ネット投句(2022年2月15日)選句と選評
【特選】 | ||
春寒の両手ひろげてやじろべゑ | 北海道 | 芳賀匙子 |
気晴らしのドライブひとり風花す | 新潟 | 安藤文 |
首を振り歩める鳩の日永かな | 石川 | 岩本展乎 |
冬ごもり何処へも行けぬ心かな | 岐阜 | 梅田恵美子 |
万華鏡廻せば春が動き出づ | 京都 | 氷室茉胡 |
紙雛からくれなゐの水の上 | 和歌山 | 玉置陽子 |
浅蜊選る八戸の島の舟溜り | 香川 | 曽根崇 |
囀を飛び出だしたる一羽かな | フランス | 廣瀬玲子 |
【入選】 | ||
流氷のほどけゆく音今したり | 北海道 | 高橋真樹子 |
爪切って日差しの中や春炬燵 | 北海道 | 高橋真樹子 |
海苔掻きの赤いヤッケに風孕み | 北海道 | 村田鈴音 |
山眠る小さき流れひびかせて | 北海道 | 柳一斉 |
白鳥に抱かるるごとく児の眠る | 宮城 | 長谷川冬虹 |
人の世に呆れかへりぬ雪だるま | 福島 | 渡辺遊太 |
冬枯やソーラーパネル増殖す | 茨城 | 馬場小零 |
クラス替へ壁に張り出し春を待つ | 埼玉 | 園田靖彦 |
紙雛五人囃子も折りにけり | 埼玉 | 上田雅子 |
潜るたび光生まるる川烏 | 埼玉 | 藤倉桂 |
うどん屋の列に並べば春の雪 | 千葉 | 若土裕子 |
音高き暗渠の水も雪解かな | 千葉 | 池田祥子 |
街中をカラフルにして春の雪 | 東京 | 長井亜紀 |
コロナ禍を重ね三年日記書く | 東京 | 櫻井滋 |
キーボード打つ手にじゃれつく仔猫かな | 神奈川 | 遠藤初惠 |
境内の梅一輪へあゆみ行く | 神奈川 | 三浦イシ子 |
春の雪激し死を見て死を知らず | 神奈川 | 三玉一郎 |
早春や海の光の銀フォーク | 神奈川 | 松井恭子 |
野づかさの早梅へ道おのづから | 神奈川 | 中丸佳音 |
老ぼれも電光石火猫の恋 | 神奈川 | 湯浅菊子 |
冬の太陽大きく淡く白光す | 新潟 | 高橋慧 |
大空にかつと口向け干鰈 | 石川 | 岩本展乎 |
お手と待てやうやう覚へ春近し | 石川 | 岩本展乎 |
万歳をしてセーターを着せらるる | 石川 | 岩本展乎 |
さてもさても二月の雪の降ることよ | 長野 | 金田伸一 |
満タンの創造活動ゆび冷たし | 長野 | 柚木紀子 |
水たまりにうつる古ビル雁帰る | 岐阜 | 夏井通江 |
老いの友本にしくはなし兼好忌 | 岐阜 | 三好政子 |
?やうさぎ遊びしあと追いぬ | 岐阜 | 梅田恵美子 |
スモックを袋に仕舞ひ卒業す | 愛知 | 臼杵政治 |
湯たんぽのタポンと私叱る声 | 愛知 | 服部紀子 |
年の豆一つ一つがわが齢 | 大阪 | 安藤久美 |
早春や暮れの暮れまで遊びきる | 大阪 | 高角みつこ |
猫の日は季語になけれどあたたけし | 大阪 | 高角みつこ |
淡くともぬくき交はり福寿草 | 大阪 | 内山薫 |
義理チョコや高級なるに戸惑へり | 大阪 | 内山薫 |
援軍と思へば敵か雪合戦 | 大阪 | 木下洋子 |
立春の光の中へ海辺まで | 兵庫 | 加藤百合子 |
猫の恋声のふたすぢ交はらず | 兵庫 | 魚返みりん |
春光のステンレス像美術館 | 兵庫 | 髙見正樹 |
蕗の薹離れてひとつ又ひとつ | 和歌山 | 玉置陽子 |
しやぼん玉子供のやうな母のため | 岡山 | 齋藤嘉子 |
寒風や善人ばかりフェリー待つ | 香川 | 曽根崇 |
旧正の長崎よりの電話かな | 香川 | 曽根崇 |
校門へ続く坂道バレンタイン | 長崎 | ももたなおよ |
早春の光さし入る石舞台 | 大分 | 山本桃潤 |
影のなきいのちひしめく白魚かな | 大分 | 竹中南行 |