古志広島ズーム句会(2023年5月5日)
第一句座
・矢野京子選
【特選】
春の日やとろりと李朝白磁壺 長谷川櫂
ラ・フランス花咲く道を天上へ 菅谷和子
翔平の兜かがやく端午かな 神戸秀子
ふくふくと大地を肥やし大蚯蚓 ももたなおよ
君のゐぬ二度目の夏のめぐりくる 斉藤真知子
【入選】
初節句武者人形より男前 ストーン睦美
桶の音高く銭湯夏に入る 石塚純子
母の骨蝶の軽さや拾ひけり 夏井通江
一句生る若葉萌ゆるがごとくかな 安藤文
草笛をさびしき唇のおぼえゐし 矢田民也
あめんぼや時には水を踏みはづし 斉藤真知子
寿命とふことばやさしや遠郭公 石塚純子
もういらぬ母の日ギフトの冊子来る 夏井通江
母の家の電球換えし黄金週間 ストーン睦美
ひるがへり犬吠えかかる鯉幟 長谷川櫂
青嵐わが身中を吹きわたれ 斉藤真知子
斑の入りてバナナ旨しよ人もまた 神戸秀子
・長谷川櫂選
【特選】
明智越水尾は柚子の花盛り 菅谷和子
掃き寄せて春のこぼせしものばかり 矢野京子
さつと浴び夫若返る菖蒲風呂 菅谷和子
もういらぬ母の日ギフトの冊子来る 夏井通江
柚子の花ともに遊びし昼の風呂 菅谷和子
ベランダの小さき空にも鯉幟 ストーン睦美
すみれ忌やはや一年のたちにけり 上松美智子
ふくふくと大地を肥やし大蚯蚓 ももたなおよ
君のゐぬ二度目の夏のめぐりくる 斉藤真知子
【入選】
初節句武者人形より男前 ストーン睦美
桶の音高く銭湯夏に入る 石塚純子
梅の尻まこと清しき緑かな 駒木幹正
ラ・フランス花咲く道を天上へ 菅谷和子
母の骨蝶の軽さや拾ひけり 夏井通江
嫗とて軽く三杯筍飯 石塚純子
瀧の中ひらりとくぐる岩燕 大場梅子
戦ひのなき国なれば茶摘唄 ストーン睦美
まきさんを偲ぶ莟やラ・フランス 菅谷和子
草笛をさびしき唇のおぼえゐし 矢田民也
どんたくの七福神は馬に乗り 矢田民也
あめんぼや時には水を踏みはづし 斉藤真知子
柏葉の古葉も若葉も柏餅 大平佳余子
ふるさとの笹の葉ほどき粽食ぶ 城山邦紀
いぢめつ子よき爺となり柏餅 大場梅子
オフィスビル灯の深夜まで五月二日 原京子
亜紀さんの忌日となりぬ子供の日 上松美智子
柏餅 粽 鮎菓子 腹八分 上松美智子
十三回忌母の梅酒の封切らん 神戸秀子
しづかなる二人の暮し豆御飯 斉藤真知子
余花追ふてここは信玄棒の道 石塚純子
故郷の春の山河になりし母 夏井通江
コロナ明け目にいつぱいの若葉かな 安藤文
野天の湯遅れて来たる春の月 駒木幹正
幇間に女弟子あり傘雨の忌 大場梅子
斑の入りてバナナ旨しよ人もまた 神戸秀子
第二句座(席題:五月闇、憲法記念日)
・矢野京子選
【特選】
ずたずたとなるも憲法記念の日 長谷川櫂
おうおうと謡ひ合はすや五月闇 長谷川櫂
五月闇青葉の息のきこえくる 夏井通江
【入選】
五月闇心の中といふ場所も 高橋真樹子
五月三日我憲法に育てらる 石塚純子
五月闇破つて道を拓くなり 大場梅子
白き花のみ浮かぶ庭五月闇 ストーン睦美
変わらぬことも勇気いること憲法記念日 ストーン睦美
・長谷川櫂選
【特選】
五月闇大滝山をとどろかす 夏井通江
ぼんやりと生きて憲法記念日よ 林弘美
またたくま母を送りし五月闇 上松美智子
【入選】
また雨と思ひて眠る五月闇 矢田民也
佇めば我も森の木五月闇 米山瑠衣
五月闇吸物椀に閉ぢこめん 矢野京子
白き花のみ浮かぶ庭五月闇 ストーン睦美