古志鎌倉ズーム句会 (2023年5月7日)
第一句座
•藤英樹選
【特選】
春窮やひもじと言へぬ令和の児 きだりえこ
一茶くん一茶になれず柏餅 木下洋子
昼寝して妻は菩薩となりにけり 森永尚子
やすらかにいのち包みて柏餅 藤原智子
東塔と空分かち合ふ鯉のぼり きだりえこ
【入選】
さざ波を呑み込んでゐる浮葉かな 金澤道子
回想に脚色すこし桜の実 仲田寛子
河鹿ききつつ風宮土宮 関根千方
溺れてはならぬものありサングラス 西川遊歩
赤き薔薇戦火の地球怒りつつ 神谷宣行
優曇華や三日三晩の夢つづく 湯浅菊子
語るやうに聴くやうに汲む新茶かな 澤田美那子
柏葉に抱かれてより柏餅 仲田寛子
•長谷川櫂選
【特選】
三日月の刃片手に海女沈む 関根千方
パナマ帽箱から出して船の旅 わたなべかよ
くれなゐの涼しからずや洗鯉 葛西美津子
菖蒲湯や子ども次々上がりくる 藤原智子
気がつけば戦闘服に更衣 神谷宣行
【入選】
回想に脚色すこし桜の実 仲田寛子
一茶くん一茶になれず柏餅 木下洋子
椎の花むかし真つ暗闇のあり 金澤道子
暮れかけて空うつくしや洗鯉 葛西美津子
赤き薔薇戦火の地球怒りつつ 神谷宣行
新茶汲むはるけき君とともに汲む 澤田美那子
山からの風に変はりぬ洗鯉 葛西美津子
第二句座(席題:青嵐、カラー(海芋) )
•藤英樹選
【特選】
一本の大樹が統べる青嵐 森永尚子
颯爽とマディソン街をカラーゆく 長谷川櫂
六月の花嫁となる海芋かな 長井はるみ
カラー挿す白に翳りのなかりけり きだりえこ
さみどりを秘めて真白し海芋咲く イーブン美奈子
【入選】
どんと置くガラスの器海芋かな 藤原智子
大きな葉ざくざく切つてカラー売る 西川遊歩
えんえんと続く渋滞青嵐 おほずひろし
青あらし反抗のとき美しく 関根千方
反戦歌肩組みうたへ青嵐 神谷宣行
•長谷川櫂選
【特選】
墨で書く太き一の字青嵐 おほずひろし
四五本のカラー閑かなディスタンス 葛西美津子
カラー挿す白に翳りのなかりけり きだりえこ
まつ白のカラー日ごとにくずれけり 田中益美
大きな葉ざくざく切つてカラー売る 西川遊歩
【入選】
水音に夕のきてゐる海芋かな 森永尚子
静けさや玻璃戸の外の青嵐 澤田美那子
海芋咲くぶ厚き葉むら押し分けて イーブン美奈子
どんと置くガラスの器海芋かな 藤原智子
投げ入れて影ひややかや花海芋 葛西美津子
一煎の清水を汲みに花海芋 葛西美津子
さみどりを秘めて真白し海芋咲く イーブン美奈子
透明な花器に投げ入れ海芋かな わたなべかよ