熊本日日新聞1月16日朝刊に「よかよかの明暗」①が掲載されています。「故郷の肖像」の第2章です。河野裕子さん、伊藤一彦さんのことなど。
次回は2月13日です。
熊本日日新聞1月16日朝刊に「よかよかの明暗」①が掲載されています。「故郷の肖像」の第2章です。河野裕子さん、伊藤一彦さんのことなど。
次回は2月13日です。
◎募集句
投 句 当季雑詠3句1組(何組でも可)
応募料 1組3句 1000円
左記の大会募集句応募用紙とともに、小為替を同封又は現金書留。※入選句結果を希望の方は110円切手2枚同封のこと。
応募締切 令和7年3月10日(月)当日消印有効
表 彰 太宰府天満宮表彰、航空(東京↔福岡往復)
応募先 〒 830-1122 北野郵便局留「太宰府天満宮奉納全国俳句大会」募集句係 上瀧玲子行
入選発表 大会当日
選 者 長谷川櫂(朝日俳壇選者)小澤 實(「澤」主宰)稲畑廣太郎(ホトトギス主宰)川越歌澄(第1回北斗賞受賞)
◎俳句大会
日 時 令和7年5月24日(土)10時より受付
会 場 太宰府天満宮 余香殿(御本殿左)太宰府市宰府4丁目7番1号
交 通 西鉄太宰府駅より徒歩5分。※車でお越しの方は周辺駐車場をご利用ください。
吟行地 太宰府天満宮及びその周辺(観世音寺・大宰府政庁跡等)
参加料 1000円(当日受付にて)
投句締切 12時(吟行句及び当季雑詠3句)
開 会 12時30分
選 者 長谷川櫂、寺田恵子、多田蒼生、徳永桂子(客員選者)
金子清黙、月溪花代
第1部 11時~12時(余香殿)
基調講演 長谷川櫂先生
「道真公はなぜ雷になったか」
第2部 12時30分~16時30分(予定) 俳句大会
「俳壇」2月号に連載「二度目の俳句入門」2回目が載っています。
第一句座
当季雑詠
・鬼川こまち選
【特選】
難儀さへ笑へば福よ初戎 安藤久美
寒の水たばしり濯ぐ濁世かな 泉早苗
初句会ことば悴むことなかれ 趙栄順
空そめて激動の世へ初日の出 梅田恵美子
風の声とけては氷る凍大根 梅田恵美子
寒肥やたまさかの雪鋤き混ぜて 玉置陽子
ひざかけの寒き日暮れをたたみけり 川上あきこ
餅あはひ羽あるやうに焼く餃子 酒井きよみ
こころして能登一国の鬼やらふ 泉早苗
【入選】
迂回路は隆起海岸雪しまく 花井淳
吾を産みし母の力に寒卵 間宮伸子
寒鯉は不意に瞑想解きにけり 稲垣雄二
看取り妻寒餅二こに力を得 泉早苗
奥能登の月孕みたる氷柱かな 玉置陽子
生糸編む裏の川岸寒に入る 宮田勝
双六の上りは遥か能登の国 稲垣雄二
洗ひたる手の静かなる三日かな 趙栄順
ふるさとの天のまほらへ凧 安藤久美
能登の国を守りえざりき鏡餅 長谷川櫂
踊り子は鶴の羽ばたくトウシューズ 山本桃潤
いつもよりマフラーきつく寂し夜は 川上あきこ
初夢の誰が呼びたるか逝かれけり 酒井きよみ
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
初富士や誰にも告げぬ老の夢 藤倉桂
初日の出能登の裸の大地かな 稲垣雄二
初稽古氷の床に坐りけり 稲垣雄二
寒の鯉ふと瞑想を解きにけり 稲垣雄二
こころせよ能登一国の鬼やらふ 泉早苗
【入選】
雑踏に大あくびの子初御空 梅田恵美子
金で継ぐ輪島の椀の初むかし 酒井きよみ
愚かなる吾の浮べる初湯かな 田村史生
難儀さへ笑へば福よ初戎 安藤久美
癖のある文字の三行寒見舞 清水薫
餅を切るなまくら包丁励ましつ 飛岡光枝
故郷を厚き氷と思ひけり 清水薫
寒肥やたまさかの雪鋤き混ぜて 玉置陽子
コフノトリ二十羽来たといふ賀状 近藤沙羅
双六の上り遥かに能登の国 稲垣雄二
こりと噛む能登のなまこの音高く 飛岡光枝
頬当てて炎のごとし大氷柱 玉置陽子
今頃はロンドン辺か冬の暮 清水薫
孫編みしマフラー巻いていざ行かむ 氷室茉胡
残り福あれもこれもと結はへけり 安藤久美
雪止みてしづかに青き一人かな 松川まさみ
まだ残る瓦礫に届く年賀状 稲垣雄二
再会はもはや無からん寒見舞 氷室茉胡
第二句座
席題:「風花」、「橇」
・鬼川こまち選
【特選】
そり遊びまろびまろびて雪まみれ 梅田恵美子
風花ややさしく哀し能登ことば 飛岡光枝
三日月を今宵の橇にしつらへて 田中紫春
雪塊となりて眠るや橇の犬 飛岡光枝
絶え間なき地打ちの波や橇の上 宮田勝
橇飛ばすカムパネルラに会ひたくて 藤倉桂
風花を恐ろしと思ふ杜氏かな 稲垣雄二
橇遊び止まらぬことを恐れつつ 泉早苗
風花や母の背中の遠ざかる 宮田勝
【入選】
風花や山の向かふは雪地獄 稲垣雄二
風花や二度とは会へぬ人ばかり 飛岡光枝
風花や呼ばれたるかに笑み返す 越智淳子
風花やレスキュー隊の駆け抜ける 田村史生
橇に子とランドセルのせ山下る 土谷眞理子
星々を随え橇は鈴ならし 川上あきこ
率先し橇引く側に餓鬼大将 氷室茉胡
風花や山の向かうは銀世界 間宮伸子
星屑に青く染まるや人と橇 玉置陽子
その下に瓦礫の残る橇遊び 宮田勝
風花やもう振り向かぬと決めており 川上あきこ
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
雪塊となりて眠るや橇の犬 飛岡光枝
わが空に風花の舞ふ日和かな 橋詰育子
風花や山の向かうは銀世界 間宮伸子
その下に瓦礫の残る橇遊び 宮田勝
風花やもう振り向かぬと決めており 川上あきこ
【入選】
風花や水面に浮かぶ大拙館 清水薫
風花や単身赴任あと僅か 氷室茉胡
町めぐる荷橇に魚を売る日かな 花井淳
総玻璃のプール泳ぐや風花と 藤倉桂
箱橇の転び易きを遊びけり 花井淳
肥え桶を運ぶ昭和の橇の道 密田妖子
家出でて風花の舞ふ田道かな 橋詰育子
第一句座
•藤英樹選
【特選】
寒鯉の氷らんとして動きけり 長谷川櫂
シリウスや脳天に打つ鍼灸師 佐藤森恵
冬深し巌の落とすひと雫 きだりえこ
福寿草花のひかりにまた一輪 葛西美津子
ふくれゐしさつきの雀宙を切る イーブン美奈子
両肩を風に晒して大根よ 久嶋良子
【入選】
一月の真つ青な空わが東京 吉田順子
ボルシチの最後に青く花野菜 土井頼温
眠りをりむかし六国見えし山 金澤道子
初富士や大涌谷の黒卵 田中益美
やん衆の荒ぶる手飛ぶ板かるた 神谷宣行
買初めとせん越前の手漉き和紙 金澤道子
歳末や床下の皿重たくて 佐藤森恵
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
どこまでも掃いてゆきたし初箒 藤英樹
白山の女神てづから蕪鮨 萬燈ゆき
【入選】
金星は月をはなれて寒に入る 萬燈ゆき
年の空とんびにまぢる凧一つ 森永尚子
風花の舞ふ三輪山を東に きだりえこ
狐火の方へ子どもやまたひとり イーブン美奈子
第二句座 (席題:悴む、鷽替)
•藤英樹選
【特選】
鷽替や輪島の人に金の鷽 木下洋子
八十の夢を得んとて鷽替へる 園田靖彦
この星の未来悴むことなかれ 仲田寛子
【入選】
悴める手は悴める手を握る 関根千方
先見えぬ世にも悴むことなかれ 萬燈ゆき
悴みて医師の言葉も上の空 土井頼温
炊き出しの豚汁うまし悴みて 木下洋子
悴める手よりこぼるる何々ぞ 萬燈ゆき
悴みし手に掴みたる未来かな 萬燈ゆき
悴かめる手に息かけて試験場 久嶋良子
取り替へて参道一の大鷽よ イーブン美奈子
成人よ希望悴むことなかれ 仲田寛子
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
ときめきを忘れたる手の悴めり 森永尚子
次々とうそ替えてきて幾年ぞ 澤田美那子
かじかめるこころ燃やせよ歌にせよ 園田靖彦
【入選】
悴める手が悴める手を握る 関根千方
かへし鷽だいじにそつと懐へ 吉田順子
解体の大きな音の悴めり 葛西美津子
鷽替の大忙しの世界かな 関根千方
取り替へて参道一の大鷽よ イーブン美奈子
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
凧揚げや指舐めて風確かめん 佐伯律子
初空へ藁の大蛇(おろち)が昇りゆく 上村幸三
雪にぬれ廃炉回覧今日もくる 甲田雅子
ふるさとの背骨のごとき氷柱かな 三玉一郎
【入選】
日の匂ひつまみ落とすや松手入 辻奈央子
早々とあがつて寂し絵双六 平尾 福
新春の風を孕みて神楽舞ふ 佐伯律子
百合根から氷のかけらはがしけり 三玉一郎
駅伝を終へて再び山眠る 平尾 福
寒禽の大きな声や津波浜 甲田雅子
父母の杵つき餅の雑煮かな 川村杳平
しゆんとして軽トラにある獅子頭 佐伯律子
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
百合の玉氷の鱗はがしけり 三玉一郎
駅伝を終へて再び山眠る 平尾 福
初空へ藁の大蛇(おろち)が昇りゆく 上村幸三
雪原に灯火だけがある津軽 三玉一郎
ふるさとの背骨のごとく大氷柱 三玉一郎
【入選】
はなやかや年玉交はす客の声 川辺酸模
うとうとと八十五年花の春 上村幸三
啼き交はす大白鳥の御慶かな 長谷川冬虹
真つ白の破魔矢と迎ふ朝かな 青沼尾燈子
大学の学長もゐて初句会 平尾 福
雪にぬれ廃炉回覧今日もくる 甲田雅子
父母の杵つき餅の雑煮かな 川村杳平
地下鉄に老人ばかり冬帽子 臼杵政治
竿をもて突き落としけり松の雪 及川由美子
買初や父に供ふる三笠山 辻奈央子
【第二句座】(席題:寒鯉、左義長、室咲)
長谷川冬虹選
【特選】
寒鯉の重たき水をくぐり来る 上村幸三
鎮まりてふいに火柱どんど焼 上 俊一
雪国の天へ火柱大どんど 上村幸三
恵方へとどつと崩るるどんど焼 武藤主明
【入選】
寒鯉の黒鉄の身を池の底 及川由美子
室咲の花据え終へる年用意 平尾 福
左義長の少し焦がしし杉林 平尾 福
深窓の女は死語に室の花 及川由美子
命あるものはしづかに寒の鯉 長谷川櫂
阿武隈の風の煽りてどんど焼き 甲田雅子
室の梅いまにも語り出しさうな 辻奈央子
男系に姫授かりぬ室の花 臼杵政治
左義長へ放る片目の大達磨 武藤主明
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
恵方へとどつと崩るるどんどかな 武藤主明
天人も煙たからんやとんど焼 齋藤嘉子
寒の鯉静寂揺らしてゐたりけり 川辺酸模
【入選】
新聞紙ぐるぐると巻く寒の鯉 上村幸三
室咲きは浮世の風をまだ知らず 甲田雅子
左義長の少し焦がしぬ杉林 平尾 福
寒鯉の水面をのぞく鴉二羽 服部尚子
寒鯉の重たき水をくぐり来る 上村幸三
鎮まりてふいに火柱どんど焼 上 俊一
通るたび花確かむる室の梅 齋藤嘉子
雪国の天へ火柱大どんど 上村幸三
どんど焼思ひ出の日々火の底に 三玉一郎
阿武隈の風が煽るやどんど焼き 甲田雅子
寒の鯉巌のごとくしづみをり 川辺酸模
さばかれて花のごとしや寒の鯉 川辺酸模
第一句座
・矢野京子選
【特選】
かりそめのいのちと云えど宝船 今村榾火
拝みてはひらと飛び乗る漁始 加藤裕子
餅腹をゆらす五日の句会かな 大場梅子
初暦いのち一枚めくりけり 矢田民也
淡海の氷らんとして氷魚かな 長谷川櫂
【入選】
白菜を手で割くごとき一句欲し 斉藤真知子
ふるさとや狐罠知る人も絶え 神戸秀子
霜の路辿ればまみえん父母よ 米山瑠衣
屋根の雪みしりみしりと眠らせぬ 岡村美沙子
何の夢ひげのピクリと炬燵猫 大平佳余子
買初の万年筆でまづ一句 安藤文
初泣きの訳は忘れてまだ泣いて 矢田民也
婿ふたり仁王のやうや初松籟 神戸秀子
初湯して惚れぼれしたる女ぶり 大場梅子
空港行き電車に大き初日出づ 原京子
・長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
渾身の一句見せばや初句会 駒木幹正
心臓に光あれかし粥柱 城山邦紀
いろいろの恋の色なるシクラメン 高橋真樹子
オホーツク歌ふがごとく虎落笛 高橋真樹子
初湯して惚れぼれとわが女ぶり 大場梅子
【入選】
次の世もあなたの子にと御慶かな 米山瑠衣
初鏡大胆すぎる顔と思ふ ストーン睦美
かりそめのいのちと云えど宝船 今村榾火
白菜を手で割くごとき一句欲し 斉藤真知子
ふるさとや知る人もなき狐罠 神戸秀子
縫ひ初めの真白き糸を通しけり 斉藤真知子
血管よ強くなれよと薺打つ 城山邦紀
餅腹をゆらす五日の句会かな 大場梅子
買初の万年筆でまづ一句 安藤文
羽子板の裏は梅が枝鳥もゐて 大平佳余子
しみじみと大歳の火を落としけり 矢野京子
赤んぼの涎が映る初電話 ももたなおよ
第二句座(席題:双六、臘梅)
・矢野京子選
【特選】
臘梅は無数の月の欠片かな 安藤文
双六を広げる畳もふあらず 斉藤真知子
蝋梅や母の辞書いま我が座右 米山瑠衣
【入選】
蝋梅や濡れしまま置く花鋏 加藤裕子
双六やまたまた爺の一人勝ち 金田伸一
双六や目指すあがりは百寿なり 瑞木綾乃
西行はけふも旅びと絵双六 長谷川櫂
叫喚の世界双六きりもなし 長谷川櫂
・長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
この子らによき国となれ絵双六 今村榾火
双六や君また我を置き去りに 岡村美沙子
絵双六重きギプスの一歩二歩 高橋真樹子
【入選】
蝋梅や濡れしまま置く花鋏 加藤裕子
双六やまたも爺の一人勝ち 金田伸一
蝋梅や雪室にまだ去年の雪 矢野京子
臘梅は無数の月の欠片かな 安藤文
絵双六広げる畳もうあらず 斉藤真知子
日本近代文学館(東京・駒場)で「海、山、人、黙す――震災と言葉」展が開かれます。東日本大震災をテーマにした肉筆の詩歌が展示されます。
今年は13回目。会期は2025年2月22日(土)から3月29日(土)まで。
「俳句」(角川文化振興財団)2025年1月号に新春詠「元日」7句。大谷弘至主宰、西村麒麟さんの新春詠10句も掲載されています。
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
眠りゐる胡桃の中のこどもかな 長谷川櫂
始まりは師走八日のカタカナ文 青沼尾燈子
父に似ず弟にも似ず初鏡 臼杵政治
冬ぬくし隣の席に盲導犬 那珂侑子
【入選】
つんつんと喜んでいる風呂の柚子 甲田雅子
手袋に欲望の手を隠しけり 長谷川櫂
黒々と輪郭のなき鯨かな 三玉一郎
若き日の顔しか知らず賀状書く 齋藤嘉子
大根の機嫌損ねる大根引き 佐伯律子
それぞれの間合で眠る真鴨かな 武藤主明
紅白の鶴折ることも年用意 上村幸三
鍋底の焦げを落として年の果 及川由美子
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
我入れて喜んでゐる風呂の柚子 甲田雅子
遠き日の柚子の匂ひの女房かな 平尾 福
鎌倉の谷戸をめぐるや時雨雲 服部尚子
若水を掬びてひかり珠のごと 谷村和華子
大年の湯屋の花やぐ子らの声 川辺酸模
【入選】
小春日やでたらめに鳴く鳩時計 及川由美子
念入りに猫は顔撫で年用意 平尾 福
冬欅オリオンの歌聴いてをり 平尾 福
若き日の顔しか知らず賀状書く 齋藤嘉子
大根の機嫌うかがふ大根引き 佐伯律子
学長の職責重し初日記 長谷川冬虹
初雪や猫には猫の世界あり 服部尚子
木枯しや隣の席に盲導犬 那珂侑子
白菜を立てて包丁入れにけり 宮本みさ子
【第二句座】(席題:煤払ひ、ブロッコリー、若菜摘む)
長谷川冬虹選
【特選】
若菜籠草に浮かせて置きにけり 宮本みさ子
我がために若菜を摘んでくれし人 平尾 福
七草や万葉びととなりて摘む 石川桃瑪
【入選】
この畑に一叢見つけ若菜摘む 佐藤和子
筍もそろそろ出でよ若菜摘む 長谷川櫂
手際よき妻の指図や煤払ひ 川辺酸模
牛に声かけて牛小屋煤払 齋藤嘉子
勇ましき妻の襷や煤払ひ 川辺酸模
また同じ思ひ出ばなし煤払 三玉一郎
若菜籠揃ひたりとぞ妻の声 石川桃瑪
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
去年摘みし若菜の原はいま戦野 服部尚子
妻が手のためつすがめつブロッコリー 青沼尾燈子
煤掃やかつて白蛇のをりし梁 上 俊一
【入選】
図書館の波郷全集煤逃す 長谷川冬虹
角力とるブロッコリーとカリフラワー 長谷川冬虹
竹長く小僧のけぞり煤払ふ 宮本みさ子
煤逃げの真白きベビーベッドかな 谷村和華子
ブロッコリー湯がいて春を待つとせん 平尾 福
若菜籠草に浮かせて置かれあり 宮本みさ子
勇ましき妻の襷や煤払ひ 川辺酸模
煤払ふ父に用意の風呂を焚く 甲田雅子
昨日きし移住の人と若菜摘む 甲田雅子
気がつけば蕾は花にブロッコリー 齋藤嘉子
ブロッコリー小さな山を一つ買ふ 那珂侑子
あをあをと匂へるものにブロッコリー 辻奈央子
煤逃やそのまま一人帰り来ず 上 俊一