ネット投句(2018年9月15日)選句と選評
①やや回復。
②言葉がごちゃごちゃな句がたくさん。推敲を。
③どっしりとして、すっきりしている、そんな句を。
【特選】
虫の夜や眠れぬもよし覚めざるも 07_福島 渡辺遊太
ひき千切れひび割れてこの国の秋 11_埼玉 上田雅子
秋風や蝶うへになりしたになり 11_埼玉 上田雅子
だだちや豆おしあいへしあい茹であがる 13_東京 岡 恵
@あひ
必読と言はれて四年夜長かな 13_東京 外澤桐幹
長き夜の漂流記より戻り来ず 13_東京 西川遊歩
大空を大河のやうに秋の風 22_静岡 池ヶ谷章吾
台風の孤独の力凄まじや 23_愛知 稲垣雄二
貧しさは愚かにあらずきりぎりす 27_大阪 古味瑳楓
@貧しき
なにくはぬ顔して空の高さかな 27_大阪 内山薫
闇と闇ぶつかり合へる野分かな 38_愛媛 木下誠
きのふよりけふは親しき鉦叩 38_愛媛 木下誠
露の世に生きては露にまみれけり 38_愛媛 木下誠
@生れて
【入選】
北限の無花果や皿山盛りに 03_岩手 川村杳平
@や→を?
やまなしの鈴生り大樹匂ひけり 03_岩手 川村杳平
@言葉多すぎ。
なきしきり牧水の歌碑小鳥来る 05_秋田 佐藤一郎
秋風や全集もまた反古ならん 11_埼玉 おほずひろし
@反古にせん
突っ込めるゼットコースター秋の中 11_埼玉 園田靖彦
@動きを生かすように。
霧雨のはや雨だれとなりにけり 11_埼玉 若土裕子
蜻蛉の一瞬消ゆる三次元 12_千葉 森住昌弘
秋雨や音は私の周りだけ 12_千葉 森住昌弘
はるか来てあきつこの世の水を打つ 12_千葉 池田祥子
仲良しの姉妹のごとく秋の蝶 13_東京 柴田清栄
白髪染めきつぱり止めて秋に入る 13_東京 柴田清栄
秋雨の香り浸み込む新聞紙 13_東京 神谷宣行
@香りか匂ひか
月の沼眠れる水に鳥抱かれ 13_東京 西川遊歩
野分それ力抜けたる夕餉かな 13_東京 太田直子
栗おこは触れれば栗は真二つに 13_東京 長井亜紀
@に、不要
月上る父子の眠りすこやかに 13_東京 長井亜紀
@月照らす?
涼しさと競うごとくに虫の声 14_神奈川 伊藤靖子
@涼しさを競ふ
雨戸繰る間におはる秋夕焼 14_神奈川 越智淳子
虫籠の胡瓜を替へて灯を消さん 14_神奈川 金澤道子
@消して
てのひらを桃のかたちに桃を受く 14_神奈川 金澤道子
日に一度柿を見に来る鴉かな 14_神奈川 三玉一郎
八月を忘れぬための九月かな 14_神奈川 三玉一郎
台風が壊した街を直す音 14_神奈川 三玉一郎
もう風と遊ばぬ蔓をたぐりけり 14_神奈川 松井恭子
手を引いて白粉花の種取りに 14_神奈川 水篠けいこ
アフリカの月の色かやオクラ咲く 14_神奈川 水篠けいこ
大虚子のちから底なし白牡丹 20_長野 金田伸一
耳ばかり起きて涼しや手術台 20_長野 金田伸一
詩を産ましめき秋白日不思議 20_長野 柚木紀子
夫のゐぬリビング広し鰯雲 21_岐阜 夏井通江
停電の夜やしみじみと虫の声 26_京都 諏訪いほり
@夜は
介護受く話ちらほら白露かな 26_京都 氷室茉胡
無惨やな残りし蝶が泥を吸ふ 27_大阪 安藤久美
天地を悼みて響く鐘の秋 27_大阪 喜田りえこ
大いなる壺中にわれら月天心 27_大阪 古味瑳楓
駄々捏ねてどの子も宝猫じやらし 27_大阪 福田弘子
秋暑し乳を離さぬ赤ん坊 27_大阪 木下洋子
二つ三つ椿に花芽野分あと 27_大阪 澤田美那子
@椿に花芽二つ三つ
漬物の甕でありしを虫の秋 27_大阪 澤田美那子
産土に二泊三日や早稲を刈る 27_大阪 齊藤遼風
秋高しコンマ3桁の青春 28_兵庫 加藤百合子
暴風雨さりて秋草あたらしき 28_兵庫 加藤百合子
@あたらしく
蓮の実の飛んであなたを授かりぬ 33_岡山 齋藤嘉子
@あなたとは?子どもなら理屈。
小鳥来る旅した数のこけしかな 37_香川 丸亀葉七子
@こけしあり。来る、不要。
手にさわぐコスモスといふ風の束 38_愛媛 岡崎陽市
さびしさが花たばとなる花野かな 38_愛媛 岡崎陽市
@甘し。
糠床に秋茄子ふたつ埋めて寝る 38_愛媛 豊田喜久子
もう一人我見る我や虫の闇 44_大分 山本桃潤
秋めくや洗面の水手に受ける 44_大分 竹内幸一
@散文にならないように。手に受けて、からはじめる。