古志鎌倉ズーム句会(2025年8月10日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
灼熱の秋立ちにけり原爆忌 吉田順子
心太八十年が沈みをり 森永尚子
終戦日死者へ生者へ梨をむく 関根千方
われわれにわれに八月十五日 おほずひろし
【入選】
干葡萄のごとき乳房をガザの夏 長谷川櫂
凌霄の花の闇へと蟻吸はる 仲田寛子
八十年日に日に汚れ秋暑し 神谷宣行
鶏殻かとみれば赤ん坊ガザの夏 長谷川櫂
死を語り生を語るや原爆忌 萬燈ゆき
普賢岳蛍袋に隠れけり 藤原智子
長崎忌重たき西瓜冷やさんと 藤原智子
天窓の四角に秋の来てゐたり 金澤道子
朝顔を上手に咲かす男かな 関根千方
やはらかく押し合うてゐる蓮の葉 久嶋良子
土曜日の夕刊蒸発酷暑かな 西川遊歩
甚平を着る間もなくて逝きにけり 澤田美那子
草刈つて俺の細道打ち開く 西川遊歩
•長谷川櫂選 (推敲例)
【特選】
夏空の果ては原爆資料館 藤原智子
灼熱の秋立ちにけり広島市 吉田順子
校庭は巨大火葬場いわし雲 森永尚子
【入選】
夏草に疲れの見ゆる小径かな 葛西美津子
細道や旅の終りの冷し酒 きだりえこ
八十年日に日に汚れ秋暑し 神谷宣行
妹は一番前に西瓜切る 関根千方
ヒロシマの八十年や土に草 イーブン美奈子
長崎や重たき西瓜冷やさんと 藤原智子
細道の旅の日焼か男ぶり 葛西美津子
八月の死者へ生者へ梨をむく 関根千方
われわれにわれに八月十五日 おほずひろし
第二句座 (席題:雁渡 、竜胆)
•藤英樹選
【特選】
竜胆はつめたき月へ咲きのぼり 関根千方
雁渡し近江平野は金色に 木下洋子
海ふいに色恐ろしく雁渡 イーブン美奈子
戦争をおそれぬ世代雁渡し おほずひろし
竜胆や人に獣の匂ひあり 関根千方
【入選】
天上に青き道あり雁渡し 関根千方
竜胆の向こうに白き奥穂高 土井頼温
濃竜胆病の妻に恋をして 神谷宣行
雁渡し何を待つとて沖をみる 澤田美那子
香水の空瓶捨てず雁渡し 萬燈ゆき
竜胆の蒼きこころを我もまた 萬燈ゆき
足腰の弱り日に日に雁わたし 園田靖彦
•長谷川櫂選(推敲例)
【特選】
天上に雁の道あり雁渡し 関根千方
笹餅の笹ほどきては雁渡し 仲田寛子
流れきて竜胆の露とどまりぬ 藤英樹
【入選】
りんどうや二人で育てる薬草園 きだりえこ
戦争をおそれぬ世代雁渡し おほずひろし
御巣鷹は深山竜胆咲くころか イーブン美奈子
龍胆やここから先は尾根づたひ 金澤道子
竜胆の茎に切つ先花鋏 仲田寛子
船の名はひできち丸よ雁渡し 久嶋良子
竜胆や山へ参りて四十年 藤原智子
きな臭き世となりゆくも雁渡し おほずひろし
