ネット投句(2018年9月30日)選句と選評
①今回、特選ありません。
②意味不明、逆に説明、ただごとにならないように。
【入選】
天花粉二十二世紀見届けよ 04_宮城 長谷川冬虹
今朝の秋ぬつと背中を向けて海 07_福島 渡辺遊太
@もっとはっきりした句に。
朝顔の蔓剥しをり秋の風 11_埼玉 おほずひろし
@秋の風、不要。
鬼やんまもう幾年も見てをらず 11_埼玉 上田雅子
たわわなる酢橘枝ごと届きけり 11_埼玉 上田雅子
静けさやゆっくり焼ける籾の殻 12_千葉 池田祥子
列車ゆく越後の稲穂きらきらと 13_東京 安藤文彦
露けしや髭を剃る手のぎこちなく 13_東京 外澤桐幹
避難所に向かう我らに夕時雨 13_東京 荒木大和
食欲は無くてもよろしとろろ汁 13_東京 柴田清栄
松手入松のこころをさぐりつつ 13_東京 神谷宣行
@同工、山とあり。
犀の木といへどやわらか匂い立つ 13_東京 太田直子
@やはらか、匂ひ
のぼりゆく尻白き鹿見え隠れ 13_東京 長井亜紀
@見え隠れ尻白き鹿登りゆく、と直しても何か不足。
人の目に触れて淋しき秋の蛇 14_神奈川 湯浅菊子
@これも中途半端。
まっすぐに噴煙浅間山秋思 14_神奈川 金澤道子
秋澄むや鏡に映るいやな顔 14_神奈川 三玉一郎
根つこごと抜ければ捨つる猫じやらし 14_神奈川 松井恭子
皮むきも秋の楽しみ栗ごはん 14_神奈川 水篠けいこ
湯沸して枝豆摘みに走りけり 20_長野 金田伸一
優しさや真夜中ばばに月の光 20_長野 柚木紀子
青毬栗大きく拙く純熱に 20_長野 柚木紀子
この国の滅び近しと鉦叩 23_愛知 稲垣雄二
@常套。
暗闇に鳴子を引くは鬼の子ぞ 23_愛知 稲垣雄二
@暗闇の、ぞ→か
生き過ぎたかとしみじみさせる野分かな 23_愛知 服部紀子
@長すぎる。
台風のことなど話し忌を修す 26_京都 諏訪いほり
子らはみな親となりけり秋薔薇 26_京都 諏訪いほり
秋の蝶五重塔の高みまで 26_京都 氷室茉胡
叔父叔母のみな息災に今日の菊 27_大阪 内山薫
絵唐津の竹のひとふし新酒酌む 27_大阪 齊藤遼風
@絵唐津に
脳みその皺をやしなふ秋の夜 28_兵庫 加藤百合子
@秋の夜、ダメ。
木漏れ日のこぼれやまずや曼珠沙華 28_兵庫 重定克則
二十七回忌に友来秋桜 29_奈良 真知子眞知
講堂の漆の床へ秋日差す・ 29_奈良 真知子眞知
颱風来多めにおでんなど作り 37_香川 丸亀葉七子
@作る
すわりたる一畳ひろき子規忌かな 38_愛媛 岡崎陽市
人びとがゆきかふ奈良といふ花野 38_愛媛 岡崎陽市
なにもなきそらをみつめて晩秋か 38_愛媛 岡崎陽市
台風の真只中よカレー煮る 38_愛媛 豊田喜久子
亡き祖母の絣着てゐる案山子かな 42_長崎 川辺酸模
草の実を一杯つけて帰りけり 44_大分 山本桃潤