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【特選】 |
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春寒の両手ひろげてやじろべゑ |
北海道 |
芳賀匙子 |
気晴らしのドライブひとり風花す |
新潟 |
安藤文 |
首を振り歩める鳩の日永かな |
石川 |
岩本展乎 |
冬ごもり何処へも行けぬ心かな |
岐阜 |
梅田恵美子 |
万華鏡廻せば春が動き出づ |
京都 |
氷室茉胡 |
紙雛からくれなゐの水の上 |
和歌山 |
玉置陽子 |
浅蜊選る八戸の島の舟溜り |
香川 |
曽根崇 |
囀を飛び出だしたる一羽かな |
フランス |
廣瀬玲子 |
【入選】 |
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流氷のほどけゆく音今したり |
北海道 |
高橋真樹子 |
爪切って日差しの中や春炬燵 |
北海道 |
高橋真樹子 |
海苔掻きの赤いヤッケに風孕み |
北海道 |
村田鈴音 |
山眠る小さき流れひびかせて |
北海道 |
柳一斉 |
白鳥に抱かるるごとく児の眠る |
宮城 |
長谷川冬虹 |
人の世に呆れかへりぬ雪だるま |
福島 |
渡辺遊太 |
冬枯やソーラーパネル増殖す |
茨城 |
馬場小零 |
クラス替へ壁に張り出し春を待つ |
埼玉 |
園田靖彦 |
紙雛五人囃子も折りにけり |
埼玉 |
上田雅子 |
潜るたび光生まるる川烏 |
埼玉 |
藤倉桂 |
うどん屋の列に並べば春の雪 |
千葉 |
若土裕子 |
音高き暗渠の水も雪解かな |
千葉 |
池田祥子 |
街中をカラフルにして春の雪 |
東京 |
長井亜紀 |
コロナ禍を重ね三年日記書く |
東京 |
櫻井滋 |
キーボード打つ手にじゃれつく仔猫かな |
神奈川 |
遠藤初惠 |
境内の梅一輪へあゆみ行く |
神奈川 |
三浦イシ子 |
春の雪激し死を見て死を知らず |
神奈川 |
三玉一郎 |
早春や海の光の銀フォーク |
神奈川 |
松井恭子 |
野づかさの早梅へ道おのづから |
神奈川 |
中丸佳音 |
老ぼれも電光石火猫の恋 |
神奈川 |
湯浅菊子 |
冬の太陽大きく淡く白光す |
新潟 |
高橋慧 |
大空にかつと口向け干鰈 |
石川 |
岩本展乎 |
お手と待てやうやう覚へ春近し |
石川 |
岩本展乎 |
万歳をしてセーターを着せらるる |
石川 |
岩本展乎 |
さてもさても二月の雪の降ることよ |
長野 |
金田伸一 |
満タンの創造活動ゆび冷たし |
長野 |
柚木紀子 |
水たまりにうつる古ビル雁帰る |
岐阜 |
夏井通江 |
老いの友本にしくはなし兼好忌 |
岐阜 |
三好政子 |
?やうさぎ遊びしあと追いぬ |
岐阜 |
梅田恵美子 |
スモックを袋に仕舞ひ卒業す |
愛知 |
臼杵政治 |
湯たんぽのタポンと私叱る声 |
愛知 |
服部紀子 |
年の豆一つ一つがわが齢 |
大阪 |
安藤久美 |
早春や暮れの暮れまで遊びきる |
大阪 |
高角みつこ |
猫の日は季語になけれどあたたけし |
大阪 |
高角みつこ |
淡くともぬくき交はり福寿草 |
大阪 |
内山薫 |
義理チョコや高級なるに戸惑へり |
大阪 |
内山薫 |
援軍と思へば敵か雪合戦 |
大阪 |
木下洋子 |
立春の光の中へ海辺まで |
兵庫 |
加藤百合子 |
猫の恋声のふたすぢ交はらず |
兵庫 |
魚返みりん |
春光のステンレス像美術館 |
兵庫 |
髙見正樹 |
蕗の薹離れてひとつ又ひとつ |
和歌山 |
玉置陽子 |
しやぼん玉子供のやうな母のため |
岡山 |
齋藤嘉子 |
寒風や善人ばかりフェリー待つ |
香川 |
曽根崇 |
旧正の長崎よりの電話かな |
香川 |
曽根崇 |
校門へ続く坂道バレンタイン |
長崎 |
ももたなおよ |
早春の光さし入る石舞台 |
大分 |
山本桃潤 |
影のなきいのちひしめく白魚かな |
大分 |
竹中南行 |
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