
うららかや胎児もろとも伸びをせむ 谷村和華子
のどかにも見えて競争蝌蚪の国 齋藤嘉子
砲弾のごとく寒鯉鎮もれり 武藤主明
楸邨の大樹呼びこむ百千鳥 宮本みさ子
さつきからついて来るなり春の月 平尾 福
野焼あと真白き骨のありにけり 三玉一郎
潮風をたらふく食うて海苔育つ 辻奈央子
・長谷川櫂選
【特選】
春朧棺に入れし十一句 青沼尾燈子
蛤は雀の日々を懐かしむ 平尾 福
蛤も口閉ぢるほど冴え返る 辻奈央子
朧にて死ぬることさへ忘れをり 川辺酸模
推敲はいちじく剪定するごとく 齋藤嘉子
【入選】
鋤かれずに花のままなりげんげん田 上 俊一
雛飾る涙のあとのありにけり 那珂侑子
春の鳥こうじ屋を越え番屋まで 及川由美子
水鳥の眠れる闇の白さかな 上村幸三
剪定や音は響けどはかどらず 辻奈央子
風花や菩提寺までの橋長く 阿部けいこ
ロボットの運んで来たる鮪鮨 武藤主明
うららかや胎児もろとも伸びをせむ 谷村和華子
仙台の自慢の根芹この太さ 宮本みさ子
病床の母へ薫れや梅の花 川辺酸模
アラビア文字さわらび萌ゆるごとくあり 齋藤嘉子
二階へと行くたび匂ふ梅一枝 那珂侑子
雛の顔避難の地獄ともに見て 宮本みさ子
砲弾のごとく寒鯉鎮もれり 武藤主明
北帰近き白鳥の嘴泥まみれ 佐藤和子
山を打つ雪解の瀧や凄まじき 服部尚子
子の去りて夫婦二人の年の豆 長谷川冬虹
家ぢゆうの人形並べ雛祭り 谷村和華子
第二句座 (席題:朝寝、下萌ゆ、蜂)
・長谷川冬虹選
【特選】
たちまちに六十余年朝寝かな 長谷川櫂
女王蜂新居はすももの花の下 服部尚子
亡き母の声に驚く朝寝かな 甲田雅子
【入選】
十万億土旅してきたる朝寝かな 齋藤嘉子
羊水の中の記憶か大朝寝 谷村和華子
太腿の花粉まみれの蜂の飛ぶ 佐伯律子
一山を揺るがせ熊の朝寝とや 辻奈央子
遠くより犬の声する朝寝かな 平尾 福
一心に蜜に溺るる熊ん蜂 谷村和華子
土手青むそろそろ寅さん帰るころ 齋藤嘉子
カフェオレとクロワッサンと朝寝こそ 長谷川櫂
・長谷川櫂選
【特選】
この世へと足向けてゐる朝寝かな 三玉一郎
死んだかと間違へられし朝寝かな 齋藤嘉子
なつかしき人と出逢ひし朝寝かな 川辺酸模
【入選】
もう二度と覚めることなき朝寝かな 三玉一郎
一瞥し我を過ぎりぬ熊ん蜂 川辺酸模
排尿のあと底なしの朝寝かな 上 俊一
とりあえず雨戸を開けて朝寝せん 那珂侑子