| 【年間賞】 | ||
| タンカーが戦争積んで行く春ぞ | 新潟 | 安藤文 |
| 【次点】 | ||
| 原発忌われらの力及ばざりき | 宮城 | 長谷川冬虹 |
| 塩抜いてふぬけの食す目刺かな | 北海道 | 芳賀匙子 |
| 【候補】 | ||
| リハビリの文字の歌ふや年賀状 | 神奈川 | 松井恭子 |
| 正月やいまだに黒き髪を梳く | 長野 | 金田伸一 |
| 冬の朝命に触れる聴診器 | 東京 | 岡田定 |
| 寒の水一腑無きこと思ひ出づ | 石川 | 松川まさみ |
| 折れさうなものにこころや良寛忌 | 神奈川 | 丸山分水 |
| 悲しくて笑ふしかなし通夜の雪 | 兵庫 | 福田光博 |
| 大試験頭の中を遊牧民 | 大分 | 土谷眞理子 |
春のエッセイは森下佳子さん、きございBASE
「きごさいBASE」四季のエッセイ、4月は「べらぼう」の脚本を手がけたシナリオライターの森下佳子さんです。「ソメイヨシノはひとりぼっち」。お花見の前に(あとでも)ぜひお読みください。
大谷弘至さんの「孤独の正体」必読
大谷弘至さんが「俳句」(角川学芸出版)4月号に「孤独の正体ーー李白から放哉へ」を書いています。深くてわかりやすい、俳句の世界では稀に見る文章です。
しっかり読むだけでなく、「孤独」(さびしさ)についてしっかりお考えください。ここ大事。
古志鎌倉ズーム句会(2026年4月5日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
花筏東京湾のくらきへと 森永尚子
無明なりソメイヨシノも戦争も 神谷宣行
清明の水あるところ牛生まる イーブン美奈子
【入選】
孤心よりうたげへもどる花ふぶき 森永尚子
胸広げ言葉と遊ぶ大岡忌 土井頼温
葉を分けて米のとぎ汁春蘭に 澤田美那子
大岡忌天よりとどく春のうた 神谷宣行
春風に吹かれて白き柩かな イーブン美奈子
葱坊主ペルシヤの塔の形かな 西川遊歩
春愁のずしりと重し断ち鋏 長谷川櫂
戦争の終りはどこに花の闇 木下洋子
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
暗黒の東京湾へ花筏 森永尚子
声出して詩を諳ぜよ大岡忌 澤田美那子
恋文で文章鍛ふ大岡忌 西川遊歩
【入選】
富士山の上を浮き雲大岡忌 金澤道子
うたげから孤心にもどる桜かな 森永尚子
葉を分けて米のとぎ汁春蘭へ 澤田美那子
赤ん坊抱き上げられて花の中 藤原智子
龍宮の花の塵とや桜貝 金澤道子
教科書に「ことばの力」桜かな 木下洋子
春風に吹かれて白き柩ゆく イーブン美奈子
白木蓮青空にゆれ大岡忌 おほずひろし
第二句座 (席題:鯥五郎、遅日)
•藤英樹選
【特選】
鯥五郎跳ねた拍子に釣られけり 木下洋子
球拾ふ一年生よ暮遅し 木下洋子
【入選】
むつ飛んで光る二つの眼玉かな 久嶋良子
追ひ追はれ遊ぶや恋の鯥五郎 長谷川櫂
遅き日や枝に雀のにぎやかな 金澤道子
むつごらう出てきてすぐに見失ふ 田中益美
長き橋わたり江ノ島暮遅し 金澤道子
豆腐屋のラッパ呼び止む遅日かな 葛西美津子
ぱちくりとこの世見渡す鯥五郎 木下洋子
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
日と月と泥の一生むつごらう 森永尚子
【入選】
むつごらう戦厭ふて泥の中 きだりえこ
むつごろう泥の光をまきちらし 森永尚子
暮遅く鳴るや昭和の大時計 西川遊歩
鯥五郎穴より出でて穴に入る 藤英樹
古志広島ズーム句会(2026年4月5日)
第一句座
矢野京子選
【特選】
水俣忌もてはじまりぬ聖母月 神戸秀子
かぎろへる小舟一艘水俣忌 石塚純子
さくらさくらいまを戦前とはさせじ 神戸秀子
うつくしき海は語らず水俣忌 斉藤真知子
湯に浮かすわが子のかるさ水俣忌 長谷川櫂
【入選】
アネモネや父の遺作の絵にも咲く ももたなおよ
初蝶も吾も驚きゐたりけり 矢田民也
角立てて戦を怒る栄螺かな 長谷川櫂
卵抱くしかつめらしき巣鳥かな 安藤文
へうへうとわれ老いゆくぞ山桜 今村榾火
上出来の花の一句を今年こそ 斉藤真知子
夫送りここから余生春の虹 岡村美沙子
腰折れの父いとほしき桜かな 安藤文
文明の荒野へ熊の穴を出づ 高橋真樹子
燕の巣當麻の土をほしいまま 神戸秀子
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
うつくしき海は語らず水俣忌 斉藤真知子
哀しみのひかりの凪や水俣忌 ももたなおよ
埋め立ててしまへば過去か水俣忌 ストーン睦美
【入選】
きらきらと母なる海よ水俣忌 安藤文
花びらの渦巻く海よ水俣忌 高橋真樹子
はくれんの花一つづつ開きゆく 安藤文
かぎろへる小舟一艘水俣忌 石塚純子
蛸取りの爺気高し水俣忌 今村榾火
炒りたての古茶ふるまはん草の餅 神戸秀子
捌かるる花烏賊の腸まくれなゐ 高橋真樹子
第二句座(席題:清明、別れ霜)
矢野京子選
【特選】
清明の風つかまんと赤子の手 矢田民也
別れ霜光の音を立てにけり 高橋真樹子
清明やいまだに白き佐渡の山 安藤文
【入選】
山盧いま霜の別れとなりしかな 大場梅子
わが胸の清明の音聞きながら 大場梅子
清明の風にふかれし人も木も 斉藤真知子
清明やまこと賑やか鳥の声 高橋真樹子
清明の空青きまま日暮れけり 長谷川櫂
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
清明や月へと向かふアルテミス ストーン睦美
【入選】
清明や過疎のわが町光あれ 瑞木綾乃
猪の出る清明の竹林 ももたなおよ
別れ霜みるみるひかり失せゆくや 矢田民也
清明やいまなほ白く佐渡の山 安藤文
清明の見上ぐる背丈十五歳 石塚純子
ネット投句(3月31日)特選
| 塩抜いてふぬけの食す目刺かな | 北海道 | 芳賀匙子 |
| 石上の渡来の刀花の塵 | 千葉 | 池田祥子 |
| 白骨となる身をしばし花の宴 | 東京 | 櫻井滋 |
| 曇天と大き干潟の照らし合ふ | 岐阜 | 梅田恵美子 |
| 龍宮の甍きらめく日永かな | 大分 | 竹中南行 |
| 龍天へ総身に花纏ひつつ | 大阪 | 安藤久美 |
*入選は「ネット投句」のページに掲載しています。
古志仙台ズーム句会(2026年3月29日)
第一句座
長谷川冬虹選
【特選】
落つるとも息をしてゐる椿かな 青沼尾燈子
花万朶けふは風神ひと休み 石川桃瑪
春の土現るスカート出してこな 長井はるみ
恋猫となにやら語るおばあ哉 甲田雅子
次々に僧の出てくる花の昼 平尾 福
遠くから鳩鳴く声や卒業期 佐伯律子
【入選】
百千鳥声かぐはしく飴山忌 上村幸三
十五年経ても蓬に近づかず 宮本みさ子
かけ違ふ釦をちぎる万愚節 佐伯律子
ゆたかなる無の一文字や大岡忌 三玉一郎
花冷や真珠切り出す貝の腸 長谷川櫂
種蒔きの空を仰げば百千鳥 川辺酸模
赤の列黄の列父のチューリップ 長井はるみ
海に浮くまんばうとなる朝寝かな 齋藤嘉子
飴山忌花に間に合ふ全句集 三玉一郎
足湯して春日春風ほしいまま 阿部けいこ
風呂敷を覚え子供等卒園す 阿部けいこ
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
粲々と鮎上りゆく水の国 上村幸三
ここまでは続きし平和卒業歌 長谷川冬虹
人の輪いくつ公園の春休み 阿部けいこ
【入選】
我乗せて救急車ゆく春の闇 宮本みさ子
五六匹目高は春を迎へたり 青沼尾燈子
まんばうとなりては波に朝寝かな 齋藤嘉子
全句集花に間に合ふ飴山忌 三玉一郎
センバツの贔屓高校全滅す 川村杳平
跳び箱の八段とんで卒園す 武藤主明
消えたかと思へばここに蝮草 那珂侑子
第二句座(席題:栄螺、逃水、柳の芽)
長谷川冬虹選
【特選】
アフガンに命の水や柳の芽 武藤主明
くるくると秘密を暴き栄螺食ふ 及川由美子
大宇宙みな渦を巻く栄螺かな 長谷川櫂
江の島や女ふたりで酒栄螺 那珂侑子
【入選】
芽柳や赤き帽子の六地蔵 佐藤和子
芽柳やもつきり酒のあふれ落つ 佐伯律子
芽柳の大河に沿ひて北上す 及川由美子
女の子栄螺のボタンきらきらと 甲田雅子
芽柳や通勤楽しき一年目 長井はるみ
でこぼこの栄螺を捩じる真面目顔 佐藤和子
逃水のその先はもう州境 長井はるみ
長谷川櫂選(推敲例)
【特々選】
逃げ水の原発建屋行き着けず 宮本みさ子
逃水のその先はもう何もなし 長井はるみ
【特選】
アフガンの命の水よ柳の芽 武藤主明
柳の芽濡れてひかりの中にあり 上村幸三
渡り来る水牛車大逃水 平尾 福
【入選】
これからの事考へる栄螺かな 三玉一郎
充分に生きて晩酌栄螺焼く 那珂侑子
相席も愉し江ノ島焼栄螺 谷村和華子
金華山詣でし後は焼栄螺 佐藤和子
古志金沢ズーム句会(2026年3月22日)
第一句座
当季雑詠
鬼川こまち選
【特選】
加賀小松春の便りの飴山忌 宮田勝
抱き上げて胴ながながと恋の猫 長谷川櫂
夭々たることばの原野飴山忌 松川まさみ
死者すでに我を忘れき雲に鳥 玉置陽子
剪定の風新しき飴山忌 稲垣雄二
鴛鴦の羽根きはやかに實の忌 飛岡光枝
【入選】
片町に光あふれむ飴山忌 近藤沙羅
飴山忌故郷見下ろす観覧車 密田妖子
おほいなる春の生簀や一湾は 酒井きよみ
人参とレーズンサラダ花曇り 間宮伸子
戸車の機嫌よき朝飴山忌 玉置陽子
白魚の泳げば忽ち春の水 山本桃潤
俤や黒田杏子の花遍路 梅田恵美子
春の山みなふる里の山に見ゆ 清水薫
打ち積リ金泥となる落椿 駒木幹正
初花と交す一献實の忌 田村史生
流し雛追ふや早瀬を過ぐるまで 酒井きよみ
植木市買はばや庵のうぐひすに 酒井きよみ
・長谷川櫂選
【特選】推敲例
展宏さんなつかしがりし實の忌 泉早苗
一日は旅寝のここち春の風邪 玉置陽子
初花と交す一献實の忌 田村史生
【入選】
實忌の霞の中に加賀はあり 田村史生
戦なき国のあちこち花便り 橋詰育子
そこはかと花のにほひや飴山忌 松川まさみ
薫り立つ文庫一冊實の忌 飛岡光枝
飴山忌いま酣のもろみ桶 花井淳
死者すでに我を忘れき雲に鳥 玉置陽子
第二句座
席題:「花疲」、「菜の花」
鬼川こまち選
【特選】
春愁の羽根さんさんと孔雀かな 玉置陽子
菜の花の中のたつきの水の音 安藤久美
迫りくる戦の足音春愁 梅田恵美子
菜の花の沖のタンカー炎上す 飛岡光枝
左手は春の愁ひのかたちにて 長谷川櫂
【入選】
補助輪をはじめて外す花菜風 酒井きよみ
産室に産声ふたつ花菜風 趙栄順
両脇の菜の花ゆらし一両車 川上あきこ
菜の花や虫の羽音の昼しづか 越智淳子
菜の花や水平線は弧を描き 玉置陽子
ランドセル背負つて小さき春愁 田村史生
二重瞼一重となりぬ春愁ひ 飛岡光枝
話しあふ友一人あれ春愁 橋詰育子
・長谷川櫂選
【特選】 推敲例
春愁の羽根さんさんと孔雀かな 玉置陽子
春愁や飴山實いまいづこ 田中紫春
菜の花や横になりつつ句会聞く 土谷眞理子
【入選】
春愁や八百八十噸のデブリ 稲垣雄二
春愁の大きく曲がりゆく野川 酒井きよみ
孔雀飼ふ話などして春愁ふ 安藤久美
菜の花の一本もちて菜種御供 泉早苗
ネット投句(3月15日)特選
| 原発忌われらの力及ばざりき | 宮城 | 長谷川冬虹 |
| タンカーが戦争積んで行く春ぞ | 新潟 | 安藤文 |
| 春愁が二倍になつてしまふ酒 | 新潟 | 安藤文 |
| 戦せぬ国の民なり草の餅 | 大阪 | 木下洋子 |
| 西行忌あの木この木と花が咲く | 長崎 | ももたなおよ |
*入選は「ネット投句」のページに掲載しています。
古志鎌倉ズーム句会(2026年3月8日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
おぼろ夜の匂ひとなりて父母は 森永尚子
今ごろは柳絮飛ぶころわが大連 園田靖彦
【入選】
三味線草摘みてなぐさむ日ありき 森永尚子
アネモネのまだ眠たげな莟かな 長谷川櫂
山姥の目を逃れてや流し雛 長谷川櫂
朝ぼらけ声嗄れ果てて猫の恋 久嶋良子
魞挿すや比良の青竹雪をはね 土井頼温
武蔵野や空のはづれに山笑ふ 関根千方
一椀のおぼろにひらく貝の殻 葛西美津子
くしやみして鼻の先より陽炎へる 関根千方
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
大甕の閑かな泥へ蓮根分 葛西美津子
【入選】
残生といへど長しよ雛飾る 澤田美那子
桜餅白波寄する由比ヶ浜 金澤道子
雪はねて比良の青竹魞を挿す 土井頼温
第二句座 (席題:烏貝、霞 )
•藤英樹選
【特選】
み吉野の霞の上に朝の句座 萬燈ゆき
ひそやかに蔵王のふもと烏貝 イーブン美奈子
きのふ雪けふは霞へ棹をさす イーブン美奈子
【入選】
み吉野のわけても朝の霞かな 萬燈ゆき
百代の血筋なにやら霞かな 園田靖彦
烏貝こぼす真珠の小さきこと 越智淳子
からす貝バケツ一杯シェフが買ひ 西川遊歩
烏よりなほ黒々と烏貝 長谷川櫂
遠霞目覚めの近き吉野山 澤田美那子
烏貝いまだ冷たき泥の中 森永尚子
鬱然と泥の中から烏貝 長谷川櫂
山襞をそろりそろりと霞かな 葛西美津子
戦中はありがたかりしを烏貝 澤田美那子
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
戦乱の世を逃れてや烏貝 関根千方
烏貝つめたき泥を舐めゐしか 関根千方
烏貝一つ冷たき泥の中 森永尚子
戦中はありがたかりき烏貝 澤田美那子
【入選】
なんとまあ真珠を抱いて烏貝 神谷宣行
烏貝こぼす真珠の小さきこと 越智淳子
