ネット投句(2021年11月30日)選句と選評
・想いが通じてこそ俳句です。
・詠みっ放しは俳句ではない。
・通じるよう、確認と工夫を。
・よいお年を。
| 【特選】 | ||
| 十二月八日のラッパはるけしや | 秋田 | 佐藤一郎 |
| 今は亡き猫ひざにゐる小春かな | 神奈川 | 越智淳子 |
| 伊賀大津浪速思ふや翁の忌 | 神奈川 | 越智淳子 |
| 生と死の間まぶしき日向ぼこ | 神奈川 | 三玉一郎 |
| 裸木の村に帰りぬブリューゲル | 石川 | 花井淳 |
| はづかしゆうない無花果吸え往還 | 長野 | 柚木紀子 |
| 綿虫の無より涌き出てさまよへり | 岐阜 | 夏井通江 |
| すみれいろの夕暮包むマントかな | 和歌山 | 玉置陽子 |
| あわてても齢七十寝正月 | 長崎 | 川辺酸模 |
| 【入選】 | ||
| 朝の雪瓶に詰め込む小さな手 | 北海道 | 村田鈴音 |
| 声わろきつがひのからす十一月 | 北海道 | 芳賀匙子 |
| 骨壺に人は納まり秋の風 | 北海道 | 柳一斉 |
| 冬の雷季語の奴隷となるなかれ | 宮城 | 長谷川冬虹 |
| 小春日や死との密かなディスタンス | 福島 | 渡辺遊太 |
| 山門に最後の一葉冬紅葉 | 茨城 | 袖山富美江 |
| 癒えよ君つつじ真白に返り咲く | 茨城 | 馬場小零 |
| いななける馬の歯茎の寒さかな | 埼玉 | 園田靖彦 |
| 七五三着物脱がぬと泣く子かな | 千葉 | 谷口正人 |
| しなり良き冬木とならん誕生日 | 千葉 | 池田祥子 |
| 俳書読む寝床の中の寒さかな | 千葉 | 麻生十三 |
| 凩にあらがふ波や隅田川 | 東京 | 岡田定 |
| 今朝の冬恥づることなく妻を抱く | 東京 | 神谷宣行 |
| 恋人と鯛焼の列に並びけり | 東京 | 長井亜紀 |
| 鯛焼を食べる子どもとひだまりに | 東京 | 長井亜紀 |
| 通り道鴉飛び交ふ十二月 | 東京 | 楠原正光 |
| 傘寿過ぎてラケット買へり秋高し | 東京 | 畠山奈於 |
| 綿虫は御用御用と芝を飛ぶ | 東京 | 堀越としの |
| 耳遠きわれに道とふ冬の蝶 | 東京 | 櫻井滋 |
| 留守電に彼女の訃報冬薔薇 | 東京 | 齊藤拓 |
| 山茶花やマドンナの骨拾ひけり | 東京 | 齊藤拓 |
| 新米と一本の稲届きけり | 神奈川 | 伊藤靖子 |
| 廃屋の柚子鈴なりに陽を集め | 神奈川 | 遠藤初惠 |
| 夜つぴいて木がらし枯らすもの探す | 神奈川 | 金澤道子 |
| 逝かれたる人の思ひの大根引く | 神奈川 | 松井恭子 |
| 真つ青な空の端まで懸大根 | 神奈川 | 松井恭子 |
| 小春日や浦賀水道百千船 | 神奈川 | 水篠けいこ |
| 救急車のサイレン聞きつつ炬燵かな | 神奈川 | 水篠けいこ |
| ふるさとの太き柱よ火恋し | 神奈川 | 中丸佳音 |
| 冬麗や棺の弥生人の丈 | 神奈川 | 中丸佳音 |
| 木枯らしや今日も立ち寄る天然湯 | 神奈川 | 土屋春樹 |
| 真夜中に腹まで響く霧笛かな | 神奈川 | 土屋春樹 |
| 星の夜は夢見る鯨となりにけり | 神奈川 | 湯浅菊子 |
| 連れ立ちて老婆三人冬田道 | 神奈川 | 那珂侑子 |
| 閖上の赤貝ですと鮓握る | 神奈川 | 片山ひろし |
| いつまでも卓の上なる蜜柑かな | 新潟 | 安藤文 |
| しんみりと霰打つ音聞きゐたり | 新潟 | 安藤文 |
| 寒烏何見つめ居る一羽かな | 新潟 | 高橋慧 |
| とまりて花こぼれて花や冬すずめ | 富山 | 酒井きよみ |
| 黙から生れ鉄線返り花 | 石川 | 花井淳 |
| 信楽の里底冷えの轆轤蹴る | 石川 | 花井淳 |
| われもまた枯るるからりと音たてて | 石川 | 岩本展乎 |
| 校庭に地上絵を描く小春かな | 石川 | 岩本展乎 |
| 道問はばところところの冬すみれ | 石川 | 松川まさみ |
| いつの世のふたりやふたつ返り花 | 石川 | 松川まさみ |
| 皮となり板張りの熊乾きゆく | 石川 | 密田妖子 |
| モーツアルト冬の朝日の柔らかき | 長野 | 金田伸一 |
| 暖冬や裸をとほすさるすべり | 長野 | 金田伸一 |
| 霜は深夜に和服茅舎は露ちらし | 長野 | 柚木紀子 |
| 月に影映し地球の月見かな | 岐阜 | 古田之子 |
| 市ヶ谷に右翼の車三島の忌 | 岐阜 | 辻雅宏 |
| 玉砂利や抱つことなりぬ七五三 | 岐阜 | 梅田恵美子 |
| 東京は夢の中まで虎落笛 | 愛知 | 稲垣雄二 |
| 鞍はずせし若き馬より湯気立てり | 京都 | 吉田千恵子 |
| 間引きし孟宗竹立て雪囲 | 京都 | 吉田千恵子 |
| 目病みして辺りものみな冬ざるる | 京都 | 佐々木まき |
| 地球には数多の言語冬銀河 | 京都 | 氷室茉胡 |
| 晴れ晴れと十一月が終はりたり | 大阪 | 高角みつこ |
| 好きだった冬が年々つらくなり | 大阪 | 内山薫 |
| 冬満月地球の影が通りすぐ | 大阪 | 澤田美那子 |
| 冬桜おもひつめたる花いくつ | 兵庫 | 魚返みりん |
| 寒林に隠る場所なし空の青 | 兵庫 | 髙見正樹 |
| 天地の嘆きの歌を冬といふ | 奈良 | 喜田りえこ |
| 茜して大きな冬の来てゐたり | 奈良 | 喜田りえこ |
| 水鳥の水上走り逃げおほす | 奈良 | 田原春 |
| 煮凝や夢の中まで風の歌 | 和歌山 | 玉置陽子 |
| 碧空やどの障子よりか張り替ふる | 広島 | 鈴木榮子 |
| 焙じ茶の薫る茶の間や冬隣 | 香川 | 曽根崇 |
| 石榴割けかつと命の瑞々し | 長崎 | ももたなおよ |
| 凩や家毀さるる音もして | 長崎 | ももたなおよ |
