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ネット投句(2022年6月15日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年6月17日 作成者: dvx223272022年6月17日

【特選】
柚の花の散りて翡翠の玉ひとつ    大阪 澤田美那子
蛇の衣かつとこちらを見てをりぬ   兵庫 藤岡美恵子
雨蛙もの干し竿に並びたり      奈良 中野美津子
脛すすぐ早乙女ひとり月の中     長崎 川辺酸模
万緑やたつぷり乳の出る乳房     大分 山本桃潤
世直しの夜明のやうに代田かな    大分 竹中南行

【入選】
鬱陶しい日日にこんもり青山椒    北海道 芳賀匙子
終わりなきいくさ卯の花腐しかな   千葉 麻生十三
その白のまがまがしさや梅雨茸    神奈川 越智淳子
南部風鈴魂が鳴りにけり       神奈川 三玉一郎
風鈴のしづけさに目を覚ましけり   神奈川 三玉一郎
音がしてそこに風鈴ありにけり    神奈川 三玉一郎
本業は神官の妻実梅もぐ       神奈川 松井恭子
亜紀さんの投句もうなし梅雨に入る  新潟 安藤文
うぐいすに応へ口笛吹く泉      新潟 高橋慧
ひと杓の清水を汲みて外郎売     石川 花井淳
突き棒から花と出でけり心太     石川 花井淳
今半に厄を落とせり半夏生      石川 花井淳
武器持たず滅ぶ覚悟や露涼し     石川 松川まさみ
さはさはと風のさざなみ更衣     石川 松川まさみ
梅雨寒や大樹一葉も揺るぎなし    長野 大島一馬
やまなしの花の咲く下父の墓     岐阜 古田之子
濃尾野の田植は遅し水光る      岐阜 三好政子
毛並みよき毛虫や吾も愛づる姫    岐阜 梅田恵美子
真青なる空駆け下る那智の滝     岐阜 梅田恵美子
青春は力任せの団扇かな       愛知 稲垣雄二
似るまひとして母に似て薬狩     愛知 宗石みずえ
ハンモック浄土の風に揺れてゐる   京都 氷室茉胡
初鱧に眉間の皺の綻びぬ       京都 氷室茉胡
雪のごと幣ひらひらと御田植     大阪 安藤久美
ヨットにも愛されたりし青春よ    大阪 高角みつこ
薔薇散るやロシアの詩人いかにおはす 大阪 高角みつこ
また一枚水の入らぬ田んぼかな    大阪 内山薫
鴨川のほとり暮れゆく鱧料理     大阪 木下洋子
枇杷熟れてかをる昭和のたたずまひ  大阪 澤田美那子
雨蛙雨より生れて枝の先       兵庫 加藤百合子
梅雨曇りわれも湿気りて寝転がる   兵庫 天野ミチ
小判草愉快なほどに増えにけり    兵庫 藤岡美恵子
製鉄所夾竹桃の咲く垣根       兵庫 髙見正樹
久し振り幼き孫の昼寝顔       兵庫 髙見正樹
人類に絶望しつつ夏来たる      奈良 中野美津子
山の子に吊り上げられて蟻地獄    和歌山 玉置陽子
長き脚の先に江ノ島籐寝椅子     和歌山 玉置陽子
手をかはしほうたる風に乗りにけり  香川 曽根崇
梅雨寒や応挙の虎に睨まるる     香川 曽根崇
青空を逆さまにして実梅もぐ     長崎 ももたなおよ
病む母の窓に吊さむ螢籠       長崎 川辺酸模
一句一句無意識界より滴れる     大分 山本桃潤
栗の花かつて信じた自由主義     大分 竹中南行

ネット投句(2022年5月31日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年6月16日 作成者: dvx223272022年6月16日

【特選】
出羽路来て天空自在桐の花      宮城 長谷川冬虹
古りてこそ風やはらかき簾かな    和歌山 玉置陽子
戦火経し芭蕉布ひそと畳紙に     長崎 ももたなおよ

【入選】
枕辺に未読の新書梅雨に入る     北海道 村田鈴音
ぬばたまの黒ゆり生えよ摘めるほど  北海道 芳賀匙子
まうまうと樹は雄花たれ日雷     北海道 芳賀匙子
打ち上がる波の高さに夏来たる    茨城 袖山富美江
新茶汲む少し机上を整へて      茨城 袖山富美江
遠雷や一晩たてばみんな駄句     埼玉 上田雅子
日盛りや水菓子の皿ひんやりと    千葉 菊地原弘美
限りある身には過ぎたる五月の陽   千葉 麻生十三
金婚にあと一年や薔薇百輪      東京 神谷宣行
青嵐手握り合う手術室        東京 長尾貴代
トマト苗はるかに高き支柱かな    東京 畠山奈於
もう二度と振り返らない夏帽子    神奈川 三玉一郎
しづかなる句集を胸にハンモック   神奈川 三玉一郎
夏落葉踏みつつ迷ふのもいいか    神奈川 中丸佳音
父の日や差しつ差されつ夢の中    神奈川 土屋春樹
ばうばうと三十路の我に青嵐     新潟 安藤文
茄子漬の刻一刻の青の色       長野 大島一馬
羽抜鶏高らかに朝告げにけり     岐阜 夏井通江
湯上りの乳房に使ふ団扇かな     愛知 稲垣雄二
草笛や兵にそれぞれ故郷あり     愛知 稲垣雄二
多分この歯では囓れぬ実梅かな    愛知 臼杵政治
リヤカーで在所祭のふれ太鼓     京都 佐々木まき
豌豆剥く日常茶飯といふ安らぎ    京都 佐々木まき
エメラルド記念日来る五月かな    京都 佐々木まき
初夏や草で結びし笹だんご      京都 諏訪いほり
なにものも持たずに生まれところてん 京都 諏訪いほり
言ひたきことぐつと押へて心太    京都 氷室茉胡
われを呼ぶ兄の草笛はるかより    大阪 安藤久美
早すぎる死を悼みけり絹扇      大阪 木下洋子
十薬のますます元気売家札      大阪 澤田美那子
田の神の水口開く夏は来ぬ      大阪 齊藤遼風
青葉木菟肥前一国雨のなか      大阪 齊藤遼風
不意の雨日傘ひとつに寄添える    兵庫 髙見正樹
どくだみと茶筒に記す母の文字    奈良 喜田りえこ
竹串の焦げも芳し焼あまご      和歌山 玉置陽子
竹皮を脱ぐや尖端撓ひそむ      香川 曽根崇
大雨のあと悠然と夏落葉       香川 曽根崇
わが胸の邪鬼を鎮めるん心太     香川 曽根崇
新樹光むかし登りし楠よ       長崎 ももたなおよ
とうすみの腸透ける軽さかな     長崎 川辺酸模
亡き人の喝に覚めけり大昼寝     長崎 川辺酸模
思ひ切り脱ぎ散らかせよ竹の皮    大分 竹中南行

ネット投句(2022年5月15日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年6月16日 作成者: dvx223272022年6月18日

・ウクライナ戦争の句あまた。
・ただし「人ごと俳句」はだめです。

【特選】
ウクライナ思へばせめて武具飾らず  石川 松川まさみ
七十余年隻眼で見る春の山      愛知 青沼尾燈子
遥かなる夏へと逝つてしまはれし   京都 佐々木まき
遺されしいのちの句集風薫る     京都 佐々木まき
竹串の播州ぶりや焼穴子       和歌山 玉置陽子
友の訃や昨日は麦を刈りしとか    香川 曾根崇
余生にもささやかな夢茄子植うる   香川 曾根崇
つつましく生きる白シャツ縫ひにけり 長崎 ももたなおよ

【入選】
蕗の葉も余さずたいて御菜かな    北海道 芳賀匙子
そそり立つポプラ一本夏野原     北海道 柳一斉
伊達武者の兜のごとく筍出づ     宮城 長谷川冬虹
はじまりは故郷の駅花の旅      茨城 袖山富美江
一遍の蘇生の清水あづからん     埼玉 園田靖彦
山中にちろちろ音す清水かな     埼玉 園田靖彦
分別す花びら付けしビール缶     千葉 芦野アキミ
柏餅心臓包む脈太し         千葉 宮城治
寝静まる卯の花月夜猫の影      千葉 谷口正人
踏み洗ふ道着の白さ夏来る      千葉 麻生十三
恥づかしや痩せたる手足更衣     千葉 麻生十三
再発も転移もなし更衣        東京 神谷宣行
羅や癌に勝ちたる恋女房       東京 神谷宣行
顔ほどの薔薇に顔近づけぬ      神奈川 越智淳子
花みかんその匂ひこそ道しるべ    神奈川 三浦イシ子
人生の夏切り開く句集かな      神奈川 三玉一郎
一冊の句集の上に夏の雲       神奈川 三玉一郎
起きぬけの一杯の水夏来る      神奈川 松井恭子
牡丹のごと崩れるのならそれも良し  神奈川 中丸佳音
青鷺の二足歩行や思慮深く      神奈川 中丸佳音
うどわらびこごみたらの芽薫る風   富山 酒井きよみ
長崎やゼリーに沈む枇杷ひとつ    石川 花井淳
久々に人の繰り出す街五月      石川 松川まさみ
鳴かせたしひよこのやうな枇杷を手に 石川 松川まさみ
不穏なる飛行機の音夏に入る     長野 大島一馬
青森は妻のふる里林檎咲く      愛知 青沼尾燈子
重機もてうづめる遺体雪の果て    大阪 木村さよみ
畦塗も三日で終り昼の酒       大阪 齊藤遼風
忘れては生きてゆくなり夏立ちて   兵庫 天野ミチ
生まれくる命待つ日や二重虹     兵庫 福田光博
ひかがみの蛭に怯まず田植かな    奈良 喜田りえこ
髪洗ふ子ども失ふそのたびに     奈良 喜田りえこ
あのかどを曲がれば我家花茨     奈良 喜田りえこ
み吉野の奥へ奥へと青嵐       和歌山 玉置陽子
岩陰に煙ひとすぢ海女憩ふ      香川 曾根崇
母の日や母であること母忘れ     長崎 ももたなおよ
温泉の湧く海城下鰈良し       大分 山本桃潤

ネット投句(2022年4月30日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年6月1日 作成者: dvx223272022年6月1日

【特選】
賽銭の額を数へる日永かな     新潟 安藤文
裄丈の兄とぴつたり端午かな    石川 花井淳
花の屑朝一番に踏み入りぬ     岐阜 古田之子
生まれ落つるかなしみにぬれ甘茶仏 大阪 安藤久美
散りてなほ剛毅なるかな白牡丹   奈良 喜田りえこ
【入選】
山独活の赤紫の匂ひ立つ      北海道 村田鈴音
命こらへし満開の桜かな      北海道 芳賀匙子
鳥帰る茶漬けすすりて箸置けば   北海道 柳一斉
島の中奥へ奥へと散椿       宮城 長谷川冬虹
一合を遺影の父へ昭和の日     宮城 長谷川冬虹
葬送の今朝まつ白に初夏の富士   千葉 若土裕子
久々の故郷にひとり春の暮     千葉 谷口正人
暮れなづむ庭あをあをと夏に入る  千葉 池田祥子
母の忌にひとり酒酌む残花かな   千葉 麻生十三
行く春の暴れ続くる地球かな    東京 松田桃華
恋文の返事に届く柏餅       東京 神谷宣行
行く春や誕生日も過ぎにけり    東京 長尾貴代
明易や徒然草が枕元        東京 楠原正光
二次元の世界を発ちててふてふに  東京 畠山奈於
スーパーにホタルイカあり夫に買ふ 東京 堀越としの
黄水仙とムスカリ群れるがんばれと 東京 堀越としの
ねぎ刻む独居老人走り梅雨     東京 櫻井滋
温暖化地球まるごと更衣      東京 櫻井滋
初めてのチーズケーキを焼く五月  神奈川 伊藤靖子
下駄でゆく厠は暗し菜種梅雨    神奈川 越智淳子
田植機や顔の緊りし老農婦     神奈川 越智淳子
万緑や学部棟前「師道」の碑    神奈川 遠藤初惠
亡き妻にと所望されたるゆすらかな 神奈川 佐藤なぎ子
菜の花の土手の向かうにある昔   神奈川 中丸佳音
まつ白な祈願鉛筆梅の花      神奈川 那珂侑子
七十五まだまだ若しと言はれ春   神奈川 那珂侑子
筑波嶺を揺らして蟇の交むかな   神奈川 片山ひろし
真白の佐渡の雲写す代田かな    新潟 安藤文
戦なき大地を歩く蟻の列      新潟 安藤文
立山がやあと挨拶鯉幟       富山 酒井きよみ
行く春の老体やさし病の巣     石川 松川まさみ
見納めに来たる吉野の残花かな   長野 金田伸一
山門の春暗がりに仁王の眼     長野 大島一馬
木の芽張る二歳児の言葉爆発    岐阜 夏井通江
小糠雨芽吹きの山を覆ひたり    岐阜 古田之子
春の土小さき花より目覚めけり   岐阜 三好政子
飛魚や飛ぶ形にされ店だなに    愛知 宗石みずえ
豚の名は耳の番号夕薄暑      京都 吉田千恵子
たとふれば安土城てふ春の夢    京都 諏訪いほり
遠目にも分る貴方の春日傘     京都 氷室茉胡
花水木十九の特攻兵の歌碑     京都 氷室茉胡
歌ひつつ丸め丸めて草の餅     大阪 安藤久美
戦なき野に摘みためて草の餅    大阪 安藤久美
ある朝の扉に一つ蝶の蛹      大阪 木村正子
飽きもせず年を重ねて蟇      大阪 澤田美那子
思ひ出す横顔ひとつ蚕豆君     大阪 澤田美那子
春深し深夜の窓を開け放つ     兵庫 天野ミチ
山の寺犬一匹の朧かな       兵庫 福田光博
更衣白の眩しき通学路       兵庫 髙見正樹
牡丹のからくれなゐに爛れゐる   奈良 喜田りえこ
牡丹の崩れんとして息深く     奈良 喜田りえこ
名を呼べば振り向く子猿暮の春   和歌山 玉置陽子
悠然と老いづく力牡丹かな     和歌山 玉置陽子
な踏みそ青きに隠す地雷あり    岡山 齋藤嘉子
日柄よし恥ぢらひ開く桜漬け    広島 鈴木榮子
麦秋の広がり虚しテレビ消す    広島 鈴木榮子
畳紙に残る母の字花衣       広島 鈴木榮子
鰆一本提げて結納祝かな      香川 曽根崇
行く春やいつも人の世難しく    長崎 ももたなおよ
戦争はいつもすぐ其処昭和の日   長崎 ももたなおよ
たんぽぽや別れを惜しむ志願兵   長崎 川辺酸模
戦車踏む麦の祖国よ愛おしき    大分 山本桃潤
春キャベツ刻むや母の音を立て   大分 山本桃潤
混迷や海霧よりぬつと船帰る    大分 山本桃潤
疫禍なほ戦争いまも柳絮とぶ    大分 竹中南行
押花にしたき雨垂れ暮の春     大分 竹中南行

ネット投句(2022年4月15日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年5月2日 作成者: dvx223272022年5月2日

【特選】
花筏嘆きの海を漂へり         千葉  池田祥子
春キャベツ戦争記事に包みけり     神奈川 松井恭子
猛然と囀りまくる命かな        大阪  澤田美那子
【入選】
とくとくと大地さすらふ雪解水     北海道 高橋真樹子
一皿の春の苦みをたたふべく      北海道 高橋真樹子
花冷えや給湯室の列にいて       北海道 村田鈴音
父の忌やいつもの店の鰊蕎麦      北海道 村田鈴音
ふらここを漕ぎて押し出す青き空    北海道 柳一斉
忘るなと余震続けり花冷す       宮城  長谷川冬虹
父の忌のさくら隠しの雪の朝      宮城  長谷川冬虹
春泥やピンで留めたる背番号      茨城  袖山富美江
島々を舟行き交へる花月夜       埼玉  上田雅子
ラッシュアワーのプラットホーム燕の巣 千葉  菊地原弘美
さあ小鳥新築戸建て巣箱です      千葉  若土裕子
雉逃げる慌てふためき転ぶなよ     千葉  谷口正人
縄文の欠片を探す菫かな        千葉  池田祥子
桟橋に乗船の列夏来る         東京  楠原正光
メーデーの組合別に長き列       東京  楠原正光
蕗の薹昨日のところまた一つ      東京  堀越としの
鼻先に花びらつけて犬帰る       神奈川 遠藤初惠
花冷はこころの後ろ姿かな       神奈川 三玉一郎
真下にて仰ぐ桜の冥しとも       神奈川 中丸佳音
ふるさとの海市を語る母は亡し     神奈川 片山ひろし
鬼太鼓どんどこどんと花の雨      新潟  安藤文
落ちさうで落ちぬ椿のしぶとさよ    新潟  安藤文
添ひとぐる死神の顔朧月        石川  松川まさみ
胸に抱く赤子に緑さす日かな      岐阜  夏井通江
腹見せて眠る子犬や春の雲       岐阜  古田之子
一夜さの雨の力や山芽吹く       岐阜  古田之子
春疾風スカーフにくるむ遊び髪     岐阜  三好政子
地下室の寒気に耐へしキーウの人    岐阜  三好政子
花の世をからくり人形うらがへる    岐阜  梅田恵美子
戦争がのたうちまはる春の泥      愛知  稲垣雄二
囀るやたちまちに数限りなく      愛知  臼杵政治
明日葉の苦しや母のもうをらず     愛知  宗石みずえ
初蝶のたれかを待つてゐるごとく    愛知  青沼尾燈子
心なし悲しき貌の蚕かな        京都  佐々木まき
清明や双子ですよと告げらるる     京都  氷室茉胡
酒辛く草餅は芳しがよし        大阪  安藤久美
なつかしき秘書検定よ桜草       大阪  高角みつこ
リラ冷えの静かなる日をありがたく   大阪  高角みつこ
白木蓮や良き師良き妻昼の酒      大阪  齊藤遼風
隠国の深き闇あり朝寝かな       大阪  齊藤遼風
老いるほど妣懐かしやヒヤシンス    兵庫  加藤百合子
浜に佇ち遥か紀州のかぎろひを     兵庫  加藤百合子
きやうだいかずつと一緒に雀の子    兵庫  天野ミチ
弁当の蓋の佃煮春惜しむ        奈良  喜田りえこ
ひとひらの花と寂びたる矢立かな    和歌山 玉置陽子
一刀で彫り出す花の尉と姥       和歌山 玉置陽子
やはらかき棘も刻まん木の芽和     岡山  齋藤嘉子
草餅や我のそばにはいつも祖母     岡山  齋藤嘉子
蛇穴を出でて驚く瓦礫かな       香川  曽根崇
醜草も花を捧げて佛生会        香川  曽根崇
全校生フェリー見送る離任の日     香川  曽根崇
すかんぽや吾にもありし反抗期     長崎  川辺酸模
しばらくはこの世の夢を花筵      長崎  川辺酸模
赤ん坊の寝顔うかがふ春蚊かな     長崎  川辺酸模
金印を乗せて帰るや春の潮       大分  山本桃潤
淡海は天の受け皿花明り        大分  竹中南行

ネット投句 春の年間賞は安藤文さん

ネット投句 投稿日:2022年4月12日 作成者: dvx223272022年4月25日
・年間賞
東京駅奥の奥まで春愁 新潟 安藤文
・次点
十一年彷徨ひつづけ流し雛 愛知 青沼尾燈子
花冷の地球ふるはす戦車かな 長崎 川辺酸模
たくあんに演歌聞かせる日永かな 和歌山 玉置陽子
・候補
終りあることの嬉しさ卒業歌 兵庫 魚返みりん
気晴らしのドライブひとり風花す 新潟 安藤文
春昼や画面の向うから戦車 茨城 馬場小零
縄文のひとみな裸足春の泥 東京 長井亜紀
以下同文の卒業証書戴きぬ 岐阜 辻雅宏
入学のこころ忘れて卒業す 神奈川 三玉一郎

ネット投句(2022年3月31日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年4月12日 作成者: dvx223272022年4月12日

【特選】
青空の麦秋戻れウクライナ      北海道 柳一斉
砂に寝てこころは空へ春の海     北海道 柳一斉
花冷えや脳裡きざまる逃避行     東京 長尾貴代
・脳裏にきざむ
入学のこころ忘れて卒業す      神奈川 三玉一郎
東京駅奥の奥まで春愁        新潟 安藤文
花便り連山丈を争はず        長野 大島一馬
体より働く音す春の昼        岐阜 夏井通江
・から?
この島は湾の真ん中白子干す     愛知 宗石みずえ
山桜全山神の供花とせむ       奈良 喜田りえこ
三月の天使舞ひ降りコブシ咲く    大阪 内山薫
今日よりはキーウと呼ばん花の冷   大阪 木下洋子
一瞬で戦場となる春の宵       大阪 澤田美那子
暁暗に音なく発てる遍路かな     香川 曽根崇
花冷の地球ふるはす戦車かな     長崎 川辺酸模
あの日より悲しと思ふ三月来     長崎 川辺酸模
人としてのこころ育てよ飴山忌    大分 山本桃潤

【入選】
洗顔の泡立つ朝や水温む       北海道 村田鈴音
学び舎はともしびの丘ふきのたう   宮城 長谷川冬虹
ふきのたう震災復興十一年      宮城 長谷川冬虹
春雨や白く大きなチェロケース    茨城 袖山富美江
・上五、再考。
早起きの理由は一つ春が来たから   埼玉 上田雅子
・から、不要。からを入れる理屈漬けの頭を改善せよ。
春雨や鳴るはずのない電話の音    埼玉 湯浅寒葵
・電話鳴る
今読まむ「ロシアについて」菜の花忌 千葉 谷口正人
何遍も見納めをして雛しまふ     千葉 谷口正人
思ふまま引きもきらずに囀れり    千葉 池田祥子
赤子の手花ひとひらを握りしめ    東京 掘越としの
冴え返る地下壕の闇呱々の声     東京 畠山奈於
麦笛や無銭旅行の若き日々      東京 櫻井滋
春の雨平らな海を濡らしけり     東京 齊藤拓
箱車今朝も鰆のあふれける      神奈川 越智淳子
・今朝〜ける、一考を。
幻の空とは知らず卒業す       神奈川 三玉一郎
菜の花の山となりたる棄てキャベツ  神奈川 松井恭子
チューリップ光のなかの静寂かな   神奈川 松井恭子
天神社の祈願鉛筆風光る       神奈川 那珂侑子
・社、不要。
質素こそ国の基ぞ目刺焼く      神奈川 片山ひろし
好奇心満ちて風船空をゆく      富山 酒井きよみ
初ものはミルクの味や春たけのこ   富山 酒井きよみ
久闊を叙すや田楽前にして      岐阜 三好政子
てらてらと猪のぬた場や春の山    岐阜 梅田恵美子
難民は日永の道を追はれかり     愛知 稲垣雄二
・ゆく
つくづくと一人の夜や独活食うて   京都 氷室茉胡
核持たぬ国に育つて花見かな     大阪 木下洋子
侵攻や命も夢も奪ふ春        大阪 木下洋子
蕗のとう味噌とみりんとフライパン  兵庫 福田光博
戦場へ響け歌声さくら咲く      奈良 喜田りえこ
どを返す音に目覚めむ蘆の角     和歌山 玉置陽子
・蘆の角では他人事。
目玉無き涙のいろの目刺かな     和歌山 玉置陽子
しぼり込む海まくれなゐ鯛網船    香川 曽根崇
かひやぐら崩し黒船現るる      長崎 ももたなおよ
鴇色のラヂオの仏語あたたかし    フランス 廣瀬玲子

ネット投句(2022年3月15日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年4月5日 作成者: dvx223272022年4月12日

・ロシアによるウクライナ侵略の句あまた。
・スローガンにならないようにご注意ください。
・ウクライナの歴史と国民性については
 シェフチェンコ詩集『ゴブザール』(群像社)をお読みください。
 シェフチェンコは19世紀の人、ウクライナの国民的詩人です。
・旧かな、きちんと。
・てにをは、推敲を。

【特選】
山の匂ひ海の匂ひ北窓開く     北海道 芳賀匙子
・の、必要。
菜の花の熱気の中を歩みゆく    千葉  谷口正人
・けり
機嫌よくサーファーを待つ春の海  神奈川 三浦イシ子
我が終の歳時記なりや春届く    石川  松川まさみ
世界戦聞くだに寒き春の日々    長野  金田伸一
初蝶来ウクライナの野遥けしや   岐阜  三好政子
以下同文の卒業証書戴きぬ     岐阜  辻雅宏
万作の笑ひころげる深空かな    岐阜  梅田恵美子
退院の服のゆるさや春の風     愛知  宗石みずえ
十一年彷徨ひつづけ流し雛     愛知  青沼尾燈子
子猫来る悔い多き子育ての後    京都  吉田千恵子
新婚のごときはなやぎ春キャベツ  大阪  安藤久美
ミモザ咲く大学やめて戦場へ    大阪  木下洋子
空爆のなき空選べ帰る雁      大阪  澤田美那子
たくあんに演歌聞かせる日永かな  和歌山 玉置陽子

【入選】
日に向かい小石跳ねのけ蕗の薹   北海道  村田鈴音
白樺の白のくらさよ春の日に    北海道  芳賀匙子
節分の鬼どち憩へ我が庵に     北海道  柳一斉
花束に春の香訪問散髪師      北海道  柳一斉
山の匂ひ海の匂ひ北窓開く     北海道 芳賀匙子
日に向かい小石跳ねのけ蕗の薹   北海道 村田鈴音
白樺の白のくらさよ春の日に    北海道 芳賀匙子
節分の鬼どち憩へ我が庵に     北海道 柳一斉
花束に春の香訪問散髪師      北海道 柳一斉
地球てふ儚くもろき吊し雛     宮城 長谷川冬虹
大白鳥帰りて告げよ撤兵を     宮城 長谷川冬虹
大口の胃袋五つ鳥の巣に      福島 渡辺遊太
太陽のつと立ち止まる初音かな   福島 渡辺遊太
麗かや風来るほうにドッグラン   茨城 袖山富美江
・へ
爆撃の音を聞きつつ雛納む     埼玉 上田雅子
春の道生まれてすぐに難民に    埼玉 上田雅子
はくれん伐るこれも身辺整理かな  埼玉 藤倉桂
花吹雪風の形はト音記号      千葉 芦野アキミ
雉の声ソーラーパネルくぐりぬけ  千葉 宮城治
ほらほらとベッドの君へ蕗の薹   千葉 池田祥子
桃の花雛なき家の甕に挿す     千葉 麻生十三
春の日をもろ手を挙げて浴びにけり 東京 横山直典
ひとはみな春の水よりうまれけん  東京 長井亜紀
濁らせてかく輝くや春の水     東京 長井亜紀
最終講義迎え学舎の梅開く     東京 杜野廉司
卒業やトーテムポールに送られて  東京 楠原正光
交番はパトロール中燕の子     東京 櫻井滋
たんぽぽや戦車に追はれ国堺    東京 櫻井滋
泣きながら歩く子の姿あの日本   神奈川 伊藤靖子
平和とは脆きものぞと知りし春   神奈川 伊藤靖子
・ぞ、不要。
草木の芽吹きささめく真夜の雨   神奈川 遠藤初惠
川音の春のリズムとなりにけり   神奈川 三浦イシ子
白菜を抱へよろめき酔ふごとし   神奈川 三浦イシ子
吹く風のこころの色のスイートピー 神奈川 三玉一郎
かなしみが先に目覚める雪解かな  神奈川 三玉一郎
・形にせよ。
春眠やパジャマのボタン取れたまま 神奈川 水篠けいこ
しづかにも賑やか涅槃像ほとり   神奈川 中丸佳音
ふるさとの春の色なり嫁菜飯    神奈川 片山ひろし
春炬燵銃声ひびくテレビ画面    新潟 安藤文
ドーナツの穴をかざして春愁    新潟 安藤文
退院の日まで納めず雛人形     新潟 高橋慧
母の手の温もり伝ふ土雛      石川 花井淳
古雛テレビ画面は戦火の街     石川 松川まさみ
みちのくの海ひた濡れて春の雪   石川 松川まさみ
・みちのく、安易。
雲中の爆音過る垣手入れ      石川 密田妖子
石裂けて九尾の狐出づる春     長野 金田伸一
惜別は永別に似て春の蝶      長野 金田伸一
雪の花空にあふれてきりもなし   岐阜 夏井通江
紅梅とともにすごせし日々ありし  岐阜 夏井通江
・ありき
戦争といふは物の怪春月夜     岐阜 古田之子
大きなる伏籠の如く馬酔木咲く   岐阜 三好政子
・上五、大げさ。
不穏なる世とも知らずや蛇出づる  岐阜 梅田恵美子
・に
太陽の声かと思ふ初雲雀      愛知 稲垣雄二
命を取り上ぐるごと雛出す     愛知 稲垣雄二
桐の箱開けることなし雛の日    愛知 青沼尾燈子
内裏雛爺婆だけとなりにけり    愛知 青沼尾燈子
来し方の話の尽きぬ遍路宿     京都 氷室茉胡
・ず
春の靴きのふとちがふ道行かむ   大阪 安藤久美
春愁のゆつくりはがす絆創膏    大阪 安藤久美
ウクライナの都市の名覚え春哀し  大阪 木下洋子
国家主義ぬつと顔だす春の泥    大阪 木下洋子
一人だけ残りて春の炬燵かな    大阪 澤田美那子
国境は遥かに遠し春の雷      兵庫 加藤百合子
暴君の膝に子犬のぬくもりを    兵庫 加藤百合子
白梅を吹き上げてをり枝構へ    兵庫 加藤百合子
紅梅の賑わふ空のありにけり    兵庫 吉安とも子
さくら湯や小さき波音ひびきをり  兵庫 魚返みりん
群雲も西へ西へと夕永し      兵庫 魚返みりん
宙に舞ふスノーボードや山笑ふ   兵庫 千堂富子
春の空青と黄色の国旗かな     兵庫 天野ミチ
港外に波立つ浮標春の潮      兵庫 髙見正樹
一本の藁で始める巣組かな     奈良 喜田りえこ
日輪や今日より低き虻の声     奈良 田原春
啓蟄や穴ぼこだらけの民主主義   和歌山 玉置陽子
つちぐもり空に曼陀羅描くかに   広島 下田あつ子
残生の天の恩寵朝寝かな      長崎 川辺酸模
・残生に
両の掌に真昼の銀河水温む     大分 竹中南行
更紗木瓜高き枝より咲き初むる   フランス 廣瀬玲子

ネット投句(2022年2月28日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年3月18日 作成者: dvx223272022年3月19日

・意味不明の句多すぎ。
・第一にわかる句であること。
・第三者の目で見直すこと。そこから推敲がはじまる。
・ただし説明にならないように。
・俳句は詩(文学)であることをお忘れなく。
・旧かな、めちゃくちゃ、自分で。

【特選】
九十余歳母に半膳菜飯かな 宮城 長谷川冬虹
・歳、不要。
春昼や画面の向うから戦車 茨城 馬場小零
花いつさい捨てて静かな椿かな 東京 神谷宣行
・椿の木
縄文のひとみな裸足春の泥 東京 長井亜紀
一頁目の一行目一文字春 東京 長井亜紀
春の雪ほどの重さを納骨す 神奈川 三玉一郎
春寒し言はれた通り拾ふ骨 神奈川 三玉一郎
村一つ飲み込む雪崩あと静寂 新潟 高橋慧
なにがなしあはれ二月の昼の雪 長野 金田伸一
鳥獣供花を手に手に涅槃像 京都 佐々木まき
戦争へ続く空あり白木蓮 和歌山 玉置陽子
君を知る前の渚へ朝寝かな 和歌山 玉置陽子
涅槃図や花の涙の溢れをり 和歌山 玉置陽子
【入選】
立春につんとしばれる牛の鼻 北海道 高橋真樹子
・や
節分の鬼どち来たれわが庵に 北海道 柳一斉
岩海苔かく潮の光に身を晒し 埼玉 藤倉桂
ずんずんと春響き来る大地かな 千葉 菊地原弘美
換気扇ぐるぐる回し目刺焼く 千葉 若土裕子
コンビニへ一枚はおる春の月 千葉 若土裕子
梅開く日差しの中でマスク下ぐ 千葉 谷口正人
バレンタイン起源知らねどチョコくらふ 千葉 谷口正人
シェルターとなりし地下鉄冴返る 千葉 池田祥子
・なれる
酒出して漬物出して目刺焼く 東京 小野早苗
てふてふを食べんと赤子手を伸ばす 東京 神谷宣行
楽に寝てこのまま終わるおぼろかな 東京 神谷宣行
春潮のひかりの帯の幾重にも 東京 長井亜紀
あたたかやぷかりと浮いて亀の首 東京 楠原正光
・首がいるかどうか。
雪掻きの助っ人隣家の小学生 東京 畠山奈於
啓蟄や防空壕のありし庭
われら皆宇宙難民春の宵 東京 櫻井滋
蕗の薹摘む人の影見えかくれ 神奈川 伊藤靖子
梅一輪返納決めたる免許証 神奈川 遠藤初惠
・したる
春泥の国境越える装甲車 神奈川 遠藤初惠
・国境を越え
春泥や納骨の箱先頭に 神奈川 中丸佳音
海底の?の泳ぎもうららかに 神奈川 湯浅菊子
・底、不要。
春炬燵けふをかぎりと思いつつ 神奈川 那珂侑子
どれがどの子猫の足や眠りをり 富山 酒井きよみ
桜湯やいのちしみじみ慈しみ 石川 松川まさみ
歌かなで飯炊き上がる春夕べ 岐阜 夏井通江
雛古びすみれのごときたたづまひ 岐阜 夏井通江
春の雪独裁者には敗北のみ 岐阜 三好政子
ロシアにも反戦デモが日脚伸ぶ 岐阜 三好政子
独り身の癇にさはるや猫の恋 岐阜 辻雅宏
かどかどの薄氷溶かし犬のばり 岐阜 辻雅宏
母の床ずらして開くる春障子 愛知 稲垣雄二
踏み絵して足にべつとり汚染水 愛知 稲垣雄二
ミモザ買ふどの機もパリへ向くやふな 愛知 宗石みずえ
・どの飛行機も、ゆく。「やうな」不要。
蝶一頭この世に生れし力わざ 愛知 青沼尾燈子
あと少し夾にをりたき朝寝かな 愛知 青沼尾燈子
・をりたしそら豆は
バイオリン絃張り替える日永かな 愛知 服部紀子
品種名はカタカナばかり馬鈴薯植う 京都 吉田千恵子
雪の道四苦八苦して涅槃寺へ 京都 佐々木まき
花供曽の授かる列や涅槃寺 京都 佐々木まき
明日といふ日を疑はず地虫出づ 京都 氷室茉胡
・地虫出づ明日といふ日を疑はず
平和ボケ笑はれてゐる蓬餅 大阪 木下洋子
雛あられさくさく食ぶや雛の夜 大阪 木下洋子
・雛の夜、不要。
畑焼くや心の芥かき集め 兵庫 加藤百合子
戦争を卒業出来ぬ我らかな 奈良 喜田りえこ
・我らかな、不要。季語を。
魂の抜けて漂ふ古巣かな 香川 曽根崇
攻め込みし鷹みな化して鳩になれ 香川 曽根崇
・小理屈俳句。
夕刊の刻変らねど日脚伸ぶ 香川 曽根崇
母の忌やどの梅みても母の笑み 長崎 ももたなおよ
・母は
菜の花や海の向こうへ反戦歌 長崎 ももたなおよ
吹きこぼる灰汁の匂ひや初蕨 長崎 川辺酸模
耕され土黒々と朝日浴ぶ 大分 山本桃潤
口中をほほゑみにして蕗の薹 大分 竹中南行
ネクタイの並ぶ復活祭の朝 フランス 廣瀬玲

ネット投句(2022年2月15日)選句と選評

ネット投句 投稿日:2022年2月28日 作成者: kai2022年3月6日
【特選】
春寒の両手ひろげてやじろべゑ 北海道 芳賀匙子
気晴らしのドライブひとり風花す 新潟 安藤文
首を振り歩める鳩の日永かな 石川 岩本展乎
冬ごもり何処へも行けぬ心かな 岐阜 梅田恵美子
万華鏡廻せば春が動き出づ 京都 氷室茉胡
紙雛からくれなゐの水の上 和歌山 玉置陽子
浅蜊選る八戸の島の舟溜り 香川 曽根崇
囀を飛び出だしたる一羽かな フランス 廣瀬玲子
【入選】
流氷のほどけゆく音今したり 北海道 高橋真樹子
爪切って日差しの中や春炬燵 北海道 高橋真樹子
海苔掻きの赤いヤッケに風孕み 北海道 村田鈴音
山眠る小さき流れひびかせて 北海道 柳一斉
白鳥に抱かるるごとく児の眠る 宮城 長谷川冬虹
人の世に呆れかへりぬ雪だるま 福島 渡辺遊太
冬枯やソーラーパネル増殖す 茨城 馬場小零
クラス替へ壁に張り出し春を待つ 埼玉 園田靖彦
紙雛五人囃子も折りにけり 埼玉 上田雅子
潜るたび光生まるる川烏 埼玉 藤倉桂
うどん屋の列に並べば春の雪 千葉 若土裕子
音高き暗渠の水も雪解かな 千葉 池田祥子
街中をカラフルにして春の雪 東京 長井亜紀
コロナ禍を重ね三年日記書く 東京 櫻井滋
キーボード打つ手にじゃれつく仔猫かな 神奈川 遠藤初惠
境内の梅一輪へあゆみ行く 神奈川 三浦イシ子
春の雪激し死を見て死を知らず 神奈川 三玉一郎
早春や海の光の銀フォーク 神奈川 松井恭子
野づかさの早梅へ道おのづから 神奈川 中丸佳音
老ぼれも電光石火猫の恋 神奈川 湯浅菊子
冬の太陽大きく淡く白光す 新潟 高橋慧
大空にかつと口向け干鰈 石川 岩本展乎
お手と待てやうやう覚へ春近し 石川 岩本展乎
万歳をしてセーターを着せらるる 石川 岩本展乎
さてもさても二月の雪の降ることよ 長野 金田伸一
満タンの創造活動ゆび冷たし 長野 柚木紀子
水たまりにうつる古ビル雁帰る 岐阜 夏井通江
老いの友本にしくはなし兼好忌 岐阜 三好政子
?やうさぎ遊びしあと追いぬ 岐阜 梅田恵美子
スモックを袋に仕舞ひ卒業す 愛知 臼杵政治
湯たんぽのタポンと私叱る声 愛知 服部紀子
年の豆一つ一つがわが齢 大阪 安藤久美
早春や暮れの暮れまで遊びきる 大阪 高角みつこ
猫の日は季語になけれどあたたけし 大阪 高角みつこ
淡くともぬくき交はり福寿草 大阪 内山薫
義理チョコや高級なるに戸惑へり 大阪 内山薫
援軍と思へば敵か雪合戦 大阪 木下洋子
立春の光の中へ海辺まで 兵庫 加藤百合子
猫の恋声のふたすぢ交はらず 兵庫 魚返みりん
春光のステンレス像美術館 兵庫 髙見正樹
蕗の薹離れてひとつ又ひとつ 和歌山 玉置陽子
しやぼん玉子供のやうな母のため 岡山 齋藤嘉子
寒風や善人ばかりフェリー待つ 香川 曽根崇
旧正の長崎よりの電話かな 香川 曽根崇
校門へ続く坂道バレンタイン 長崎 ももたなおよ
早春の光さし入る石舞台 大分 山本桃潤
影のなきいのちひしめく白魚かな 大分 竹中南行

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