ネット投句(2023年9月30日)選句と選評
| 【特選】 | ||
| 露の世やとは云へ次もまた来たい | 千葉 | 木地隆 |
| 同窓会平等に老ひ秋日和 | 千葉 | 谷口正人 |
| 送電塔果てまで続く秋の暮 | 東京 | 小野早苗 |
| 置き去りにされてゆくよな秋の空 | 神奈川 | 島敏 |
| 正宗の刀にまけぬ太刀魚よ | 神奈川 | 那珂侑子 |
| 鈴虫は鳴きやむことを忘れたか | 神奈川 | 那珂侑子 |
| めぐり来し月と一献七十歳 | 石川 | 花井淳 |
| 地震出水酷暑しのぎし今年米 | 石川 | 松川まさみ |
| 太陽の力に開く野菊かな | 石川 | 清水薫 |
| 八十年生きてスーパームーンの夜 | 長野 | 金田伸一 |
| 案山子ほど真直ぐ立つてみたきかな | 大阪 | 安藤久美 |
| 寝返りの難き病躯の夜長かな | 岡山 | 北村和枝 |
| 【入選】 | ||
| 厨事暫し手を止め後の月 | 北海道 | 村田鈴音 |
| 初月夜ヘリコプターの音孕み | 北海道 | 村田鈴音 |
| 夕風に嘆きこぼすや秋桜 | 北海道 | 柳一斉 |
| 昃りてこころおちつく木の葉かな | 北海道 | 柳一斉 |
| 人型の焼きつくほどの大西日 | 青森 | 清水俊夫 |
| やうかんの栗になりたき望の月 | 宮城 | 長谷川冬虹 |
| 地球てふシステム毀れて秋酷暑 | 宮城 | 長谷川冬虹 |
| 秋祭り風が運びし笛の音 | 茨城 | 袖山富美江 |
| 病床の脈やすらかに良夜かな | 埼玉 | 佐藤森恵 |
| 江ノ電の小さな旅へ萩日和 | 埼玉 | 上田雅子 |
| 蟷螂の脚のみ残し猫寝入る | 千葉 | 春藤かづ子 |
| 祖母の団子少々大ぶり月今宵 | 千葉 | 若土裕子 |
| なじみたる形見のゆびわ林檎むく | 千葉 | 若土裕子 |
| 切っ先に秋鯖は腹晒しゐる | 千葉 | 青山果楠 |
| 山の田を呑み込まんとや葛かずら | 千葉 | 池田祥子 |
| 草引いて尻餅つけばいわし雲 | 千葉 | 木地隆 |
| 神宮の木に空蝉のデモ行進 | 千葉 | 谷口正人 |
| 天国のともがき如何に新走り | 東京 | 神谷宣行 |
| 博多の出東なじめず蔦紅葉 | 東京 | 長尾貴代 |
| 捩花言わずもがなをいいつのり | 東京 | 長尾貴代 |
| 名も知らぬ茸の家族今朝の道 | 東京 | 堀越としの |
| 大根も子供ものせて猫ぐるま | 東京 | 櫻井滋 |
| 熊も猪も懐に入れ山眠れ | 東京 | 櫻井滋 |
| 更にまたコロナワクチン秋の雲 | 神奈川 | 伊藤靖子 |
| コスモスは海辺の丘がよく似合う | 神奈川 | 遠藤初惠 |
| オスプレイ一機飛んでた秋の空 | 神奈川 | 遠藤初惠 |
| 一心に友の記憶を赤のまま | 神奈川 | 三浦イシ子 |
| 思ふこと塵と散らすや秋の風 | 神奈川 | 三浦イシ子 |
| 小鳥来る大きな空とともに来る | 神奈川 | 三玉一郎 |
| 總持寺の踊りの右往左往かな | 神奈川 | 植木彩由 |
| 五感へと沁みる一房黒葡萄 | 神奈川 | 片山ひろし |
| 萩ほつほつ言葉ほつほつ日の差し来 | 神奈川 | 中丸佳音 |
| 白萩のたましひゆるるほどの風 | 神奈川 | 中丸佳音 |
| 秋風やバケツ転がるシェア畑 | 神奈川 | 藤澤迪夫 |
| 不知火の苦海の闇へ十三夜 | 神奈川 | 藤澤迪夫 |
| ふるさとの香り楽しむ今年蕎麦 | 神奈川 | 片山ひろし |
| 灼熱の墓石に水かける秋 | 新潟 | 安藤文 |
| 米を炊く我は独り身耕畝の忌 | 新潟 | 安藤文 |
| 風鈴の不意に止みたるあと静寂 | 新潟 | 高橋慧 |
| 濡れそぼつ一羽の烏秋の雨 | 新潟 | 高橋慧 |
| 猪罠の前をいういう猪通る | 富山 | 酒井きよみ |
| 瓜坊や母のうしろを一列に | 富山 | 酒井きよみ |
| 鰯雲平和町てふ団地老ゆ | 石川 | 松川まさみ |
| 竜淵に沈むやぽつと金の泡 | 石川 | 松川まさみ |
| 童心に帰る夜長やだまし船 | 石川 | 密田妖子 |
| 冬瓜としばし格闘腕の筋 | 石川 | 密田妖子 |
| 思ひ出にそつと寄り添ふ野菊かな | 石川 | 清水薫 |
| かすむ目に残さん今日の巨き月 | 長野 | 金田伸一 |
| 啄木鳥の探れる森の深みかな | 長野 | 大島一馬 |
| 溶岩に秋色濃かり浅間山 | 長野 | 大島一馬 |
| 黒鶫美声ふりまき去り行きぬ | 岐阜 | 三好政子 |
| 破れ土嚢露草の花咲かしをリ | 岐阜 | 三好政子 |
| 露の玉毛虫のけさき一つづ | 岐阜 | 梅田恵美子 |
| 長茄子の尻に白露の一滴 | 愛知 | 稲垣雄二 |
| いちじくをいちじくとなす皮一枚 | 愛知 | 稲垣雄二 |
| 朝露の消ゆるが如く人の逝く | 愛知 | 青沼尾燈子 |
| 浜梨をジャムにと叔母の浜に生き | 愛知 | 宗石みずえ |
| またひとつ家失せにけり猫じゃらし | 京都 | 三原尚子 |
| 秋風や開講前のキャンパスに | 京都 | 三原尚子 |
| かまきりの気配を消してゐるらしく | 京都 | 諏訪いほり |
| 咲き初めし萩のことなど片便り | 京都 | 諏訪いほり |
| 捨てられて優しき顔の案山子かな | 京都 | 氷室茉胡 |
| 冷まじや年齢欄の「□100以上」 | 京都 | 氷室茉胡 |
| この国の崩れゆくさま葛の花 | 大阪 | 齊藤遼風 |
| 焼味噌や端の端まで母の味 | 大阪 | 安藤久美 |
| 豆腐屋の移動販売秋の声 | 大阪 | 木下洋子 |
| 丹波来て大釜炊きの栗の飯 | 大阪 | 木下洋子 |
| 不知火や神代もここに漁りて | 大阪 | 澤田美那子 |
| 若き日の一冊のごと野菊咲く | 大阪 | 澤田美那子 |
| 秋分やカラリと反る喉仏 | 兵庫 | 加藤百合子 |
| 休耕田なれど稲の香在りにけり | 兵庫 | 吉安とも子 |
| 指輪食ひ込む手のあつぱれよ稲の花 | 兵庫 | 藤岡美恵子 |
| 雪洞の続く坂道風の盆 | 兵庫 | 福田光博 |
| 退院や歩む背中へ秋の風 | 兵庫 | 高見正樹 |
| 台風過艀二艘を曳く小船 | 兵庫 | 高見正樹 |
| 秋の暮八十路の癌に戸惑える | 兵庫 | 高見正樹 |
| 踊り果て深編笠に秋の風 | 兵庫 | 福田光博 |
| 人類は惑いてをりぬ穴まどひ | 兵庫 | 吉安とも子 |
| 大陸をオオカバマダラ渡る秋 | 奈良 | 中野美津子 |
| うち吹雪く珊瑚の卵けふの月 | 和歌山 | 玉置陽子 |
| もう出せぬ母への手紙けふの月 | 和歌山 | 玉置陽子 |
| まだ夢を見てゐる葡萄剪りにけり | 和歌山 | 玉置陽子 |
| 子規の忌や子規のよはひを病みて越え | 岡山 | 北村和枝 |
| 永遠に続きさうなる秋暑かな | 岡山 | 北村和枝 |
| 孫の手に鎌で剥いては真桑瓜 | 岡山 | 齋藤嘉子 |
| 句と友とわが今生は豊の秋 | 岡山 | 齋藤嘉子 |
| 窓開き名月直に浴びて寝む | 広島 | 鈴木榮子 |
| こねこねて月見団子や共白髪 | 広島 | 鈴木榮子 |
| 海渡り来し月餅の潮焼けて | 広島 | 鈴木榮子 |
| あぶれ蚊や吾に寄り来て二三日 | 長崎 | ももたなおよ |
| 蚯蚓鳴く介護疲れの枕元 | 長崎 | 川辺酸模 |
| 蚯蚓鳴く平和の世界疑はず | 大分 | 山本桃潤 |
| 耳立てて由布山は聞く秋の風 | 大分 | 山本桃潤 |
| 老妻の秋の布団のふつくらと | 大分 | 山本桃潤 |
| 善人は露に凡夫は塵とならん | 大分 | 竹中南行 |
