古志広島ズーム句会(2026年3月1日)
第一句座
矢野京子選
【特選】
逃げ水のガザの子二万一千余 瑞木綾乃
目を閉じて飛沫の中へ流し雛 長谷川櫂
涅槃雪だるまを一つ残しけり ストーン睦美
ほんたふの地球はしづか春の水 高橋真樹子
浅蜊売太平洋の砂残す 矢田民也
【入選】
われらみな天より落ちし椿かな 神戸秀子
蒲公英の踏まれ蒲公英らしくなり 矢田民也
桃の日に生まれしアメリカ娘かな ストーン睦美
春の雪たしか羊羹あつた筈 神戸秀子
どの色とわからぬままの菊根分 斉藤真知子
蛤がもの申しをる夜の厨 ももたなおよ
鳥の餌の草摘みにゆく堤かな 加藤裕子
母次にれんげのティアラ我に編む 岡村美沙子
逆さまに大鷭もぐる春の川 上松美智子
ときどきは笑ゐたからふ雛の眼 高橋真樹子
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
逃げ水のガザの子二万一千余 瑞木綾乃
老母の歯茎やしなふ春子かな 神戸秀子
頬染めて恋のかなはぬひゝなかな 城山邦紀
また一つ椿落ちたる閑かさよ 矢野京子
【入選】
われらみな天より落ちし椿かな 神戸秀子
一家みなスマホを睨む炬燵かな 安藤文
物干しの竿に出入りす雀の子 神戸秀子
妻娶る火祭りの神春の闇 加藤裕子
一品を持ち寄る老の雛祭 ももたなおよ
浅蜊売太平洋の砂残す 矢田民也
空襲も地震も耐へし雛かな 石塚純子
第二句座(席題:鶯餅、踏み絵)
矢野京子選
【特選】
お座敷に鶯餅もかしこまる 今村榾火
殉教の踏絵のつやの悲しかり 加藤裕子
波音はオラショの声ぞ絵踏する 大場梅子
【入選】
心まで踏まさせはせぬ踏絵かな 瑞木綾乃
踏み絵の句詠むを戸惑ふ米寿なり 金田伸一
踏絵板慈悲の光を放つまで 長谷川櫂
飛び立たぬやふに摘んで鶯餅 高橋真樹子
鶯餅鳴くまで待てずほほばりぬ 矢田民也
長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
真つ白な布に包みて踏絵板 斉藤真知子
店終ひ鶯餅を惜しみけり 大場梅子
【入選】
お座敷に鶯餅もかしこまる 今村榾火
一口にきな粉にむせる鶯餅 上松美智子
磨り減りし踏絵の板やてらてらと 大場梅子
天草に白浪寄する絵踏かな 高橋真樹子
