ネット投句の特選句の中から年間賞を選びます。年間賞は春期(1月〜3月)、夏期(4月〜6月)、秋期(7月〜9月)、冬期(10月〜12月)からそれぞれ1句選びます。
受賞者には賞品をお贈りします。


【2023年冬】  すさまじや枝をそがれし木はわたし  芳賀匙子
【2023年秋】  白日傘影美しき個人主義       稲垣雄二
【2023年夏】  山蕗や刻めばしぶく春の山      梅田恵美子
【2023年春】  ずり落ちてこらへをるなり屋根の雪  柳一斉

【2022年冬】  歩み来る年は一人で歩む年      花井 淳
【2022年秋】  現世の唯一の重石原爆忌       竹中南行
【2022年夏】  七十余年隻眼で見る春の山      青沼尾燈子
【2022年春】  東京駅奥の奥まで春愁        安藤 文

【2021年冬】  綿虫の無より涌き出てさまよへり   夏井通江
【2021年秋】  いさかひし昔恥づかし墓洗ふ     川辺酸模
【2021年夏】  この初夏の素晴らしき日に何もせず  森徳典
【2021年春】  海流のぶつかる響き卒業歌      渡辺遊太

【2020年Ⅳ期】 初場所や発止と組んで花の色     齋藤嘉子
【2020年Ⅲ期】 たいくつはのつぺらぼうやマスクして 上田雅子
【2020年Ⅱ期】 したたかに生きてしわしわソーダ水  百田直代
【2020年Ⅰ期】 思想こそ国の柱よ竜の玉       山本桃潤

【2019年Ⅳ期】 さつきまで父母ゐた畳冬日差     渡辺遊太
【2019年Ⅲ期】 花木槿宇宙のすみに小さき家     夏井通江
【2019年Ⅱ期】 薩摩富士海より立ちて明易し     池田祥子
【2019年Ⅰ期】 即興の一生だった紅薔薇       柚木紀子

【2018年Ⅳ期  ちらちらと地球の骨の見えて冬    渡辺遊太
【2018年Ⅲ期】 ひるがえる奥は真暗き夏暖簾     長井亜紀
【2018年Ⅱ期】 萎えし手の母の手柄の豆ご飯     藤岡美惠子
【2018年Ⅰ期】 ひとつづつ仏の顔や種浸し      喜田りえこ

【2017年Ⅳ期】 ひきずつて親の思ひの千歳飴     澤田美那子
【2017年Ⅲ期】 海の底空の果てから土用波      越智淳子
【2017年Ⅱ期】 骨壺のそつと置かれる春の中     西川遊歩
【2017年Ⅰ期】 故郷の山に似た山餅を焼く      山本桃潤

【2016年後期】 水にあそび水にねむるや心太     長井亜紀
【2016年前期】 表より裏より風の来る団扇      井上じろ

【2015年後期】 秋といふ大きなうしろすがたかな   三玉一郎
【2015年前期】 春の野はまだかりぬひのひかりかな  松本邦吉

【2014年後期】 水打ちてみえざる炎しづめけり    岡崎陽市
【2014年前期】 初春がひとりの椀に来たりけり    加藤百合子

【2013年後期】 柳眉逆立て長き黒髪洗ひけり     佐々木まき
【2013年前期】 へそに置く団扇一本昼寝かな     神谷宣行

【2012年】   花からすうり惑星いつかまた集ふ   柚木紀子